
新築住宅を建てた際には、親しい方から新築祝いをいただくことがあると思います。そして、新築祝いをいただいた際には、感謝の気持ちを込めて「お返し(新築内祝い)」を送るのが一般的なマナーとされています。
ただ、新築の内祝いに関しては、新居にお招きして「お披露目」をすること自体を指しているといった情報を見かけることもあり、お相手に失礼にならないようにお返しするには「どうすれば良いのだろうか?」ということに悩んでしまう人も多いです。また、お返しの品を用意するにしても、「どれぐらいの金額が相場なのか?」「送ってはいけない品物はあるのか?」など、分からないことが多いはずです。
そこでこの記事では、日本特有の文化である「新築内祝い」について、その基本的なマナーなどについて解説します。新築祝いのお返しに悩んでいるという方がいれば、ぜひ参考にしてください。
新築内祝いとは?その基礎知識をご紹介
それではまず「新築内祝いとは?」という疑問にお答えしていきましょう。日常生活の中ではあまり聞き馴染みのない言葉ですが、「内祝い」は、江戸時代から続く「幸せのおすそ分け」という概念が現代にも残っているという日本特有の贈り物文化のような物です。
「新築内祝い」を簡単に説明すると、一戸建て住宅を建てたという場合や、新築のマンションなどを購入した際、引っ越し祝いとしてお祝いをいただいた際に、その「お返し」をするという行為のことを指しています。ちなみに、この新築内祝いに関しては、個人の引っ越しだけに限らず、法人などが事務所を移転した際のお祝いにお返しするという行為も含まれています。
なお、新築内祝いについては、お返しとして何か贈る必要があるのかに悩む方が多いと思いますが、これについては「お披露目」を行うかどうかで対応が異なります。一般的に、お披露目を行わない場合は、新築祝いでいただいた金額に応じた品物をお返しするのがマナーとされていますが、お披露目まで行う場合は、お土産(引き出物)としてプチギフトを贈る程度にとどめる場合が多いです。
新築内祝いは、単に返礼品を贈るという文化なのではなく、新生活の挨拶と感謝を伝えるために行うものとされているのです。
新築祝いの本来のお返しは「お披露目」
上述した通り、新築内祝いは、江戸時代から続く日本特有の文化です。ただ、本来の内祝いについては、良いことがあった際、その家の方が自宅に人を招いてもてなすという、「幸せのおすそ分け」をするといった習慣だったとされています。これが、「新築祝いに対して、品物でお返しする」と言った感じの習慣として現代も残っているという形です。
しかし、新築内祝いについては、本来、家が完成してそこに引っ越しした後、親しい人を新居に招いて、新居のお披露目として食事やお酒などをふるまうという行為を指しているのです。一般的には、引っ越ししてから1~2カ月たった頃、家の内外が良く見える日中にお招きして、おもてなしをするという行為が「内祝い」なのです。つまり、本体の新築内祝いは、お披露目をする場合、その「お披露目」でのおもてなしそのものがお返しにという意味となるため、品物でのお返しは不要と考えても良いのです。
しかし、これについても、先ほど紹介したように、お披露目を行う場合でも、お帰りの際にお土産(引出物)としてプチギフトなどをお渡しするのが一般的となっています。どのような文化、習慣でも、時代に合わせて細かな変化が加えられているため、現代のマナーとしては、おもてなしにプラスして簡単にお土産を用意したほうが良いと考えておいた方が良いでしょう。
なお、昨今では新築住宅を建てた場合でも、お披露目をおこなわないケースが増えています。この場合については、食事やお酒などの提供によるおもてなしが一切できないので、新築祝いをいただいた場合、金額に応じた品物を内祝いとして贈るのがマナーと考えてください。
お返しはが不要なケースもある
新築祝いをいただいた場合、お返しをすることが一般的なマナーとされています。お披露目を実施する場合は、お披露目でのおもてなし自体がお返しになるため、品物でのお返しは不要とされていますが、この場合でも簡単なお土産を用意しておくという方の方が多くなっていると思います。
なお、親や祖父母などの親族からのお祝いに対しては、品物でのお返しが不要な場合が多いです。これは、親族からのお祝いについては、「新生活への応援」という気持ちが込められているだけで、金銭的な見返りなどを期待しているわけではないからです。こういった場合、相場を超えるようなお返しは、かえって失礼に当たる可能性があるので注意しましょう。
また、お祝いをいただく際には、相手方から「お返しは不要」と言われることも多いと思います。この場合、気心が知れた仲で、お互いにお返しをしないルールなどが設けられているなら、その言葉通りに受け取っても良いと思います。しかし、日本人的な社交辞令の可能性もあるため、少しでも「お返しをした方が良いかな?」と迷うようであれば、手ごろなギフトなどを選んで、感謝の気持ちを形にして返しておくのが良いと思います。これは、一般的には、「お返しをする」ということがマナーとされているためですね。
新築祝いのお返し(新築内祝い)の時期や相場について
それではここからは、実際に新築祝いのお返しが必要になった時、その時期やお返しの相場について解説していきます。新築祝いのお返しに悩んでいる方が最も知りたい情報となるはずなので、ぜひ参考にしてください。
新築内祝いの時期
まずは、新築内祝いを贈る時期についてです。これについては、新居に招待してお披露目をする場合と、お披露目なしでお返しを配送する場合で、適切な時期が変わります。
一般的には、転居してから1~2カ月程度経過してからぐらいが、内祝いを贈るタイミングとされています。新築祝いをいただいた場合、品物や金額、頂いた方のお名前・住所などを控えておけば、日常生活を進めながらしっかりと準備できる時間があると思います。
ただ、新築祝いをいただいた際には、内祝いとは別にお礼状やお礼の電話をできるだけ早くしておきましょう。お礼の連絡は、その日か翌日までにするのがマナーです。
お披露目をする場合の内祝いの時期
新築内祝いとして、新居にお招きしお披露目をするという場合は、1~2カ月以内に招待し、新築内祝い・引越し内祝いを実行しましょう。
新築内祝いについては、先ほど紹介した通り、新居の状態や様子がよく分かるように、日中に行うのが良いとされています。お披露目当日は、新居までのアクセス方法をしっかりとお伝えする必要があるのですが、「駅から遠い」「入り組んだ場所にある」などという場合、最寄り駅まで迎えに行くようにしましょう。
お返しを配送する場合
内祝いを配送で贈る場合は、適切な時期が少し早くなります。一般的には、新築祝いを受け取ってから、3週間以内を目途に贈るのが良いとされています。
新居への引っ越し後は、片付けや各種手続きなどに追われ、忙しくなりがちです。しかし、新築祝いのお返しは、重要なマナーでもあるため、タイミングを逃さず、きちんとお礼の気持ちを伝えるようにしましょう。
新築内祝いの金額相場は?
新築祝いのお返しをする際には、「どれぐらいの金額が相場なのか?」で迷う方が多いです。新築祝いに対して高額すぎる品物をお返しすると気を使わせてしまいますし、逆に安すぎても失礼に当たるのではないか…と悩んでしまう方が多いと思います。
これについては、新築内祝いの金額相場は「半返し」か「3分の1返し」が基本とされています。「半返し」と「3分の1返し」についてもう少し詳しくご紹介します。
- 半返しについて
半返しは、文字通り「いただいたお祝い金額の半分を目安にする」という返し方です。これは、普段特にお世話になっている方や感謝を特別に伝えたいと考えている方に選ばれる方法です。 - 3分の1返しについて
これは「いただいたお祝い金額の3分の1を基準にする」という返し方です。お返しの予算に余裕がない場合や、関係性がそれほど深くないお相手へのお返しに選ばれます。
新築内祝いの金額については、状況に応じて上記の基準を参考にしてください。お披露目をする場合は、おもてなしとお土産を合わせた金額と考えておけば良いです。
高額なお祝いは「3分の1返し」が一般的
新築祝いをいただいた際、その金額が10万円以上など、高額だった場合、お返しの金額に迷う方が多いはずです。
高額な新築祝いをいただいた際には、「こちらもそれなりのお返しが必要なのかな?」と、半返しを選びそうになりますが、実は「3分の1返し」が一般的とされています。10万円の新築祝いをいただいたら、3万円程度のお返しをするといった感じです。高額なお祝いに対して、高額なお返しをすると、相手方に気を使わせてしまうことになるため、「3分の1返し」が良いでしょう。
なお、親族からのお祝いに関しては、相場をあまり気にする必要はなく、自分たちの状況に合わせて柔軟に対応すると良いです。高額なお祝いをいただいた場合でも、それは「新生活への応援」という厚意が込められているため、その気持ちを素直に受け取ると良いです。親族からのお祝いは、しっかりとお披露目でおもてなしをし、その際に感謝の気持ちを言葉で伝えることが大切になると思います。
新築内祝いのおすすめアイテム
それでは最後に、新築祝いのお返しに使えるアイテムと、避けるべきアイテムについてご紹介しておきます。
新築祝いのお返しにおすすめできるアイテム
まずは、新築祝いのお返しに使えるアイテムからです。基本的に、上で紹介した相場通り、新築祝いでいただいた額の3分の1〜半額程度の品物の中から選ぶと良いです。例えば、以下のような品物がおすすめです。
- 日常的に使える食器や商品を自由に選べるカタログギフト
- 焼き菓子の詰め合わせ
- ドリンクギフト
- 上質なタオルギフトなど
新築祝いのお返しには、日常生活で役立つアイテムや、相手が自由に選べるカタログギフトがおすすめです。会社関係のお返しの場合は、お酒のドリンクギフトなども喜ばれるでしょう。
新築祝いのお返しで避けるべきアイテム
新築祝いのお返しを贈る際には、贈ると失礼に当たる品物があるという点も注意が必要です。日本の贈り物文化では、縁起が悪いとされている物や目上の方に贈ることが不適切とされているものがあります。知らずに贈ってしまうと感謝の気持ちを伝える行為のはずが、不快な思いをさせてしまうことがあるので以下のような品物は避けましょう。
- 刃物やハサミ・・・縁切りを連想させるため
- ライターやコンロなど、火を連想させるもの・・・火災をイメージさせるため内祝いには不適切
- 赤いものや赤い花・・・こちらも火災をイメージさせるため。差し色程度ならOK
- 現金や商品券・・・品がないとみなされる
- 数字の9や4がつくもの・・・日本では「忌み数」とされています。例えば「くし」や「シクラメン」などがNG
- お茶や海苔・・・仏事のお返しとして用いられることが多いため
- 踏みつけることを連想させる品物・・・踏み台にするという意味が含まれるとされ、特に目上の方や上司への贈り物には不適切とされます。例えば、靴下やラグなどは高品質な物でもNGとされています。
この他、以下のような行為も失礼に当たるため避けましょう。
- 金額が分かる品物を贈る
- お礼状を添えずに品物を贈る
- 「お返し」という言葉はタブー
「内祝い」とは、良いことがあった家が、親しい人を招いてもてなす習慣のことを指しています。つまり、「新築祝いのお返し」と言われているのですが、本来はお返しの意味で行うものではないのです。お返しという言葉には「もらったから返す」という意味合いがどうしても含まれてしまいますし、内祝いの意味合いとはズレてしまうものなのです。
したがって、のしの表書きには「新築内祝い」と記載し、お礼状の中にもお返しという言葉は用いず「心ばかりのお品をお贈りさせていただきます」などと記載しましょう。
まとめ
今回は、新築住宅を建てた際、親族や仲の良い友人から新築祝いをいただいたときのお返しについて解説しました。
いわゆる「新築内祝い」と言われる日本特有の文化なのですが、こういった習慣的なものに関しては、そのルールが把握できていないため、どうすれば失礼に当たらないのかに迷ってしまう人が多いと思います。記事内でご紹介した通り、新築内祝いは、基本的には新しく建てた家にお招きしてお披露目をする行為のことを指しています。つまり、本来は物品を用意してお返しするという行為ではないのです。
しかし、現代の日本では、自宅のお披露目をしないケースの方が多くなっているため、その代わりに物品でお返しをしているといった感じです。新築祝いのお返しに迷っている方は、ぜひこの記事で紹介した内容を参考に、失礼のない対応をしましょう。
