マイホームの購入は、一生の中で最も高額なお買い物になる場合がほとんどですし、物件価格にばかり注目してしまう方が多いと思います。しかし、家の購入時には、物件の購入代金以外にも、関わってくれた業者さんに支払う手数料や税金など、諸費用と呼ばれるお金がかかってきます。したがって、これから憧れのマイホーム購入を検討している方は、物件購入のための予算を検討する時に、物件代金だけでなく諸費用にも目を向けてお金を用意しておかなければならないと考えてください。

ただ、家の購入は人生の中で何度も経験することではありませんし、「諸費用と言われてもどのような部分にお金がかかるのか分からなくて、予算計画がたてられない…」と考えてしまう方がほとんどだと思います。そこでこの記事では、建売住宅の購入を考えている方に向け、物件購入時にかかる諸費用について、具体的にどのような費用がかかってくるのか、またどの程度のお金を用意すべきなのか、諸費用の内訳や目安について解説します。

建売購入時にかかる一般的な諸費用の目安とは?

家の購入時には、物件の購入代金以外にもさまざまな費用が発生します。そして、物件代金以外に発生するこれらの費用を総称して『諸費用』と呼んでいるのです。

建売購入時にかかる諸費用の具体的な金額については、購入を検討する物件によって異なります。ただ、一般的には、建売住宅の場合、その購入価格の「6~9%程度」が諸費用の目安になるとされています。分かりやすく3000万円の建売住宅を購入する場合、物件代金以外に180万~270万円前後の諸費用が発生するということです。

ちなみに、同じ戸建て住宅の購入でも、注文住宅で土地から家を購入する場合には、トータルコストの「10~12%程度」が諸費用の目安と言われています。また、土地はすでに所有していて、そこに家を建てる場合は、建築費の「3~6%程度」が諸費用の目安です。それでは、この諸費用とは、どのようなお金がかかっているのか気になりますよね。その辺りを次項で解説していきます。

諸費用の内訳と発生するタイミング

それではここから、建売住宅購入時の諸費用について、具体的にどのような費用が発生しているのか、その内訳を解説します。上述しているように、諸費用はさまざまな項目が存在しており、さらにおさえておきたいのはそれぞれの費用によって支払うタイミングが異なるという点です。建売購入のための予算計画で、諸費用を無視してしまっていると、いざ支払いタイミングになってお金を用意出来ずに困ってしまう…なんてことになる恐れがあります。

そこでここでは、建売住宅を購入する場合について、物件購入前、購入時、住宅ローン利用時の3つのタイミングに分けて、それぞれどのような項目の費用が発生するのかをご紹介します。

住宅の購入前に発生する諸費用の内訳

まずは、住宅の購入前に発生する諸費用についてです。この段階では、「手付金」「印紙税」の二つの費用が発生します。

手付金

住宅に限らず、高額な商品の売買では、手付金と呼ばれる費用を先に支払うのが一般的です。手付金は、物件の売買契約を結ぶ際に支払うもので、この手付金が解約手付の場合は、放棄または倍額の償還によって任意に解約ができるように売主へ預けるお金となります。

不動産の売買契約は、法的な拘束力がある重要な手続きであり、後から一方的にキャンセルしたり内容に違反したりすると、双方にとって大きな損害が発生してしまう恐れがあります。したがって、万一の事態を考慮して、物件の購入希望者が売主に対して物件価格の5~10%に当たる費用を支払うようになっています。これが手付金と呼ばれる費用で、解約手付の場合には、キャンセルする場合はその手付金を放棄して売主に渡すという形式をとるのです。ちなみに、売主側からキャンセルする場合は、手付金を支払った購入希望者に対して、倍額を支払わなければならないとするのが一般的です。

この手付金については、売買契約がそのままスムーズに進めば、物件の購入代金に充てられます。つまり、物件購入代金の一部を先に預けるという形になっているだけですので、諸費用には含めないで考えるケースも多いです。

印紙税

印紙税は、不動産売買契約書に貼り付けしなければならない印紙代のことです。印紙税は、物件の取引金額に応じて税額が変わります。以下に参考として、主な物件購入価格帯別の税額をご紹介します。

  • 500万円超1,000万円以下:1万円
  • 1,000万円超5,000万円以下:2万円
  • 5,000万円超1億円以下:6万円
  • 1億円超5億円以下:10万円

なお、上で紹介している税額は、通常の税額をご紹介しています。2024年3月31日までに作成される契約書については、軽減税率が適用され、税額は半分となります。

参照:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」

住宅の購入時に発生する諸費用の内訳

次は、建売住宅購入時に発生する諸費用の内訳についてです。基本的に以下の項目の費用が発生すると考えましょう。

  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬

仲介手数料

建売住宅の購入は、不動産会社に仲介してもらって希望の物件を購入するケースがほとんどだと思います。そして、不動産会社に仲介してもらった場合には、仲介手数料が発生します。

なお、家の購入に関する仲介手数料は、上限金額が決まっていて、取引金額が400万円を超える場合には「物件価格×3%+6万円+消費税」という計算式で算出することができます。なお、仲介手数料は、下限の金額に関しては特に定められていませんし、不動産会社との交渉によって上限金額よりも下げてもらうことは可能です。

なお、ハウスメーカーなどから直接購入する場合、この手数料はかかりません。

不動産取得税

不動産を取得した時には、不動産取得税という税金が発生します。建売購入時には、この税金を諸費用として支払わなければならない場合があります。

なお、住宅の場合には、軽減措置が適用されることになるため、場合によっては不動産取得税が0円になるケースもあります。

登録免許税および司法書士の報酬

建売住宅を購入した時には、所有権移転登記の手続きを進めなければいけません。一般的に、この手続きは司法書士などに代行してもらうケースがほとんどです。

この所有権移転登記の手続きを進める場合には、土地と建物それぞれについて登録免許税が発生します。税額については、「物件の固定資産税評価額×税率」という計算式に当てはめて算出します。なお、登録免許税の税率は2%に設定されていますが、軽減措置が用意されていて、住宅の種類によって以下の税率が適用されることになります。

  • 一般住宅:0.3%
  • 特定長期優良住宅:0.2%
  • 認定低炭素住宅:0.1%

司法書士への報酬につては、依頼する司法書士によって上下しますが、一般的には10万円程度が相場となります。

住宅ローン利用時に発生する諸費用の内訳

建売住宅の購入時は、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。ただ、住宅ローンを利用する場合には、さまざまな諸費用が加算されます。ここでは、フラット35などの住宅ローンを利用する場合に発生する、諸費用の項目をご紹介します。

印紙税

住宅ローンを利用する場合、金銭消費貸借契約を結ぶことになるのですが、この契約書面を作成するためにも印紙税がかかります。

つまり、住宅ローンを利用して建売住宅の購入を行う場合、2つの場面で印紙税が発生します。金銭消費貸借契約時の印紙税は、2~4万円程度が相場です。

登録免許税および司法書士の報酬

住宅ローンを利用する時には、別途で金融機関を抵当権者とした「抵当権設定登記」を行わなければいけません。そしてこの際には、抵当権設定登記に関わる登録免許税が発生します。

なお、住宅ローン利用時の抵当権設定登記は、金融機関が指定した司法書士に手続きを代行してもらうのが一般的で、司法書士への報酬も発生します。具体的な費用としては、登録免許税が「借入金額の0.1~0.4%」、司法書士への報酬が4~8万円程度です。

ローン手数料とローン保証料

住宅ローンを組む場合には、金融機関と保証機関それぞれに対して手数料を支払わなければいけません。

手数料の金額については、利用する金融機関によって異なりますが、一般的に「ローン手数料:3万~5万円」「ローン保証料:借入額の0.5~2%程度」が相場です。

各種保険費用

住宅ローンを利用する場合、火災保険の加入が必須です。したがって、加入する火災保険などの保険費用が発生します。

住宅購入時には、火災保険や地震保険に加入しますが、費用については保証内容によってかなり変わります。参考としては、10年間分の一括払いにしたときでは20万~50万円程度が目安になるとされています。

※諸費用は、上記以外にも、ホームインスペクションなどを利用する場合、物件調査料が発生します。

諸費用を安く抑えることはできる?

ここまで解説で、建売住宅購入時に発生する諸費用の項目についてある程度理解していただけたと思います。ただ、ここで気になるのは、諸費用の金額目安にかなりのばらつきが生じている点です。実は、住宅購入時の諸費用については、金額や計算方法が明確に決まっているものと、ケースによって大きく変動する項目が存在するのです。

そして、金額が変動する項目に目を向けることで、住宅購入時にかかる諸費用を安く抑えることも可能なのです。ここでは、これから憧れのマイホーム購入を検討している方が知っておきたい、諸費用を安く抑えるコツを簡単にご紹介します。

住宅ローン関連の手数料について

住宅ローンを組む際に発生する手数料は、利用する金融機関によってかなりの差が生じます。したがって、住宅購入時の諸費用を抑えたいと考える場合、手間を惜しまずいくつかの金融機関の住宅ローンを比較するのが良いです。

注意しておきたいのは、住宅ローンを組む際に発生する諸費用がいくら安くても、金利が高くなってしまえば、最終的なコストが高くなってしまいます。住宅ローンの比較をする際には、完済までのトータルのコストを算出して比較するのが良いです。

火災保険料について

火災保険は、住宅火災の補償だけをしてくれるのではなく、風災や落雷、突発的な事故の補償など、さまざまな被害の補償をしてくれる非常に心強い保険です。

ただ、最近の火災保険は、最初からあれこれとさまざまな特約が付帯されるようになっていて、中身まできちんと確認しておかなければ、不用な内容にお金をかける結果になってしまうのです。したがって、住宅購入時に加入する火災保険については、中身まできちんと確認し、必要のない特約を外すようにしましょう。そうすることで、火災保険料を抑えることができますので、諸費用も安くなります。

ちなみに、火災保険は月払いや年払いで支払うよりも、一括払いの方が費用を抑えられます。

仲介手数料について

仲介手数料は、上限は法律で定められていますが、下限については特に決まりは作られていません。したがって、不動産会社との交渉やハウスメーカーから直接購入するなどと言った工夫により、この部分の諸費用を抑えることができるのです。

ただ、不動産会社を利用する場合は、「仲介業務の対価」として支払うものですし、なんの不備もないのに無理な交渉などをするのはあまりおすすめではありません。適切に仲介業務をしてくれたのであれば、その分の費用はやはり支払うべきなのではないでしょうか。

諸費用の支払い方について

建売住宅の購入時には、上記のようなさまざまな項目の諸費用がかかります。そして、住宅購入時にこの諸費用が悩みの種となる理由は、「諸費用の多くが現金を準備しなければならない」という点です。つまり、人によっては諸費用を支払いたくても、手持ちが不足してしまって困るという事態が発生する可能性があるのです。

なお、現金で全ての諸費用を準備するのが難しい…という場合、住宅購入時に発生する諸費用までが含まれた住宅ローンを利用するか、諸費用ローンと呼ばれる商品を利用するという方法があります。この方法を利用すれば、自己資金が少なく、全ての諸費用の支払いが難しいという方でも、問題なく住宅の購入手続きを進めることが可能です。

なお、住宅購入時の手付金などについては「現金での準備が原則」とされているような費用もあり、自己資金が全くないという状態の場合、住宅の購入は難しいでしょう。また、住宅ローンを組む際に、諸費用まで借入する場合、金利が上がる可能性がある、返済能力に不安があると判断され審査に落ちる可能性が高くなるなどのデメリットもあるので注意しましょう。

家は購入後も多額の費用がかかる

ここまでは、建売住宅購入時に発生する諸費用の詳細について解説しました。家を購入する際には、総額でいくらぐらいかかるのか誰もが気になりますし、上で紹介した内容は是非頭に入れておきましょう。

ただ、皆さんに注意しておいてほしいのは、家は購入時にだけ多額の費用がかかるのではなく、購入後もまとまった費用が発生する場合があるという点です。持ち家か賃貸かという選択においては、賃貸の場合は月々に費用が発生するから持ち家の方が良いと考える人もいるのですが、持ち家の場合ても定期的に発生する維持費というのは必要になります。例えば、住宅購入後に考慮しておくべき代表的な維持費は以下のような物です。

  • 固定資産税、都市計画税などの税金
  • 修繕費用の積み立て
  • 各種保険
  • 自治会費 など

住宅を取得した場合、固定資産税などの税金が毎年かかります。さらに、絶対に忘れてはいけないのが、家の修繕費用についてです。持ち家の場合、持ち主さんが家の修繕計画を考え、それに必要な費用を積み立てておかなければいけません。例えば、外壁や屋根の塗装、外壁材や屋根材の交換など、一般的に10年に1度の頻度で大規模な修繕が必要とされています。ちなみに、一般的な戸建住宅の場合、経年劣化に合わせて適切に修繕した時には、トータルで600万~800万円程度の費用がかかると言われています。例えば、30年間でこの修繕を行うと考えた場合、年間20万円以上は修繕のための費用を積み立てておく必要があるということです。

住宅は、購入時だけでなく、住み始めてからもそれなりのコストがかかるということは忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は、建売住宅を購入する際、物件の購入代金以外に発生する諸費用と呼ばれるお金について解説しました。記事内でご紹介したように、新築一戸建て住宅の購入は、物件そのもののお金以外に、税金や専門家に支払う報酬など、さまざまなお金がかかってくるのです。

家の購入は、一生の中で最も高額なお買い物になりますので、ほとんどの方は物件そのものの費用にばかり着目してしまいます。しかし、諸費用について何も考えずに話を進めてしまうと、良い物件を見つけていざ購入という段階で、資金不足に頭を悩ませる結果になってしまうかもしれません。

なお、マイホームの購入は、その後も家を良好な状態に保つため、多額の費用がかかってしまうこともお忘れなく!

悠建設広報のM

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