脱炭素社会の実現が目指されている日本では、住宅に設置する設備について、より環境に配慮された製品の導入が後押しされています。例えば、住宅の断熱性能を高めるようなリフォームには多額の補助金が給付されていますし、太陽光発電や蓄電池の導入を手助けしてくれる仕組みも多いです。

その中でも、多くのご家庭に関係する制度が、給湯器に関する補助金制度です。皆さんも「給湯省エネ事業」と呼ばれる補助金制度については、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?この補助金は、新築、リフォーム共に活用できる制度で、簡単に言うとエコキュートなどの高効率な給湯器の導入を支援するための制度となっています。一般家庭で消費されるエネルギーのうち、給湯が占める割合は約3割と言われているため、この部分の省エネを実現することが出来れば、CO2排出量の削減などに大きな効果があると考えられていて、非効率な給湯器からの交換を強く後押しするという制度になっているのです。

この給湯器に関する補助金が、2026年も継続されることが正式に決定しています。そこでこの記事では、今年中に給湯器の交換を検討している方に向け、どの程度の補助金が受け取れるのかについて、その概要をご紹介していきます。なお、補助金の詳細はまだ確定していない部分もあるので、現状分かる範囲の内容について、エコキュートを中心にご紹介します。

給湯省エネ2026事業の概要と2025年度版との違い

それではまず、給湯省エネ2026事業の概要と2025年度に実施された給湯省エネ事業との違いについて簡単にご紹介していきます。

給湯省エネ2026事業の概要

給湯省エネ2026事業の継続は、2025年11月の閣議決定で発表されています。現状は、大まかな内容しか公表されていないため、詳細については、また公式サイトなどが公開されてからご紹介していきたいと思います。

給湯省エネ事業は、家庭のエネルギー消費の約3割を占めている給湯部分について、ここの省エネを実現することで脱炭素社会を目指すために創設されています。そのため、住宅の給湯部分の省エネに寄与すると考えられる、エコキュート(ヒートポンプ給湯機)やエネファーム(家庭用燃料電池)など、従来の給湯器よりも高効率な製品を導入する際、その費用の一部を支援してくれるというものとなっています。

2026年度の給湯省エネ事業では、以下のような制度となっています。

  • エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファームを導入にかかる費用の一部を補助する
  • 基本金額または性能基準を満たす場合は、加算金額のいずれかで補助される
  • 一戸建て住宅は2台まで、共同住宅などは1台まで補助される

給湯省エネ事業は、給湯器であれば何でも補助金を給付してくれるわけはありません。先程紹介したように、環境配慮が目的の制度となっているため、従来型のガス給湯器などと比較して、高効率な機器が対象となります。なお、補助金額については、導入する製品によって以下のように違いがあります。

  • ヒートポンプ給湯機(エコキュート):
    基本上限金額は7万円/台
    要件を満たした場合は10万円/台
  • ハイブリッド給湯機:
    基本上限金額は10万円/台
    要件をを満たした場合は12万円/台
  • 家庭用燃料電池(エネファーム):
    基本上限金額17万円/台

上記のような高効率給湯器を導入する際には、設置にかかる費用の一部を補助してもらうことが出来るのです。なお、上の金額だけを見ると、国がエネファームを推奨しているかのように見えますが、これは製品の価格を参考に補助額が決められているからです。エネファームの場合、他の給湯システムよりも導入コストが高くなるため、その分、補助額が大きくなっているのです。

なお、既存給湯器を交換する形で高効率給湯器を導入する場合、撤去工事の部分も補助してもらえる場合があります。以下のような、非効率とされる給湯器からの交換は、補助額が加算されます。

  • 給湯器導入と同時に撤去する場合・・・蓄熱暖房機は4万円/台(2台まで)
  • 給湯器導入と同時に撤去する場合・・・電気温水器は2万円/台(補助を受ける給湯器と同じ台数まで)

蓄熱暖房機や電気温水器など、旧式の給湯器からの交換の場合、補助金額が大きくなるので、ぜひ補助金が使える間に交換を検討しましょう。高効率な給湯器への交換で、日々の光熱費も大幅に削減することが期待出来ます。

※給湯省エネ2026事業では、2025年11月28日以降に着手する給湯器の交換リフォームが補助対象となります。

2025年度の給湯省エネ事業と何が変わった?

それでは、2026年度の給湯省エネ事業について、2025年度版の補助金と何が変わったのかについても簡単にご紹介します。給湯省エネ2025事業の詳細については、以下の記事を参照してください。

関連:2025年度エコキュートなど給湯器の補助金の速報!給湯省エネ2025事業の概要

2025年度と2026年度の給湯省エネ事業の違いについては、主に補助額が変更されています。以下に、その変更点についてまとめてみます。

  • エコキュート:補助額の下限は1万円増加されたものの、上限は3万円減少となっている
  • ハイブリッド給湯機:補助額の下限は2万円増加されたものの、上限は3万円減少となっている
  • エネファーム:補助額の下限は1万円増加されたものの、上限は3万円減少となっている
  • エネファーム:補助額の下限は1万円増加されたものの、上限は3万円減少となっている

上記のように、補助金制度の全体では、補助額が下がっていると言えます。補助額の下限に関しては増額されているものの、高性能な製品を選んだ際の補助額は減少傾向になっているのです。ただ、エコキュートの交換を参考にすると、平均的な交換費用相場が40万円〜60万円程度(工事費込み)と言われる中、要件を満たせば最大で12万円の補助金がでると考えると、まだまだ補助率がかなり高い制度と言えるのではないでしょうか?

ちなみに、2025年度の給湯省エネ事業については、給湯機器への補助金利用率が94%で付帯工事に関しては100%に達したと公表されています。(2025年11月28日時点)
住宅省エネ2025キャンペーンで同時に運用されていた他の補助金については、利用率が50%弱であったとされているため、給湯省エネ事業は非常に人気の高い制度と言えます。この補助金は、予算が消化され次第、受付が終了され、補助金が受け取れなくなるので、利用を考えている方は早めに動いた方が良いかもしれませんね。

実際に給湯器を交換する際の補助金について

それでは、実際に給湯器の交換に給湯省エネ2026事業を利用する場合、どの程度の補助金が給付されるのかについてみていきましょう。

ここでは参考として、最も需要が高いとされている「エコキュート」への交換に関する補助額をご紹介します。

給湯省エネ2026事業の補助対象について

先程紹介した通り、給湯省エネ2026事業は、家庭のエネルギー消費の約3割を占める「給湯」部分の省エネ化を推進するために設けられています。そのため、国が認定している高効率な給湯器へ交換する場合には、その工事にかかる費用の一部を補助金として給付してもらえるのです。

ちなみに、給湯器の交換に際しては、「省エネ」を目的に交換する物だけでなく、単なる故障による給湯器の交換であっても、「省エネ性能が高い認定機種」を選ぶことで補助金を給付してもらうことが出来ます。対象機器については、上でもご紹介していますが、下の3つの給湯システムです。

  • ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
  • ハイブリッド給湯機(電気×ガス)
  • 家庭用燃料電池(エネファーム)

補助額については、どのタイプの給湯器を選択するのかによって変わりますが「定額 7万円〜17万円」となっています。また、撤去する給湯器が蓄熱暖房機または電気温水器の場合は、撤去加算として2~4万円がプラスで給付されることになります。

エコキュートの交換でいくら補助してもらえるのか?

それでは、実際に自宅の給湯器をエコキュートに交換する場合に貰える補助金について、分かりやすく解説していきます。

エコキュートの補助額については、機種の「省エネ性能」によって2段階の金額が設定されています。要件と補助額は以下の通りです。

  • 基本要件(標準モデル):7万円
    国が定める省エネ基準の達成にプラスしてインターネット接続などの機能を有する機種(またはおひさまエコキュート)
  • 加算要件(高性能モデル):10万円
    基本要件よりCO2排出量が5%少なく、さらに高い省エネ基準(+0.2以上)を満たす機種

2026年度の給湯省エネ事業では、単にエコキュートを交換するだけではダメで、以下のような機能が搭載されていることが要件化されています。

インターネットに接続可能な機種で、翌日の天気予報や日射量予報に連動することで、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有するものであること、又は、おひさまエコキュート
引用:経済産業省webサイトより

上記の通り、2026年度の給湯省エネ事業では、「IoT対応(ネット接続)」が基本要件とされています。この機能は、外出先からお風呂を入れたり、太陽光発電を活用してお湯を沸かしたりなど、利便性や省エネ性を高めてくれる機能となるのですが、エコキュートを導入する人からすると、求められる要件が厳格化されているという意味でもあるため、補助金の利用難易度が高くなったと言えるでしょう。

なお、リフォームでエコキュートを導入する場合は、既存給湯器の種類によってさらに補助金額が加算される場合があります。給湯省エネ事業では、「古い非効率な給湯器を捨てること」に対しても補助金が設定されているため、特定の給湯システムを利用している方は以下の加算が受けられるのです。

  • 電気温水器を撤去する場合:2万円加算
  • 蓄熱暖房機を撤去する場合:4万円加算

撤去加算に関する補助金については、給湯器の交換とは別に独自の予算枠が設けられています。予算額に達し次第、撤去加算が受けられなくなるため、既存給湯器が上記に該当する機器の方は、早めの交換がおすすめです。

例えば、もともと電気温水器を利用していた方が加算要件満たすエコキュートに交換する場合は、以下の金額を受け取ることが出来ます。

エコキュート(加算要件満たす機種)10万円+撤去加算(電気温水器)2万円=12万円

補助金額そのものは昨年度よりも減少しているように思えますが、依然として大きな金額を受け取ることが出来ます。さらに、高効率な給湯器を導入すれば、月々の給湯コストが数千円下がることもあるので、中長期的な視点で考えると、実質的なメリットは補助金額以上のものがあると言えるのではないでしょうか?

まとめ

今回は、省エネ関連の補助金の中でも特に利用率が高い給湯省エネ事業について、2026年度に実施される補助金の概要と昨年度との変更点をご紹介しました。

記事内でご紹介した通り、給湯省エネ事業は、2026年度も継続されることが決定しています。ただ、補助金の金額に関しては、全体的に減少傾向にあるため、昨年のうちに交換しておけばよかったと感じる方も少なくないかもしれません。このタイプの補助金は、対象となる機器が広く普及し始めた段階で、補助金額が減額され始め、最終的に補助金そのものがなくなるという方向で動きます。そのため、ここ数年の状況を見て見ると、政府は高効率給湯器の導入が広範囲に進んでいるとみなすようになっていると判断できるかもしれません。

つまり、エコキュートなどの高効率給湯器の補助金については、今後数年で制度自体が大幅に変更される可能性もあるので、10年近く同じ給湯器を使用し続けているというご家庭は、交換を検討してみるのも良いかもしれませんね。

なお、悠建設では、新築、リフォーム共に、補助金を活用した給湯器の導入を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

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