注文住宅を建てる際には、家の駐車場について「本当に必要なのか?」「駐車場を作る場合、いくらぐらいの費用がかかるの?」と言った点に疑問を持つ方がいます。近年では、狭小地に家を建てるケースが多く、駐車場を作ると希望する間取りを実現することが難しくなるという理由などから、自宅には駐車場を設けないという選択をする方も多いです。都市部などでは、車が必要な時にだけ使用することができるカーシェアリングサービスなども拡大していますし、家に駐車場がなくても特に困らないという方も多くなっているのは事実です。

ただ、自家用車を所有している人の割合もまだまだ多く、注文住宅を建てるなら駐車場は必須と考えている方もいることでしょう。そして実は、注文住宅を建てた後、家に対する不満につながってしまいやすいのが家の駐車場の失敗なのです。駐車場は、車が停められるだけのスペースさえ確保しておけば良いと考えてしまっている方が多く、細かなポイントを無視して作ってしまうことで、日常生活の中で使い勝手に不満を感じてしまうケースも少なくないとされているのです。

駐車場を作るには、費用もスペースもそれなりに必要になるので、注文住宅を建てる際には「そもそも家の駐車場は必要か?」「駐車場を作るなら何に注意すべきか?」ということを慎重に検討しなければいけません。そこでこの記事では、家の駐車場を作る際のポイントや費用、駐車場に不満を感じている方の失敗事例などについて解説します。

家に駐車場を作る時のポイント

それでは、注文住宅を建てる際、家の駐車場を作る時におさえておくべきポイントをご紹介します。家の駐車場は、確保するスペースによって居住空間の広さなどに影響を与えますし、所有車の保護機能や駐車場としての使い勝手など、さまざまな面について検討しなければいけません。

ここでは、住み始めてから駐車場を作って失敗した…と後悔しないために、家の駐車場を作る時のポイントをご紹介します。

駐車場のサイズについて

駐車場を作る時には、どれぐらいのスペースを確保するのかという、駐車場のサイズを決めなければいけません。駐車場のサイズについては、所有する車の数や来客の頻度などによって決めると良いです。例えば、移動に車が必須の地域となると、家族の人数分の車を駐車できるだけのスペースが必要になるかもしれません。この場合、将来のことも考えて、駐車場のサイズを検討する必要もあります。お子様が大きくなれば、駐車する車の台数が増えてしまう可能性がありますよね。また、家で何らかの教室を営業するという場合は、来客者用の駐車スペースを確保しなければならないケースもあるでしょう。

したがって、通常は家を建てる時点で所有している車の台数でサイズを決めるものですが、敷地が広い場合には、1から2台分の駐車スペースを、余分に確保しておくのも良いでしょう。それでは、具体的にどれほどの面積を駐車スペースとして確保すれば良いのでしょうか?これについては、国土交通省の公共建物を建てる際の駐車場づくりの指針を参考にしてみましょう。

駐車場のサイズに関しては、所有している車の大きさが直接的に関係します。例えば、国土交通省では、以下のようなスペースを確保すべきとしています。

  • 軽自動車の場合・・・横幅:2.0m、奥行:3.6m
  • 小型乗用車・・・横幅:2.3m、奥行:5.0m
  • 普通乗用車・・・横幅:2.5m、奥行:6.0m

上記のスペースはあくまでも参考値ですが、駐車場は狭すぎると使い勝手が非常に悪くなるため、車の大きさに合わせて十分な面積を確保しておくのがおすすめです。例えば、小さなお子様がいるご家庭の場合、チャイルドシートに子供を固定する際、ドアを大きく開けられる方が良いはずです。この他にも、キャンプが趣味で大きな荷物を積み降ろしする機会が多いなんて方も、駐車場は余裕のあるスペースを確保しておくべきです。この場合は、以下のように、ドアの開閉などがしやすい十分なスペースを確保するのがおすすめです。

  • 軽自動車の場合・・・横幅:2.4m、奥行:4.3m
  • 小型乗用車・・・横幅:2.7m、奥行:5.0m
  • 普通乗用車・・・横幅:2.7m、奥行:6.0m

駐車場のスペースについて、車の横に60cm程度のスペースを確保すれば問題なくドアの開け閉めが可能です。ただ、90cmほど確保できればドアを全開にできるようになるため、使い勝手が劇的に変わるのです。なお、運転席側だけでなく、両側のドアを全開にできるようにしたい、車いすを利用する家族がいるため、車いすでも使いやすくしたいという場合は、横幅を3.5m以上確保するのがおすすめです。
この他、バック駐車が苦手という方の場合、余裕のある横幅を確保しておけば、駐車も楽になるので、可能であれば余裕のあるスペースを確保するのがおすすめです。

参照:国土交通省資料より

駐車場のタイプ

家の駐車場にもいくつかのタイプが存在します。駐車場のタイプによって得られるメリットやデメリットが変わりますので、慎重に選ばなければいけません。

  • オープンタイプ
    オープンタイプは、いわゆる野ざらしの駐車場のことを指します。駐車場は、屋根を設置する義務はないので、駐車場工事の費用を抑えたいと考えるのであれば、オープンタイプが良いでしょう。しかし、屋根のない駐車場は、雨や雪、鳥の糞などの飛来物が車のボディに直接あたってしまうことになります。また、直射日光も浴び続けてしまいますので、車の劣化が早くなる点が大きなデメリットになります。
  • カーポートタイプ
    カーポートは、柱と屋根のみで構成される非常に単純な構造物で、駐車場に設置すれば、飛来物や直射日光から車を保護することができるようになります。さらに、雨の日でも濡れずに車に乗り降りできるようになるなど、駐車場の利便性が高くなります。デメリット面は、オープンタイプの駐車場よりも工事に費用がかかる、ガレージタイプよりも防犯性に劣るといった点です。
  • ガレージタイプ
    ガレージは、屋根と3方向以上の壁がついたタイプの駐車場です。前面にシャッターなどを取り付ければ、車を完全に囲うことができるため、車の保護機能や盗難防止対策になります。また、ガレージ内の空きスペースを倉庫として利用できるようになるのも大きなメリットと言えるでしょう。注意点としては、固定資産税の課税対象となる、その他のタイプと比較すると、工事費が圧倒的に高くなる点です。
    ちなみに、狭小地に家を建てるようになった近年では、建物の1階部分に駐車スペースを組み込むスタイルが増えていて、このタイプはビルトインガレージと呼ばれます。

駐車場のタイプは、慎重に選ばなければいけません。土地面積の関係でビルトインガレージを選ばざるを得ないケースも多くなっていますが、建物とは別に駐車場を設ける場合は、希望に合わせて最適なものを選びましょう。なお、近年では高級車の盗難被害が非常に多くなっていますので、盗難の可能性が高い人気車種を所有している方の場合、より安全性の高いガレージタイプがおすすめです。カーポートタイプを選ぶ場合でも、容易に車を持ち出せないようにするため、カーゲートやチェーンポールなどを設置するのがおすすめです。

駐車場の地面の舗装について

駐車場を作る際には、地面の舗装方法についても考えなければいけません。近年では、コンクリート舗装が主流になっていますが、この他にもアスファルトや砂利敷きなど、さまざまな形態が存在します。当然、どのような地面にするのかによって得られるメリットが変わります。

  • 土のまま
    駐車場の地面については、特に舗装はせず、地面を押し固めるだけという方法もあります。この場合、駐車場を作る際に費用が安く収まるのがメリットです。ただ、悪天候時は地面がぬかるむので足元や車が汚れる、轍ができて駐車場の使い勝手が悪くなる、草引きなど管理の手間がかかるなど、さまざまなデメリットが存在します。駐車場の維持管理の手間を考えると基本的にはおすすめできません。
  • 砂利を敷く
    地面に砂利を敷くという方法もコストを抑えられる方法として有名です。砂利敷きは、後から自分で砂利を用意して敷くことも出来ますので、コンクリートやアスファルトによる舗装よりもかなり安くなります。また砂利を敷けば、人が歩くだけで音が生じるため、車の盗難防止など防犯性が高まります。しかし、石を弾いて車に傷が付く、早朝や深夜に車の出入りがあると、近隣との騒音トラブルの可能性が生じるなどのデメリットがあります。
  • アスファルト舗装
    道路と同じようにアスファルトで舗装する方法があります。上で紹介した方法と比較すると、耐久性が高いのでメンテナンスの手間やコストがかからなくなります。ただ、コンクリート舗装と比較すると、アスファルトは熱に弱いため、経年劣化でひび割れなどが生じる、轍ができる、夏場は駐車場が照り返しで暑くなる点がデメリットです。また、非常に色が濃いので、家全体の景観に大きな影響を与えるので注意が必要です。
  • コンクリート舗装
    コンクリート舗装は、他の方法と比較しても、最も耐久性が高くなるので、メンテナンスの手間・コストが抑えられます。日々の掃除を考えても、箒で掃くだけ、水を流すだけで綺麗になります。轍の心配なども少ないので、基本的にはコンクリート舗装がおすすめできます。ただ、イニシャルコストは最も高くなります。

駐車場の地面にも上記のように種類があるので、慎重に選ぶ必要があります。

照明やエクステリアについて

駐車場は、家の立地関係などから、照明やエクステリアについて検討すべきです。例えば、住宅の前(近く)に街灯がない場合は、駐車場に照明を点けておくのが良いでしょう。駐車場は、夜間も使用することになるため、ある程度の明るさは必要です。なお、防犯効果も期待するのであれば、人感センサー付きのライトなどを設置しておくのが良いでしょう。

この他には、先ほどご紹介したようなカーゲートやチェーンポールによる盗難防止、ガレージタイプならシャッターの設置などをしておくのがおすすめです。他にも、家全体の景観を考えるなら、駐車場周りの植栽など、専門業者に建物の雰囲気やデザインと調和するようにトータルコーディネートしてもらうのがおすすめです。

盗難防止・防犯設備の導入

駐車場は、住宅の中でも特に死角になりやすい場所です。実際に、昨今では、駐車場に停めていたはずの愛車が、朝になると忽然と消えている…なんて事件が全国各地で起きていますし、そうでなくても近所の子供のいたずらで車を傷つけられてしまう…なんてケースも珍しくありません。したがって、大切な愛車を守るためにも、盗難防止や防犯対策はしっかりと行っておきましょう。例えば、以下のような方法が有効です。

  • 防犯カメラシステム、人感センサーライトの設置
  • 駐車場の地面、もしくは駐車場までの通路に砂利を敷く
  • カーポートの場合、カーゲートやチェーンポールで盗難対策を行う
  • ガレージは、シャッターを設置し部外者が入れないようにする

車の盗難は、非常に大きなダメージを受けてしまいますので、可能な限り防犯対策を行っておくのがおすすめです。

駐車場を作るためにかかる費用は?

それでは次に、駐車場を作る際にかかる費用についてご紹介していきます。当然、駐車場工事にかかる費用は、どのタイプの駐車場にするのかによって変わります。ここでは、オープンタイプ、カーポートタイプ、ガレージタイプについて、大まかな費用相場をご紹介します。

オープンタイプの駐車場を作る費用

オープンタイプの駐車場を作る場合、地面の舗装方法によって工事にかかる費用が変わります。各舗装方法別の施工費用相場は以下の通りです。

  • 砂利舗装
    砂利舗装は、採用する砂利の種類や厚みによって費用が変わります。ホームセンターなどでも手に入る一般的な砕石を採用する場合、1㎡当たり5,000円程度が費用相場となります。例えば、1台用の駐車場を作る場合、5~9万円が相場です。ちなみに、砂利舗装はDIYで施工可能で、その場合は材料費のみで駐車場を作れます。
  • アスファルト舗装
    アスファルト舗装は、駐車場の地面を道路と同じ方法で舗装する方法です。高い耐久性を誇るものの、夏場は照り返しが強くなる、家のデザインによっては雰囲気を壊す点に注意が必要です。費用については、コンクリート舗装よりは安いとされますが、駐車場程度の面積なら、そこまで大きな差は生じません。一般的な施工費用の相場は、1㎡当たり3,000~8,000円(アスファルトの種類や厚さによる)なので、1台用の駐車場の場合、16~18万円程度を想定しておけば良いでしょう。
  • コンクリート舗装
    コンクリート舗装は、シンプルな見た目で仕上がりが非常に綺麗、耐久性が非常に高くてメンテナンスの手間が少ない点から、近年の駐車場舗装では主流となっています。ただ、コンクリート舗装は、表面の左官作業に高い技術を要することなどを理由に、最も割高な工事となります。1台用の駐車場の場合は、20万円程度が相場になるでしょう。

オープンタイプの駐車場は、地面の舗装方法によって費用が変わります。上記以外では、インターロッキングによる舗装などもあります。なお、駐車場は、長く使用する場所となるため、施工費用の安さに注目するのではなく、メンテナンスの手間やコストに注目して決めるのがおすすめです。

カーポートタイプの駐車場を作る費用

次は、駐車場にカーポートを設置する場合の費用です。駐車場に屋根機能を付属させることができるうえ、ガレージよりもかなり安く設置できることから、多くの新築で採用されています。

  • 一般的なカーポート製品を設置する
    カーポートにもいろいろな種類があります。例えば、柱の位置だけで見ても、片側一方に柱を設置する片側支持タイプ、両側に柱を建てる両側支持タイプ、後方に1本だけ柱を建てる後方支持タイプなどがあります。柱の位置によって、駐車場の利便性が大きく変わります。なお、柱の本数に関しては、積雪量や風の影響の有無などによって選ぶと良いでしょう。カーポートの設置にかかる工事費用は、設置するカーポートのグレードによって上下するものの、1台用のもので15~60万円(本体と施工費込み)が相場となります。ただ、チェーンポールを設置する、横からの影響を防ぐサイドパネルを設置するなど、付属品を追加する場合はその分、高くなります。
  • ソーラーカーポートを設置する
    カーポート業界で近年注目されているのが、カーポートの屋根に太陽光パネルを設置したソーラーカーポートです。このタイプであれば、駐車場スペースで発電することができるようになるため、光熱費削減や停電対策としても役立ってくれます。ただ、通常のカーポートと比較すると、複雑な工事が必要になる、高額な部材が多く採用されているなどという理由から、設置工事にかかる費用が圧倒的に高くなります。ソーラーカーポートは、ある程度の発電量を確保するため、最低でも2台用の製品を選ぶことになるのですが、ソーラーカーポートの設置には200万円前後という高額な費用がかかるので、その点は注意してください。

カーポートタイプの駐車場を選ぶ場合の費用は上記のような感じです。もちろん、上で紹介した費用に加えて地面の舗装に関わる費用が加算されると考えましょう。カーポートタイプは、設置する製品のグレードや大きさにより費用が大きく変わるので、その点は注意しましょう。かなり安い製品も登場していますが、耐久性が低く、強風や積雪があった際に、大きな被害が出てしまうものもあるので、地域特性に合わせて、必要な耐久性を持つ製品を選びましょう。

ガレージタイプの駐車場を作る費用

最後はガレージタイプの施工費用相場です。ガレージは、屋根だけでなく、3方向以上の壁が設けられる建築物なので、上で紹介したオープンタイプやカーポートタイプとは比較にならないほどの費用がかかります。

  • 物置型のガレージを設置する
    ガレージは建物を建てるように一から作ることも出来ますが、基本的には物置のような既製品のガレージを購入し、それを駐車場に設置するという方法が一般的になっています。ただ、大きな設備になるので、カーポートと比較すると、本体はかなり高くなります。もちろん、施工も大掛かりになるため、1台用のもので90~120万円、2台用で150~250万円程度が相場と、かなりのお金がかかります。なお、専門業者に依頼して、独立型のガレージを建てる場合は、1台用で120万円~と考えておきましょう。建物の構造や付属機能などによっては300万円以上かかるケースもあるようです。
  • ビルトインガレージ
    ビルトインガレージは、建物の1階部分にガレージを設ける形です。これについては、駐車場の施工費用というよりは、住宅建築の一部という扱いになるため、一般的には坪単価に含まれています。木造住宅の場合、平均の坪単価が50~80万円ほどなので、1台用の駐車スペースとなる4~5坪の駐車場を作るとしたら、200~400万円程度が駐車場の費用と考えれば良いでしょう。

ガレージは、実現する方法によって費用が大きく変わります。また、駐車場を作るための費用として考えると、かなり高いと感じる見積りが出てくるケースが多いので、本当にガレージまでの設備が必要なのかは慎重に検討すべきです。

家の駐車場に関わる失敗事例について

ここまでは、注文住宅を建てる際に、駐車場を作る時のポイントや費用相場について解説しました。駐車場に関しては、車を停められるスペースになれば何でも良いと考える方も多いのですが、新築時に駐車場について深く考えなかったことで、後悔を抱えてしまう方も少なくないのです。

ここでは、家の駐車場に関する失敗事例をいくつかご紹介します。

安さを重視し過ぎたら、車の維持費が高くなった

家の駐車場で後悔するケースでは、イニシャルコストを安く抑えることばかりを重視し、実際にそこに住んでみると、車の維持メンテナンスに手間やコストがかかるようになった…というものがあります。

駐車場を作る費用を安くしようと思えば、オープンタイプで地面は土のままが最も安いです。車を駐車することだけを考えれば、特に不便はないでしょう。しかし、このタイプの駐車場は、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 雨や雪、鳥の糞などが直接車に当たるため、洗車頻度が高くなる
  • 直射日光を浴び続けるので、車の塗装が早期劣化する
  • 雨の日は泥が跳ねて車が汚れる
  • 雹や飛来物で車が傷つく
  • 轍ができて車の下面が傷つく
  • 夏場は車内が高温になり、乗車前に車内を冷やす必要がある(ガソリンの無駄)

オープンタイプの駐車場は、上記のように、車の汚れや早期劣化の可能性があります。車好きの方でなければ、あまり意識しないのですが、太陽光に含まれる紫外線は、すべての物を破壊する特性があります。車の塗装に関しても、長時間直射日光を浴び続けると、ボロボロに崩れてしまうのです。実際に、放置自動車は、表面の塗装がボロボロになっていると思うのですが、これは太陽光の力なのです。
つまり、駐車場のイニシャルコストを抑えたとしても、日々の車のメンテナンスに手間や時間、コストがかかってしまうことになるため、長期的な視点で考えると、コスト的にも損になるのです。

駐車しにくく感じる

これは、敷地面積も関係しますので致し方ない場合もあります。ただ、スペースに余裕があるのに、駐車場のスペースを十分に確保しなかった場合、駐車しにくく感じてしまい後から失敗したと後悔する可能性があります。

例えば、車幅ギリギリのスペースを設定すると、車を入れるのに苦労する上、乗り降りが困難に感じて「失敗した」と後悔する可能性が高くなります。さらに、狭すぎる駐車スペースは、車の乗換え時に購入できる車種に制限ができてしまう点も後悔につながりやすいです。例えば、小型車がギリギリ入るぐらいのスペースしか確保しなかった場合、ワンボックスカーなど横幅が大きい車に乗り換えることが難しくなります。ちなみに、車の乗換えのことを考えると、カーポートなどの天井高についてもきちんと考慮しておかなければいけません。

駐車スペースを広くとったのに使わない

狭すぎるとは逆に、駐車場を広くとりすぎて、無駄に感じてしまう…というケースもあります。例えば、将来的に子供が車を購入し必要になるかもしれない、自宅で商売をしているから来客用の駐車場を用意するというケースが考えられます。しかしこのような場合でも、子供が車を使わないもしくは車を買う前に独立するなんてことになれば、あらかじめ用意したスペースが無駄になります。また、来客用の駐車スペースに関しても、車で来る人がいない、すぐに商売をやめてしまった…なんて場合は無駄に感じてしまうでしょう。

駐車場の広さに関しては、後から増やすことが難しいという面があるため、将来のことを考えて広くとっておいた方が良いとは思います。広い駐車スぺースを確保したとしても、十分な居住スペースが確保できているなら後悔まではしないと思いますが、駐車スぺースのために居住スペースを狭めたという場合は「こんなことなら〇〇用の部屋を作れば良かった…」と思ってしまいます。

このような失敗をしたくないのであれば、駐車場についてはひとまず2台用確保し、奥行きを広めにとっておくという方法がおすすめです。そうすれば、来客があった際は、普段よりも奥に車を下げることで、来客用の駐車スペースを確保することができるようになります。

固定資産税が高くなった

駐車場と固定資産税の関係はきちんと押さえておきましょう。固定資産税は、以下の要件を満たしている場合に課せられます。

  • 外気分断性があること
  • 定着性があること
  • 用途性があること

外気分断性とは、建物が3方向以上の壁や屋根によって囲まれている状態のことを指していてガレージはこれを満たします。定着性や用途性に関しては、カーポートでも満たしているのですが、外気分断性の条件を満たしていないため、固定資産税の対象にはならないのです。ガレージやビルトインガレージは、上の3つの条件を満たしますので、固定資産税の課税対象となり、税額が増えてしまう可能性があります。

まとめ

今回は、注文住宅を建てる際の駐車場の取り扱いについて解説しました。記事内でご紹介したように、一口に「家の駐車場」と言っても、さまざまなタイプが存在するのです。一般的には、オープンタイプかカーポートタイプが選ばれるケースが多いのですが、所有する車種によっては、防犯性を重視してガレージタイプがおすすめできる場合も少なくありません。

ただ、駐車場を用意するためには、それなりに広いスペースが必要になるので、土地の取得費用がかさむ、もしくは居住スペースが狭くなるといった問題が立ちはだかる場合もあります。したがって、本当に駐車場が必要なのか、必要と判断する場合でも十分なスペースを確保することができるのかなどは慎重に検討しましょう。

なお、駐車場を作ると決めた時には、イニシャルコストの安さに注目するのではなく、必要だと考える機能性を重視するのがおすすめです。例えば、費用をケチって屋根を付けない、カーゲートなどの盗難対策をしないといった決断をした場合、車が早期劣化して買い替えに余計な費用がかかる、大切な愛車を盗まれてしまう…なんて結果になるかもしれません。
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