一戸建て住宅にありがちな悩みで、新築時はピカピカできれいだった外壁が、時間の経過とともに汚れが目立ち始めるというものがあります。昨今では、汚れが付きにくい外壁材なるものが開発されていて、ある程度の築年数が経過しても、外壁を綺麗に保ってくれるようになっています。しかし、そういった高性能な外壁材(塗料)を採用していたとしても、絶対に外壁に汚れが付着しないというわけではありません。

どのような建物でも、住み始めてから年数がたつにつれ、外壁の汚れ防止機能が低下することで、雨や紫外線、排気ガス、花粉などにさらされ、汚れて行ってしまいます。そして、外壁は外から見た時、真っ先に目に入る部分であることから、この部分が汚れてしまうと、家全体の印象が悪くなってしまう…と言う問題に発展するのです。さらに、外壁の汚れを放置してしまうと、ひび割れなどに気付くことができず、家の中に浸水を許してしまう…と言った大問題にまで発展して、最悪の場合には大規模リフォームをしなくてはならなくなり、予定外の出費に悩まされてしまう可能性があるのです。

家の外壁は、どうしても汚れが付着してしまうため、定期的な掃除が必要不可欠とされています。ただ、家の外壁の掃除と聞いたときには「どうやってすればいいの?」「外壁の掃除は自分で可能なの?」「専門業者に依頼すると高いのでは?」と言ったさまざまな疑問が頭をよぎってしまいます。
そこでこの記事では、家の外壁の汚れについて、なぜ外壁が汚れるのか、また外壁の掃除は自分で可能なのかなどについて解説します。

外壁の汚れの原因とは?

それではまず、建物の外壁が汚れてしまう要因について解説します。どのような建物であっても、風雨や紫外線など、外的要因の影響を常に受け続けているため、そこに存在するだけで徐々に劣化が進行します。特に、屋根や外壁など、建物の外装部分は、外的要因から建物の中に住む人を守るという役割があるため、さまざまな現象の影響を受け、汚れや経年劣化が進行してしまうのです。

例えば、雨などについては、建物を水洗いしてくれるという効果がある一方、地面の土が跳ねて外壁を汚す、湿気が高くなることでカビやコケの繁殖を招くなど、汚れの原因にもなるのです。ここではまず、家の外壁を汚す主な要因について解説します。

排気ガスや花粉など、空気中の浮遊物

家を取り巻く空気環境は、常に綺麗な状態に保たれているわけではありません。空気中には、自動車が排出する排ガスを始めとして、ホコリや花粉などの非常に細かな浮遊物が漂っているのです。そして、これらの浮遊物が外壁に付着することで汚れとなってしまいます。

例えば、屋外に舞っているホコリや排ガスに含まれる物質は、外壁に付着・蓄積してしまい、化学反応を起こして変化したり、外壁に色素が移ることでくすみや黒ずみになってしまうことがあります。早い段階で汚れに気付けば、水洗いなどで対処可能なのですが、時間が経過してしまうと強くこびりついてしまうことで、専用の器具などを用いなければ落ちなくなってしまうことがあります。

雨の日の雨だれが外壁を汚す

雨は、外壁を水洗いしてくれるという効果も期待できます。特に昨今では、雨で汚れを洗い流す効果を持った外壁材なども登場していて、新築住宅の計画を進めている際には、外壁材として推奨されることも多いです。

しかし、汚れが付きにくいとされる外壁材も万能ではありませんし、築年数が経過すれば自浄作用が弱まってしまうことで、雨が汚れの原因となるケースもあるのです。実際に、外壁の汚れでは、窓周辺など雨の日に水の流れが生じる場所において、その流れに沿って汚れが残ってしまっているというケースをよく見かけます。これがいわゆる雨だれによる汚れの付着で、雨水と一緒にホコリなどが流れてきて、外壁に汚れとしてこびりついてしまっているという状況なのです。また、外壁表面に水分が残っている時には、大気中の油汚れが壁面に吸着してしまう…なんてこともあります。雨だれの汚れに関しては、壁面に強く吸着して、水洗いだけでは汚れが落とせないことも多いです。

カビやコケ

外壁の汚れに関しては、カビやコケなどが壁面で繁殖してしまう…と言うケースもあります。これは、家の立地が、水辺や山林に近いなど、常に湿度が高い環境であるなんてケースで多いです。カビやコケは、高湿状態を好むため、外壁に胞子が付着した際には、外壁の汚れを栄養分として、成長⇒繁殖してしまうことがあるのです。

また、水辺や山林に近いわけではないなど、立地的には湿度がそこまで高くないというケースでも、壁面にカビやコケが繁殖する場合があります。これは、家の周囲を高い建物で囲まれている、隣家との距離が非常に近いなど、直射日光が壁面に当たりにくくなっている住宅で考えられます。このような住宅は、雨が降った後、日光が当たりにくい、風通しが悪いなどと言った理由で、湿気が長時間残ってしまいやすくなり、カビやコケの繁殖に適した環境が作られるからです。

紫外線などによる経年劣化

これは汚れとは少し違います。先ほどからご紹介しているように、どのような建物であっても、そこに存在するだけで徐々に劣化が進行します。例えば、一般的な住宅では、外壁表面に塗装が施されていて、その塗膜の効果により汚れの付着や浸水を防止しています。しかし、この塗膜の効果は8~10年程度が耐用年数とされていて、一生涯外壁を汚れから守ってくれるというものではないのです。

そして、外壁塗装の劣化を放置した場合、塗膜が剥げて外壁の下地が露出してしまうことになります。さらに、そこに紫外線などが直接あたるようになると、外壁材そのものが劣化してしまうことになるのです。塗膜の効果が切れているということは、防水効果なども無くなっていることから、雨水の影響なども受けるようになり、最悪の場合、外壁材の表面が崩れ落ちてしまう…なんてこともあるのです。

汚れとは少し違いますが、外壁は定期的なメンテナンスを欠かさずに行わなければ、建物にとって致命的な損傷に繋がってしまう恐れがあると考えてください。

外壁の掃除は必要なのか?

住宅の外壁が汚れてしまう要因はある程度分かっていただけたと思います。前項でご紹介したように、どのような建物であっても、空気中の浮遊物が壁面に付着する、雨や紫外線などの自然現象の影響を受けることから、徐々に汚れが蓄積してしまうのです。

それでは、外壁の汚れに関しては、定期的に掃除などをする必要があるのでしょうか?外壁の掃除と聞くと、「正直、生活空間に影響を与えるわけではないし、放置しても構わないのでは?」と考えてしまう人も多いようです。

そこでここでは、定期的な外壁掃除の必要性について解説します。

外壁掃除を怠った場合の弊害

外壁掃除の必要性を考える時には、定期的な掃除を行わなかった時にどのような問題に発展するのかをおさえておく必要があります。外壁の汚れは、日常生活に大きな影響を与えることはないと考えられがちですが、実はこの認識が間違っているのです。定期的な外壁掃除を怠った場合、以下のような問題に発展する可能性があります。

建物の美観を壊す

最もわかりやすい問題は、建物の第一印象となる、家の美観を壊してしまうという弊害です。来客があった際には、真っ先に目に入るのが建物の外壁部分になります。当然、定期的な外壁掃除を怠っていて、外壁に汚れやカビ、コケなどが付着している場合、建物の印象が悪くなりますし、さらにそこに住む人の印象も悪くなるでしょう。見るからに家が汚れているのに、それを放置している場合、「この家に住む人はいい加減なのだな…」など、近隣住民からの印象も悪くなるでしょう。建物の外観は、その地域の美観維持にも影響を与えるわけなので、汚れの放置は近隣住民との関係を壊す問題に発展する可能性もあります。

このほか、外壁の劣化は、外壁塗装やクリーニングなど、飛び込み営業のターゲットにされやすくなり、面倒な対応が増える可能性がある点もデメリットと言えるでしょう。

家の寿命を縮める

外壁の汚れの放置は、建物そのものの寿命を縮めてしまうリスクもあります。外壁の汚れの放置は、ひび割れや塗装剥がれなど、外壁そのものの劣化原因となり、雨水などの浸水を引き起こす可能性が生じます。

住宅の外壁は、建物の中に雨水が侵入しないようにする、紫外線を遮るなどと言った機能を有しています。しかし、外壁のこの機能については、基本的に表面に塗布されている塗料によるもので、防水機能や紫外線を遮る機能など、必要と思う機能性から塗料を選ぶといった感じになっています。そして、外壁表面の汚れの蓄積や塗膜の劣化を放置したりすると、塗料が持つ本来の機能を発揮できなくなるのです。

外壁表面にひどい汚れが付着している場合、塗膜の劣化に気付くことが遅れてしまい、外壁内部にまで水の侵入を許してしまうことがあります。日本の住宅の多くは、木造住宅で、内部の木材にまで水が達してしまうと、腐食してしまう可能性が生じます。木材が腐食すれば、建物の耐久性が低下してしまいますし、シロアリの繁殖なども招く可能性があるなど、家全体の寿命を縮める可能性が高くなります。もちろん、このような状況になれば、修繕にも多額のコストがかかることになるので、その問題を未然に防ぐためにも定期的な掃除が必要とされるのです。

初期の段階の方が掃除が楽

定期的な外壁の掃除が推奨される理由は、外壁に付着する汚れについては、初期の段階で対処する方が除去が簡単だからと言う理由もあります。家の外壁の汚れは、先ほど紹介したように、以下のような物が原因です。

  • ホコリや排ガス
    空気中には、ホコリや排ガスが必ず浮遊しています。家の外壁について、黒ずみや茶色い汚れについては、そのほとんどがホコリと排ガスが原因です。
  • 花粉、黄砂
    花粉や黄砂の時期になると、空気中に浮遊する物質が外壁に付着し、汚れとして残ります。雨で外壁が濡れているなんて時に、花粉や黄砂が付着し、乾燥と共に固形化します。
  • カビ、コケ
    北側の外壁など、湿度が高い、風通しが悪いといった場所の場合、外壁表面が緑色に着色する…なんてことがあります。これは、カビやコケ、藻などが繁殖しているからです。カビやコケなどは、根を張るとで外壁材そのものを劣化させる要因となります。

家の外壁は、上記のような理由で汚れが付着してしまいます。ただ、これらの汚れは、初期の段階であれば除去がそこまで難しいわけではないのです。定期的に外壁の掃除を行っておけば、汚れが強固に付着するということを防ぎ、外壁そのものを良い状態で長く保つことができます。

外壁の掃除はDIYでも意外に簡単

家の外壁の掃除と聞くと、専門業者に依頼しなければならないため、多額のコストがかかってしまう…と言うイメージがあると思います。そのため、コストをかけてまで掃除するのは…と、定期的な外壁掃除の実施を躊躇してしまう人が多いのです。

しかし、外壁の汚れは、近隣の方との関係を壊す可能性がある、住宅そのものの寿命を縮めてしまう可能性があるなど、本来はコストをかけてでも行っておいた方が、中長期的に見た場合には家の維持コストを抑えられる可能性があるのです。さらに、住宅関連の会社の多くが、定期的な外壁掃除の必要性を訴える理由の一つに、初期の段階に対応するのであれば、住人さんご自身でも意外に簡単に行うことができるからなのです。

外壁に付着する汚れについては、ホコリや花粉、排ガスなど、空気中の浮遊物が原因の場合がほとんどです。そしてこれらの汚れは、外壁に強固に付着する以前に対応すれば、水洗いだけでもかなりの洗浄効果が期待できるのです。特に最近では、ホームセンターなどで、外壁掃除のための専用アイテムが多く販売されるようになっていますし、可能な範囲だけでも定期的に掃除を行うという行為は、家の寿命を長くする意味でも大切だと思います。

もちろん、足場を組まなければ掃除することが難しい高所などもあるので、そういった場所は専門業者に依頼すべきです。しかし、手の届く範囲を小まめに掃除すれば、家の美観を維持できるうえに、家を長持ちさせることができるようになるのです。なお、外壁掃除に際しては、専用の洗剤なども販売されるようになっていますが、汚れが固着する前に掃除するのであれば、食器用の中性洗剤でも十分な洗浄効果を期待することができます。中性洗剤は、植物に対しては良くない場合もあるので、植栽の近くは使用を控えるなど、多少の注意も必要ですが、水洗いだけでは落ちない汚れは洗剤を使いましょう。

外壁掃除の方法について

家の外壁掃除を行う方法については、いくつかの手法が考えられます。ここでは、代表的な掃除の方法をご紹介します。

①ブラシやスポンジを使って掃除する【自分で外壁掃除を行う】

最もわかりやすい方法が、お風呂掃除などと同じく、洗剤とブラシ(スポンジ)などを使って擦り洗いするという方法です。外壁掃除用のアイテムについては、ホームセンターやネット通販を利用すれば、必要な道具を揃えることが可能です。

例えば、外壁用の洗剤、高所まで擦り洗いできる伸縮式のブラシもしくはスポンジを用意すれば、ホースで水をかけながら外壁を掃除することが可能です。なお、外壁表面には、砂なども付着しているため、ブラシやスポンジを強くこすりつけると、外壁塗装の塗膜が剥がれてしまう可能性があります。したがって、外壁や表面の塗膜を傷つけないためにも、優しくこすり落とすようにしましょう。

伸縮式のブラシなどを用いても、手が届かない場所もあるかと思うので、無理せず可能な範囲の汚れを落としていきましょう。また、外壁に水をかける際には、勢いよく水をかけてしまうと、汚れを含んだ水滴が隣家の外壁に飛び散ったり、通行人にかかったりして、トラブルに発展する可能性があります。したがって、水跳ねや通行人などに注意しながら洗い流すようにしましょう。

②家庭用の高圧洗浄機を使う【自分で外壁掃除を行う】

最近では、外壁やベランダなどの掃除が簡単にできるよう、家庭用の高圧洗浄機が販売されるようになっています。小型の家庭用高圧洗浄機では、ケルヒャーやアイリスオーヤマの製品が有名です。

高圧洗浄機は、水の勢いを利用して外壁表面の汚れを洗い落とすという機械です。ブラシなどで擦り洗いする必要がなく、汚れが付着した場所に水を当てるだけなので、誰でも簡単に外壁の掃除ができます。ただ、水圧が強すぎる場合、汚れだけでなく、外壁塗装の塗膜まで剥がしてしまう恐れがあるので、使用する洗浄機のタイプには注意しましょう。ネットで購入できる家庭用の高圧洗浄機なら、塗膜を剥がすほどの勢いはないと思いますが、経年劣化で塗装に浮きが生じている、亀裂があるなんて場合、家庭用の物でも塗膜を破壊する恐れはあります。したがって、外壁塗装の耐用年数が近い…なんて場合は、特に注意が必要です。

なお、高圧洗浄機は「水の勢いで汚れを吹き飛ばす」と言った機械です。そのため、隣家との距離によっては、あなたの外壁掃除が原因で、お隣の家の外壁を汚す…なんて可能性があるので注意しましょう。どちらにせよ、近隣住宅にも水の影響を与える可能性が高いため、高圧洗浄機を使用する場合は、お隣に一声かけておきましょう。

③専門業者に依頼する

3つ目の方法は、専門業者に外壁の掃除を依頼するという方法です。家庭用の高圧洗浄機では落とせない汚れがある、自分達では掃除できない場所があるなんて場合は、専門業者に掃除を依頼すると良いです。

当然、業者に依頼して外壁掃除を行う場合には、それなりのコストがかかってしまいます。ただ、専門業者に依頼すれば、自分達では綺麗にすることができない場所も掃除してもらえる、養生したうえで掃除するため、近隣に迷惑をかけないなどと言ったメリットが得られます。

ちなみに、外壁掃除にかかるコストは、依頼する業者によって変わります。一般的には、「200円~300円/㎥」程度が相場とされているので、これとかけ離れた見積りを提示してきた業者に依頼するのは避けた方が良いでしょう。

自分で外壁掃除する時の流れ

それでは、外壁の掃除を専門業者に依頼するのではなく、自分で行う場合の流れについても簡単にご紹介します。

STEP1 掃除用具を準備

外壁掃除を自分で行う場合、必要な道具をホームセンターやネット通販で用意しなければいけません。一度購入すれば、その後何度も使用することができるので、ある程度の品質が確保されているものを用意するのがおすすめです。

外壁掃除を行う際、準備しておきたいアイテムは以下の通りです。

  • 外壁用洗剤(中性洗剤でもOK)
  • ブラシ、スポンジ(伸縮可能なものがおすすめ)
  • 雑巾(使わなくなったタオルでOK)
  • 歯ブラシ
  • 養生テープ
  • ホース(シャワーなどに切り替えできるタイプ)

小まめに外壁掃除を行うという場合、頑固な汚れなども少ないので、上記のようなアイテムを用意すれば良いでしょう。汚れを綺麗に落とすには、こすり洗いが必要な場面も多いので、高所も掃除できるように伸縮可能なブラシを用意しましょう。二人以上で掃除できる場合、はしごなどを利用すれば、高所の掃除も可能です。

なお、柔らかいブラシやスポンジで擦った程度では綺麗にならない…なんて頑固な汚れがある場合に備えて、高圧洗浄機を用意しておくのもおすすめです。高圧洗浄機は、外壁だけでなく、ベランダや自動車、自転車の掃除などにも利用できるので、持っておいて損は有りません。

STEP2 水の影響をうけてはいけない場所を養生する

外壁の掃除は、水洗いが基本です。住人さん自らが外壁の掃除を行う場合、ホースで水をかけ、ブラシなどで擦るという方法になるのです。

ただ、外壁でも、場所によっては水が侵入してはいけない個所が存在します。例えば、屋外用のコンセントなどはどの住宅でもあると思うのですが、この部分に水が侵入してしまうと、大きな問題に発展する恐れがあるのです。電気回路がショートするといった問題を始めとして、最悪の場合、漏電を引き起こして発火し、火災に発展する…なんて恐れもあるのです。この他、サイディングの目地に施されているコーキングなどもできるだけ水濡れさせない方が良いです。

外壁の掃除を行う時には、上記のような場所を先に養生して、水が侵入しないようにするのが大切です。

STEP3 水洗い⇒擦り洗い

外壁の掃除方法は、採用している外壁の種類によって多少変わります。近年では、サイディング壁が最も一般的となっているので、ここでサイディングを想定して掃除の手順を紹介します。

外壁の掃除では、まず基本となるのが水洗いです。外壁に付着する汚れは、空気中に浮遊する花粉や黄砂、排ガスなどが要因なので、これらを物理的に落とすため、ホースで水をかけるなど、水洗いをしましょう。最初の段階で、ホコリなどを落としておかなければ、化学洗剤を使用することでホコリが固形化する…など、掃除が逆効果になってしまうことがあるのです。したがって、一番最初にしっかりと水洗いして、ホコリや砂を洗い落としましょう。

外壁表面に付着している汚れを水洗いしたら、次にスポンジや雑巾など、柔らかい素材を使って擦り洗いしましょう。水をかけただけでは落ちない汚れも多いと思うので、優しくこすり洗いして綺麗にしていきましょう。なお、強く付着している汚れについては、ブラシなどを使って落とすと良いです。その際は、外壁材そのものを傷つけないように注意しましょう。

STEP4 頑固な汚れには洗剤を利用する

外壁に付着する汚れの中には、水洗いではどうしても落とすことができないものもあります。ブラシなどで強くこすると、外壁材そのものを傷つけてしまう恐れがあるので、そういった頑固な汚れは洗剤を用いて落とすと良いです。なお、洗剤の種類によって、洗浄効果が変わるので以下を参考にしてください。

  • 中性洗剤・・・軽度の雨だれや土埃などの汚れに有効です
  • 外壁用洗剤・・・水垢やコケ、排ガスなどによる汚れに有効です
  • 専用洗剤・・・汚れに合わせて使い分けましょう(カビにはカビ取り洗剤など)

頑固な汚れが付着している場合は、上記のような洗剤を使用してみると良いでしょう。外壁用の洗剤は、スプレータイプのものが多く、「汚れにスプレーする⇒ブラシで擦る⇒水で洗い流す」と言う工程で汚れを落とすことができます。

STEP5 高圧洗浄機で落とす

家庭用高圧洗浄機を用意すれば、外壁のかなり頑固な汚れも落とすことができます。例えば、コンクリート部分などに黒カビが生えている…と言うケースでは、ブラシでこすってもカビを除去することが難しいです。しかし、高圧洗浄機を利用すれば、こういった汚れも簡単に落とすことができるのです。

また、伸縮式のブラシでは届かない場所の掃除なども可能なので、かなり広い範囲の外壁掃除ができるようになります。ただ、高圧洗浄機は、周囲に水が飛び散るため、隣家や通行人に迷惑をかけないよう、しっかりと養生しなければならない点に注意しましょう。

※決して無理をしてはいけない

外壁の掃除は、住宅の2階部分など、高所作業に注意しなければいけません。DIYによる外壁掃除に関しては、基本的に手の届く範囲のみで、無理に高い場所の掃除まで挑戦しない方が良いです。2人体制で、はしごなどを利用すれば、高所の掃除も不可能ではありませんが、慣れない高所で無理な体制となり、落下事故などを引き起こす原因となってしまいます。専門業者による外壁掃除は、専用の足場などを用意するため、安全に作業が進められるのですが、DIYの場合は足場を用意することができないので、事故の原因となってしまいます。

家の美観を目的として外壁の掃除を行う場合、手の届く範囲だけでも掃除すれば、かなり家の印象が変わるはずです。家の2階部分の汚れなどは、注意して確認しなければ目が行かないので、手の届く範囲を掃除するだけで、外観的に悪印象を与えるような事はないと思います。なお、DIYによる掃除が難しい場所に関しては、1年に1回程度のペースで専門業者に掃除を依頼すると良いでしょう。

その他、外壁掃除に関するポイント

それでは最後は、外壁を美しく保つため、皆さんがおさえておきたいポイントをご紹介します。

外壁を綺麗に保つには新築時の計画が重要

家の外壁を綺麗に保ちたいと考えると、上で紹介したような方法で小まめに外壁掃除を行うことが大切です。ただ、昨今では、住宅の機能性に着目することで、掃除の手間などを少なくしたうえで外壁を綺麗に保つことができるようになっているのです。つまり、新築時点における計画が非常に重要になっているのです。

先程ご紹介したように、防水性や防汚性など、外壁の機能性については、表面に施されている塗装の機能性で変わります。そして、昨今の外壁塗装に使用される塗料の中には、日光や雨の力を利用して家自らが外壁を掃除してくれるような高機能な塗料が登場しているのです。

外壁の美観を維持する塗料では、光触媒塗料が有名で、この塗料は太陽光(紫外線または可視光)によって化学反応を起こし、汚れを酸化分解して、雨水によって洗い流すという効果が得られます。そのため、特に外壁の掃除などを行わなかったとしても、住宅の美観を維持し続けてくれるわけです。このほかにも、汚れが付着しにくくなるフッ素樹脂塗料なども登場していて、新築時に外壁の汚れ対策ができるようになっています。

なお、光触媒塗料やフッ素樹脂塗料は、一般的な塗料よりも高額ですが、耐用年数が非常に長いため、中長期的に見ると家の維持コストはおさえられる傾向にあります。

必要に応じて専門業者に掃除を依頼する

定期的な外壁のお掃除は、外壁そのものを良好に保つことができるようになるため、ひいては家自体の寿命を長くするという効果が期待できます。

ただ、DIYによる外壁掃除は、高所作業が難しい、専用の機材がないためしつこい汚れが落とせないなど、どうしても限界が生じてしまいがちです。したがって、家を長く良好に保ちたいと考えているのであれば、外壁掃除は定期的に専門業者に依頼して行うという体制を設けておくのがおすすめです。専門業者に外壁掃除を依頼すれば、DIYでは難しい場所まで綺麗にしてもらうことができますし、外壁の劣化状態なども適切に診断してもらうことができるようになります。

そのため、最適なタイミングで外壁塗装のやり替えができるようになり、家そのものにダメージが入ることを防止できるようになるという効果も期待できるのです。日常生活の中では、窓やサッシに溜まった汚れが雨水で広がらないように掃除しておくなど、手の届く範囲で掃除を行っておき、1~2年に1度の頻度で専門業者に掃除を依頼するといった体制を構築するのが、家を長持ちさせるポイントになり得ます。

まとめ

今回は、住宅の維持管理として、皆さんが考えている以上に重要となる外壁の掃除に関して解説しました。

どのような建物であっても、空気中に浮遊する花粉や黄砂、排ガスなどが付着し、徐々に汚れが目立つようになってしまいます。外壁の汚れについては、家の美観を壊すことが問題と考えられがちですが、実はそのような単純な問題ではなく、家の寿命を縮めてしまう可能性があるなど、非常に重大な問題と考えなければならないのです。

記事内では、自分で外壁の掃除を行う時の手順などもご紹介していますが、DIYによる掃除はどうしても限界があるため、定期的に専門業者に掃除を依頼するのがおすすめです。なお、これから新築住宅の建築を検討している方の場合、外壁に採用する塗料について、光触媒塗料やフッ素樹脂塗料など、外壁に汚れが付着するのを防ぐ、もしくはセルフクリーン機能を持つ塗料を採用するのがおすすめです。これらの高機能性塗料は、導入にかかるコストは高くなるものの、定期的に必要になる掃除の手間やコストを抑えられるため、中長期的な家の維持コストを抑えることができるでしょう。

家を建てる際には、その時点での建築コストにばかり着目してしまいがちですが、そこに何十年も住むということを考えた場合、家の維持コストも含めた状態でコスト比較することが重要です。悠建設では、単に綺麗な家を建てるだけでなく、お客様が快適に過ごすことができ、手間なく低コストで家を維持できるような住宅を計画いたします。

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