
私たちの快適な日常生活を支える設備として、エアコンは今や欠かせないものとなっています。年々猛暑化が進む日本の夏を考えると、エアコンなしの生活は人命にかかわるような問題に発展する可能性がありますし、ほとんどの住宅に設置されるようになっています。
ただ、このエアコンと呼ばれる設備については、万全な状態で稼働させるためにも、定期的な清掃が必要とされています。皆さんも、エアコンを使用する時期が近づいてくると、フィルター部分を取り外して洗浄するといった簡易的なお掃除を欠かさずに行っているのではないでしょうか?しかし、フィルターの掃除はあくまでも表面的な掃除しかできず、きちんと掃除しようと思うと、専門業者に依頼して、機器内部まで綺麗にしてもらう必要があるのです。そして、専門業者による掃除を定期的に実行していれば、冷暖房の効きが良くなり、電気代の削減が期待できるようになります。さらに、エアコンをつけると「かび臭さを感じる」「くしゃみが出るようになる」といった問題も生じにくくなるので、家族が快適に過ごせる住環境を維持するためにも、定期的なエアコン掃除は欠かさないようにしましょう。
それでは、専門業者に依頼してエアコン内部まで綺麗に掃除するという対策は、どのような時期に行うと良いのでしょうか?この記事では、エアコン掃除に最適とされている時期や、掃除を怠った場合の問題について解説します。ちなみに、今年はエアコン周りの業者さんが例年以上に忙しくなると言われているので、その理由などについても簡単に解説します。
エアコン掃除は「春が最適」と言われる理由
それではまず、エアコンの掃除は何月ぐらいに実施するのが良いのかについて解説します。ここで言う「エアコン掃除」は、住人さん自らがフィルターなどを掃除する行為を指しているのではなく、専門業者にエアコンの丸洗いを依頼することを指しています。自分でフィルターの掃除を行うなど、簡易的なメンテナンスについては、季節に関係なく小まめに行っておくのがおすすめです。
ただ、専門業者に依頼してエアコンの掃除を行う場合には、4~5月頃など、春の時期に実施するのが最適とされています。業者に依頼するのであれば、いつ相談してもよさそうに感じますが、なぜ春がエアコン掃除の時期として最適なのでしょうか?
ここでは、エアコンの掃除を業者に依頼するなら、春が良いと言われる主な理由についてご紹介します。
①利用頻度が最も少ない
エアコンの掃除は春に行うのが良いとされている理由は、単純に1年の中で最も利用頻度が少なくなるからです。
3月の終わりごろから梅雨時期までの間は、気温が安定して、エアコンを使わなくても快適な温度を維持しやすくなります。そのため、他の季節と比較すると、エアコンに頼る場面が各段に少なくなるので、業者による掃除の段取りがつけやすくなるのです。
専門業者によるエアコン掃除は、数時間以上かけて内部まで綺麗にしていきます。当然、掃除をしている間はエアコンを稼働させることができなくなるため、真夏や真冬に作業を行うと、業者さんも住人さんも過酷な状況下に置かれてしまうことになるのです。春にエアコン掃除を行う場合、掃除中も快適な温度帯を維持できるので、安心して作業を見守ることができます。
②カビの増殖を未然に防げる
二つ目の理由は、春にエアコン内部まで掃除を行うことで、カビの増殖を未然に防ぐことができるようになるからです。エアコン内は、カビが繁殖しやすいという話をよく耳にすると思いますが、これは、冷房や除湿運転をさせると、内部に結露が発生して、湿度が高まるからです。
カビは、一定以上の湿度があり、栄養となるエサが存在すれば、一気に増殖してしまうことになります。掃除を怠ったエアコン内部は、ホコリやゴミがたくさん存在していて、それらがカビのエサとなってしまうのです。そのため、春に掃除を行わなかった場合、梅雨時期からエアコンを運転させ始めると、内部でカビが繁殖し、室内にカビの胞子をまき散らしてしまう可能性があるのです。その逆に、春の時期に、エアコン内部を綺麗に掃除しておけば、カビのエサとなるほこりなどがなくなるため、エアコン内部でのカビの繁殖を抑えられ、清潔な空気環境を維持できるようになるのです。
業者の予約が取りやすくコストが抑えられる
春の時期は、エアコンの使用頻度が少なくなるため、故障や買い替えなどを目的とした業者への相談が少なくなる時期とされています。これが、エアコンを本格的に使用する時期に近づいてくると、故障が発覚したり、エアコン掃除を思いついたりする方が増えるので、エアコン周りの専門業者の需要が一気に高まるのです。そのため、梅雨の終わりごろにエアコン業者に連絡し、クリーニングの予約を取ろうと思うと、既に予約でいっぱいになっていて予約が取れない…、希望する日時に作業をしてもらうことができないといった問題が生じる可能性があるのです。
また、引っ越しなどと同じく、エアコンのクリーニングや設置依頼などについては、決まった時期に相談が急増するという仕組みになっています。いわゆる、繁忙期と閑散期が明確に存在している業界なのですが、繁忙期はどのような業界も作業にかかる値段が高くなってしまいます。
春の時期は、エアコン業者にとっては閑散期という扱いになるため、作業員を遊ばせないためにも安価で掃除を依頼できるようなキャンペーンを行っている会社が多くなるのです。そのため、希望する日時に予約をしやすく、さらに繁忙期に依頼するのと比較すると、かなり安く作業を依頼できるというメリットが得られるのです。
エアコン掃除の頻度について
それでは次に、エアコンを快適に使うためには、どの程度の頻度で掃除しなければならないのかについても簡単にご紹介します。
エアコンは、室内の空気を吸い込んで、内部で冷やしたり温めたりする工程を経て、設定した温度の空気にしてから送り出すという仕組みになっています。そのため、エアコンを稼働させるときには、室内のホコリや汚れなどを機器内部に吸い込んでしまうことから、日常的に使用していると、エアコン内部やフィルターに汚れが溜まっていってしまうのです。フィルターがほこりなどで目詰まりを起こすと、温度を調整した空気をうまく送り出せなくなるため、余計な電気代がかかってしまうことになるのです。
つまり、エアコンを快適に使い続けたいと考えるなら、定期的な掃除が必要不可欠と言えるのです。
使用者自身が実施するフィルター掃除の頻度
エアコンの掃除については、専門業者に依頼して内部まで掃除を実施してもらう方法以外にも、使用者自らがフィルターの清掃をすることも大切です。どのようなエアコンでも、内部にまでほこりなどが侵入しないようにするため、フィルターが設置されているのですが、これは簡単に取り外すことができ、住人さん自らが水洗いすることができます。
そして、フィルターの掃除は皆さんが思っている以上に小まめに行わなければならないとされています。メーカーなどが推奨するフィルターの掃除頻度は、2週間に1回が目安とされています。こう聞くと「かなり多いのでは…」と感じるかもしれませんが、フィルターがほこりなどで目詰まりを起こしてしまうと、エアコンの空調効率が落ちてしまいます。また、フィルター部分に溜まったほこりを栄養源として、カビが繁殖してしまい、内部にまで広がっていく恐れもあるのです。
したがって、エアコンを日常的に使用する時期は、2週間に1回を目安として、フィルターの掃除を実施しましょう。掃除の方法は、表面のホコリを掃除機で吸い取り、その後に水洗いして乾かすだけでよいです。なお、キッチン付近に設置されているエアコンは、油汚れなどが付着している場合があるので、その場合は食器用の中性洗剤を使用して洗うと良いです。
専門業者によるエアコンクリーニングの頻度
次は、専門業者にエアコンクリーニングを依頼する頻度についてです。これは、上述した簡易的な掃除と比較すると、少ない頻度で構いません。一般的には、1年に1回、もしくは2年に1回程度の頻度でエアコンクリーニングを実施してもらうのが目安とされています。エアコンを内部まで綺麗に掃除するためには、部分的に部品を分解したり、専用の機材が必要になったりするため、ご自身で実施するのは難しいと考えてください。
専門業者に依頼する場合、どうしても費用が掛かってしまいますが、専門知識や技術を持った人に作業を依頼できるので、安全にエアコンを掃除してもらうことができます。エアコンクリーニングの費用相場は、通常タイプで1台当たり8,000円〜15,000円、お掃除機能付きで16,000円〜25,000円が目安となります。
専門業者によるクリーニングが必要と判断すべき症状
専門業者によるエアコンクリーニングについては、上で紹介した頻度以外にも、以下のような症状が出ている場合、実施すべきと考えてください。
- カビの臭いがする
- 冷暖房の効きが悪い
- 異音がする
- 水が漏れる
エアコンを稼働させたとき、上記のような症状が出ている場合、内部がかなり汚れていると考えられます。内部の汚れが進行している場合、早急に対応しないと、より深刻な故障につながることがあるので、できるだけ早く専門業者に相談し、内部のクリーニングを実施してもらいましょう。
エアコンの掃除を怠るとどうなる?
それでは、定期的なエアコンの掃除を怠った場合、どのような問題が生じるのかについてもご紹介します。エアコンの定期的な掃除を怠ると、以下のような問題が発生するので注意しましょう。
空調効率の悪化により電気代が高くなる
エアコンの掃除を怠った場合の問題としてよく指摘されるのは、エアコンを稼動させても空調効率が低下することで、余計な電力を消費することになり、結果として電気代が高くなるという問題です。
エアコンのフィルターや内部にほこりなどが溜まると、空気の流れが悪くなってしまうため、エアコンに余計な負荷がかかるようになります。分かりやすく言うと、設定温度に調整するため、エアコンが余計な力を使わなくてはならなくなるので、消費電力が増えることで、電気代が高くなるのです。
定期的な掃除を実施すると、このような問題が解消でき、エアコン稼動による電気代を節約できます。
悪臭が発生する
エアコンの定期的な清掃を行わないと、内部にほこりが溜まり、それをエサとしてカビが繁殖してしまいます。その結果として、悪臭が発生するのです。エアコン内で悪臭が発生すると、稼働時に室内に悪臭をまき散らすことになり、生活環境を悪化させてしまう恐れがあります。長期間掃除を怠ったエアコンを稼働させると、かび臭さやほこりっぽいニオイを感じることがあると思います。
エアコンは、先ほど紹介した通り、室内の空気を吸い込み、設定温度に調整してから送り出すという仕組みになっているため、調理の際に生じる油やペットの毛なども吸い込んでいます。そのため、掃除を怠ってしまうと、こういったニオイがフィルターなどに付着してしまい、常に嫌な臭いを感じる室内になってしまう可能性があるのです。特に、一人暮らし用の集合住宅などは、キッチンと居室が一体となっているため、さまざまなニオイが付着しやすいので注意しましょう。
定期的な掃除を実施し、ゴミやほこりを除去しておけば、臭いの問題を感じにくくなり、快適な住環境を維持しやすくなります。
カビの胞子拡散による健康被害
エアコンの掃除を怠ると、内部にカビが繁殖してしまうことになります。そして、エアコン内部でカビが繁殖すると、胞子を吐き出し、その胞子がエアコンの風と一緒に室内にまき散らされてしまうのです。人がカビの胞子を吸い込むと、アレルギー症状が出たり喘息のような症状が出てしまうことがあります。特に小さなお子様の健康被害に繋がりやすいので注意しましょう。
カビの胞子は、非常に小さくて人の目では確認することができません。そのため、室内の空気環境が悪化していることに気付けず、健康被害が出てから初めてエアコンの汚れに気付くなどということも少なくないのです。家族の健康な生活を守るためにも、定期的な清掃でカビの繁殖を防ぎましょう。
エアコンからの水漏れ
エアコンの掃除を怠ると、内部の汚れが原因となって、水漏れを起こすことがあります。熱交換器やドレンパンなどの水分を排出する部分に汚れが蓄積する、結露が溜まるなどといったことを要因に、内部で水が発生し、それが水漏れとなるのです。
この問題については、エアコンそのものの故障を誘引するだけでなく。室内の壁や床に水滴が付着し、カビの繁殖や木材の劣化などを引き起こすなど、家そのものの劣化を進行させてしまいます。専門業者に内部まで掃除してもらうことで、こういった実害を防ぐことが期待できます。
エアコンの早期故障
最後は、エアコンの早期故障を誘引してしまう可能性があるというデメリットです。先程紹介した通り、エアコンの掃除を怠ると、内部に汚れが蓄積され、稼働に余計な負荷がかかるようになります。
当然、通常状態で稼働するのと比較して、余計な負荷がかかる状況が常態化すると、機器の故障リスクは高まってしまいます。また、部品に汚れが付着することで、摩擦などが起き、異音が生じるようになったり、さらにそれを放置することで部品が故障するといった問題に発展しやすくなります。
エアコンの内部清掃は、エアコン稼動時に過剰な負荷をかけないようにするためにも、非常に重要だと考えてください。
まとめ|今年のエアコンクリーニングは急いだほうが良い?
ここまでの解説で、自宅に設置しているエアコンについて、定期的な清掃を欠かしてはいけないということが分かっていただけたと思います。
エアコンの掃除を怠ると、稼働にかかる電気代が高くなってしまうだけでなく、室内に悪臭が拡散して住環境を壊してしまう、さらにカビの胞子が室内に広がることで家族の健康被害に繋がる恐れがあるなど、さまざまな問題を生じさせてしまう可能性があるのです。また、本来の耐用年数よりもかなり早くエアコンが故障してしまい、買い替えに多額の費用が掛かってしまうなどの問題も考えられるでしょう。
エアコンの掃除は、ご自身でフィルターを掃除するという簡易的なものと、専門業者に依頼して内部まで綺麗にしてもらうという二つのパターンが存在します。専門業者に依頼する場合は、それなりの費用が掛かってしまうため、エアコンの問題を感じていても見て見ぬふりをする方も少なくありません。しかし、快適な住環境を維持するために必要な経費と考え、可能であれば1年に1回程度、最低でも2年に1回程度は専門業者によるクリーニングを実施するようにしましょう。
なお、今年の春から初夏にエアコンのクリーニングを予定しているという方がいれば、早めに予約をしておいた方が良いかもしれません。というのも、エアコン周りの法改正があり、今年の夏や冬場は、エアコンに関わる専門業者への作業依頼が集中するという予測が出ているのです。そのため、ギリギリになってエアコン掃除の相談を業者にすると、予約がパンパンに詰まっていて、作業をしてもらうことができなくなる可能性があります。また、繁忙期が長期化することで、エアコンのクリーニングにかかる費用が高くなる可能性もあるので、早めに動いた方が掃除にかかるコストを抑えられる可能性があるのです。
今年の夏ごろより、エアコン業者が忙しくなる理由については、先日ご紹介した「エアコンの買い替えは今年中が正解?エアコンの2027年問題について」という記事の中で詳しく解説しているので、ぜひこちらの記事も確認してみてください。
簡単に言うと、2027年4月以降は、エアコンに求められる省エネ基準が高くなるため、現在販売されている安価な製品が市場から姿を消すとされているのです。そのため、来年以降にエアコンの買い替えを検討した場合、本体価格が高くなってしまう分、イニシャルコストが大幅に上がると言われているのです。したがって、現在使用しているエアコンが耐用年数に近いという方の場合、今年中に買い替えようと決断する方が増えると予想され、駆け込み需要によりエアコン業者が忙しくなると考えられているわけです。
エアコン業者が、取り付け工事につきっきりになることが予想されるので、掃除を依頼したくても予約が取れない、繁忙期が長期化することで人員確保のためのコストがかかり作業費が高騰するなどの問題が予想されるので、エアコン掃除は今のうちに実施するのがおすすめです。
