新築住宅の購入を検討している方の中には、オール電化とガス併用どちらにすれば良いのか悩んでしまう方が多くなっています。

オール電化とは、文字通り家の中で使用するエネルギー源を電気に統一することを指しており、ガス併用は、従来通り電気とガス両方をエネルギー源とする設備を導入することになります。近年では、さまざまな部分の進化が急速に進んでおり、私たちの日常生活を支える住宅設備に関しては、信じられないぐらいのスピードで便利さが向上しています。
また、地球温暖化などの環境問題についても、一般住宅領域での取り組みが非常に重要とみなされるようになったことから、日本国内でも一部の都市では太陽光発電などの再エネ設備の設置が義務化されるようになっています。太陽光発電システムなど、自宅に発電設備を備えることができれば、家の中で使用する設備に関して、全て電気に統一することで日々の生活にかかる電気代を大幅に削減することができると期待できます。

ただ、オール電化住宅は、地震や台風などの自然災害で停電が発生した際、全ての設備が使えなくなるのではないか…と言った大きな落とし穴があるため、「オール電化とガス併用なら、実際どっちが良いのだろう?」と迷ってしまう方が多いのです。そこでこの記事では、新築住宅の購入を検討している方が気になる、オール電化とガス併用について、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

オール電化とガス併用、それぞれの特徴とは?

新築住宅の購入を検討している方で、オール電化とガス併用に迷っている方は、どちらを選択するのかによって導入する設備が変わるということを認識しておきましょう。冒頭でご紹介したように、オール電化は、家の中で使用するエネルギーを全て電気に統一する住宅のことを指します。そしてガス併用とは、電気とガス両方を利用することになるのです。

そのため、オール電化住宅とガス併用の住宅では、以下のように、導入することになる設備が変わります。

  • オール電化住宅の特徴
    調理、給湯、暖房などのエネルギーを全て電気で賄う住宅を指しています。例えば、キッチンにはIHクッキングヒーターを設置して調理に使う、給湯は電気温水器もしくはエコキュートを利用する、暖房器具はエアコンや電気ストーブ、電気式の床暖房などを使うことになるのが特徴です。
  • ガス併用の住宅の特徴
    ガス併用とは家のエネルギーとして電気とガスの両方を使います。例えば、キッチンにはガスコンロを設置する、給湯はガス給湯器を設置、暖房はガスストーブやガス温水床暖房を使用します。その一方で、照明やその他の家電では電気も利用することになるため、ガスにエネルギーを統一するのではなく、併用する形になるのが特徴です。なお、近年では、ガス併用でも給湯部分にエコキュートを設置する、キッチンにIHクッキングヒーターを設置するというご家庭も多くなっています。

オール電化住宅とガス併用の住宅の特徴は上記の通りです。なお、オール電化は、2000年頃から普及が始まったまだ新しい住宅の形で、現在でも全体の10%程度を占めるぐらいだとされています。ただ、新築業界では、オール電化を選択する人が徐々に増えていて、近年の新築ではオール電化を選ぶ方が約3割程度にまで増えています。それでも、一般的な住宅の形は、ガス併用と考えられるでしょう。

オール電化とガス併用は、新築に設置する住宅設備の種類が変わるわけですので、日常生活における利便性などにも大きな影響を与えます。したがって、オール電化かガス併用かで迷った時には、両者のメリットとデメリットをしっかりとつかみ、自分たちにとってどちらが最適なのかを慎重に検討する必要があると考えましょう。

オール電化のメリットとデメリットについて

それではまず、新築購入時に迷う方が多いオール電化とガス併用について、オール電化住宅を選ぶことで得られるメリットと注意すべきデメリットをご紹介します。オール電化住宅が注目される理由は、日々の生活にかかる光熱費の削減が目指せるというポイントが大きいのですが、これ以外にもさまざまなメリットが存在します。

以下でオール電化のメリットとデメリットについて代表的なポイントをあげていきます。

オール電化のメリット

まずはオール電化住宅を選ぶことで期待できるメリット面からです。オール電化住宅には、以下のようなメリットがあるとされています。

■メリット1 光熱費削減が期待できる
オール電化住宅最大のメリットとされているポイントが、日々の生活にかかる光熱費の削減が期待できるという点です。オール電化住宅は、上述の通り、家の中で使用するエネルギーを電気に統一する住宅を指しています。これだけを聞くと、ガス代が電気代にかわるだけで、そこまで大幅な光熱費削減は実現しないのでは…と感じてしまう方も多いかもしれません。

しかし実は、ほとんどの電力会社は、オール電化住宅用の料金プランを作っていて、そのプランに加入することで光熱費の削減が目指せるようになっています。オール電化プランは、夜間の電気料金単価が格安に設定されているのが一般的で、格安の電気代で給湯を賄えるようになることから、日々の生活にかかる電気代が削減できるようになっているのです。また、食洗機や洗濯機などについても、ほとんどの物にタイマー機能が付属されていますので、電気代が安くなる時間帯に稼働するように設定すれば、そういった家電の使用についても電気代の削減が可能です。この他、オール電化にすれば、ガス会社との契約が不要になるため、ガスの基本料金も削減することが可能です。

このように、オール電化住宅は、太陽光発電などの再エネ設備を利用しなくても、光熱費の削減が目指せます。

■メリット2 太陽光発電や蓄電池との相性が良い
オール電化住宅は、太陽光発電設備や家庭用蓄電池など、近年、一般住宅への導入が進んでいる設備との相性が非常に良い点もメリットの一つです。これらの設備は、ガス併用でも有効な設備と言えますが、オール電化の場合、それぞれの設備の能力を最大限発揮させることができるようになるでしょう。

特に、太陽光発電+家庭用蓄電池+オール電化という体制を作れば、日々の生活にかかるエネルギー全てを自家発電で賄うことも不可能ではなく、「光熱費0円が実現できるかも!」と言った究極の光熱費削減対策になるのです。もちろん、現状では、光熱費を完全に0円にすることはかなり難しいと言えますが、設備がさらに進化していくことで、近い将来実現可能かもしれません。

オール電化住宅は、家の中で使用するエネルギーを電気に統一していますので、太陽光発電で作った電気で日中過ごしながら、余剰電力を蓄電池に貯め、夜間に蓄電池から電力を供給するという体制を作ることが可能です。この体制を作ることができれば、電力会社からの買電量を極限まで少なくすることができますので、電気代高騰が社会問題となっている現在の日本では、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

■メリット3 請求元を一元化できるため、手間が少なくなる
これは、そこまで大きなメリットとは言えませんが、手間が省けるのは事実です。オール電化住宅の場合、電力会社との契約だけで済みますので、光熱費の請求は電気のみとなります。

したがって、契約時の手間や毎月の光熱費の管理が楽になるというメリットが得られます。請求元が一元化できれば、毎月どれほどの光熱費がかかっているのかも分かりやすくなるため、節約を考えた時にはその効果なども確認しやすくなるでしょう。

■メリット4 IHクッキングヒーターは日々のお手入れが楽になる
オール電化住宅を選択した場合、キッチンに設置するコンロは、電気をエネルギー源とするIHクッキングヒーターが選ばれます。実は、キッチンに設置されるのがIHクッキングヒーターになることで、日々のお手入れが非常に楽になる点をメリットとして指摘する方も多いです。ちなみに、ガス併用の場合でも、コンロはIHクッキングヒーターを選択すると言う方も増えているようです。

ガスをエネルギー源とするガスコンロは、鍋やフライパンを置くに「五徳(ごとく)」と呼ばれる部品が取り付けられています。そしてこの五徳が、コンロ周りの掃除を難しくしているのです。一方、IHクッキングヒーターは、天板がフラットで、凹凸がない作りになっています。そのため、調理中に吹きこぼれなどがあっても、布巾でさっと拭くだけで綺麗にすることができます。IHクッキングヒーターは、毎日さっと拭くだけで綺麗さを保てますので、お手入れを怠ることも少なく、大掃除の時なども非常に楽になると言われています。

■メリット5 家事や一酸化炭素中毒などの事故の失敗が少ない
オール電化住宅は、調理や給湯、暖房において、直接『火』を使わない仕組みになっています。そのため、ガス火を利用するガス併用と比較すると、引火などが原因となる火災の心配が少なくなります。実際に、火災保険商品の中には、オール電化を選ぶことで保険料が安くなるような商品も用意されているそうです。

さらに、火を使わないオール電化は、不完全燃焼による一酸化炭素中毒などの事故の心配もありません。もちろん、加熱中のIHクッキングヒーターの天板を触ると火傷の可能性があるなど、全ての事故の心配がなくなるわけではありませんが、それでもガス併用と比較するとその安全性は圧倒的に高くなると言えるでしょう。

実際に、小さなお子様や高齢の方と同居する場合には、オール電化を推奨するハウスメーカーが多いです。

■メリット6 常に非常用水を確保できる
オール電化住宅を選択する場合、給湯器がガス給湯器ではなく、電気温水器やエコキュートなど、電気をエネルギー源とする設備を導入します。そして、電気温水器やエコキュートは、『貯湯式』の給湯システムが採用されているのが特徴です。貯湯式の給湯器は、一日に使用するお湯をまとめて沸かしてタンクに貯めておくという仕組みになっています。キッチンやお風呂でお湯を利用する際には、タンクにあるお湯を供給することになるのです。

つまり、オール電化住宅の場合は、エコキュートのタンクなどに常に湯水が保管されているという意味で、万一自然災害などで断水が発生したとしても、タンク内の湯水を非常用水として活用することができるわけです。ガス給湯器は、その場で水道水を暖めて供給する仕組みなので、断水するとお湯も水も出なくなります。こういった給湯の仕組みの違いから、オール電化は断水に強いというメリットが得られます。

なお、近年では、エコキュートの給湯コスト削減効果が広く知られるようになり、ガス併用のお宅でも給湯器としてエコキュートを採用するお宅が増えています。この場合、ガス併用でも非常用水の確保が可能です。

オール電化のデメリット

ここまでの内容だけを見ると、「新築住宅を建てるなら、オール電化一択なのでは!?」と考えてしまうかもしれませんね。しかし、インターネットでオール電化について検索してみると「オール電化はやめておけ」と言った情報を見かける機会は多いです。

実は、上で紹介したような多くのメリットがあるオール電化ですが、決して見落とすことができないデメリットも沢山あるのです。ここでは、オール電化の導入に迷っている方がおさえておきたいデメリット面をご紹介します。

■デメリット1 逆に電気代が高くなることがある
上述したように、オール電化住宅を選択する方は「光熱費削減が期待できる!」という点を最大のメリットと考えてのことだと思います。しかし実は、家族のライフスタイルによっては、オール電化を選んだ方が光熱費が高くなってしまう可能性があるのです。

オール電化住宅の光熱費削減は、電力会社のオール電化プランを上手に活用することで得られます。このオール電化プランは、夜間の電気代が格安に設定されると紹介しましたが、実はその反面、昼間の電気代は割高な料金設定になっているのです。

そのため、太陽光発電設備を導入していないお宅で、昼間も沢山の電気を利用するお宅の場合、オール電化にすることでかえって光熱費が高くなってしまうケースがあるのです。特に、コロナ禍以降は、テレワークが導入され、在宅で仕事をするようになったことで、オール電化を選んだことに後悔し始めたという方が増えていると言われています。この問題を解消するには、太陽光発電を設置し、昼間の電気を自家発電で賄う、蓄電池を導入し夜間電力を昼間に使えるようにするなどの対策が必要です。

■デメリット2 設備の初期コストが高い
オール電化住宅は、新築時の設備に関する初期費用が高くなる点がデメリットです。オール電化を選択する場合、給湯はエコキュート、調理はIHクッキングヒーター、電気式の床暖房や複数のエアコンなどを設置することになります。ただ、ガス併用の場合に設置するガスコンロやガス給湯器などと比較すると、オール電化を実現するための設備は初期コストが高く設定されているのです。

なお、エコキュートなどのオール電化関連の設備に関しては、初期費用が高い分、日々の光熱費削減が実現しやすいです。つまり、中長期的な視点で考えると、コスト的なデメリットはないと言えるのですが、新築時は限られた予算でさまざまな費用を賄わなければならないことから、設備にかかる初期費用が高くなることをデメリットと感じる方が多いのです。

■デメリット3 給湯部分に使い勝手の悪さを感じる場合がある
これは、エコキュートなど、貯湯式の給湯器を利用している時のデメリットです。上述したように、ガス併用でもエコキュートを設置する方が増えていますので、オール電化だけのデメリットというよりは、エコキュートなどの貯湯式の給湯器におけるデメリットと言えます。

貯湯式の給湯器は、割安な夜間電力を利用して一日に使用するお湯をまとめて沸かします。沸かしたお湯は、保温機能を持つ貯湯タンクに貯めておくのですが、タンクに貯めていた以上のお湯を利用すると、お湯が出なくなってしまうのです。この場合、沸き増しすれば再びお湯を利用することができるようになります。ただ、沸き増しする場合、お湯が使えるようになるまでしばらく時間がかかる、エコキュート本来の光熱費削減効果が失われてしまうなどの別の問題が発生します。

ガス給湯器は、お湯が必要な時、その場で沸かす仕組みになっていますので、このような煩わしさを感じなくて済みます。したがって、もともとガス給湯器を利用していた方などは、オール電化の給湯機能に不便さを感じて、デメリットと指摘する人がいるのです。

■デメリット4 停電時は全ての設備が使えなくなる
オール電化住宅最大のデメリットは、何らかの理由で停電が発生した場合、全ての設備が利用できなくなる点を指摘する方が多いです。冒頭でご紹介したように、オール電化住宅は、調理、給湯、暖房など、家の中で使用るエネルギー全てを電気に統一した住宅のことを指しています。当然、エネルギー源が電気なのですから、停電が発生するとそれらの設備は動かなくなります。日本は、台風や地震など、自然災害の発生件数が非常に多い国として有名ですし、自然災害による停電被害は毎年どこかしらで発生しています。そう考えると、日本国内の住宅にて、オール電化を選択するのはリスクが大きいと考えてしまう方が多いかもしれませんね。

ただ、注意しておきたいのは、停電時に住宅設備や家電が利用できなくなるのは、ガス併用でも同じです。ガス併用のお宅の場合でも、照明などは電気を利用するので、停電が発生すると、当然使えません。ガスコンロやガス給湯器は使える…と考える人が多いのですが、実はこれらの設備も点火に電気を利用するので、停電時には使えない機種が多いです。(一部、乾電池で着火できるものはあります。)
こういったことから、停電が発生した際、生活に利用する設備が使えなくなるのは、オール電化もガス併用もそこまで変わらないと言っても良いです。さらに、オール電化の場合は、太陽光発電などの再エネ設備や、蓄電池の導入で、停電時でも普段と同じような生活を維持できる可能性があるため、設備を整えられるだけのコストをかけるならオール電化の方がリスクが低いと言えるかもしれません。

ガス併用のメリット・デメリット

それでは次に、新築住宅の購入で、ガス併用を選ぶ場合のメリットとデメリットもご紹介します。「ガス併用を選ぶ」と聞くと、何か大層な感じがしますが、ガス併用は、電力会社とガス会社双方と契約して電気とガスを利用する、従来型の住宅の形となります。

オール電化など、新たな住宅の形が注目されている中、従来型の家の形を選ぶにはどのようなメリットがあるのか気になりますよね。ここでは、ガス併用のデメリット面も合わせてご紹介します。

ガス併用のメリット

まずは、ガス併用の代表的なメリットをご紹介します。

■メリット1 設備の選択肢が多い
一つ目のメリットは、新築住宅を建築する際、給湯器やコンロ、暖房器具などの設備にかかる初期コストを抑えられるという点です。上述したように、オール電化の場合、給湯はエコキュート、コンロはIHクッキングヒーターなど、電気で稼働する設備を選ばなければならないと決まっています。

しかし、ガスを併用する場合、予算に合わせて自分たち家族が求める設備を選ぶことができるのです。電気とガス両方を引くわけですので、給湯器はガス給湯器とエコキュートどちらでも構いません。また、暖房機器に関しても、エアコンを利用する、ガス温水式の床暖房を設置するなど、機能やコストのバランスを考えながら自由に決めることが可能です。

ガスと電気を併用する住宅の場合は、この選択肢の多さが大きなメリットになります。

■メリット2 地域によってはガス併用の方が光熱費削減が期待できる
一般的に、光熱費削減を考えた時には、オール電化を選択したほうが良いとされています。しかし、都市ガスの場合は、利用料金がそこまで高くないので、地域特性などを考慮すると、ガス併用の方が光熱費削減を目指せる場合があるのです。

例えば、冬場の寒さが厳しくなる寒冷地などでは、ガス併用の方が冬場の暖房費用がおさえられるとされていて、年間コストで考えてもガス併用の方が安くなる可能性があるとされます。こういった地域は、太陽光発電などを設置しても、積雪によりパネルが隠れてしまうことで、冬場の発電量が期待できなくなります。そのため、オール電化の場合は、冬場の電気代が信じられないほど高くなることもあるようです。

■メリット3 設備に使い慣れている
冒頭でご紹介したように、オール電化は2000年頃より普及が始まったまだ新しい住宅の仕組みです。つまり、多くの方はガス併用という住宅の形になれていて、オール電化用の設備に使い慣れていない方の方が多いわけです。賃貸住宅なども、ガスと電気が併用されるのが一般的ですよね。

例えば、給湯部分に関しては、多くの方が瞬間式のガス給湯器になれていて、初めてエコキュートを利用する時には、使い勝手が悪い、水の勢いが弱いなどの問題を指摘するケースがあります。ガス併用の場合、自分たちが一番使いやすいと思う設備を選べるため、日常生活の中で不便さを感じる可能性が少なくなります。これは意外に大きなメリットです。

ガス併用のデメリット

それではガス併用の住宅にする場合のデメリット面についても解説します。

■デメリット1 火災や事故の可能性が残る
オール電化とは逆に、ガス火を利用するガス併用の住宅は、室内に火が存在することで、火災に発展するリスクが高くなる点がデメリットと言えるでしょう。実際に、揚げ物など、調理中のコンロを原因とした火災は、令和4年中に400件近く発生したというデータも存在します。IHクッキングヒーターなど、火を使わないコンロの場合、こういった火災の心配がない分、どうしてもガス併用のデメリットとなってしまいます。

この他にも、ガス機器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒など、家の中で人命にかかわる事故のリスクが残るという点は注意しましょう。

参照:消防庁資料より

■デメリット2 ガスの配管工事が必要になる
ガス併用の場合、プロパンガスと都市ガスという選択肢がありますが、プロパンガスは日々の光熱費が高くなってしまうため、新築時の場合は、都市ガスを選ぶ方がほとんどです。

ただ、新築住宅で都市ガスを利用するためには、自宅の敷地内までガス管を引き込むための工事が必要になるのです。オール電化住宅の場合、ガス管の工事は不要ですし、ガス併用の明確なデメリットと言えるでしょう。

■デメリット3 太陽光発電や蓄電池のメリットが薄くなる
新築時もしくは将来的に太陽光発電や家庭用蓄電池の導入を検討しているという場合、ガス併用がデメリットになり得ます。もちろん、ガス併用の住宅でも、照明などについては電気を利用していますので、太陽光発電や家庭用蓄電池が全く役に立たないということはありません。

しかし、給湯や調理、暖房などの部分にガスを利用するわけですので、そういった部分に太陽光発電や蓄電池導入のメリットを生かすことができなくなるのも事実です。オール電化の場合、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、日常生活で使用する電気を全て自家発電で賄うことも夢ではありません。しかし、ガスを自宅で生み出すことはできないので、オール電化と同レベルのメリットを得ることができないのです。

結局、オール電化とガス併用ならどっちが正解?

ここまでの説明で分かるように、新築住宅のエネルギー利用について、オール電化とガス併用は、どちらも一長一短があると言えます。この記事を読んでいただいている方は「オール電化とガス併用ならどっちが正解?」という点が気になると思うのですが、このポイントについても、どちらかが一方的に優れているとは言えず、ライフスタイルや家に求める条件などによって、おすすめできる選択肢が変わってしまうものなのです。

例えば、共働き家庭で、お子様も昼間は学校や塾で外出しているため、昼間は家の中にほとんど人がいない(昼間の電力消費が少ない)というご家庭や、冬場でも極端に気温が下がらない住宅で暖房にかかる費用が少ない住宅の場合は、オール電化を選択するのがおすすめです。また、高齢の親世代と同居している、小さなお子様がいるというご家庭についても、ガスが原因となる事故のリスクが低いオール電化が安心でしょう。

一方で、テレワークが導入されて昼間も在宅している、二世帯住宅だから毎日お湯をたくさん利用する、寒冷地域に住んでいるという方の場合は、ガス併用を選択する方がメリットが大きいかもしれません。この他、「調理はどうしてもガスコンロを利用したい」「シャワーの水圧は強い方が良いのでガス給湯器良い」など、ガスがエネルギー源となる設備にこだわりを持つ方もガス併用がおすすめです。

このように、オール電化とガス併用については、それぞれのご家族が家に何を求めているのか、また普段のライフスタイルがどうなっているのかによっておすすめできる選択肢が変わります。現在、新築住宅の購入を考え、オール電化とガス併用で迷っているという方がいれば、お気軽に悠建設までご相談ください。悠建設では、お客様の希望をお伺いしたうえで、最適な住宅の形をご提案いたします。

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