新築注文住宅の外壁材を選ぶ際には、デザイン性や費用対効果に優れているという理由から、窯業系サイディングが魅力的に感じるという方が多いと思います。最近では、ガルバリウム鋼板を採用した金属サイディングの人気も高くなっていますが、家を建てるための初期コストを抑えられるという非常に大きなメリットがあることから、現在でも窯業系サイディングの人気は非常に高いです。

しかし、「施工費が安く抑えられる」など、コスト的な長所ばかりに注目して窯業系サイディングを選択した人の中には、後から「他の外壁材にすれば良かった…」と後悔するケースも少なくないと言われています。当然、どのような外壁材にも、採用することで得られるメリットがある一方、後悔に繋がるデメリット面もあるのです。特に窯業系サイディングの場合、家が完成してしばらくたってからいろいろな問題に気付くケースが多く、後悔の念が強くなってしまう場合も多いようです。

そこでこの記事では、そもそも窯業系サイディングがどのような外壁材で、素材的なメリット・デメリットはどのような点なのか?また、実際に窯業系サイディングを採用した方は、どのようなことに後悔しているのかについて解説したいと思います。外壁材は、理想の住まいを実現するため、非常に重要な要素となる部分なので、ぜひ家づくりの参考にしてみてください。

窯業系サイディングとは?

それではまず、数ある外壁材の中で、圧倒的なシェア率を誇っている窯業系サイディングの特徴について解説します。

新築注文住宅を建てる際には、外壁材選びが非常に重要な要素になります。どのような外壁材を採用するのかで、建物の外観イメージが大きく左右されますし、採用した外壁材の機能性などにより、家の断熱性能などにも影響が生じるのです。そして、数ある外壁材の中でも、そのデザイン性や費用対効果の高さが注目され、窯業系サイディングは圧倒的な人気を集めています。実は、日本の住宅に採用される外壁材の割合は、なんと7~8割を窯業系サイディングが占めているとされているのです。昨今では、金属サイディングが新築・リフォーム業界共に注目され始めていますが、それでもまだ全体の10%に満たない割合にとどまっています。

それでは、これほどまで人気の窯業系サイディングは、どのような特徴を持ち、また他の外壁材と比較した時にはどのような違いがあるのでしょうか?ここでは、窯業系サイディングの基礎知識を解説します。

参照:2024年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要

窯業系サイディングの特徴について

窯業系サイディングについては、文字だけを見たのでは「どのような材料で構成されているのか?」がイメージできない人が多いと思います。ただ、特殊な材料が採用されているわけではなく、セメントと繊維質を混ぜて板状に成形し、窯で焼いて作られた外壁材のことを指しています。この外壁材は、製造過程で窯が使われることから「窯業系」と呼ばれています。

それでは、この窯業系サイディングは、外壁材としてどのような特徴を持っているのかも簡単にご紹介します。

  • デザインが豊富
    窯業系サイディングは、さまざまなデザインや色、質感を表現することができます。最近では、レンガ調や木目調、石積み調など、豊富なデザインバリエーションの中から好みのデザインを選ぶことができるようになっています。
  • 施工が容易でコストパフォーマンが良い
    窯業系サイディングは、パネル状に成形されているうえ、比較的軽量な外壁材となるので、施工が容易だという特徴があります。そのため、他の外壁材と比較すると、初期費用を抑えやく、比較的安価にデザイン性の高い外壁を実現できることが魅力です。
  • 防火性が高い
    窯業系サイディングは、国土交通大臣認定の不燃材料です。高い防火性を有した外壁材であるため、万が一火災が発生したとしても、燃え広がりにくいとされています。
  • 耐久性が高い
    窯業系サイディングは、耐久性も高いです。適切なタイミングで必要なメンテナンスをきちんと行っていれば、長期にわたって良好な状態を維持することができます。

窯業系サイディングの特徴は、上記の通りです。特に、豊富なデザイン性、コストパフォーマンスの良さが注目され、日本国内の住宅市場で圧倒的な指示を得ています。

他の外壁材との違い

住宅に採用される外壁材には、さまざまな種類が存在します。そのため、新築注文住宅を建てる時の外壁材選びでは、窯業系サイディング以外の選択肢についてもきちんと検討する必要があります。ここでは、窯業系サイディング以外の、住宅業界で主要な外壁材の特徴について、窯業系サイディングと比較しながらご紹介します。

  • 金属サイディング
    近年の新築業界では、ガルバリウム鋼板などを採用した金属サイディングが注目されています。金属サイディングは、非常に軽量な外壁材なので、建物の耐震性を高めてくれるというメリットがあります。また、シンプルでスタイリッシュな外観を実現できるなど、昨今の洋風建築には非常に適したデザイン性を持っていることも人気の一因になっています。ただ、熱による膨張や収縮の影響を受けやすい、断熱性能が窯業サイディングに劣るなどのデメリットが存在します。
  • 木質サイディング
    木材を外壁材として用いたタイプです。この外壁材は、他の外壁材では出せない天然木ならではの風合いが魅力です。高い断熱性を誇るものの、防火性や耐久性、価格の面で窯業サイディングには劣ります。また、塗装メンテナンスなど、定期的なメンテナンスが不可欠で、初期費用、ランニングコスト共に高くなりがちなのが難点です。
  • モルタル壁
    モルタル壁は、窯業系サイディングの次に使用割合が多いです。ただ、全体の8%程度で最近では金属サイディングに追いつかれる勢いとなっています。モルタルは、仕上げの種類が豊富で、自由にデザインできるという点が魅力で、また比較的安価に施工できます。ただ、経年劣化によりひび割れが生じやすく、定期的な塗り替えメンテナンスが必要になるので、ランニングコストが割高になってしまう可能性があります。

上記のほか、ALC(軽量気泡コンクリート)などもあるのですが、ALCは他の外壁材と比較すると、初期費用が高くなります。ただ、非常に高い耐久性を誇り、メンテナンスをしっかり行うことで50年以上持たせることも可能とされているので、中長期的な視点で見ると、魅力的な外壁材と言えるかもしれません。

このように、住宅に採用される外壁材にはさまざまな種類があり、それぞれ異なるメリットとデメリットが存在します。新築注文住宅を建てる際には、費用や外観デザイン、完成後のメンテナンス性など、何を重視するのかによって採用する外壁材を選びましょう。

窯業系サイディングのメリット

それでは、窯業系サイディングを外壁材として採用する場合に得られるメリットについて、もう少し詳しく解説していきます。上で解説したように、窯業系サイディングは、日本の住宅の約8割が採用しているなど、圧倒的なシェア率を誇っています。

これほどまでのシェア率を誇るということは、多くの方に外壁材として採用するメリットがあると認識されているからでしょう。ここでは、住宅の外壁材として窯業系サイディングを採用する代表的なメリットをご紹介します。

メリット1 多用なデザイン性が実現

窯業系サイディングがこれほどまで広く普及しているのは、デザインの多様性にあると言われています。

先程紹介したように、窯業サイディングは板状に成形された外壁材なのですが、その表面は、色や質感はもちろん、レンガ調、木目調、石積み調など、さまざまなデザインが採用されています。そのため、住宅の外観デザインについて、自由度が非常に高くなるというメリットが得られるのです。

注文住宅を建てる際には、自分が理想とする外観デザインを実現したいと考えると思いますが、窯業系サイディングは、複数のメーカーがさまざまなデザインの製品を用意しているため、豊富な選択肢の中から自分が理想とする外観を実現できる製品を選べるのが特徴です。

メリット2 コストパフォーマンスが高い

窯業系サイディングのメリットとして、ここまでのシェア率を誇っている理由は、コストパフォーマンスの高さが要因だと言えるでしょう。

先程紹介したように、窯業系サイディングは、施工性が非常に良く、他の外壁材と比較した場合、初期コストを抑えられる傾向にあります。つまり、その他の外壁材と比較すると、安く自分の理想とする外観デザインを実現することができるという意味です。もちろん、デザイン面だけでなく、防火性や耐久性、断熱性など、外壁そのものの性能を高めてくれるます。

窯業系サイディングを採用する際の費用については、材料のグレードやデザインなどによって多少費用が高くなるものの、その他の外壁材よりは初期コストを抑えられる傾向にあります。ただ、長期的な視点で考えると、定期的なメンテナンスを欠かすことができないので、ランニングコストのことも考慮しておく必要があると思います。

メリット3 耐火性や耐震性が高い

窯業系サイディングは、耐火性や耐震性が高いという点も大きな魅力となっています。

まず、窯業系サイディングは、セメントが主成分となるため、万が一住宅火災が発生したとしてもい、燃え広がりにくくなるという効果が期待できます。さらに、窯業系サイディングは、地震の揺れにも強く、万一の地震時にも建物の構造を守ってくれるという役割を果たしてくれるのです。もちろん、大きな地震の場合、サイディング自体にひび割れが生じる可能性はあります。

そのため、定期的な点検やメンテナンスを実施し、外壁材を良好な状態で維持することが、建物の安全性の維持に繋がります。この点は、どのような外壁材を採用していたとしても同じです。

窯業系サイディングのデメリット

窯業系サイディングは、上記のようなメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。外壁材の選択は、メリット面ばかりに注目すると、将来的に後悔してしまう結果を招く恐れがあるので、素材的なデメリット面もきちんと押さえておきましょう。

デメリット1 メンテナンス頻度が高い

窯業系サイディングの最大のデメリットは、メンテナンス頻度が高い素材であることから、ランニングコストが高くなってしまいがちだという点です。

窯業系サイディングは、表面の塗膜により防水性を得ているため、基本的に10~15年程度に一度の頻度で再塗装が必要になります。再塗装の頻度は、採用する塗料のグレード、種類によって変わりますが、紫外線や風雨によって塗膜が劣化して防水性が低下するのは変わらないため、定期的な再塗装メンテナンスが必要不可欠なのです。

塗膜の劣化を放置した場合、サイディング自体が水を吸収することになり、湿潤・乾燥を繰り返すことでひび割れや反りと言った問題を引き起こすことになります。そうなると、外壁材そのものの張り替えが必要になり、メンテナンスコストが高くなってしまいます。それを防ぐためにも、決められたタイミングで再塗装を行うのですが、この作業にはそれなりの費用と手間がかかってしまいます。
また、サイディング壁は、ボードとボードの隙間を埋める目的で、シーリングが施工されています。このシーリングも、紫外線の影響などで劣化し、防水性が失われるため、定期的なやり替えが必要です。サイディング壁は、これらのメンテナンスにコストがかかるので、中長期的に考えた時にはコスト高になる可能性が否定できません。

デメリット2 防水面の課題

窯業系サイディングは、素材そのものの防水性が低いということが問題となる場合があります。もちろん、一切の防水性を持っていないというわけではないのですが、基本的に塗装による防水性がメインとなります。

しかし、先ほど紹介したように、表面の塗膜は紫外線の影響などで劣化してしまうため、適切なメンテナンスを行っていない場合、雨水を防ぎきれず、サイディング材そのものが劣化してしまうことになるのです。他にも、シーリング部分の劣化が放置されるケースが多く、そこから住宅内部に雨水が侵入し、建物の構造部分にまで被害が及んでしまうなどといったことも多いです。

窯業系サイディングは、防水性を維持することが非常に重要なのですが、そのためには手間やコストがそれなりにかかってしまう点がデメリットになります。

デメリット3 蓄熱性が問題視されるようになっている

窯業系サイディングは、他の外壁材と比較した場合、蓄熱性が高い傾向にあるとされています。

蓄熱性とは、夏場に、太陽光によって外壁が熱せられ、外壁材が熱を持つことを指しています。そして、この熱が室内に伝わり、室温を上昇させてしまいやすくなるという問題につながるのです。特に、昨今の日本の夏は、猛暑化が進んでいて、昼間の気温が40℃を超えるような事も珍しくなくなっています。そのため、断熱性能が低い住宅の場合、サイディング材の蓄熱性により、さらに室温が上昇しやすくなっているのです。

窯業系サイディングの蓄熱性の問題を解消するには、断熱対策に力を入れる、塗装剤として遮熱塗料を採用する、通気工法を採用するなど、いくつかの対策があるのですが、これらの対策を採用する場合、どうしてもコストがかかってしまうため、「窯業サイディングの費用対効果」というメリット面を打ち消してしまう可能性があるので注意しましょう。
なお、窯業系サイディングの蓄熱性は、冬場は暖房効率が良くなるという側面もあるため、一方的にデメリットだけが存在するというわけではありません。

窯業系サイディングを採用した人は何に後悔しているの?

ここまでの解説で、窯業系サイディングの特徴や素材的なメリット・デメリットはある程度分かっていただけたと思います。どのような外壁材であっても、メリットがある一方、後悔に繋がるデメリットは存在します。

それでは、実際に窯業系サイディングを採用した人は、何を原因として後悔する可能性があるのでしょうか?ここで、窯業系サイディングの後悔ポイントとしてよく言われている部分をいくつかご紹介します。

①凍害の影響で想定より早くに劣化した

凍害とは、外壁材内部に含まれる水分が、外気温によって凍結と融解を繰り返し、徐々にボロボロに劣化してしまう現象のことを言います。

実は、窯業系サイディングの主原料であるセメントは、水を吸いやすいという特徴を持っています。そして、水を吸ったサイディングは、脆くなってしまい、衝撃などに弱くなってしまうことで、凍害の被害を受けやすいのです。

先程紹介したように、窯業系サイディングの防水性は、表面に施されている塗装によるものです。サイディング材そのものは、「家の中への浸水をある程度防ぐ」という効果は見込めるものの、自身が水を吸収してしまうことになります。そして、雨水などを吸収したサイディング材は膨張し、乾燥すると収縮するということを繰り返すようになり、変形やひび割れ、欠けなどの問題が生じてしまうのです。さらに、冬場の気温が低くなる寒冷地などでは、外壁材に含まれた水分が凍結・融解を繰り返すことになり、内部からボロボロに崩れてしまう可能性があります。

実際に、安さを理由に窯業系サイディングを選んだけど、凍害ですぐに劣化してしまった…と言った声は、ネット上で見かける機会も多いです。

②想像以上にメンテナンスに手間とコストがかかる

外壁、ひいては住宅そのものを長持ちさせるためには「定期的なメンテナンスが必須」という点は、どの外壁材を採用していても共通します。

しかし、窯業系サイディングの場合、初期費用の安さにばかり注目する方が多く、新築時にメンテナンスについて見落としてしまうことで、後から「こんなにメンテナンス頻度が多いとは…」と後悔する方が以外に多いのです。

窯業系サイディングは、素材そのものは、基本的に防水性はなく、表面の塗膜が防水機能を担っています。つまり、塗膜の劣化は、外壁材の耐久性に大きく影響することになるのです。そして、塗膜の効果を維持するためには、メンテナンス回数がどうしても増える傾向にあり、ランニングコストが高くついてしまうことに後悔を感じ始めるというパターンが非常に多いです。

窯業系サイディングの場合、劣化した塗膜の塗りなおしが必要になる他、ボードとボードの隙間を埋めるためのシーリングのやり替えが必要になります。再塗装もシーリングのやり替えも、基本的には10年程度に1度の頻度で行わなければならないため、「メンテナンスにお金がかかりすぎる…」と感じてしまう訳ですね。

ちなみに、メンテナンスコストを嫌って、適切なタイミングで行わなかった場合、建物の構造部分にまで水が回り、大規模な修繕が必要になってさらにコストがかかる可能性があるので、その辺りは注意しましょう。

③夏場の室内が想像以上に熱く感じた

先程紹介したように、窯業系サイディングは、蓄熱性が高い外壁材であるため、熱を吸収しやすく、その熱が室内に伝わることで家の中が暑くなりやすい傾向にあるのです。

特に、日当たりが良い立地となると、夏場の室内が非常に暑くなってしまい、ガンガンに冷房を効かせなくてはならなくなることで、光熱費が高くなってしまう可能性があるのです。昨今の日本の夏は、猛暑化が進んでいるため、窯業系サイディングを選んだ家の場合、想像以上の暑さになり、「こんなはずじゃなかった…」と後悔する人がいるのです。

窯業系サイディングの蓄熱性は、素材的な特徴のため、夏場の暑さを解消するためには、遮熱塗料の採用など、その他の面でコストをかけなくてはならないので注意しましょう。

窯業系サイディングの採用に後悔しないためにはメンテナンスが重要

窯業系サイディングは、初期費用が軽減できるものの、上で紹介したような問題が生じた場合「他の外壁材を選べば良かった…」と後悔する可能性はあります。したがって、窯業系サイディングの採用に後悔しないためには、以下のような点をおさえておく必要があると考えておきましょう。

窯業系サイディングを選ぶ際の注意点

窯業系サイディングを選ぶ際の注意点としては、以下のことを頭に入れて、「本当に窯業系サイディングが良いのか?」を判断するようにしましょう。

  • 定期的なメンテナンスが必要
    上でも解説しているように、窯業系サイディングは、表面の塗膜によって防水性を得ているため、定期的な点検とメンテナンス(再塗装、シーリングの打ち替えなど)が必要です。メンテナンスの有無は、外壁の寿命を大きく左右ポイントになるので、「適切なタイミングでメンテナンスを実施しなければならない」ということを最初から認識しておきましょう。
  • 信頼できる業者を選定する
    窯業系サイディングに限りませんが、外壁の選択に後悔しないためには、施工技術や知識、経験豊富な業者を選ぶことが、後悔しないための第一歩です。
  • コスト比較は中長期的な視点で行う
    窯業系サイディングは、コストを抑えられることをメリットとして採用する方が多いです。しかし、他の外壁材と比較した時、メンテナンス頻度が高くなるため、コスト比較に関しては、初期費用だけでなく、将来的なメンテナンス費用も考慮して、総合的に判断することが後悔を防ぐポイントになります。

窯業系サイディングに必要なメンテナンス

ここまでの解説で分かるように、窯業系サイディングの採用に後悔しないためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。それでは、どのようなメンテナンスを想定しておけば良いのかもご紹介しておきます。

  • 塗装メンテナンス
    窯業系サイディングは、表面の塗膜により防水性などの効果を得ています。そのため、その効果を維持するためには、定期的な再塗装が必要になるのです。一般的には、10年程度に1度の頻度で再塗装が必要になるとされているのですが、塗料のグレードによっては15年以上持つものものあるので、専門家のアドバイスの元、どの塗料を採用するのかも慎重に検討しましょう。なお、再塗装にかかる費用については、足場代を含めて、1㎡あたり3,000~5,000円程度が目安となります。
  • シーリングの打ち替え
    窯業系サイディングは、ボードとボードの隙間を埋めるためシーリングが施工されています。これはその隙間から雨水が侵入するのを防ぐことが目的なのですが、シーリングも紫外線などの影響で劣化していくため、5~10年ごとに1回の頻度でうち替えが必要になります。費用は、1mあたり1,000~2,000円程度が目安です。
  • ひび割れの補修
    サイディング材にひび割れが生じた際は、ひび割れ補修が必要になります。補修方法に関しては、ひび割れの程度によって変わります。
  • 洗浄
    塗膜の効果が薄れてくると、表面に汚れやカビ、コケなどが付着してくるので、建物の外観イメージを壊してしまいます。そのため、高圧洗浄機を使用して汚れを落とすといったメンテナンスも必要になります。費用は、1㎡あたり500~1,000円程度が目安ですが、汚れが軽微な段階であれば家庭用の高圧洗浄機で洗浄することも可能です。

窯業系サイディングは、上記のようなメンテナンスが必要不可欠です。他の外壁材と比較すると、初期コストを抑えられる点がメリットとされているのですが、メンテナンスにかかるコストのことを考えると、圧倒的に安い外壁材というわけではないので、その点は注意しましょう。

まとめ

今回は、日本の住宅業界で圧倒的なシェア率を誇っている窯業系サイディングについて解説しました。記事内では、窯業系サイディングの特徴のほか、外壁材としてのメリット・デメリットを紹介しているので、自宅の外壁材として望ましいのか検討してみると良いでしょう。

窯業系サイディングは、初期コストを抑えながらデザインに関する理想を叶えられる優れた外壁材である者の、定期的な再塗装など、メンテナンス頻度が高い外壁材であるため、ランニングコストは高くついてしまう可能性があるのです。また、蓄熱性の高さから、昨今の猛暑化が進む日本の夏場のことを考えると、夏場の光熱費上昇を招く恐れがあるので、外壁部分の断熱対策にコストをかけなければならない可能性が高いです。

家を建てる時に求めるものは、人それぞれですし「圧倒的ににシェア率が高いから」「初期コストが安く抑えられるから」と言った安易な理由で窯業系サイディングを選択するのはあまりおすすめではありません。

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