
今回は、マイホームと風水の関係性について解説します。以前、風水を考慮して運気を上げることができるとされる「間取り」の注意点について解説しましたが、今回は、土地選びの段階で考慮してみたい「住むと運気が上がるとされる土地」の特徴を解説します。
家づくりの際には、家族が安全で快適に暮らせるようにするため、間取りや設置する住宅設備などについて悩む方が多いです。しかし、信心深い人が多い日本の家づくりでは、運気のことも意識しながら土地選びや間取りづくりを検討したいと考える人が多いのです。そして、日本での家づくりでは、古くから伝わる風水の考えを取り入れながら、運気の向上を目指すという方法があるのです。
家を建てる立地に関しても、いくつかの特徴をおさえておくだけで「住むと運気が上がる」とされる場所があります。そこでこの記事では、これから注文住宅の新築を検討している方に向け、土地選びの段階で注目したい「運気の上がる土地」の特徴を解説していきたいと思います。なお、風水と間取りの関係性については、以下の記事でまとめているので、ぜひそちらも確認してみてください。
関連:風水による家の間取りで運気をあげるためのポイントをご紹介!
住むと運気が上がるとされる土地はどんな土地?
それではまず、風水的に見て、住むと運気が上がる土地の特徴について解説していきます。風水について、名前は良く聞くけど「どういうものかいまいち分からない…」という方も多いと思います。風水は、古代中国発祥の環境学とされていて、簡単に言うと、以下のように解説されています。
風水(ふうすい)は、古代中国の思想で、都市、住居、建物、墓などの位置の吉凶禍福を決定するために用いられてきた、「気の流れを物の位置で制御する」という思想。
引用:Wikipedia
日本においても、風水が完全に成立する唐代以前の一部の理論のみが陰陽道や家相として取り入れられたとされているなど、かなり昔から家づくりの際に取り入れられているのです。そして、この風水の考えでは、以下のような土地に家を建てると、そこに住む人の運気が上がるとされているのです。ここでは、代表的な土地について解説します。
①日当たり・風通しが良い土地
風水的に運気が上がるとされる良い条件としては、日当たりや風通しが良いというものがあります。日当たりが良く、風通しも優れた土地は、風水的に『陽』のエネルギーをたくさん取り込める場所とされているのです。太陽の光で明るい環境は、そこに住む人に活力を与え、家全体に良い気を循環させる効果が期待できるとされています。日当たりが良い場所は、草花が良く育ち管理が大変のように思えますが、雑草などが元気に生い茂るような場所は、それだけ日当たりが良い証拠でもあるので、風水的には良い土地とされます。
また、風通しが良いという条件についても、心地の良い自然の風が通り抜けることは、気の流れがスムーズになるとされていて、悪い気が留まるのを防いでくれるとされています。実生活のことを考えても、風通しが良い環境というのは、湿気がこもりにくくなり、人の健康被害を引き起こすようなカビやダニの繁殖を防いでくれます。そのため、そこに住む人の快適で健康的な暮らしを実現してくれる条件として風通しが重要視されているのです。
したがって、家を建てる土地を探す際には、太陽の光を十分に取り込め、さらに自然の風が良く吹き抜けるような場所を選ぶと良いです。
②四角形または長方形など、整った形の土地(いわゆる整形地)
風水では、変形していない四角形の土地は、形状が整っていてバランスがとれていると判断します。これは、形状が整っている土地の場合、良いエネルギーが土地全体に均等に広がるため、そこに住む人の安定や調和に良い影響をもたらすと考えられているからです。そのため、角がかけている、いびつな形状をした土地など、不整形地と言われる土地と比較すると、正方形や長方形をした整形地は、そこに住む人の運気が上がる非常に良い土地とされているのです。
風水的には、安定した気の流れを実現できれば、そこに住む人の精神的な落ち着きや安心感をもたらすことができると考えられていて、安定的にエネルギーを行き渡らせることができるのです。なお、家を建てる土地として整形地を選ぶ場合には、現実的なメリットも存在します。バランスが整った土地というのは、設計の自由度が高い、デッドスペースが生まれにくいなど、土地利用の観点からも有利と言えるのです。
整形地は、旗竿地などの不整形地と比較すると、価格が高くなってしまいますが、土地全体を有効活用しやすく、バランスの取れた家を建てやすいため、風水のことを抜きにしてもおすすめできます。
③カーブの内側にある土地
風水的に、道路や川のカーブの内側にある土地は、常に良い運気がもたらされるとされており、縁起が良い土地とされています。風水では、カーブの内側は「良い気が集まりやすい」うえに、お金が出ていきにくいとされているので、家を建てる土地にすればそこに住む人の運気を向上させられると考えられています。これは、車や水の流れが良い運気を運んできて、カーブの内側に入り込んでくるからと言ったイメージをすれば良いかもしれません。
ちなみに、これとは逆に、カーブの外側に位置する土地については「路殺(ろさつ)」などと呼ばれていて、車が向かってくる、突っ込んでくるような圧迫感を感じることから、気の流れが不安定になりやすいとされているので注意しましょう。自宅を建てる土地を探す際には、落ち着いた暮らしを実現するという視点で考えると、カーブの内側の土地を選ぶと良いかもしれません。
注意点としては、川のに近い立地になると、水害による被害が大きくなる危険性があるという点です。
④活気のあるエリアなど、周辺環境が良い土地
風水的に「運気が上がる土地」は、周辺環境も関係します。例えば、活気のある地域や緑が多い地域など、周辺環境が良いとされる土地は、そこにいる人の運気を高めてくれるとされているのです。地域全体が活気にあふれていると、その周囲に良いエネルギーが満たされることになるので、そこに住む人にも良い影響を与えるという訳です。
分かりやすい例を挙げると、新しいお店が次々とオープンしているような発展性のある場所、子育て世帯が多く暮らしていてにぎやかな場所などが「活気のあるエリア」とされ、自然と良いエネルギーが集まるので周辺に住む人に良い影響を与え運気を上げてくれるわけです。この他にも、緑の多い公園がある、花がたくさん植えられた花壇があるなど、緑が多い地域は、自然がもたらすエネルギーを感じられるため、風水的に良いとされています。
ちなみに、商業施設が多い、子育て施設が多いなど、活気のあるエリアについては、生活利便性も高くなるため、そこに住む場合には現実的なメリットも多く得られるはずです。ただ、地価はどうしても高くなりがちなので、その点は注意が必要です。
⑤高台の土地
周囲よりも一段高い場所となる高台の土地は、風水的に見ると良い条件を満たしやすいため、運気が上がる土地になりやすいです。高い土地は、自然と日当たりや風通しが良くなりますし、多くの植物に囲まれているので自然も多いです。こういった土地は、眺望もよく、開放的で陽の気を取り込みやすい環境となるため、そこに住む人の運気を高めてくれるのです。実際に、世界各国にある高級住宅街は、高台の上に作られている場合が多いですよね。
この他、高台にある土地は、水はけが良くなり、湿気なども溜まりにくいという利点があります。また、大雨などがあっても、家が浸水するリスクが低くなるなど、防災上もメリットが多いのです。高台にある土地は、人が安心して暮らしやすいうえ、風水的にも良い気が集まりやすいとされているので、とてもおすすめできます。
⑥四神相応の地
風水で最良の土地とされている条件が「四神相応(しじんそうおう)の地」です。風水では、古くから四方を司る神獣(四神)に守られた土地を「四神相応(しじんそうおう)の地」と呼んでいて、最も良い運気が集まりやすい理想の土地とされているのです。「四神相応(しじんそうおう)の地」の条件については、以下を満たしている土地です。
- 北(玄武):山や丘などの高い地形(ビルやマンションでもOK)
- 東(青龍):低い山や丘がある(道路や川でもOK)
- 南(朱雀):開けている(平地・海・池・湖など)
- 西(白虎):低い山や丘がある(道路や川でもOK)
風水では、上記の4つの条件をすべて満たしている土地が最強の地とされています。この地形は、悪い気を防いでくれるうえ、良いエネルギーを呼び込んでくれるとされているため、健康運や金運、仕事運など、あらゆる運気を高めてくれる効果が期待できるそうです。もちろん、全ての条件を満たした土地を見つけるのはなかなか難しいものですが、土地探しの際には意識してみるのも良いのではないでしょうか?
なお、全ての条件を満たせていない場合でも、「北側に建物があり、南側が開けている」など、部分的に条件が似た土地は良い気を得やすいとされているので、土地探しの参考にしてみてください。
土地選びは風水以外にも注目しなければいけない!
ここまでは、風水的に運気を高めることができる土地の特徴について解説しました。家づくりでは、風水的な良し悪しを気にする方が非常に多いので、これから家を建てるための土地を探すという方は、ぜひ参考にしてみてください。
ただ、実際の土地探しでは、風水だけに注目して土地を選ぶのはあまり良くありません。家族が安心して安全に過ごすことができる家にするためには、風水などのスピリチュアルな観点だけでなく、現実的な部分についても考慮しないといけないのです。日本に家を建てる際には、建築基準法に従わなければならないため、いくら風水的に良い土地であっても、理想の建物を建てられないのならあなたにとって最適な土地とは言えないでしょう。また、地震や台風、水害など、自然災害の発生頻度が高い日本に建てる住宅の場合、自然災害リスクのことも考慮して土地選びを進めないと、後々後悔してしまう可能性があるのです。
そこでここでは、家を建てるための土地選びを進める際、風水以外に着目したいポイントをいくつかご紹介します。
災害リスク
日本は、地震や台風、集中豪雨による水害など、自然災害が非常に多い国として有名です。
そのため、一生を過ごすことを前提としたマイホームの土地選びでは、土地の自然災害リスクを考慮しながら、できるだけ安全だと言える土地を選ばなければならないのです。先程、風水的には「川のカーブの内側」にある土地は運気が上がると紹介しました。しかし、近くに河川がある土地の場合、大雨が降った時には河川の氾濫による浸水被害の危険性がどうしても高くなってしまうのです。
したがって、家を建てるための土地選びを進める際には、国や自治体が公表しているハザードマップを確認しながら、自然災害リスクが低い土地を選ぶということも大切になると考えてください。いくら運気が上がるとされていても、浸水や土砂災害、液状化と言ったリスクがある土地の場合、家族が安心して生活するのが難しいかもしれません。
家族が安全に暮らせるというポイントは、何よりも重視したいものであるため、風水的に良いとされる土地であっても、災害リスクが高いと考えられるなら、他の土地を探すのをおすすめします。
生活利便性について
マイホームの土地選びでは、日常生活の利便性について、しっかりと考慮しておく必要があります。例えば、近くに学校、医療機関、ショッピングエリア、公園などの施設があるかどうかをチェックすることで、日常のニーズに対するアクセスや便利さを評価することが可能です。
この他にも、土地周辺の安全性を考慮すべきです。地域の犯罪統計や治安情報を確認し、購入を検討している土地周辺の安全性をチェックしましょう。この他には、自然環境や交通アクセスなど、自分たち家族が優先したいと考えるポイントについてしっかりとチェックしておきましょう。
用途地域について
日本国内の土地は、用途地域というものが定められています。用途地域は、大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分けることができるのですが、さらにそこから以下の13種類に細分化されています。
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 田園住居地域
- 近隣商業地域
- 商業地域
- 準工業地域
- 工業地域
- 工業専用地域
この用途地域は、単に名前だけが付けられているのではなく、それぞれの用途地域によって建築可能な建物の種類や高さなどに制限が設けられています。これは、無計画に街づくりが進められるのを防止することが目的です。例えば、静かな場所だと思って土地を購入したにも関わらず、後から大きな工場やたくさんの遊戯施設・商業施設が建ってしまうと、もともとそこにいた人の生活環境が壊されてしまうことになります。
したがって、日本では、都市計画に基づいて市街地を「住居」「商業」「工業」などの用途(目的)ごとに分け、それぞれの地域で建てられる建物の種類(用途制限)、規模(建ぺい率・容積率)、高さなどを制限することで、計画的で良好な市街地環境を形成・維持するため、用途地域が決められているのです。
用途地域をきちんと確認すると、将来の住環境がどうなっていくのかを予想することも可能になるため、自分たち家族が長きにわたって安心して暮らせる環境が維持できるのかもチェックしておきましょう。いくら運気が良い土地であっても、後から大きな工場などが建設される可能性がある土地は、将来的にその土地を選んだことを後悔する可能性が残ります。
まとめ
今回は、住むと運気が上がるとされている、風水的におすすめとされている土地の条件について解説しました。
家づくりの際に、風水のことを考慮しながら間取りや設置する家具を選ぶという方は非常に多いとされています。ただ、風水と家づくりの関係性を考えた時には、土地選びの段階から意識することで、住むだけで運気の向上が期待できるようになるのです。
ただ、長く住むことを前提としたマイホームづくりの土地選びでは、風水などのスピリチュアルの観点だけに着目するのは良くありません。長くするためには、地域の安全性や災害リスクのことなど、現実的な視点で土地の評価を行っておく必要もあるので、後悔のない家づくりにするためにも、風水と現実的な土地選び、両方の視点を持って総合的な良し悪しを判断するようにしましょう。
なお、日常生活を進めていく上で、運気を高めるために意識してみたい風水のポイントについては、以前別の記事で解説しているので、以下の記事も併せて確認してみてください。
