近年では、駐車場の新たな形としてソーラーカーポートへの注目度が高くなっていると言われます。駐車場と聞くと、野ざらしやカーポートを設置する、盗難被害やいたずらを防止するためガレージを設置するなど、さまざまな形状が存在します。ただ、どの駐車場の形を選択したとしても、基本的には「愛車を駐車する場所」として利用できるだけで、経済的なメリットを期待することはできませんでした。
一方、ソーラーカーポートは、その名称から分かるように、カーポートを使って太陽光発電を可能にした設備のことを指しています。昨今では、新型コロナウイルス問題やロシアによるウクライナ侵攻など、世界情勢の混乱が影響し、電気代の高騰が社会問題となっています。さらに、自家用車に関しては、電気を燃料とするEV車の普及率が高くなっているなど、わたしたちの日常生活を考えると、電気がさらに存在感を増している状況といえるのです。
このような状況の中、ソーラーカーポートは、日々の電気代の削減やEV車との相性の良さなどが注目され、新築やリフォーム業界ともに駐車場の設置を検討する方が急増していると言われています。ただ、ソーラーカーポートは、一般のカーポートと比較すると、設備構成がかなり複雑になる分、設置にかかるコストが圧倒的に高くなるなどのデメリットも存在します。そこでこの記事では、自宅へのソーラーカーポートの設置を検討している方に向け、設備導入後に後悔しないためにおさえておくべきポイントと、ソーラーカーポートのメリット・デメリットを解説します。
そもそもソーラーカーポートとは?
それではまず、近年新たな駐車場の形として注目を浴びているソーラーカーポートについて、これが従来のカーポートと何が異なるのかについて簡単に解説します。
従来のカーポートは、柱と屋根のみで構成される単純な構造物で、駐車場に停めている車を飛来物や紫外線から守る、悪天候時でも車の乗り降りの際に濡れずに済むなどといったメリットがある設備です。3方向以上を壁で囲われるガレージと比較すると、車の保護機能や防犯機能が低下するものの、安価に建設できることからコストパフォーマンスが良い設備として人気です。そして、ソーラーカーポートについては、このカーポートの屋根部分に太陽光発電パネルを搭載した設備のことを指しています。屋根の上に太陽光パネルがあることで、従来のカーポートの機能だけでなく「駐車場で発電できる」という機能性を付加することができるわけです。
現在の日本は、太陽光発電容量がダントツ世界一とされているように、住宅の屋根に太陽光発電設備を搭載しているご家庭が増えています。しかし、住宅用太陽光発電は、築年数の問題や屋根の構造などにより設置に向いていないとされる家も少なくなく、導入したいけれど業者側に断られてしまった…という方もいるのです。また、太陽光発電を住宅屋根に設置しているものの、屋根だけでは発電量が少ないと悩む方も多いとされています。
そこで一気に注目され始めたのがソーラーカーポートと呼ばれる設備で、今までは「車を停める場所」にしかならなかった駐車場を、新たな発電場所として活用することができると人気になっているのです。特に、昨今では「カーボンニュートラル」あるいは「脱炭素」というキーワードのもと、さまざまな取り組みが始まっていて、国もCO2の排出量が削減できる設備の導入を強く後押しするようになっています。ソーラーカーポートも、新たな再エネ設備の導入方法として注目されるようになっていて、今後さらに普及促進が加速すると予想されています。
ソーラーカーポートにも種類がある
従来のカーポートにも、柱の数や位置によっていくつかの種類に分けられています。そして実は、ソーラーカーポートもいくつかの種類が存在するのです。最もわかりやすい違いは、2台用や3台用など、サイズによる分類がある事なのですが、これ以外にも構造そのものが変わるという特徴があるのです。
ここでは、主なソーラーカーポートの種類をご紹介します。
太陽光発電一体型
一つ目は太陽光発電一体型と呼ばれるタイプです。このタイプのソーラーカーポートは、カーポート屋根に太陽光パネルを設置することを前提として設計しており、分かりやすく言うと屋根材として太陽光パネルが採用されたものとなります。
カーポートは、屋根があることで、車を飛来物や紫外線などから保護する、悪天候時に人の雨避けになるといった効果が得られるのですが、太陽光発電一体型のソーラーカーポートは、屋根材として太陽光パネルが採用されているのが大きな特徴です。当然、太陽光パネルは、カーポートの屋根機能として働く部材となるため、原則としてパネルを取り外すことができません。
ただその一方、屋根全体にモジュールを敷き詰めることができるため、後述する「搭載型」と比較すると、効率的に電力を生み出すことができるのです。太陽光発電一体型の場合、両面発電が可能なパネルが採用されているケースが多いため、地面に反射した太陽光を活用して電力を作り出すことができる仕様になっているので、発電容量が多くなります。
太陽光発電搭載型
太陽光発電搭載型と呼ばれるソーラーカーポートは、太陽光パネルとそれを設置するための土台となるカーポートが分離しているタイプです。住宅屋根に設置する太陽光発電をイメージしていただければ分かりやすいですね。
太陽光発電搭載型の場合、金属製の屋根を採用して、その上に太陽光パネルを設置するための架台を取り付け、その上に太陽光パネルを設置することで発電できるようになるという仕組みです。このタイプの製品は、屋根にのせる太陽光パネルについてさまざまなメーカーや型番の製品を選択することができるため、安価なパネルを選択することで、ソーラーカーポートの設置にかかるコストを抑えられる点が特徴となります。また、太陽光パネルは、あくまでもカーポートの上に設置しているだけなので、何らかの理由で太陽光発電が不要になった際は、パネルを撤去して通常のカーポートとして利用し続けることも可能です。
ただし、太陽光パネルは屋根の上にのせていることから、地面に反射した光をパネルが受けることはできません。つまり、一体型のような両面発電をすることはできないので、発電容量は少なくなります。
オーダーメイドタイプ
ソーラーカーポートは、基本的には上で紹介した二つのうちどちらかを選ぶ方が多いです。ただ、3つ目の選択肢としてオーダーメイドタイプと呼ばれるソーラーカーポートもあります。これは、旗竿地など、既製品のカーポートが設置できないという場合に採用される方法で、設置環境に合わせてカーポートのサイズや形状を一から設計してもらうという方法となります。
通常、旗竿地など、特殊な形状の土地の場合、カーポートなどの設置を検討しても、既製品ではサイズが合わなくて設置することができない…なんてことになりやすいです。ただ、従来のカーポートもソーラーカーポートも、建設会社などに依頼すれば、自宅の環境に合ったソーラーカーポートをオーダーメイドすることが可能なのです。
注意点としては、既製品を購入して設置するという方法と比較すると、一から設計しなければならない分、ソーラーカーポートの設置にかかるコストがどうしても高くなります。
ソーラーカーポートの設置費用相場について
ここまでの解説で、ソーラーカーポートがどのような製品なのかは分かっていただけたと思います。ソーラーカーポートは、従来のカーポートと同じく車や人を保護してくれるという機能だけでなく、駐車場のスペースを使って電力を生み出してくれるという非常に優れた設備なのです。今までは経済的な面ではデッドスペースであった駐車場で発電できるということは、売電や電気代削減のことを考えると、大きな経済的メリットが期待できるようになるでしょう。
ただ、ここで皆さんが気になるのは、ソーラーカーポートの設置にかかるコストなのではないでしょうか?従来型のカーポートにはない優れた機能があるとはいえ、太陽光発電設備まで搭載するとなると、かなり高額な設置費用になるのではなないか…と気になってしまいますよね。
そこでここでは、一般的なソーラーカーポートの設置コストについて解説します。
ソーラーカーポートの設置費用相場
一般的なカーポートの場合、サイズやデザイン性、強度などによって価格が大きく変わるものの、ホームセンターなどで購入できる安価なカーポートであれば、2台用の物で20万円台から販売されています。もちろん、高グレードなカーポートであれば、2台用の物でも70~100万円程度と高額になりますが、多くの方に選ばれる平均的な価格は40万円程度を想定しておけば良いです。
一方、ソーラーカーポートの本体価格は、これよりもかなり高額になるのです。ソーラーカーポートの設置費用相場は、販売店やシリーズなどによって大きく異なるものの、以下のような価格が相場となります。なお、以下で紹介する価格は、太陽光発電システムや標準的な工事費用を含んでいます。
- 1台用ソーラーカーポート・・・150万円~
- 2台用ソーラーカーポート・・・200万円~
- 3台用ソーラーカーポート・・・250万円~
- 4台用ソーラーカーポート・・・300万円~
上記の費用は、太陽光発電一体型のソーラーカーポートを選択する場合です。ソーラーカーポートには、先ほどご紹介したように、太陽光パネルを屋根の上に搭載するタイプもあるのですが、こちらの方が若干高くなります。また、積雪地帯向けのソーラーカーポートは、構造が頑丈になる分、さらに金額が高くなります。
こう見ると、ソーラーカーポートは、従来型のカーポートと比較すると、設置にかかるコストがかなり高くなると言えるでしょう。
※ソーラーカーポートは、ある程度の発電量を確保する必要があるので、基本的に2台用以上のものが設置されます。
ソーラーカーポートのメリット
それではここからは、従来型のカーポートと比較した場合のソーラーカーポートのメリットとデメリットを解説していきます。まずは、ソーラーカーポートを選択することで得られるメリット面からです。
電気代削減や売電による金銭的メリット
ソーラーカーポートは、住宅ではなくカーポートの屋根の上に太陽光パネルを設置する設備なので、太陽光発電のメリットをそのまま享受することができます。
太陽光発電は、晴れていれば自宅で電気を作ることができるようになるのが最大のメリットで、自家発電した電力を自家消費すれば電気代削減が、売電すれば金銭的な収入を得ることができます。昨今では、電気代の高騰が社会問題になっており、この部分のメリットは非常に大きいとされています。
なお、ソーラーカーポートの電気代削減効果については、普段の電気の使い方や設置するカーポートの種類によって異なるものの、一般的に年間7万円以上の電気代削減効果が得られるとされています。
駐車スペースと太陽光発電のスペースを共有可能
カーポートの屋根上に太陽光パネルを設置するわけですので、当然のメリットなのですが、太陽光発電の設置場所が少なくなった昨今では、大きなメリットと捉えられるようになっています。
太陽光発電設備は、一般的に住宅の屋根や工場・倉庫の屋根の上に設置する物というイメージが強いと思います。ただ、この他にも、「野立て」と呼ばれるタイプがあり、この場合空き地に太陽光パネルを並べるように設置するという方法になるのです。近年増加しているメガソーラーなどは、土地にたくさんのパネルを並べていくという方法が採用されます。
ただ、野立ての太陽光発電は、地面にパネルを並べていくという方法なので、その土地は発電以外に使えなくなります。これがソーラーカーポートの場合であれば、駐車場としてのスペースを確保しつつ、その上の空間を利用して発電ができるようになるのです。つまり、空間を効率的に活用できるという点がソーラーカーポートのメリットといえ、工場や倉庫などでは、広大な駐車場を活かしながら自家消費型太陽光発電として運用できると人気になっています。
屋根以外に再エネ設備のためのスペースが確保できる
太陽光発電をしたいけれど、築年数が経過した住宅の場合は、屋根の強度が足りなくて設置できない…なんてケースも珍しくありません。この場合、無理矢理にでも太陽光パネルを設置するのであれば、屋根の補強からスタートしなければならないため、莫大な費用がかかってしまいます。また、住宅屋根を利用した太陽光発電は、パネルの設置場所が屋根面積に左右されるので、発電量を増やしたくてもできない…なんてケースがあるのです。
このような方にとって、ソーラーカーポートは非常にありがたい設備となります。ソーラーカーポートは、今までは再エネ設備を設置するための場所でなかった駐車場を活用して発電することができるようになります。当然、住宅の築年数や屋根の強度も関係ありませんし、設置場所も屋外となるので、日常生活に支障を出すことなく設備の導入が可能になります。
近年では、テレワークなどの新しい働き方が一般化しており、昼間も多くの電気を使用するご家庭が増えています。このような方にとっては、発電容量を増やす、もしくは今まで無理だった自家発電を開始できる設備として非常におすすめです。
住宅の向きや屋根形状の自由度が高くなる
住宅屋根に太陽光発電を載せる場合、十分に太陽光を受けられるようにするためには、住宅の向きや屋根の形状に制限が生じてしまいます。住宅の形状にこだわりたい…という場合には、太陽光パネルの積載量が減ってしまい、希望する発電量が確保できなくなる…なんてケースも珍しくないのです。
このような場合、ソーラーカーポートがあれば、多少住宅屋根部分の発電量が少なくなったとしても、それをカバーするだけの発電量を確保することが可能です。一体型のソーラーカーポートは、両面発電も可能なので、皆さんが考えている以上の発電量を確保することができます。
災害対策ができる
日本は、地震や台風などの自然災害が非常に多い国として有名です。昨今では、これに加えて夏場の水害なども増加していて、一般住宅領域における災害対策は必要不可欠といえるような状況となっています。
地震や台風などの大規模災害では、停電により電力会社からの電気がストップすることも珍しくありません。さまざまな家電に日常生活を支えられている現在では、停電になると普通の生活すら満足におくれなくなる…といった危険もあるのです。
ソーラーカーポートは、太陽が出ていれば電気を作ることができるわけですので、万一の災害時でも、家族の安全を守るための最低限の電力を確保することが可能です。蓄電池なども備えておけば、夜間の電力も蓄えることができますし、非常時でも安心・安全な住空間を確保可能です。
補助金が活用できる
冒頭でもご紹介したように、昨今では、「カーボンニュートラル」あるいは「脱炭素」というキーワードのもと、さまざまな取り組みが始まっています。地球温暖化対策のためには、温室効果ガスであるCO2の排出量を大幅に削減する必要があるとされていて、太陽光発電などの再エネ設備の導入には手厚い補助金が用意されているのです。
ソーラーカーポートについては、工場や倉庫など、法人が導入する際にかなり大きな金額の補助金が交付されることが有名で、一般住宅は関係ないと考える人が多いです。しかしそうではなく、一般住宅におけるソーラーカーポートの設置にも、補助金が活用できる場合があるのです。例えば、国の補助金についてはZEH補助金が活用できる可能性があるとされています。また、これ以外にも地方自治体が独自に用意している太陽光関連の補助金が活用できる場合があるので、設置コストの負担を軽減することが可能です。
ソーラーカーポートのデメリット
ソーラーカーポートは、駐車場を自家発電所として活用できるなど、今までにない優れた設備とみなされるようになっています。ただ、何のデメリットもないのかというとそうではなく、以下のようないくつかのデメリットが指摘されています。
一般のカーポートと比較すると初期費用が高い
ソーラーカーポートの分かりやすいデメリットは、一般的なカーポートと比較すると、設置にかかる初期費用がかなり高くなる点です。上述したように、一般的なカーポートの平均設置費用が40万円程度と考えられる一方、ソーラーカーポートの場合は200万円近い初期費用がかかってしまうのです。
これについは、ソーラーカーポートの場合、一般的なカーポートよりもしっかりした構造である他、太陽光パネルや電気配線など多くの材料を使用することや、設置工事が複雑になるなどといったことが要因です。
なお、ソーラーカーポートは、今までのカーポートにはない「発電できる」という特徴があることから、中長期的に見ると、そこまでコストが高いとは言えない設備です。例えば、自家消費による電気代削減効果は、ソーラーカーポートの耐用年数分使用しただけで100万円を超える経済的なメリットがあります。さらに、場所によって導入時に補助金を利用することでコスト負担を軽減できるので、中長期的に見ると、ソーラーカーポートの方が安くついたという結果になる可能性もあります。とはいえ、初期にまとまったお金がかかるのは大きなデメリットでしょう。
建築確認申請が必要
二つ目のデメリットは、リフォーム時に考えられるデメリットです。ソーラーカーポートの場合、施工に入る前に建築確認申請が必要になるので、手続きが面倒になる、申請のためにお金がかかるといったデメリットが生じるのです。なお、一般的なカーポートの場合、1台用など、小型のカーポートであれば、建築確認申請なしで施工できます。
ソーラーカーポートは、ある程度の発電量を確保するため、2台用以上の大型のカーポートを設置するケースがほとんどなので、建築確認申請が必要になる条件を満たしてしまいます。また、太陽光モパネルの下が「駐車場用途」にあたるため、正確には特殊建築物扱いとなり、建築基準法および関連法規などを遵守しなければならない設備となってしまうのです。
新築時の場合であれば、どちらにせよ必要な手続きなので、大きなデメリットとは言えません。
方位、周辺環境に配慮が必要
ソーラーカーポートは、住宅屋根に設置する太陽光発電と同じく、日射が無ければ発電することができません。そのため、設備を設置する場所については、方角や周辺の建物の影響を受けにくく、しっかりと陽あたりを確保できる場所を選ぶ必要があります。
また、住宅屋根の太陽光発電との違いでは、太陽光パネルの反射による光害のリスクが高くなる点がデメリットと指摘されています。ソーラーカーポートの太陽光パネルは、住宅屋根に設置されるものよりもかなり低い位置にあるため、反射光がちょうどお隣の2階部分に入り込んでしまう可能性があるのです。そのため、ソーラーカーポート設置後に、光害による隣人トラブルの可能性が生じてしまう点が大きなデメリットです。
なお、光害のことを気にして、陽が当たらない場所を選ぶと、発電量が減ってしまうという本末転倒な結果を招くので注意してください。ソーラーカーポートを設置する場合は、十分な発電量を確保したうえで、反射で近隣の方に迷惑をかけない設置位置を専門業者にアドバイスしてもらうようにしましょう。
まとめ
今回は、新たな駐車場の形として注目を集めるようになったソーラーカーポートの基礎知識について解説しました。
記事内でご紹介したように、ソーラーカーポートとは、従来のカーポートの屋根として太陽光パネルを採用した、もしくは屋根の上に太陽光パネルを設置した設備の事を指しています。駐車場に設置するカーポートは、そこに停める車を雨や雪、鳥の糞などの飛来物から守ってくれたり、紫外線による車の早期劣化を防ぐ、乗り降りの際も濡れずに済むなどといった効果を発揮してくれます。そして、ソーラーカーポートは、従来のカーポートの役割をそのまま発揮できるうえに、駐車場スペースを活用して発電することができるようになるのです。
もちろん、設備の機能性が高くなることから、設置にかかるコストはかなり高くなってしまう点は注意が必要です。ただ、ソーラーカーポートの場合、売電収入や電気代削減効果など、経済的なメリットも得られることから、中長期的に見るとカーポート部分にかかるコストを安く抑えられる可能性があるとされています。
現在、新築住宅の購入を検討していて、駐車場にカーポートの設置を考えている方がいれば、ソーラーカーポートの設置を検討してみるのも良いかもしれませんね。