住宅の省エネ性能が重視されるようになった昨今では、新築時に設置する設備として、太陽光発電などの再エネ設備とそれを最大限活用することができるようになる家庭用蓄電池への注目度が高くなっています。実際に、国も家庭用蓄電池のさらなる普及を後押しするため、蓄電池の設置に対しては特別扱いと言えるような補助金の運用を行っているのです。例えば、2025年度の新築補助金では、子育てグリーン住宅支援事業が予定されているのですが、新築の購入にこの補助金を利用する時でも、同時に家庭用蓄電池の設置を行う場合、蓄電池用の補助金を併用することができるのです。一般的に、国の予算で運用される補助金は併用することができない制度設計になっています。分かりやすい例を挙げると、エコキュートなど、高効率給湯器の導入を補助してくれる給湯省エネ事業については、子育てグリーン住宅支援事業と併用することはできず、どちらか一方の補助金しか使えません。蓄電池のこの扱いからも、国が蓄電池のさらなる普及を目指していることが良く分かると思います。

しかし、年々注目度が高くなっている家庭用蓄電池ですが、この設備に対しては「蓄電池はやめたほうがいい」「蓄電池を設置して後悔している」などと言ったネガティブな情報を見かける機会も少なくありません。実は、家庭用蓄電池は、普及し始めてからまだそこまで時間が経過していないこともあり、設備の導入には多額の費用がかかってしまうのです。新築時に太陽光発電とセットで導入しようと考える場合、この二つの設備に400万円近いコストがかかってしまうことになります。そのため、蓄電池の良さは理解しつつも「まだ高すぎる」という印象を持つ人が多く、蓄電池はやめたほうがいいという結論に至っているようです。

そこでこの記事では、新築住宅への蓄電池の設置を検討している方に向け、この設備の導入が向いていると考えられる人の条件やその逆に向いていない人の条件、また「やめたほうがいい」と言われる理由などについて解説します。なお、2025年度は、新築住宅の省エネ性を高める取り組みに対して、非常に手厚い補助金が用意されているため、蓄電池の導入に向いているという方にとっては良いタイミングになると思いますよ!

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家庭用蓄電池が向いている人、向かない人、それぞれの条件について

一昔前までは、家庭用蓄電池は導入コストが高すぎて元を取れないことを理由に「やめたほうがいい」と判断する方が多かったように思えます。しかし、太陽光発電が広く普及した昨今では、蓄電池と組み合わせた方が両設備の設置コストを回収しやすく、さらに災害対策の面でもいざという時の備えになるという考えから、リスクよりもメリットの方が上回るという認識が広がっています。

ただ、家庭用蓄電池の有用性については、各家庭の状況によって大きく異なるという特徴があります。蓄電池の設置で大きなメリットが得られるかどうかはケースバイケースとなるため、ここではまず、「「蓄電池導入をやめたほうがいい人の条件」と「導入したほうがお得と考えられる人の条件」を整理してみたいと思います。

家庭用蓄電池はやめたほうがいいと考えられる人の条件

先程ご紹介したように、家庭用蓄電池は、誰にとっても設置を推奨できる設備と言うわけではありません。蓄電池の導入にかかる費用は、ある程度下げってきたものの、それでもまだ「安い」とは決して言えない設備であるため、導入に向いていないご家庭もあるのです。

ここではまず、費用対効果などの面から家庭用蓄電池の設置はやめたほうがいいと判断できる人の条件をご紹介します。

①太陽光発電を設置していない(今後も設置を考えていない)

一つ目の条件は、太陽光発電など、再エネ設備を導入しておらず、今度も導入の予定がないご家庭です。家庭用蓄電池は、太陽光発電など、再エネ設備と組み合わせることで、設備の能力を最大限発揮することができるようになります。太陽光発電は、日射を電力に変換する設備なので、悪天候時や夜間は発電することができません。ここに家庭用蓄電池を組み合わせることができれば、昼間に発電した電気を蓄電池に貯めておき、発電できない夜間などに使用するというサイクルを作ることができるのです。

ただ、家庭用蓄電池単体での運用の場合、電力会社から購入した電気を蓄電池に貯めるという形になります。この場合でも、昼間と夜間の電気料金格差により、ある程度の電気代削減効果を見込むことができますが、設置コストを早期に回収できるほどの削減にはつながらない可能性が高いです。太陽光発電との連携であれば、自家発電した電力の利用量を増やすことができるため、大幅な電気代削減が期待できるのですが、夜間と昼間の電気料金の差が縮まっている昨今では、蓄電池単体での運用はそれほど大きなメリットが見込めなくなっています。そのため、家庭用蓄電池は、太陽光発電などの再エネ設備との連携を前提としない場合、経済的なメリットがどうしても小さくなってしまい、導入にかかったコストを回収しづらい状況と言えるのです。

なお、蓄電池の販売会社などは、「災害対策が同時にできるから単体運用でも設置がおすすめできる!」と言っています。しかし、災害による停電が発生した場合、蓄電池に貯めていた電力を使い切れば、再充電ができないわけなので、災害対策の面でもそこまで有用性があるとは言えないと思います。大容量の蓄電池であれば、電気を供給する家電を限定することで数日間使用可能かもしれませんが、大きな地震による停電は1週間以上続くことも珍しくないため、単体運用では不十分です。

②設置スペースを確保できないご家庭

家庭用蓄電池は、屋外設置用と屋内設置用の2種類が存在しますが、どちらを選択する場合でも、設置のためにそれなりの広さのスペースを確保しなければいけません。特に、屋外設置を前提とした大容量モデルの蓄電池の場合、地面にしっかりと固定するため、基礎を作らなければならないので皆さんが考えている以上のスペースが必要です。

そして、以下のようなケースでは、蓄電池の設置が難しいと考えましょう。

  • 敷地面積が狭い戸建て住宅
    都市部の新築住宅では、狭小地に3階建て住宅を建設するケースが増えていて、この場合、お隣の家との距離が非常に近い…なんて立地になるなんてことが多いです。この場合、屋外に大型の蓄電池を設置するスペースを確保することが難しくなるでしょう。狭い場所に無理矢理設置すると、通気性が悪くなることで熱がこもり、蓄電池の寿命が縮む可能性があります。
  • マンションやアパートなど、集合住宅
    マンションやアパートなどの集合住宅の場合、屋外に設置することが難しいと考えてください。賃貸住宅の場合は、オーナーに設置許可をとる必要がありますし、分譲マンションでも、ベランダなどは共用部と言う扱いなので、蓄電池のような大型設備の設置は管理組合の許可などが必要になるでしょう。そのため、集合住宅では、屋内設置型を選ぶことになるのですが、生活スペースを圧迫することになるため、後から邪魔に感じて設置を後悔する人がいます。
  • 設置に適した環境がないご家庭
    家庭用蓄電池は、直射日光が当たる場所、高温多湿になる場所に設置した場合、性能が低下しやすいです。そのため、蓄電池の設置に適した環境がないお宅は、本来の寿命よりも早く故障してしまう可能性があるので、導入のメリットが薄れてしまうかもしれません。

上記のように、蓄電池の設置に適したスペースを確保できないご家庭の場合、導入可能な蓄電池のタイプや形状が限られてしまうことになります。例えば、屋内設置用の小型蓄電池を選ばなければならない…なんてケースも珍しくありません。小型の蓄電池でも設置できれば良いと考えるかもしれませんが、蓄電容量が少ないということは、電気代削減効果や災害時の備えとしては能力が不十分で、かけたコストを取り戻すことが非常に難しくなるのです。
家庭用蓄電池を導入する場合、何のためにこの設備の設置を考えているのかをよく考え、何らかの理由でその用途に叶う製品が選べないのであれば、設置はおすすめできません。

③電気の使用量が少ないご家庭

家庭用蓄電池は、地震や台風などによる水害で停電が発生した時、非常用電源として活用できるということから、災害対策設備の面で注目されています。実際に、蓄電池が一般家庭に普及し始めたのは、東日本大震災が契機だったとされ、諸外国と比較すると、自然災害の発生件数が多い日本では、家族の安全を守るための有効な設備と考えられたのです。

ただ、昨今、蓄電池への注目度がさらに高くなっているのは、電気代削減や省エネ、環境負荷低減に役立てることができるからというメリットが認められたからです。例えば、太陽光発電が設置されているご家庭の場合、大容量の蓄電池を設置すれば、一日に使用する電気全てを再生可能エネルギーで賄うことができるようになり、CO2排出量の削減に大きく寄与することができるようになるのです。

また、太陽光発電を設置していないご家庭の場合でも、電力会社が用意している昼間と夜間の料金単価に格差があるプランを活用し、電気代の削減が期待できます。簡単に言うと、料金単価の安い夜間の電力を蓄電池に貯め、電気代が高くなる昼間に夜間電力を使用するというサイクルを作ることで、月々の電気料金を安くすることができるのです。

こう聞くと、どのようなご家庭でも家庭用蓄電池の設置はメリットが得られるのではないかと感じてしまうかもしれません。しかし、普段の生活で、あまり多くの電気を使用しないというご家庭の場合、削減できる電気料金など、たかが知れている…なんて状況になり、蓄電池の導入コストのことを考えると赤字になってしまう…なんてことが起きるのです。近年では、共働き世帯が増えていて、昼間は家に誰もいない…なんて状況が当たり前になっています。このようなご家庭の場合、そもそも料金単価が最も高くなる時間帯に電気を使わないわけなので、蓄電池を利用した料金格差による電気代削減法では、微々たるコスト削減にしかならないと思います。
したがって、普段の電気使用量がそこまで多くないというご家庭の場合は、1日あたりの電気使用量を見積もり、蓄電池でどれほどのコスト削減が可能なのかを、事前にしっかりと調査しなければならないと考えましょう。安価な小型の蓄電池であれば、導入コストを回収できる…と言うのならそのタイプを設置すれば良いですし、そうでないなら蓄電池を導入しないと言う選択もアリだと思います。

④引っ越しの予定がある方

家庭用蓄電池は、一度設置すれば、後から簡単に移動させることができる設備ではありません。屋外設置型の大容量モデルの場合、コンクリート基礎を作り、そこにしっかりと固定しなければいけないので、引っ越し先に持っていく場合、もともと住んでいる場所で撤去工事を行い、引っ越し先で基礎工事から行うといった感じに、かなり大掛かりな移動になるのです。また、家庭用蓄電池は、災害による停電が発生した場合、家の中のどこに電力を供給するのか、設備の設置時に決めて設定しています。蓄電池を購入した時点では、販売店が顧客の指示通りに設定してくれますが、引っ越しの際にはその設定などを再度行わなければならず、誰が行うのか…と言う問題が生じるのです。

こういったことから、転勤などが多く頻繁に引っ越しが必要になる、賃貸住宅に住んでいるなんて方の場合、蓄電池の設置にかけた費用を回収できないままになってしまう可能性があるので、設置はおすすめできないのです。
なお、家庭用蓄電池は、一度設置すれば「絶対に移動させることができない!」と言うわけではないのでその点は注意しましょう。例えば、蓄電池を購入した販売店などに相談すれば、費用は掛かるものの、引っ越し先に移動させる工事を請け負ってくれると思うので、移動させること自体は可能です。しかし、移動にそれなりのコストがかかってしまうため、蓄電池のコストを回収する時間がさらに長くなります。

家庭用蓄電池の設置がおすすめできる人の条件

上記の通り、家庭用蓄電池は、誰にとっても導入するのがおすすめと言える設備ではありません。しかし、以下のようなご家庭の場合、家庭用蓄電池は、非常に心強い設備となってくれるでしょう。

①太陽光発電を設置しているもしくは、近い将来設置を予定している

家庭用蓄電池は太陽光発電設備と非常に相性の良い設備です。蓄電池は、電気を発電することはできないものの、蓄えることができる、太陽光発電は、電気を作れるけど貯めることができない設備なので、両者はお互いの弱点を補いあう関係となるのです。

例えば、新築時に太陽光発電とそれなりの容量を持った蓄電池をセットで導入した場合、昼間に発電した電力は、そのまま消費するもしくは売電する以外に、蓄電池に貯めておくことができるようになります。太陽光発電単体の運用の場合、自家消費しきれなかった分は売電するほかないのです。ただ、昨今は、売電価格が年々下落しており、電気代の高騰が社会問題となっている現在、売電するよりも買電量を減らす方がお得になる状況と言われているのです。特に、FIT期間が完了したお宅の場合、売電価格が8円程度まで下がってしまうため、30円程度の電気料金と比較すると、蓄電池を用いて自家消費に回す方が圧倒的にお得になるのです。

太陽光発電+蓄電池と言う体制を作っておけば、極端な話、日常生活で使用する電力全てを自家発電で賄うことも不可能ではなく、月々の電気料金を0円にすることも可能なのです。蓄電池と太陽光発電は、両者のメリット面を最大化させることができる設備なので、既に太陽光発電を設置しているというご家庭の場合、家庭用蓄電は非常におすすめできます。

特に、新築住宅の場合、DX志向型住宅を選ぶことで、子育てグリーン住宅支援事業の補助金160万円に加えて、蓄電池導入に関する補助金も受け取ることが可能です。

②日中の電気使用量が多いご家庭

二世帯住宅など、日中の電気使用量が多いというご家庭の場合、蓄電池を利用した電気代削減対策が大きな効果をもたらせてくれます。先ほどからご紹介しているように、近年では、昼間と夜間の電気料金単価に大きな格差のあるプランを電力会社が作っています。これはいわゆる、オール電化プランなどと呼ばれるものなのですが、家庭用蓄電池を上手に活用すれば、一日中、料金単価の安い夜間電力で生活することができるようになるのです。

例えば、以下のようなご家庭の場合、太陽光発電が無い場合でも、蓄電池が役立つと思います。

  • 親世代と同居している、共働きではないなど、昼間も多くの生活家電を使用している
  • テレワークが導入され、日中も家で仕事をする日が多い
  • 小さな子供がいて、昼間も家に誰かがいる時間が長く、エアコンなどが常に稼働している

上記のように、昼間の電気使用量がそれなりに多いという場合、昼間と夜間の料金格差を利用すれば、蓄電池の導入にかけるコストを回収できる可能性が高いです。こういったご家庭は、災害対策にも役立てることができると考えると、設置がおすすめできます。

③災害の備えを考えている方

日本は、諸外国と比較すると、自然災害の発生件数が多いと言われています。地震や台風などによる被害は皆さんも多くの記憶があると思います。そしてさらに、近年では、夏場の集中豪雨による水害も多く発生していて、これらの災害時には長期的な停電が発生してしまうことも珍しくないのです。

家庭用蓄電池は、東日本大震災を契機に一般家庭への導入が注目され始めた設備で、もともとは大規模な災害が発生した時でも、家族の安全を守るための備えとして考えられていました。そして、この考えのもと、万一の災害に備えたいと考えているのであれば、家庭用蓄電池はコスト度外視で設置しても良いかと思います。

家庭用蓄電池を設置していれば、災害による停電が発生した時も、冷蔵庫やエアコンなどに電力を供給することができ、人命にかかわる食糧や温度環境を守ることができるようになります。このほかにも、情報収集のためスマホの充電や安全確保のため照明への電力供給など、災害時には非常にありがたい設備となってくれるはずです。

なお、家庭用蓄電池単体での運用の場合、充電していた電気を使い切ると、再充電ができなくなります。しかし太陽光発電があれば、災害時でも普段と同じような電気の供給が実現できます。この点からも、太陽光発電と蓄電池のセット導入が推奨されているわけです。

④補助金が利用できる方

家庭用蓄電池は、住宅設備の中でもトップクラスに高額な設備です。そのため、機器のメリットは理解しつつも、コストの高さで導入を躊躇してしまう…と言う方が多いのです。

ただ、住宅領域の省エネ、脱炭素化が目指されている昨今では、国や自治体が蓄電池の導入にかかるコスト負担を軽減するため、補助金制度を用意するようになっています。補助金を活用すれば、初期にかかる費用を大幅に抑えることが可能なので、使える補助金がある方は蓄電池の設置がおすすめできると言えます。

2025年度は、国の補助金が予定されているので、申請条件に該当しているかどうかを確認してみましょう。また、自治体によっては、独自の補助金制度を設けている場合があるので、お住まいの地域で蓄電池に関する補助金がないか確認してみると良いでしょう。
東京都であれば、再エネ設備の設置や蓄電池の導入にかなり手厚い補助金制度を設けているので、ぜひ確認してみると良いでしょう。

蓄電池はやめたほうがいいと言われる理由

それでは、家庭用蓄電池のメリットとデメリットを理解したところで、蓄電池の導入を「やめたほうがいい」と言う人がいる理由についても解説します。家庭用蓄電池は、非常に優れた面のある設備であることは間違いないのですが、以下のような理由から「やめたほうがいい」と考える人も少なくないようです。

導入に多額のコストがかかるから

最もわかりやすい理由は、導入コストが高すぎるという意見です。家庭用蓄電池は、ひと頃よりも価格が下落してきたと言われますが、それでもそれなりの容量を持つ蓄電池の場合、100~300万円程度の導入コストがかかります。

特に、電気代削減や災害への備えとして蓄電池を設置する場合、ある程度の蓄電容量を確保していなければ意味がありません。そのため、一般的には10kwh前後の大容量モデルが選ばれるケースが多く、このレベルになると平均で200万円前後の導入コストがかかるとされています。蓄電池は、導入コストがかなり高いため、他の設備と比較すると補助金の金額が高く設定されています。しかし、国の補助金でも導入費用の1/3が上限となるため、補助金を利用したとしても150万円近いコストがかかってしまう訳です。

この導入コストの高さは、電気代の削減で回収するにはかなりの時間がかかってしまうことになり、途中で設備が故障する可能性などのことも考えると「費用を回収できないからやめたほうがいい」という判断になるのだと思います。

保守・メンテナンスの手間

蓄電池の導入はやめたほうがいいという意見の方の場合、設置後のメンテナンスの手間を嫌っているというケースがあります。屋外に設置するタイプの蓄電池の場合、風雨や紫外線など、過酷な環境下で稼働する設備となるため、安定的に使い続けるには最低限のメンテナンスが必要です。したがって、これを手間と感じ、蓄電池の導入はやめたほうがいいという訳ですね。

ただ、家庭用蓄電池のメンテナンスについては、そこまで負担のかかる作業は必要ありません。日常的なお手入れなどは基本的に不要で、たまに通風口の掃除をする程度で問題なく稼働させることができます。また、機器に何らかの問題が生じた時には、モニターにエラーコードなどを表示して伝えてくれるため、メンテナンスに過度の負担がかかるわけではないのです。

しかしながら、長期間、通風口の掃除すら行わないなど、何のメンテナンスも行っていないというケースでは、いざという時に故障で動かなくなってしまう…なんてことも考えられます。したがって、蓄電池を設置する限りは、定期的なメンテナンスや専門業者による点検が必要と考えておいた方が良いです。ちなみに、家庭用蓄電池は、メーカーによる保証と販売店による保証がつけられている場合がほとんどです。ただ、保証内容については、企業ごとにかわるため、万一のことを考えると、保証面もきちんと比較して、導入する機種を選ぶべきと言えるでしょう。

太陽光の発電量が下がるケースがある

これに該当する方の場合、家庭用蓄電池を導入するのはやめたほうが良いと思います。実は、家庭用蓄電池は、導入することで太陽光発電の発電量が下がるケースがあるとされているのです。

蓄電池には、太陽光発電とパワーコンディショナーが一体型になったハイブリッドタイプが販売されています。このタイプであれば、パワコンの設置スペースが一箇所で済む、パワコン工事や部品購入の費用を削減できるといったメリットが得られるのですが、太陽光発電システムと蓄電池の相性が悪い製品同士を選ぶと、発電量が下がってしまうことがあるのです。これは、蓄電池の設置を依頼する業者の知識が不足している時に起こることがあるので、設置を依頼する業者選びは慎重に行ってください。

なお、ハイブリットタイプの場合、太陽光発電と蓄電池の2つの電気を管理するため、結果的に負荷が大きくなり劣化が早まる可能性がある点も注意が必要です。

たいして電気代が削減できないケースも多い

家庭用蓄電池は、太陽光発電と連携させれば、大きな電気代削減効果が得られます。先ほど紹介したように、太陽光発電と蓄電池を連携させておけば、日々の生活に使用する電気全てを自家発電で賄うことも不可能ではありません。つまり、太陽光発電が設置されている、セットで導入するというケースでは、メリットが大きいと判断できるのです。

しかし、蓄電池単体で導入する場合には、期待しているほどの電気代削減効果を実感することができないケースも少なくありません。昨今では、昼間と夜間の電気料金格差が狭まっているため、蓄電池単体の運用の場合、年間で数万円程度しか電気代が安くならない…なんてことも珍しくありません。蓄電地は、10年程度が耐用年数とされる設備のため、設置コストを回収しようと思えば、年間で10万円以上の光熱費削減効果が求められます。しかし、これだけの電気代削減効果は、単体運用の場合なかなか難しいため「やめたほうがいい」という意見も根強いのです。

将来的に買い替えが必要だから

当たり前のことですが、家庭用蓄電池は、一度設置すれば一生涯使用できる設備と言うわけではありません。どのような設備でも同じですが、使用により機器は徐々に劣化し、いずれ故障して買い替えが必要になるのです。

家庭用蓄電池の寿命に関しては、年数換算で表現されることも多いのですが、メーカーの仕様書などでは「サイクル数」と言うもので表現されているケースが多いです。サイクル数は、0%から100%まで充電し、0%になるまで電気を使用することを1サイクルとし、何回このサイクルを繰り返すこと出来るのかで寿命を表す指標です。一般的に、蓄電池の寿命は6,000サイクル~12,000サイクル程度とされていて、1日に1サイクルさせる場合、16年程度使用できる計算になります。しかし、蓄電池の寿命は、使用環境による劣化なども考えられるため、基本的には10年程度が目安とされているのです。

つまり、家庭用蓄電池を日常生活に組み込むことを考えると、10年に1回程度と言う頻度で200万円前後の製品を買い替えなければならないことになり、将来的なコスト負担のことを考えてやめたほうがいいと考える人も多いのです。

単体運用の場合、災害対策として不十分だから

家庭用蓄電池は、地震や台風などによる大規模停電に備えられる非常用設備としてみなされています。国も、災害対策用の設備として、一般住宅への普及を強く後押ししています。

しかし、家庭用蓄電池は、これ単体で運用する場合、そこまで強力な災害対策アイテムとは言えないという実情があるのです。自然災害による停電が発生した時には、家庭用蓄電池からの電力供給で、一定期間は生活家電を使用することができるようになるのは間違いありません。しかし、停電が1週間以上続く…なんてケースでは、再充電ができないため、すぐに使えない設備となってしまうのです。

太陽光発電と連携しておけば、充電しながら放電ができるため、非常に心強い存在になるのですが、単体運用の場合は、数日で電気を使い切ってしまうことから自宅避難には不十分な設備と言えます。家庭用蓄電池の導入をやめたほうがいいという意見の方は、こういった単体運用での中途半端さから、高額すぎる設備だと認識しているようです。

まとめ

今回は、住宅領域での省エネやCO2排出量削減など、環境紋ぢ亜に貢献することができる設備と注目されるようになった家庭用蓄電池について解説しました。

家庭用蓄電池は、太陽光発電と連携させるなど、上手に運用することができれば、日々の生活にかかる電気代を大幅に削減することが可能です。さらに、地震や台風などの自然災害で停電が発生した時でも、電気を使用することができるなど、災害対策の面でも非常に心強い設備となってくれるのです。

しかし、この家庭用蓄電池については、「導入はやめたほうがいい」と言ったネガティブな意見を見聞きする機会も多く、本当に優れた設備なのだろうか…と疑問に感じる方も多いようです。記事内では、家庭用蓄電池の導入がおすすめできる人とその逆にやめておいた方がいいと考えられる人の条件などに付いて解説しています。現在、新築住宅の購入を考えていて、蓄電池の設置に迷っているという方がいれば、ぜひ参考にしてみてください。

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