昨今では、持ち家か賃貸に住み続ける方が良いのかという問いが議題に上がることが多いです。インターネットでマイホームの購入について検索してみると、「今の時代、マイホームを購入する選択はないでしょ!」と言った意見を見かけることも多くなっています。

しかし、このような時代だとは言え、現在でも「将来的には家を購入したい!」など、一生の目標としてマイホームの購入を掲げている方も少なくありません。多くの方にとって、自分の家の購入は大きな夢であり、その夢の実現のため日々の生活を頑張っているという人も多いはずです。
ただ、実際にマイホームの購入を実現して、そこに住み始めたという方の中には「こんなはずじゃなかった」と後悔をする方も少なくないのです。家の購入は、非常に大きなお金が動く取り引きになるのですが、実は家を購入した後も維持費としてそれなりのコストがかかってしまうことになり、その維持費用について想定していなかったという方の中には「これなら賃貸の方がお金に余裕ができたのでは?」と後悔してしまうのです。マイホームの維持管理については、賃貸と異なり、その全てを住人自らが行わなければならず、定期的な費用はもちろん思いがけないタイミングで大きな出費が発生してしまうことも珍しくないのです。

そこでこの記事では、マイホームの購入を後悔する理由となりがちな維持費について、なぜこの費用で家の購入を後悔するのか、また後悔しないためにはどのような対策をとれば良いのかについて解説します。

マイホーム購入者が維持費に後悔する理由は?

それではまず、マイホームを購入した人が、後々その家の維持費について後悔してしまう主な理由を考えてみましょう。冒頭でご紹介した通り、マイホームの購入は多くの方にとって大きな夢の一つとなるのですが、その夢を実現した後に「こんなことになるのならもっと計画性を持っておけばよかった…」と後悔する人も多いのです。

ここでは、マイホームを購入した後、維持管理にかかるコストで家の購入に後悔してしまう主な理由をご紹介します。

維持費の詳細まで把握せずに家を購入した

一つ目の理由は、家の購入について、イニシャルコストばかりに注目し、そこでの生活が始まってからの維持コストの内容について、正確に把握していなかったというものです。家は、一度購入してしまえば、その後は一切お金がかからないというわけではありません。不動産を所有すれば、固定資産税と呼ばれる税金が毎年かかりますし、家が破損した時の修繕費や良好な状態を維持するためのメンテナンス費など、さまざまな維持コストがかかってしまうのです。

マイホーム購入後に発生する主な維持費については、以下のような物があります。

  • 固定資産税
  • 設備のメンテナンス費用
  • 設備故障時の修理、交換費用
  • 建物の定期的なメンテナンス費用
  • 建物破損時の修繕やリフォーム費用
  • 保険料 など

家を所有すれば、上記のような費用を持ち主が支払わなければいけません。住宅ローンを組む場合は、火災保険への加入が絶対条件となるため、毎年保険料を支払い続けます。また固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している方に課せられるため、これも絶対に発生するお金と考えなければならないのです。

この他、建物や設備について、良好な状態を維持するためには、専門業者に依頼して定期的な点検やメンテナンスを受ける必要があります。この際には、それなりの費用がかかりますし、さらに何らかの破損が発覚した場合、修理や交換のために費用が掛かってしまいます。

賃貸住宅で有れば、これらの費用について、基本的に家賃に含まれているため、支払っている印象がなく、マイホームを購入する時に、将来的にかかる維持費を想定していない人もいるのです。そして、実際に住み始めてみると、想像以上に維持費がかかり「こんなはずじゃなかった」と後悔するわけです。家の購入を考えた時には、イニシャルコストだけでなく、将来的なランニングコストについてもきちんと支払い計画を立てておくことが大切です。

設備や建物にこだわった結果、維持費が高騰(注文住宅の場合に多い)

これは注文住宅の場合に多い理由です。注文住宅は、施主の要望に沿って家の設計を進めることができるマイホームの購入手法なのですが、新築時に設備や建物の構造などにこだわった結果、維持管理のコストが想像以上に高くなってしまう場合があるのです。例えば、多額の費用をかけて購入する家なのだから、「海外製のキッチンを導入したい」「大間口の吹き抜けを作りたい」「天窓を設置したい」などといった考えを持つ方が多いです。しかし、そういった家に対するこだわりが理由で、将来的にかかる家のランニングコストが増大してしまうことがあるのです。

例えば、以下のような感じです。

  • 海外製のキッチンを導入したけど、部品交換なども海外から取り寄せになり、国内製品よりもメンテナンス費がかかる
  • 憧れの天窓を設置したら、雨漏りして多額の修理費がかかった
  • 大間口の吹き抜けを実現したけど、断熱性などの住宅性能を意識しなかったため、空調効率が悪く光熱費が高くなった
  • 大きなお風呂を実現したら、水道代やガス代が想像以上に高くなった

注文住宅を計画する際には、憧れを優先して施主の要望をとにかく詰め込んでしまうというケースが多いです。しかし、デザイン性や設備にこだわった結果、そこでの生活にかかる光熱費が高くなってしまう可能性があることは忘れないようにしましょう。また、設備のグレードについても、メンテナンスや修理、交換にかかるコストが高くなってしまう可能性があります。設備については、使用時のコストを抑えられる可能性があるため、一概に良くないとは言えないのですが、将来的なメンテナンスにかかる費用なども最初に想定しておかなければ、後悔を招く可能性があります。

注文住宅を建てる際は、新築時点でかかる費用のことだけに注目するのではなく、あなたが想定しているマイホームプランについて、維持費にどのような影響を与えるのかまで考え、理想の計画かどうかを判断しましょう。

マイホーム購入後の変化

最後は、マイホームを購入した後、購入者自身の生活に変化があった、または社会情勢に大きな変化があったという理由です。例えば、家を購入した後、転職をして収入が下がってしまう、お子様が生まれて共働きでなくなったなど、生活スタイルそのものに変化が生じた場合、維持費の支払いが難しくなる可能性が考えられますよね。

また、昨今では、世界情勢の不安定化からさまざまな物の価格が上昇しており、生活費そのものが圧迫されて、家にかけられる費用が少なくなることも考えられます。この他、住宅ローン金利が後から上昇して、ローンの支払いが困難になるという話もよく耳にします。

家は、一生を過ごすことを前提として購入する物なので、そこにかかる維持費についても、何十年先のことまで想定しておく必要があります。転職・休職・産休などで収入が減少すれば、住宅ローンやその他の維持費の支払いが困難になることは容易に考えられますし、お子様が生まれて家族構成が変わることも普通にあり得るのです。

こういった変化により、維持費の支払いが困難になると、適切なタイミングで家のメンテナンスができなくなり、劣化が急速に進んで、想定していなかった修理費がかかってしまうこともあります。したがって、マイホームの購入に後悔しないためには、そこで暮らし始めてからの生活の変化などもあらかじめ想定しておき、「可変性のある間取り・設備などを設計に取り入れる」ことが大切と考えてください。

そもそもマイホームの維持費はどんなお金がかかるの?

それでは、マイホームの購入後、維持費としてどのような部分にお金がかかってしまうのかについてもご紹介していきます。もちろん、状況によって、発生しうる支出の種類や金額は変わります。

ここでは、マイホームを維持していくためにかかる基本的な費用と、平均的な金額について簡単にご紹介するので、これから家の購入を考えているという方はぜひ参考にしてみてください。

税金や保険料

マイホーム購入後の最もわかりやすい維持費は、税金と火災保険などの保険料です。住宅ローンの支払いについては、「家を購入した費用」を分割で払っているだけなので、維持費ではありませんよね。

以下で紹介する費用は、ほとんどのケースで毎年かかってくるので、必ず想定しておきましょう。

  • 固定資産税・・・年間10~15万円程度
  • 火災保険(地震保険)・・・年間3~5万円程度

マイホームを所有すれば、固定資産税を毎年支払わなければいけません。先程紹介したように、1月1日時点で所有している不動産に対し課せられる税金です。この他、火災保険や地震保険に加入していれば、その保険料の支払いが毎年あると思います。ちなみに、火災保険の支払いについては、月払い、年払い、複数年分を一括払いなど、状況に合わせて方法を選ぶことができます。

ただ、分かりやすく計算できるようにするため、年間に「○○万円の維持費が必ずかかる」と、家の購入段階で想定しておくのが良いでしょう。

修繕、メンテナンス費用について

どのような住宅でも、新築時の状態を保ち続けることはできません。家は、そこに建っているだけで、さまざまな外的要因の影響を受け続けるため、徐々に劣化が進行してしまうものなのです。日光の紫外線や風雨などの自然現象の影響から、そこに住む人を守るために建てられているので、外的要因の負担を一手に引き受けてくれているのです。

そのため、どのような家であっても、定期的なメンテナンスや突発的な修繕が必要不可欠です。一般的には、家を購入し30年間そこに住むことを想定すると、修繕やメンテナンス費用として400~800万円程度のコストがかかるものだとされています。もちろん、家の維持コストについては、建物の構造や採用している建材の耐久性などによって変わりますが、長く良い状態で住み続けるためには、多額の費用が掛かるということを、最初から想定しておき、きちんと積み立てておくことが大切なのです。最近では、家の入手にかかる費用を抑えられるローコスト住宅が人気になっていますが、これらは耐久性がそこまで高くない建材や設備などが使用されているため、早期に修繕が必要になり、初期費用は抑えられても修繕費用が高くつくと考えておいた方が良いです。

マイホーム購入後、家を良い状態で保つため、定期的に必要になるとされるメンテナンス工事もご紹介するので、これから家の購入を考えているという方は、あらかじめ頭に入れておきましょう。

  • 外壁塗装工事
    10~15年に1回程度の頻度で必要な工事です。採用する塗料や工法などによって工事費は変わりますが、30坪ほどの住宅の場合、60~100万円程度の費用が相場となります。
  • 屋根の修繕(塗装や屋根材の交換)
    屋根も定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠った場合、雨漏り被害などに発展する恐れがあるので、採用している屋根材ごとに推奨されている頻度でメンテナンスを実行しましょう。屋根のメンテナンスについては、塗装や屋根材の交換など、いくつかの種類があります。また、屋根材を交換する手法も、葺き替えとカバー工事など、採用する手法によって費用が変わります。どのような手法でメンテナンスをすればよいかは、専門業者に点検してもらい、提案を受けると良いです。費用に関しては、1回あたり50~150万円が相場です。
  • 給湯器の交換
    家庭の給湯を担っている給湯器は、約10年程度に1回の頻度で設備を交換する必要があります。メーカーが公表している設備の耐用年数が10年前後だからです。給湯器の交換にかかる費用については、設備の種類やグレードによって変わります。最も普及しているガス給湯器の場合、15~40万円程度で交換できますが、エコキュートなど、その他の給湯システムに交換する場合は35~60万円程度が相場となります。

外壁や屋根、給湯器などについては、どのような住宅でも10年前後でのメンテナンスが必須であると考えてください。この他の部分については、どのような設備を採用しているのかによって変わるため、詳細については家の建築時に業者さんに確認しておきましょう。例えば、太陽光発電や家庭用蓄電池の導入が人気になっていますが、これらの設備も一生持つわけではないため、設置すれば交換やメンテナンスなどの維持費が必ず発生します。

家づくりは、家を建てる際にかかるイニシャルコストのことだけを考えるのではなく、将来解体するまでにかかる修繕やメンテナンスにかかる費用まで想定して、資金計画を練っておくのがおすすめです。

家の維持費を削減するためのポイントについて

ここまでの解説で分かる通り、多くの方が憧れを持っているマイホームの購入ですが、家の購入はイニシャルコストだけでなく、将来的にかかるランニングコストもかなり大きな金額となるのです。そのため、この維持費に関わる支出を嫌い「賃貸に住み続ける方が良い」と考えてしまう人も多くなっているわけです。

ただ、マイホームの維持費に関しては、ちょっとした工夫で支出を削減することも可能です。そこでここでは、家の維持費を抑えるためにおさえておきたいポイントをご紹介します。

耐久性の高い建材を採用する

家を建てる際、イニシャルコストばかりに着目してしまうと、将来的な維持コストに頭を悩ませてしまう可能性が高くなります。イニシャルコストを抑えようと思うと、安価な建材や設備の採用に走ってしまうからです。

建材や設備の耐久面については、将来的な修繕、メンテナンスにかかる費用のことも想定しておかなければいけません。どのような建材を採用していても、いずれ上で紹介したようなメンテナンスを行わなければならないのです。そして、最初に高耐久な建材や設備を選んでいれば、メンテナンススパンを伸ばすことができ、将来的な維持費の面ではコストを抑えることができるのです。

例えば、外壁などに採用される塗料について、安価なスタンダードモデルの塗料の場合、約7年に1回の頻度で再塗装が必要になるとされます。しかし、高グレードな高機能性塗料の場合、再塗装を15年に1回程度まで少なくすることができるのです。塗装工事は、塗料にかかるコストだけでなく、足場の組立てや作業員の人件費などもかかるわけで、再塗装の頻度を少なくした方が、中長期的に見た場合は、確実にコストを抑えられるはずです。

一般的に、高耐久な建材、設備は、価格が高く設定されているため、イニシャルコストはどうしても高くなってしまいます。しかし、メンテナンスサイクルを少なくすることができるので、総合的には費用を抑えられます。

省エネ性の高い設備を選ぶ

建材と同じく、設備についても「価格の安さ」に注目するのではなく、きちんと性能を確認して中長期的な視点で設置する物を選ぶべきです。新築時のコストを抑えても、日々の生活にかかる光熱費が高くなっては意味がありません。

毎日の生活のことを考えると、大量のエネルギーを消費することになるので、イニシャルコストよりも省エネ性の高さに注目するのがおすすめです。そうすれば、日々の電気代やガス代など、光熱費を大幅に削減することができるため、維持費の負担が軽減できるのです。

例えば、家庭の給湯を担う給湯システムについても、ガス給湯器とエコキュートを比較した場合、後者の方が給湯コストを1/3程度まで抑えられるというデータもあるのです。設備については、太陽光発電や蓄電池など、創エネ設備の導入によって維持費の削減を目指すという方法もあるので、どのような設備構成が最も自分たちの生活スタイルに合致し、さらにランニングコストを抑えられるのかは慎重に判断しましょう。

火災保険について保証内容を見直す

火災保険は、住宅火災に対する保証だけでなく、強風による風害や洪水などの水害に備えることができます。ただ、多くの火災保険は、特約として保証してもらう内容を追加する形となっているのです。

そのため、家を建てる場所の災害リスクに合わせて、最適な保証内容に調整することで、毎年の保険料を削減することも可能です。火災保険は、万一の備えとして加入する物なので、手厚い保証内容になっている方が良いのは確かです。しかし、被災リスクがそこまで高くないのに特約として追加すると、維持費の負担ばかりが高くなってしまいます。

土地ごとの災害リスクについては、自治体などが公表しているハザードマップで確認することができるので、不要と思うものを削除して、維持費の負担を軽減することも検討しましょう。

まとめ

今回は、マイホームの購入を考えている方に向け、住み始めてからの維持費の負担に後悔しないため、おさえておくべきポイントをご紹介しました。

記事内でご紹介している通り、マイホームの購入は、新築時にイニシャルコストとして多額の費用がかかるだけでなく、家を良い状態で維持していくためにも費用が掛かるのです。また、不動産は、所有しているだけで固定資産税などの税金が課せられますし、万一の災害に備えるためには保険に加入しなければいけません。

そのため、将来、維持費の負担に後悔しないためには、建築の段階で将来的にかかる維持費を想定し、計画的に積み立てておく必要があると考えてください。

悠建設広報のM

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