人生の中で最も大きな買い物となるマイホームは、絶対に欠陥住宅を選ばないようにしなければいけません。賃貸住宅とは異なり、人生の多くの時間を過ごすことになるマイホームなのですから、そこに何らかの欠陥があった場合、一生を沈んだ気持で過ごさなければならなくなる可能性もあるのです。

欠陥住宅は、一時期社会問題となり、大手メディアなどでも盛んに取り上げられていた時期があります。そのため、国も住宅品質確保促進法などの法整備を進め、欠陥住宅が生まれないような環境作りが進められています。しかし、さまざまな技術が進化した現在でも、欠陥住宅が一切生まれないのかというとそうではないのです。

そこでこの記事では、そもそも欠陥住宅とはどのような住宅を指すのか、また欠陥住宅のよくある事例や間違って欠陥住宅を掴まないようにするための対策について解説します。

そもそも欠陥住宅とは?

それではまず「そもそも欠陥住宅とはどんな家なの?」という疑問に回答していきます。欠陥住宅については、国土交通省など、国が明確に定義しているわけではありません。ただ、「欠陥住宅」と「不具合」は少し異なるので、その辺りは注意しておいた方が良いです。

欠陥住宅とは、本来、建物として備えているべき安全性や耐久性、性能が欠けているなど、何らかの問題がある住宅のことを指しています。具体的には、基礎や土台、柱や梁、壁、床といった住宅の骨組みに欠陥がある住宅のことを指していて、主な原因としては設計ミスや施工不良などにより、基礎や柱などの構造部分に欠陥が生じるといった感じで出来上がります。欠陥住宅の主な特徴は以下のような状況と考えてください。

  • 本来の性能を欠いている
    建築基準法などの法令基準に違反している状態や、契約で予定されていたはずの性能を満たしていない状態
  • 構造的な問題
    基礎、土台、柱、梁、壁、床など、住宅の骨組み部分に欠陥がある状態
  • 安全性に関わる問題
    建物の傾きや雨漏り、構造部分のひび割れなどが典型

欠陥住宅とは、建具の建てつけの問題など、軽微な不具合のことを指しているのではなく、上記のような性能の欠けや安全性の問題があるものを指しています。住宅に何らかの欠陥がある場合、引き渡しから1~3年以内に何らかの問題が生じて欠陥が判明するケースが多いです。

「不具合」とは少し異なる

マイホームを購入して、小さな不具合を見つけた時には「欠陥住宅」を疑ってしまいますが、欠陥住宅と不具合は少し異なるので注意しましょう。大きく分けると、以下のような感じに分類することができます。

  • 欠陥住宅
    先程紹介した通り、建物の安全性や耐久性に係わる、構造的な問題がある住宅を指しています。
  • 不具合
    不具合は、上記よりも軽微なものと考えてください。具体的には、安全性には直接関係しないものの、利便性や機能性、美観などが損なわれている状態です。例えば、建具の建てつけが悪い、壁紙の一部が剥がれかけている、浮いている、ドアや窓の開閉がスムーズでないなどが当たります。

不具合は、引渡し前などに簡単に修正できるような範囲の問題です。

欠陥住宅の事例と原因をご紹介

それでは次に、欠陥住宅について、実際にどのような欠陥が発生することが多いのかについて解説します。上述したように、欠陥住宅とは、建物の安全性や耐久性に係わる、構造的な問題がある住宅を指しているのですが、具体的にはどのような問題が生じているのか気になってしまいますよね。

そこでここでは、欠陥住宅のよくある事例と、その問題が起こる原因について解説します。

ひび割れ

一つ目の問題はひび割れです。新築住宅を購入して数年でひび割れが生じた場合、とても困ってしまうはずです。住宅の中でも、ひび割れが生じやすいのは、基礎や天井、壁などです。もちろん、建物にひび割れが生じた時、その全てが安全性に係わるというものではありません。

住宅に発生するひび割れの原因については、経年劣化や地震による揺れの影響を除くと、クロス貼りや下地材・構造体の施工品質、地盤沈下などが考えられます。このうち、天井や内壁については、クロス貼りや下地材の施工品質が原因で発生する事例が多いのですが、これについては安全性には特に問題はありません。これらのひび割れは、プラスターボードの不陸と呼ばれる凹凸が、クロスの表面に影響してしまっているのが要因と考えられます。

次に、構造体の施工品質の問題による、基礎や外壁、内壁などに生じるひび割れについては、図面通りに建てられていないことによるものと言えます。木造の場合、基礎の配筋について、鉄筋の太さや間隔が適切でないほか、図面通りに筋交いが入っていない、構造用合板が使われていない、接合部などに規定された金物が使われていないなどが要因となります。これらの問題については、明らかな欠陥と言えるでしょう。

ちなみに、RC造の建物の場合も、配筋が適切に行われていないことが要因で、コンクリートの躯体にひび割れが生じるケースがあります。この他、コンクリートは乾燥後も収縮することによって、ヘアークラックと呼ばれる小さなひび割れが生じることがあります。ヘアークラックの場合、直ちに問題が起きるわけではないのですが、ひび割れが拡大していくと、そこから雨水が侵入する恐れがあるので、補修工事は必要です。

地盤沈下に関しては、建物に傾きが生じてしまうので、基礎や外壁にひび割れが生じます。

雨漏り

欠陥住宅の原因としては、雨漏りも珍しくありません。新築住宅で雨漏りなど発生するわけがない…と感じますが、実は施工の手抜きや施工不良を原因に雨漏りが発生するケースもあるのです。

なお、一般的な雨漏りのイメージとしては、屋根の破損などが原因で発生するケースが多いと考えられていますが、新築の欠陥住宅の場合は外壁や窓から発生するケースが多いです。木造住宅の場合、防水シートの施工不良やサイディングのつなぎ目のシーリング(防水処理)の施工不良によって、横殴りの雨が降った時に外壁や窓サッシ部分などから水が浸入するのです。特に、窓やドアなどの開口部のシーリングについて、適切な幅や厚みでシーリングが施工されておらず、引き渡しから数年で雨漏りが発生するといったことがあります。

この他、ベランダやバルコニーについて、立ち上がり部分の防水処理が不十分、端部などの納まりがよくないなどといった理由で雨漏りが起こることがあります。屋根については、新築で雨漏りが発生するケースは少ないと思いますが、最近人気の陸屋根を採用した住宅の場合、防水処理の施工不良などが原因で雨漏りが起こることもあります。

水漏れ

水漏れに係わる欠陥は、有名人が購入した家で発生した欠陥事例がSNSなどで公表されたこともあり、皆さんもご存知かと思います。

新築住宅では、水漏れなどの欠陥が存在するケースもあるのですが、これは主に、壁や床下を通っている給排水管の接続不良によるものです。特に最近では、3階建て住宅を建てて、2階部分にLDKや浴室、洗面台を設置するケースも増えているのですが、このような形態の住宅で水漏れが発生した場合、1階部分の天井に水染みができる、1階部分が水浸しになるなど、大きな被害に発展するケースもあります。

なお、1階の床下で発生する水漏れは、目に見える被害が生じにくいため、気付きにくいです。そのため、気づいたときには2~3年程度が経過していたなどといったケースも多いです。

建物に傾斜がある

建物の傾斜に関しては、老朽化や地震によって起こることもあるのですが、新築の欠陥住宅の場合、施工不良のほか、地盤沈下などが要因となります。建物に傾斜が生じると、床が傾く以外にも、基礎や壁にひび割れが生じる、ドアの開閉がスムーズにできなくなるなどの不具合が発生します。

地盤沈下に関しては、水分などを多く含んだ粘土質やゆるい砂などからなる軟弱地盤に家を建てたケースに多いです。住宅の沈下に関しては、建物が均一に沈んでいくのではなく、片側一方が傾いて沈む「不同沈下」と呼ばれる状態の方が問題になります。

不同沈下は、以下のようなケースで起きやすいとされています。

  • 軟弱地盤に荷重配分が偏った住宅を建てた(一部が二階建てなど)
  • 軟弱地盤に盛土を行い、沈下を防ぐための適切な対策が実施されていない
  • 盛土と切土にまたがった場所に建てられた

地盤沈下は、事前に地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良を実施するとともに、適切な基礎を選択することで防ぐことができるのですが、欠陥住宅の場合、その適切な対処が実施されていないわけです。ただ、2000年の建築基準法の改正や住宅品質確保促進法、2009年の瑕疵担保履行法の施行など、法改正によって戸建て住宅の地盤調査が義務付けられたので、以前よりも地盤が原因となる欠陥住宅の問題は起きにくくなっています。

床下

床下は、住宅の中でも最も目につきにくい場所となるため、手抜きや施工不良が放置される可能性が高いと言えます。さらに、普段の生活の中で目につかない場所となるので、問題の発覚が遅れてしまいがちという特徴もあります。

床下の欠陥としては、雨が降った後、床下に水たまりができて、その水が何日も捌けないことで、湿気により建材の腐食が急速に進行するなどの問題が考えられます。床下の湿気が高くなると、水分を含んだ木材を食料とするシロアリなどを引き寄せてしまいます。シロアリが発生すると、建物の重要な構造体を食べられてしまうことで、強度の低下や建物の傾きなど、さまざまな問題を引き起こす可能性があるのです。

この他にも、床下の欠陥としては、基礎に用いられたコンクリートのひび割れや鉄筋の露出といった問題も起きやすいです。これを放置すると、建材の劣化が早く進むことになるため家の寿命が短くなってしまう可能性があるのです。どちらも施工時の問題(設計ミス・手抜き工事など)で起こるので、重大な欠陥と言えるでしょう。

断熱関連

住宅の断熱性は、快適な住空間を実現するため、非常に重要な要素となります。そのため、家を建てる際には、外気の影響がダイレクトに室内に伝わらないようにするため、壁の内部や天井・床下に断熱材と呼ばれる建材を設置します。これにより、住宅の断熱性が高まり快適性が向上するほか、冷暖房効率の向上が期待出来ます。

ただ、断熱材の設置に関しては、家が完成した後は確認することができません。そのため、手抜き工事や施工不良などで断熱材の施工が不足していたとしても、住人がそれに気づくことができないのです。実際に、過去には冬の冷え込みのひどさから、断熱材の施工について調査を行ったところ、入っているはずの断熱材が全く入っていなかった…という事例も報告されています。

家の断熱性能が不足している場合、冬は寒く、夏は暑いなど、住宅の快適性が著しく悪くなってしまいます。また、冷暖房効率が悪くなることで、日々の生活にかかる電気代が高くなる、室内外との気温差による結露が起きやすくなるなど、さまざまな問題が引き起こされてしまいます。
断熱に係わる欠陥については、住み始めてから初めて気づくポイントになりがちなので注意が必要です。

欠陥住宅を掴まないようにするにはどうすれば良い?

それで次に、これから新築住宅の購入を検討しているという方に向け、欠陥住宅を掴まないためにおさえておきたいポイントについてもご紹介していきます。

上でもご紹介しているように、欠陥住宅の発生確率については、国が推し進めている法改正などの影響もあって、年々減少していると言えるでしょう。しかし、欠陥住宅が絶対に生まれないかというとそうではないので、欠陥住宅の購入を防ぐための注意点は押さえておいた方が良いはずです。

欠陥住宅の購入を防ぐにはどうする?

欠陥住宅に悩まされないようにするためには、欠陥住宅の購入を防ぐという対策が最も効果的です。基本的には、信頼できる売主や施工会社を選ぶなど、業者選びの段階で欠陥住宅を防ぐことができるのですが、どこが優良業者なのかは話してみただけでは判断することが難しいです。

したがって、実際に購入する家については、内覧の際に建物の状況などをしっかりと確認することが重要です。場合によって、ホームインスペクターなど、専門家に同行してもらうといった方法で、欠陥住宅かどうかを見抜くという方法もあります。

ここでは、欠陥住宅の購入を防ぐためにおさえておきたい具体的なポイントをご紹介します。

建物の状況をしっかりとチェックする

引き渡し後に建物の不具合が発覚した場合、生活に支障をきたすだけでなく、売主や施工会社とのトラブルに発展して対応が遅れてしまう可能性があります。売主や施工会社からすると、引き渡し後に起きた問題で「自分たちの責任ではない!」と主張してくるケースが多いため、欠陥がもともとあった問題なのかどうかの判断がなかなかつかないのです。

したがって、欠陥住宅を購入しないようにするには、内覧の際に、可能な限り建物の状態を詳細まで確認するようにしましょう。注文住宅の場合であれば、小まめに施工状況をチェックしに行くことで、完成後に隠れてしまう部分の不具合も事前に指摘することができ、引き渡しの際には、問題を修繕した状態で受け取ることができます。ただ、完成済みの建売住宅などの場合、壁の内部などはさすがに確認することはできません。しかし、建物の傾きや、シーリング工事の精度、建具に不具合はないかなどはチェックできるので、全体的に確認するのだけでなく、細かな部分までチェックしましょう。

専門家に同行してもらう

欠陥住宅を掴まないようにするには、購入前に細かな部分までチェックすることが大切です。しかし、建築物に関する知識が少ない方の場合、「目で確認しても正常か問題があるのか判断できない…」となってしまうケースも少なくありません。したがって、欠陥に気付けないかもしれない…と不安な方は、ホームインスペクターや住宅診断士と呼ばれる専門家に同行を依頼し、住宅の欠陥の有無や補修するべき箇所などを確認してもらうと良いです。
ホームインスペクターの内覧同行費用の相場は、戸建ての場合で5万円~7万円とされているので、決して安い金額ではありません。しかし、欠陥住宅を購入してしまうと、一生付き合わなければならない問題になると考えると、高い費用ではないと思います。

欠陥住宅を見抜くには何を見れば良い?

物件の内覧を行う際、欠陥住宅を見抜くためにも、確認しておきたいポイントについてご紹介しておきます。

外壁、内壁、基礎の状態

外壁や内壁、基礎については、大きなひび割れなどが生じていないか確認しましょう。特に基礎の部分に関しては、小さなクラックから瑕疵と判断できる大きなひび割れまで発生している可能性があります。細く、小さなヘアークラックの場合はそこまで心配する必要はないでしょう。なお、基礎を確認する際は、外周を見るだけでなく、可能であれば、床下部分も確認しておくと、正確な状況を把握することができるようになります。
ひび割れの存在を確認し、それが大きな問題につながるのか不安に感じる場合は、ホームインスペクターなどの専門家に確認してもらうのがおすすめです。

床の傾き

賃貸住宅などでも、物件の良し悪しを確認するため、ビー玉などを置いて転がるかどうかを判断するという方法が紹介されます。これは、床に傾きが生じていないかを判断する為です。最近では、スマホのアプリに傾きを計測するようなものが登場しているので、内覧前にダウンロードして利用すると良いでしょう。
床の傾きで欠陥の有無を判断するためには、国土交通省による住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準を指標にすると良いでしょう。構造部分に瑕疵については、以下のように解説されています。

凹凸の少ない床面の3m以上離れた2点を結ぶ直線の水平面に対する角度を測定した時

  • 勾配が3/1000未満・・・瑕疵が存する可能性は低い
  • 勾配が3/1000以上~6/1000未満・・・瑕疵が存する可能性が一定程度ある
  • 勾配が6/1000以上・・・瑕疵が存する可能性が高

参照:住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準

窓や建具について

窓や建具がスムーズに開閉できるかを確認することも、欠陥の有無を判断するポイントになります。窓やドアについて、実際に動かしてみる、鍵を開け閉めしてみるなど、動きを確認しましょう。窓やドアが開閉しにくいと感じる場合、建てつけが悪い、もしくは建物が傾いている可能性があるのです。
何らかの問題が確認できた場合、修正を依頼するか、購入は控えた方が良いでしょう。

雨漏りの跡などを確認する

雨漏りの有無に関しては、「天井から雨水が落ちてくる…」と言った明確な事象が無くても判断することができます。例えば、新築されたばかりなのに、天井や壁に水染みができている…と言ったケースでは、雨漏りや水漏れの可能性が考えられます。この他、特定の部屋に入ると湿気の高さを感じたなどというケースも水の存在が考えられるので、可能であれば天井裏などを見せてもらいましょう。

床下のチェック

近年では、ほとんどの住まいにおいて、床下のメンテナンスを実行しやすくなるように、1階の床に点検口が設けられています。そのため、この部分を使えば、床下の状態もしっかりとチェックすることが可能なのです。

床下のチェックについては、湿気や空気の歪み、かび臭さなどを感じないか、水たまりができていないか、木材に水染みなどができていないか、コンクリートに大きなひび割れなどが発生していないかなどを確認してみましょう。ただ、床下の細かなチェックについては、一般の方ではなかなかその状態を判断することが難しいため、可能であれば専門家に見てもらい判断してもらうという方法がおすすめです。

まとめ

今回は、絶対に掴んではいけない欠陥住宅について、どのような欠陥が存在するのか、また欠陥住宅を見分けるためにおさえておきたい知識などについて解説しました。

欠陥住宅は、そこに住む人の安全性を損なうような重大な問題がある住宅のことを指しています。記事内でご紹介したように、一時期社会問題として盛んに取り上げられたこともあり、国も法改正などで欠陥住宅が生まれにくくなるようにいくつかの対策を施しているため、以前よりも安心して家を購入できるようになっていると考えられるかもしれません。しかし、現在でも、購入した家に欠陥が発覚してハウスメーカーなどとトラブルに発展しているという情報を見かける機会もあるため、これから家の購入を控えているという方は、絶対に欠陥住宅を掴まないようにするということは意識しておいた方が良いです。

なお、現在では住宅品質確保促進法によって、新築物件は10年の瑕疵担保責任があるため、新築住宅購入後に何らかの欠陥い気付いたという場合、早急に売主や施工会社に伝え、対象となる瑕疵や欠陥を補修してもらうようにしましょう。住宅品質確保促進法では、基礎や壁、柱などの構造耐力上主要な部分や、屋根や外壁などの雨水の浸入を防止する部分について、売主や施工会社に対して10年間の瑕疵担保責任を義務付けていて、瑕疵があった場合には無償での補修が求められることとなっています。

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