
家の中で見かける昆虫の中でも、アリは、その大きさからあまり気にしないという方が多いです。室内でアリを見かけた場合でも、そのサイズの小ささから、一匹であれば特に気にしなくても良いと考え放置してしまう人が多いのではないでしょうか?
確かに、木材をエサとするシロアリと比較した場合、屋外でも見かけることが多い普通のアリに関しては、建物のそのものに大きな被害をもたらすようなことはありませんし、急いで専門業者に駆除を依頼するといった問題までは発展しないことが多いはずです。
しかし、家の中であまりにも頻繁にアリを見かけるという場合は、さまざまなリスクが生じていると考えられるため、適切な対処を早めに実行するのがおすすめです。そもそも、屋外で生息するアリを家の中で見かけるのはなぜなのでしょうか?
この記事では、家の中に小さなアリが侵入してくる原因や主な侵入経路、侵入を防ぐための対策などについて解説します。
家の中に侵入するめちゃくちゃ小さいアリの正体と放置するリスク
それではまず、家の中でアリを見かけた時、それを放置するリスクなどについて解説します。冒頭でご紹介したように、通常のアリの場合、シロアリと異なり建物そのものにダメージを与えるような事がないため、家の中にいても放置しておけば良いと考える人も多いです。しかし実は、家の中に侵入したアリを放置した場合、さまざまな問題に発展することがあるのです。
また、家の中に侵入してくるアリの中には、屋外で見かける通常のアリと比較して、非常に小さなものがいます。そのため、めちゃくちゃ小さいと感じるアリを見かけた時には、「本当にアリなのか?」と疑問に感じてしまう人も多いようです。そこでここでは、家の中で見かけることがある、小さなアリの正体についてもご紹介します。
室内のアリを放置するリスク
アリは、サイズが非常に小さいですし、木材を食べるシロアリでないかぎりは、室内で見かけても「特に害はない」と、放置されてしまうケースが多いです。しかし、アリが家の中に侵入すると、以下のようなさまざまな問題を引き起こす可能性があるのです。
- 食品にアリが群がりダメになる
- 人がアリに噛まれる
- 家具をかじられて品質低下を引き起こす
- 家電内部に入り込み故障の原因となる
上記のように、家の中にアリが侵入すると、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
例えば、食品にアリが群がってしまうと、廃棄せざるを得なくなりますよね。一般的には、砂糖など甘いものに群がるというイメージを持たれているアリですが、肉や魚なども食べるので、室内でアリが繁殖してしまうと、さまざまな食品がダメになってしまう可能性があるのです。
他にも、アリの中には人に噛みつく種類のものがあるため、室内へのアリの侵入は直接的な被害に発展するケースもあるのです。また、サイズが非常に小さなアリは、どこにでも侵入できてしまうため、家電製品の中などに入り込み、それが原因で故障を引き起こすなどの問題が発生する可能性があるのです。
このように、建物そのものを食害するわけではない通常のアリでも、人の日常生活を考えると、さまざまな問題を引き起こす可能性があるのです。
家の中に侵入するアリの種類
アリと聞いて、多くの方が思い浮かべるのは、クロオオアリと呼ばれる種類だと思います。日本列島に広く分布する大型のアリ(体長は約7〜12 mm)で、春から秋にかけては公園や道端などでよく見かけるようになります。
ただ、家の中に侵入してくるアリについて、屋外で見かける物よりも「めちゃくちゃ小さい」と感じる物も多いはずです。そこでここでは、家の中で見かけることが多い、小さなアリの種類とその特徴についてご紹介します。
- ヒメアリ
体長が約1.5mm程度と、クロオオアリと比較するとかなり小さいです。赤茶色〜黄褐色で、お尻が黒っぽいことが特徴のアリで、動きが活発で甘いものに集まる傾向にあります。そのため、台所やお菓子の包装などをそのままの状態で捨てたゴミ箱などで見かけることが多いはずです。 - イエヒメアリ
ヒメアリよりもさらに小さいアリで、黄色っぽい見た目をしています。このアリは、分巣(複数の巣)を作るため、家の中に発生すると駆除が非常に難しいのが特徴です。家の中にある隙間や壁の裏などに巣を作ることがあります。 - トビイロケアリ
体長は3~4mm程度と、ヒメアリよりも少し大きいです。吸蜜性でアブラムシの甘露や砂糖などに集まる習性を持っています。また、羽アリとなると灯火に誘引されることもあります。家の名では、キッチンや食べ物の残りかすに群がる傾向にあるのですが、風呂場(木材の腐朽部から出ることも)などで見かけることもあるとされています。 - クロヤマアリ
体長4.5〜6 mmで、灰色または褐色がかった黒色をしています。クロオオアリに似ていますが、胸部の背縁が二山となるため区別できます。家の中で砂糖などをこぼして放置しておいたら、群れで現れることがあります。
上記のように、家の中で見かける小さなアリでも、さまざまな種類があります。
アリの侵入経路と対処策について
それでは、上記で紹介したようなアリは、どこから家の中に侵入してくるのでしょうか?また、家の中でアリを見かけた時には、どのような対処をすれば良いのかについてもご紹介します。
アリの侵入経路
まずはアリの侵入経路についてです。これについて、全てのアリについて「〇〇から侵入している」など、特定の場所があるわけではありません。
上述したように、アリは非常に小さな昆虫であることから、壁や窓などの僅かな隙間からでも家の中に侵入することが可能です。また、エアコンなどの配管を通って家の中に侵入したり、網戸やサッシの隙間から侵入するというのも主な経路となるでしょう。アリは、直角の壁でも平気で上ることができるため、2階部分からも余裕で家の中に侵入するという点も注意が必要です。地面から遠い2階部分の窓に関しては、油断してあけ放っているお宅もあるのですが、飛翔昆虫でなくても普通に侵入口となるということは頭に入れておきましょう。
この他にも、鉢植えの植物を育てているお宅の場合、植木鉢を外に出した時にアリが付着し、それに気づかずに屋内に持ち込むことで家の中に招き入れているケースもあります。実は、家の中で見かけるアリについては、住人さんの行動によって招き入れているケースも少なくないのです。暖かくなる時期になると、洗濯物にアリが付着するケースも増えますし、ペットなどに付着して侵入するケースも多くなるはずです。したがって、可能な限りアリの侵入を防ぎたいを考えるなら、屋外から屋内に入れる場合は、全てのモノについてアリの付着を慎重に確認するようにしましょう。
このように、小さな昆虫であるアリは、あらゆる場所から家の中に侵入する可能性があると考えなければいけません。
家の中でアリを見かけた時の対処法
それでは、家の中でアリを見つけた時の対処法についてもご紹介していきます。通常のアリは、シロアリのように建物そのものを食べてしまうなど、致命的な問題が発生するわけではありませんが、それでも見つけた時にはすぐに駆除したいと考えるはずです。
そこでここでは、家の中でアリを見つけた時の対処法について解説します。
スプレーや掃除機などで駆除する
最も単純な対処法としては、家の中でアリを発見した際は、掃除機を使って吸い取るか、市販の殺虫剤で駆除するという方法です。殺虫スプレーの利用は即効性が高いという利点があるのですが、周囲にスプレーの成分が広がりやすいので、その点は注意しましょう。家の中に侵入するアリは、食べ物を目指してくるわけなので、食品などが多く保管されているキッチンに現れることが多いです。そのため、殺虫成分が拡散してしまうと、他の問題に発展する可能性があるのです。殺虫剤を使用する際は、換気をしっかりと行ったうえ、食品や食器に殺虫成分がかからないようにしましょう。
掃除機でアリを吸い取るという方法の場合、掃除機内でアリが生きている可能性があります。そのため、アリを吸いっとった後は、すぐに掃除機内のゴミを袋に入れ替え、アリが出てこれないように口を密閉してください。そして、ゴミ出しまでは、外で保管するようにしましょう。
ちなみに、アリ専用の殺虫剤がない場合には、「食器用洗剤+水」で即席の殺虫剤を作ると良いです。スプレーボトルに薄めた洗剤を入れ、アリに吹きかければ、界面活性剤の作用で呼吸を妨げるなど、殺虫効果が得られます。
ベイト剤やトラップを設置
アリは、目の前にいるものを駆除しただけでは、すぐに別の働きアリが現れてしまいます。アリの根本原因である『巣』が残っている場合、イタチごっこになってしまう可能性があるのです。
このよう場合、アリの通り道にベイト剤を設置するという方法が有効です。ベイト剤は、働きアリがエサと勘違いして巣に持ち帰ることで、巣の中にいる女王アリや他の個体にもその効果が広がり、アリのコロニー全体を一網打尽にすることができるのです。
アリを駆除するためのベイト剤は、ドラッグストアやホームセンターなどで販売されているので、家の中でアリを見つけた方は、目に見えるアリを駆除した後に設置しておくのがおすすめです。
アリを寄せ付けないためのポイント
それでは最後に、家の中にアリが侵入してこないようにするためのポイントについてもご紹介していきます。私たちが生活する住宅の周りには、たくさんの昆虫が存在していて、その中でもアリは最も身近な昆虫と言っても良いような存在です。
そのため、上で紹介した方法によって巣ごと駆除したとしても、またすぐに別のコロニーが形成され、家の中に入ってくる可能性が出てくるのです。つまり、家の中へのアリの侵入を防ぐためには、駆除以外の部分にも注目する必要があるわけです。
ここでは、家の中に可能な限りアリを侵入させないようにするためのポイントをいくつかご紹介していきます。
アリ誘引する原因をなくす
家の中へのアリの侵入を防ぐには、アリを誘引する物に対策を施すことが重要です。簡単に言うと、アリのエサを無くすということです。
家の中に侵入するアリは、食べこぼしや生ごみ、砂糖などに誘引されています。つまり、キッチンなど、アリのエサとなるものが多い場所について、普段から整理整頓や掃除を小まめに行い、アリを誘引しない保管方法を心がけることが大切なのです。
例えば、砂糖など、アリが好む食べ物に関しては、きちんと密閉できるよう気を使って保存する、食べこぼしなどは小まめに掃除する、台所のシンクについても、食材カスや油分を小まめに落とすといったことに注意すれば、エサをめがけてやってくるアリを防ぐことができます。なお、スナック菓子の袋などについては、食べた後はそのままゴミ箱に入れてしまうという方が多いと思います。しかし、袋の内部にはお菓子のかけらなどがたくさん付着しているはずで、そのままゴミ箱に放置すると、そこにアリが寄ってきてしまう可能性があります。したがって、アリを誘引する可能性があるゴミに関しては、密閉できるタイプや消臭機能が搭載されたゴミ箱を用意し、そこに捨てるようにしましょう。
この他、見落とされてしまいがちなのが、ペットのエサです。ペットに与えるエサは、アリにとってもエサになるもので、ペットがご飯を食べた後、そのまま長時間放置していると、そこにアリが寄ってくる可能性があります。したがって、ペットの食器に関しても、食事が終わったらすぐに洗うようにしましょう。
侵入経路をふさぐ
家の中にアリを誘引しないようにするためには、アリのエサとなるものを少なくすることが有効です。しかし、人が住む住宅の場合、どれだけ注意していたとしても、ちょっとした食べかすなどが残ってしまうのは当然です。そのため、アリのエサを残さないようにするという対策に合わせて、アリが侵入できる経路を可能な限り少なくするという対策も実施すると良いです。
アリは、さまざまな昆虫の中でも特に小さいことが特徴なので、本当に僅かな隙間からでも家の中に侵入してきます。したがって、アリの侵入口となる隙間を可能な限りふさぐことが大切です。
例えば、窓枠やドアの隙間や通気口周りの隙間などに関しては、コーキング材やパテなどを使って完全にふさぐようにしましょう。この際には、小さな隙間も残らないように注意しながら施工することが大切です。また、通気口や排水管を使って侵入してくるものもいるので、そういった場所からの侵入を防ぐためにも、防虫ネットなどを使って侵入口を塞ぐと良いです。
住宅に存在する隙間を全て完全にふさぐというのはなかなか難しいですが、侵入口が少なくなれば、その分、アリの数は減少すると思うので、できるだけ丁寧に塞いでいきましょう。
アリの発生源への対策
家の中へのアリの侵入を防ぐには、そもそも「家の周りでアリを繁殖させない」ということが大切です。家の近くで大量のアリが繁殖していれば、エサを求めて家の中に侵入するだけでなく、洗濯物を取り込む際やペットが出入りする時に、自然とついてきてしまうことも考えられるのです。
したがって、家のアリ対策を考えた時には、家の周りでアリが繁殖しないような環境を作るという対策を検討しましょう。例えば、植木鉢などの植栽に関しては、建物から2m以上離した場所に配置する、落ち葉や枯れ枝などは小まめに片づけてアリの住処を無くす、雨水などが溜まったバケツや容器は片付けるなどの対処が有効です。
また、家の周囲を周ってアリの巣ができていないか、確認するという行為を定期的に行うという対策も有効です。
まとめ
今回は、住宅の害虫問題の一つである。家の中に侵入する小さなアリについて解説しました。
記事内でもご紹介した通り、屋外でも見かけることが多い普通のアリについては、シロアリのように建物そのものを食害するようなことがないため、家の中に侵入されてもそこまで気にしないという方がいます。しかし、家の中に小さなアリが侵入してきた場合、そこに住む人が噛みつかれてしまう他、家電製品の中に入り込み、故障を引き起こしてしまう可能性があるなど、普通のアリでもきちんと対処する必要があるのです。
家の中へのアリの侵入は、そのほとんどが「エサ」を目指してやってきています。家の中には、アリの好物となるものが意外に多いため、何も考えずに生活をしているとアリを引き寄せてしまう可能性があるのです。記事内では、家の中でアリを見つけた時の対処法は、その後の侵入防止策を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、家の害虫対策としては、気密性を高めるということが非常に有効です。気密性を高めるということは、家の生じる隙間が少なくなることを意味するので、アリなどの小さな昆虫も侵入できなくなるのです。
