今回は、新築住宅の購入ではなく、家の購入後に皆さんが考えておかなければならない台風対策について解説したいと思います。

日本は、昔から台風による被害が多い国として有名で、地域によっては「台風の上陸は毎年のことだし慣れている…」と言った感じに、そこまでの脅威は感じていないという人もいます。しかし、ここ数年、日本に上陸した台風のことを考えると、こういった台風慣れのような状況は非常に危険と言わざるを得ません。というのも、地球温暖化などの影響からか、日本に上陸する台風の大型化が指摘されており、特に、ここ数年の間で台風によって非常に甚大な被害が生じるようになっているのです。日本の住宅は、どちらかというと『地震対策』を重視する傾向があるのですが、昨今の台風の大型化を考えると、毎年必ずやってくる台風への対策は非常に重要になっています。

そこでこの記事では、すぐそこまで来ている台風シーズンに向けて、強風などによる家の被害を防ぐため、事前に行っておきたい台風対策のポイントをご紹介します。台風による住宅被害は、経年劣化などを放置して弱くなっていた部分が原因となり、大きな被害に拡大しているというケースがほとんどです。したがって、台風シーズンに入る前に、きちんと専門業者にメンテナンスをしてもらうことで、被害を抑えることが可能なのです。記事内では、住宅の中でも特に台風による被害が多い部位について、台風シーズン前にチェックしたいポイントをご紹介します。

住宅の台風対策のポイント

それでは、これからやってくる台風シーズンに向けて、事前にやっておきたい住宅の台風対策をご紹介します。台風と聞くと、猛烈な風を伴う自然災害というイメージが強いですが、強風と共に大雨が降る災害となるため、住宅のダメージは非常に大きなものになりやすいです。例えば、強風で屋根材が破損した場合、雨水が家の中にまで侵入してしまうことになるため、台風後の修理は大規模なものになりがちです。さらに、強風を伴う雨なので、横殴りの雨が家に打ち付けることになり、外壁の小さな破損から雨漏りが始まってしまう…なんてことも少なくないのです。

住宅内に雨水が侵入した場合、木材が水分を含むことになり、シロアリ被害に発展することもありますので、家を守るためには事前に台風対策を行い、被害を出さないようにするということが非常に重要なのです。そこでここでは、いくつかの部位に分けて、台風への備えとして何を行うべきなのかを解説します。

屋根の台風対策について

台風による住宅被害と聞くと、多くの方が「屋根の破損」をイメージするのではないでしょうか?実際に、過去に発生した大型台風による住宅被害では、強風により屋根材が飛ばされる…、屋根頂上の板金が飛ばされる…、飛来物が衝突して屋根が破損するといった被害が多いです。

こういった屋根被害については、経年劣化などにより屋根に小さな破損(ひび割れ、割れ、欠け)や屋根材のズレが生じていて、そこに強風の力が加わることで一気に拡大するというケースが多いです。したがって、台風への備えとして事前に以下のようなポイントをチェックしておくと良いです。なお、屋根の事前チェックポイントについては、採用している屋根材ごとに異なります。

  • 瓦屋根の場合
    瓦にズレが生じていないか、瓦に欠けや割れがないか、漆喰にひび割れや脱落が生じていないか など
  • スレート屋根の場合
    スレート材に割れや欠けが生じていないか、屋根材に浮きがないか、棟板金など板金に浮きや穴あきが生じていないか など
  • 金属屋根の場合
    金属屋根にサビが生じていないか、浮いている部分はないか、棟板金が浮いていないか など

台風シーズンに入る前に、上記のようなポイントをチェックし、何らかの問題が生じている場合はメンテナンスしておく必要があります。屋根に破損やズレ、錆や浮きなどが生じていた場合、強風による飛散や大雨による雨漏りなどの被害が考えられます。

瓦屋根や古いトタンは特に注意!

一般的に、屋根材の中でも『瓦』は、非常に重量があることが特徴です。そのため、「瓦は重たいから強風には強い!」と考えている方が多いのではないでしょうか?しかし、この考えは大きな間違いです。

実は、2018年、2019年、2020年に発生した大規模台風では、強風によって大きな被害が生じた住宅のほとんどが瓦屋根を採用していたというデータがあるのです。そもそも、瓦は「屋根材の中では重たい」というのは確かですが、台風の強風は自動車でも横転させるぐらいの力を持っています。つまり、瓦の重量など、台風にとってはあってないようなものなのです。
そして、瓦以外のスレート屋根や金属屋根については、屋根材一枚一枚を屋根の下地材に釘やビスでしっかりと固定するという施工方法が採用されています。一方、一般的な瓦屋根というのは、桟木(さんぎ)と呼ばれる角材を屋根に通し、そこに屋根材を「引っ掛ける」という施工方法になっている場合が多いのです。もちろん、瓦と瓦をかみ合わせることで、強い固定力が得られるようになっているのですが、経年劣化で屋根材にズレなどが生じている場合、その固定力が緩んでしまい、強風によって飛ばされてしまう…と言った被害に発展してしまいやすいのです。
さらに瓦屋根の恐ろしいポイントは、強風にとっては大した重さではないものの、人間にとっては危険な重さを持っている点です。強風で飛ばされた瓦が人にぶつかった場合には、人命にかかわるような大怪我につながる可能性があります。したがって、瓦屋根を採用しているお宅の場合、台風シーズンの前に念入りに点検を行っておくべきと言えます。

この他、築年数が相当に古い建物の場合、トタンの瓦棒葺き屋根が採用されている場合もあるでしょう。そしてこのタイプの屋根は、台風への耐久性が非常に低くなっている恐れがあるので注意が必要です。例えば、経年劣化で板金が歪んでいる、サビて穴あきなどが生じているといった屋根の場合、強風で屋根全面が一気に捲れてしまう…なんてことも過去に発生しています。現在では、ガルバリウム鋼板やSGLが金属屋根の主流になっていて、一般住宅にはトタンが採用されることはほとんどありませんが、築年数が経過した家の場合は、現役でトタン屋根が採用されているケースもあるので、その場合は、事前にしっかりとメンテナンスを行っておきましょう。

台風対策として行っておきたい屋根の点検・メンテナンス

それでは、台風への対策として、シーズン前に行っておきたい屋根の点検・メンテナンスのポイントについて解説します。現在の住宅業界では、「瓦屋根・スレート屋根・金属屋根」の3種類が主流となっていますが、どの屋根材を採用していたとしても、ひび割れや割れ、欠け、浮きなどの問題が生じている場合、事前にその部分の補修や交換が必要になります。

例えば、専門業者に依頼して、以下のようなメンテナンスを行っておくと良いです。

  • 瓦やスレート材に割れが生じている⇒破損した屋根材を交換してもらう
  • スレート材の一部に浮きや剥がれがある⇒該当部分は新しいスレート材に交換してもらう
  • 棟板金が浮いている⇒板金を固定しなおしてもらう(必要であれば板金ごと交換)
  • 漆喰にひび割れや脱落がある⇒漆喰の補修、やり替えを行ってもらう

台風による屋根被害は、小さな損傷から一気に被害が拡大する恐れがあります。したがって、専門業者に依頼して屋根の点検を行ってもらい、必要なメンテナンスを行っておきましょう。なお、屋根の上は、住人さん自身がのぼって点検するのは危険です。屋根の上は、足場が不安定なので、ちょっとしたことで転倒⇒落下なんてことになりかねない為、家を建ててもらったハウスメーカーや、近くの屋根業者に相談すると良いでしょう。なお、飛び込み影響による屋根点検は、悪質な詐欺業者も多いので、絶対に屋根の上に上げてはいけません。

屋根の台風被害は棟板金や漆喰の被害が多いので重点的にチェックしよう

台風による屋根被害で特に注意しておきたいのが屋根の頂上部分に施工される棟板金や瓦屋根の棟に施される漆喰です。スレート屋根や金属屋根の場合、屋根材そのものは問題なかったのに、棟板金だけ飛ばされてしまう…と言った被害が多いです。また瓦屋根の場合、漆喰のメンテナンスを怠っていた屋根で、強風で棟部分が崩れてしまう…と言った被害が生じやすいです。

どちらも、屋根の頂上部分に施工されているものなので、住人が下から見ただけでは劣化状況を判断することが難しく、家の中でも最も高い位置になることで強風の影響を受けやすいので被害が生じやすいわけです。したがって、台風シーズンに入る前に以下のようなメンテナンスを行っておきましょう。

  • 棟板金のメンテナンスについて
    棟板金は、築10年程度経過した家であれば、必ず板金の固定が緩んでいると考えた方が良いです。棟板金は、釘やコーキングにより固定されているのですが、風や紫外線などの外的要因により、徐々に固定力が緩み、浮きが生じてしまうのです。そして、台風のような強風が吹いたとき、隙間から風が吹き込み、一気に剥がれてしまう…という被害に発展します。したがって、台風への備えとして、板金の固定を点検してもらい、浮きが生じている場合はしっかりと固定しなおしてもらいましょう。なお、板金にサビが生じているなどと言った問題があれば、板金ごと交換してもらうのもおすすめです。
  • 漆喰のメンテナンスについて
    瓦屋根で棟瓦、丸瓦、のし瓦を固定するために施工されるのが漆喰です。漆喰は、施工後、徐々に硬化が進んでいき、10年程度でひび割れや脱落などが生じ始めます。一般的には、15~20年程度が寿命と言われているのですが、屋根被害を防ぐためには10年程度に一度の頻度でやり替えするのがおすすめです。特に屋根の頂上部分、棟に施工される漆喰は、強風や地震などの影響でひび割れなどが生じやすく、10年程度経過すれば、脱落などが生じている家がほとんどです。そのまま放置すると、棟部分からの雨水の侵入を許しますし、大型台風や地震などで棟が崩れる要因となります。したがって、築10年程度経過している家の場合、台風シーズンの前に点検してもらい、必要であれば漆喰のやり替えメンテナンスをしてもらいましょう。

屋根の頂上部分は、強風の影響を最も受けやすい場所となります。したがって、この部分に小さな劣化が生じていた場合、台風で一気に被害が拡大する恐れがあります。

雨樋の台風対策について

台風対策だけに限りませんが、住宅のメンテナンスポイントとして見落とされがちなのが『雨樋』です。雨樋は、屋根に落ちた雨水を集め、適切に建物外へと排水するための設備です。雨樋がない、雨樋のメンテナンスを怠り正常に機能していないなんて状態になると、住宅そのものの劣化を早めてしまう原因になるなど、皆さんが考えている以上に大切な設備なのです。特に、台風など、大雨を伴う自然災害では、雨樋の存在が非常に重要です。

例えば、雨樋の上に落ち葉やゴミが溜まっている、経年劣化で勾配がズレている、雨樋が部分的に外れているなどと言った状況になっていれば、雨水が溢れて思わぬ場所に水がかかり、雨漏りに発展するなどと言った危険があります。

雨樋のメンテナンスを怠った場合の被害

上述したように、雨樋は皆さんが考えている以上に重要な役割を担っている設備です。しかし、高所に設置されている設備で、普段の生活の中で雨樋の状況が目に入りにくいことから、適切に機能できなくなっている場合が少なくないのです。したがって、雨の日などに、自宅の雨樋に目を向け、「雨樋から水があふれている…」「雨樋に穴が開いて水が漏れている」などと言った状況になっていないか確認してみてください。

もしこのような状況になっているのに、それを放置した場合、以下のような問題に発展する恐れがあります。

  • 雨樋上の水が適切に排水されず、水跳ねが起きることで、破風や鼻隠し、軒天、外壁などに雨水がかかり劣化を早めてしまう
  • 雨樋から直接雨水が落下し、基礎部分を掘ってしまう。また泥跳ねなどで家を汚す
  • 適切に排水されない雨水が外壁を伝って流れることで、クラックから雨水が侵入し、雨漏りに発展する

雨樋が正常に機能しない場合、上記のような住宅そのものの問題に発展しかねません。特に、雨漏りなどに発展すると、家そのものの寿命や価値を大きく減らすことになります。

雨樋のメンテナンスポイント

雨樋は、常に正常に機能するような状況を作っておかなければいけません。日本は、三日に一度は雨が降るなど、年間を通してみると雨天の日が非常に多い国なのです。したがって、台風シーズンの前などに、以下のようなポイントを確認し、必要であればメンテナンスを行っておきましょう。

  • 雨樋上のゴミを取り除く
  • 集水器や竪樋にゴミが詰まっていないか確認し、必要であればゴミを取り除く
  • 軒樋の勾配がズレていないか確認し、必要であれば調整する
  • 破損している雨樋があれば交換する
  • 外れている箇所があれば、適切に接合する

雨樋の点検は、台風シーズンの前や、梅雨入り前など、時期を決めて定期的に行っておくのがおすすめです。また、築10年程度を経過したら、雨樋を固定している金具なども点検し、必要であれば固定しなおしてもらうようにしましょう。
なお、雨樋の寿命は、約20年程度と言われています。ただ、日当たりが良い家などは、紫外線の影響などで雨樋の劣化が早くなる場合もあるので、築15年あたりで全交換の必要がないか、専門業者に点検してもらうのもオススメです。近年では、ガルバリウム鋼板製の雨樋など、高い耐久性を誇る製品も登場していますので、交換頻度を抑えたいと考えるなら、新築時に高耐久モデルを設置するのがおすすめです。

外壁の台風対策について

台風と外壁はあまり関係がないのではないか…と考える人がいますが、大間違いです。冒頭でもご紹介しましたが、台風の場合、強風を伴う大雨となるので、通常の雨とは異なり、横殴りの雨が家に打ち付けることになるのです。つまり、普段は、雨水の影響が少ない外壁でも、大量の雨水が打ち付けることで、家屋内に水の侵入を許してしまう…なんてケースがあるのです。

一般的に、雨漏りというのは屋根の劣化が原因となって発生する物と考えられがちなのですが、実は外壁の破損が起因となる雨漏りも非常に多いのです。特に、台風の際に、雨漏りが始まる…という家が多いので、以下のようなポイントはおさえておきましょう。

外壁のメンテナンスポイント

台風への対策として行わなければならない外壁のメンテナンスポイントは、クラックの補修とコーキングのやり替えです。クラックは、外壁などに生じている「亀裂」のことを指しているのですが、横殴りの雨が外壁に打ち付けた時には、クラックから家屋内に雨水が侵入する危険があるのです。

なお、外壁のクラックについては、幅0.3mmに満たない髪の毛程度の細いクラックの場合はそこまで心配する必要はありません。0.3mm未満のクラックはヘアクラックなどと呼ばれていて、表面の塗装に亀裂が入っているだけで、構造体にまでは亀裂が達していないと考えられます。その一方、幅0.3mmを超えるクラックは構造クラックと呼ばれていて、住宅そのものに悪影響を与える可能性が高いクラックです。亀裂の幅が大きいので、横殴りの雨が降った際には、家屋内にまで水が侵入し、構造部まで傷めてしまう原因となります。

さらにクラックよりも危険なのが、窓枠やドア枠、サイディングの目地に施工されているコーキングの劣化です。こういった場所に施工されるコーキングは、『防水』が目的となっているため、コーキングの劣化は雨漏りに直結する問題と考えなければいけません。実際に、台風の横殴りの雨で、窓部分から雨漏りする…と言った話を耳にする機会は多いです。コーキングは、5~10年程度が寿命と言われているのですが、日当たりの良い場所とそうではない場所で劣化速度が異なります。紫外線の影響を受けやすいので、日当たりの良い南側の窓枠などは、築5年程度でひび割れや脱落などの劣化症状が確認できる場合もあります。基本的には、7年程度に1度の割合でコーキングのやり替えを行うべきとされていますので、台風シーズンの前などにしっかりと確認しておきましょう。

台風前の外壁のメンテナンスポイントは以下のような部分です。

  • 外壁表面を目視で確認し、0.3mm以上の亀裂があれば、コーキングなどで塞いでもらう
  • 外壁の表面塗装に亀裂や剥がれが見える場合、塗装のやり替えを行う
  • 窯業サイディングの場合、サイディングの目地の状態を確認し、亀裂や脱落があれば増し打ちもしくは全交換する
  • 窓枠やドア枠のコーキングに脱落などがあれば、コーキングの打ち替えをする

外壁の劣化ポイントは、住人さんが目視で確認することも可能です。天気の良い日などに外壁を確認しながら、家の周りを一周してみると良いでしょう。

その他の台風対策について

住宅周りの台風対策としては、外構設備やベランダなどの点検・メンテナンスを行うことも重要です。特に、カーポートやベランダの屋根は、強風によって吹き飛ばされてしまう…と言った被害が生じることが珍しくありません。

カーポートやベランダの屋根については、以下のようなポイントを点検してみましょう。

  • カーポートやベランダの屋根について、固定のためのビスが緩んでいないか確認する
  • カーポートやベランダの屋根は、ポリカーボネートと呼ばれる素材が採用されている場合が多いです。紫外線により劣化が進み、亀裂などが入るので、破損している箇所がないか確認しましょう
  • ベランダは、雨水が入り込む場所となります。したがって、床部分の防水塗装の状態などを確認しておきましょう

カーポートやベランダの屋根は、固定が緩んでいて風で飛ばされる…と言った被害が多いです。したがって、専門業者に点検を行ってもらい、固定が緩んでいる場合は、しっかりと固定しなおしてもらいましょう。また、屋根材の劣化が著しいと感じる場合は、屋根材そのものを交換してもらうのがおすすめです。

その他の台風への備えについて

日本は、夏の終わりから秋にかけて、必ず複数の台風が上陸する国として有名です。さらに近年では、台風の大型化が進んでおり、一昔前までの台風と比較すると、進路や被害規模が全く異なっていると言われています。したがって、先ほどご紹介した住宅のメンテナンスによる台風対策以外にも、事前に準備しておきたいポイントがいくつかあるのです。

ここでは、住宅のメンテナンス以外で、台風への備えとして行っておきたい対策についてご紹介します。

火災保険の確認を行う

ここ数年、日本に上陸する台風は、その規模が非常に大きくなっています。実際に、2018年9月に発生した台風21号では、例年、台風による大きな被害は少ない大阪でも、大型タンカーが強風に煽られて橋に激突するといった信じられないような被害が生じています。当然、この時の台風では、多くの住宅に屋根被害や雨漏り被害などが発生しています。

台風など、自然災害の力は、人間ではどうすることもできない場合もあり、住宅の点検・メンテナンスを適切に行っていたとしても、災害による脅威には逆らえないケースも少なくないのです。そして実は、こういった台風などの自然災害による被害の備えとして、非常に心強い存在になるのが火災保険なのです。火災保険は、その名称から「住宅火災の被害を補償してくれる保険」というイメージを持つ方がいるのですが、実は、強風による風災や落雷、大雪による雪災など、さまざまな自然災害による被害の保証を行ってくれるのです。

万一、台風によって自宅に何らかの被害が生じた時には、その修理にかかる費用を火災保険で賄うことができるかもしれません。ただ、火災保険の適用は、事前に加入している保険内容に従ったものとなりますので、どういった被害に火災保険が適用できるのかは、事前に確認して把握しておかなければならないと考えてください。また、必要と考えられる特約が付帯されていない場合は、万一のことも考えて特約の付帯を検討すべきと言えるでしょう。

直前の対策も重要

台風は、地震と異なり、「どのような規模なのか?」「いつ自分が住むエリアに来るのか?」を事前に知ることができます。地震は、現在の技術をもってしても、いつ、どこで発生するのか分からないという怖さがあるのですが、台風に関してはかなり高い精度で進路や規模を予測できるようになっています。

したがって、自宅があるエリアに台風が上陸すると分かってから、被害をできるだけ小さくするように直線に対策を施すことも可能なのです。大型の台風が自宅周辺を通過すると判明した場合には、以下のような対策を直前に行うのがおすすめです。

屋外の台風対策

猛烈な強風を伴う台風は、屋外にある物をが飛ばされてしまう…なんてことで被害が拡大することがあります。したがって、台風の影響が大きくなる前に、以下のような対策を施すと良いでしょう。

  • 飛ばされそうなものを片付ける
    鉢植えやプランターなど、強風で飛ばされる可能性があるものは、屋内もしくは風の影響を受けにくい場所に移動させましょう。
  • 屋内に持ち込めないものは固定する
    物置や犬小屋、エコキュートなど、屋内に避難させることができない物も多いです。屋外にこのようなものがあれば、飛ばされないように紐などを使ってしっかりと固定しましょう。
  • 雨戸、シャッターを閉める
    台風による被害では、飛来物が窓にぶつかってガラスが割れてしまうなんてことも考えられます。したがって、風の影響が強くなる前に、雨戸や窓シャッターがあれば、きちんと閉じておきましょう。

屋内の台風対策

次は、屋内側の台風対策についてです。

  • 窓の補強を行う
    雨戸などがない場合は、窓をテープやダンボールで補強しておきましょう。テープで補強しておけば、割れにくくなりますし、万一飛来物で割れた場合でも、飛散しにくくなります。
  • 飛来物が飛び込まないようにする
    テープなどで補強していたとしても、重量のある物が飛ばされてきた場合は危険です。したがって、可能な限り室内への影響を少なくするため、ダンボールなどで保護する、カーテンをきちんと閉めるといった対策を施しておきましょう。
  • 大切なものを窓から離す
    台風の際には、飛来物により窓が割れる、窓部分から雨水が侵入するなど、窓周辺での問題が起きやすいです。したがって、窓に何かあっても、被害が拡大しないように窓周辺に配置しているものを移動させておきましょう。

養生テープなどを使った窓ガラスの補強方法については、YOUTUBE内に動画で手順を解説したコンテンツがたくさんあります。したがって、「テープの貼り方が分からない…」と言った方は、動画を探してみましょう。

> 窓の補強方法の動画

その他、非常時に役立つ対策について

日本は、地震や台風などの災害が多い国として有名です。近年では、豪雨による水害なども頻発していますし、さまざまな自然災害に備えるためには、普段からの準備が非常に重要になります。ここでは、皆さんにも考えておいてほしい、普段からできる災害対策をご紹介しますので、可能な範囲で行っておきましょう。

  • 非常用品を備蓄しておく
    自然災害時には、ライフラインがストップしてしまうことも珍しくありません。したがって、万一のことを考え、食料や水、懐中電灯、ラジオなどを用意しておきましょう。
  • ハザードマップを確認する
    ハザードマップを確認すれば、自宅があるエリアについて、どのような危険があるのかがわかります。事前に確認することで、どのような準備をしなければならないのかが判断できるため、必ず確認しましょう
  • 緊急避難先を確認する
    自治体ごとに、災害などの緊急時の避難先が決められているはずです。多くの場合、学校などの公共施設が選ばれています。自宅から最も近い避難先がどこか、また避難先までの経路などについて事前に確認しておきましょう。なお、緊急時にどこに避難するのかは、家族全員で共有しておきましょう。

地震や台風など、自然災害への備えは普段から行っておくべき対策がたくさんあります。上記以外にも、住宅設備として、太陽光発電や家庭用蓄電池を設置しておくことで、非常用電源として活用することが可能です。新築時に設置する住宅設備については、価格や利便性などを重視する方が多いのですが、災害の発生件数が多い日本に建てる住宅と考えると「万一の際に役立つ設備は何か?」という視点を持っておくことも大切かもしれませんね。

> ハザードマップを確認する

まとめ

今回は、これからやってくる台風シーズンに向けて、今からでもやっておきたい住宅の台風対策について解説しました。日本は、夏から秋にかけて、毎年複数の台風が上陸する国として有名です。そのため、外国人と比較すると、日本人は台風慣れしていると言われることもあるのです。

しかし、昨今の台風被害を鑑みると、今まで通りの台風対策を行っていたのでは、住宅の被害を防ぐことはできないのではないかと思えるような時代になっています。ここ数年、日本に上陸する台風は、どんどん大型化していると言われており、さらに太平洋からそのまま日本に向かう進路が増えていて、勢力が全く衰えずに上陸して非常に甚大な被害が発生しているのです。実際に、過去、5、6年を振り返ってみても、2018年の台風21号、2019年千葉県に上陸した台風15号などは、今までの台風の常識を覆すほどの被害が出ています。

悠建設のある大阪府は、日本国内でも台風による被害は少ない傾向にあると言えるかもしれませんが、台風は絶対に上陸しないエリアというわけではない為、決して油断することはできないはずです。したがって、これからやってくる台風シーズンに向けて、自宅の台風対策は必ず行っておきましょう。なお、悠建設は、注文住宅の建築だけでなく、既存住宅の修繕やリフォームなども行っています。「台風への備えをしたいけれど、何をすれば良いのか分からない…」という方がいれば、お気軽に悠建設までお問い合わせください。

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