新築で注文住宅を建てる時には、駐車場の形に迷ってしまう方が多いです。都市部の新築住宅の場合、土地面積の関係で建物の1階部分を駐車場とするビルトインガレージを選択せざるを得ないケースも増えていますが、建物とは別に駐車場を設けられるだけのスペースがある場合、駐車場に設置する設備に迷ってしまう訳です。

大切な愛車を長く良い状態で維持したいと考えた時には、屋根付きの駐車場を検討するはずです。屋根付きの駐車場であれば、雨風の影響から愛車を守れるだけでなく、直射日光などの影響も軽減することができるため自動車の塗装の劣化なども防止できるのです。ただ、駐車場に屋根機能を追加できる外構設備には「カーポート」と呼ばれるアイテムと「ガレージ」と呼ばれるもの、主に2種類の設備があるのです。どちらも大切な愛車の保護機能を高めてくれるという点は一致しているのですが、形状や導入にかかるコストなど、異なるポイントが多いです。

そのため、新築で注文住宅を建てる時には「カーポートとガレージならどっちが良い?」「そもそもカーポートとガレージは何が違うの?」と言った点に疑問を感じる方が多いです。そこでこの記事では、カーポートとガレージの違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。記事内では、これから注文住宅の建築を計画している方に向け、後悔のない選び方についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

カーポートとガレージの違い!それぞれの特徴からご紹介

それではまず、カーポートとガレージの違いについて、それぞれの特徴を解説しながらご紹介していきます。カーポートとガレージは、見た目からして大きく異なり、カーポートは屋根と柱のみで構成された単純な構造である、一方ガレージは3方向を壁で囲われ、出入口にシャッターなどが取り付けられた頑丈な構造と言った感じをイメージしていただければ良いかと思います。

どちらも、自動車を安全に停めておくための駐車スペースになることは間違いないのですが、構造の違いから利便性やデザイン性、防犯性に、設置コストなど、さまざまな面に違いが生じます。ここでは、カーポートとガレージについて、それぞれの特徴を解説します。

カーポートの特徴について

まずはカーポートの特徴からご紹介します。カーポートは、先ほど紹介したように、屋根と柱のみで構成された非常にシンプルな構造であることが特徴です。駐車スペースにカーポートを設置することで、屋根機能を追加することができるようになる設備です。

カーポートのある駐車場は、直射日光や雨、雪などの悪天候や、鳥のフンなどの飛来物から愛車を守ることができるようになります。また、屋根があることで、雨の日など、悪天候時でも車の乗り降りの際に濡れずに済む、荷物の積み下ろしがスムーズにできるようになるなど、駐車場の利便性向上が期待できるようになるのです。ただ、カーポートは、自動車を完全に隠すような機能はなく、あくまでも屋根機能しか搭載することができないため、子供のいたずらを防ぐ、自動車の盗難を防止するといった防犯機能は高くありません。

カーポートは、非常にシンプルな構造なのですが、デザインのバリエーションは豊富です。基本的に、柱の本数や位置などによって見栄えや使い勝手が変わるので、どのタイプを設置するのかは駐車場の使い方や構造によって選ばなければいけません。ここでは、主なカーポートの種類をご紹介します。

  • 片側支持タイプ(片流れタイプ)
    屋根を支える柱が片側一方にあるタイプです。駐車の際、柱が邪魔になりにくいので、駐車が苦手という方におすすめです。
  • 両側支持タイプ
    両側に柱を設置して屋根を支えるタイプです。頑丈なので積雪量が多い地域などでも安定感があります。駐車の際、柱が目に入るため、駐車が苦手な方は注意です。
  • 後方支持タイプ
    柱が駐車場の後方に設置されるタイプです。駐車の際、柱が邪魔にならないため、車の出し入れや乗り降りがしやすい点が特徴です。また、デザイン性が良いタイプとも言われています。
  • 合掌支持タイプ(Y型タイプ)
    真ん中に柱を立て、両側に屋根を広げるタイプ(片流れタイプのカーポートを背中合わせで設置する)のカーポートです。柱の両側に1台ずつ駐車できるため、2台用の駐車場などに採用されます。

カーポートは、上記のように主に柱の位置で分類することができます。ただ、以下のように、少し特殊な機能を持ったカーポートもあるので、目的によっては以下のタイプを選ぶのも良いでしょう。

  • バルコニー活用型カーポートorカーポートバルコニー
    カーポートの屋根上をバルコニーやウッドデッキにしたものがバルコニー活用型カーポートです。2階リビングの間取りの場合、カーポートとしてだけでなく、アウトドアリビングを同時に実現可能です。このタイプは、住宅にバルコニーを設置しその下をカーポートとして利用すパターンと、屋根上をバルコニーとして活用できるタイプのカーポートを設置するという2つの実現方法があります。
  • ソーラーカーポート
    カーポートの屋根上にソーラーパネルを設置したタイプです。住宅屋根にソーラーパネルを設置できないお宅でも、駐車場を使って自家発電が可能になります。

通常のカーポートと比較すると、設置コストが高くなるのですが、カーポートにさらなる機能性を追加できるタイプが登場しています。

ガレージの特徴について

次はガレージついてです。ガレージは、屋根だけでなく、3方向以上の壁が設けられていて、そこに停める自動車を囲むことができる駐車スペースのことを指しています。出入口にシャッターを設置すれば、全面を完全に覆うことができる密閉空間を作ることができるため、自動車の保護機能はカーポートよりも高くなります。屋根も壁もある駐車スペースなので、雨風などの悪天候や、鳥のフン、黄砂などの飛来物、紫外線などの影響をしっかりとカットしてくれます。

さらに、ガレージの大きな特徴としては、防犯機能も非常に高くなるという点です。出入口のシャッターに鍵をつけておけば、部外者が駐車場内に侵入することができなくなるため、イタズラや車の盗難なども防ぐことができます。

また、ガレージと自宅を繋ぐ出入口を作れば、ガレージから直接家に出入りすることができるようになるので、悪天候時でも雨に濡れることなく乗り降りや荷物の積み下ろしが可能になります。この他、ガレージの大きさによっては倉庫利用も可能になるなど、さまざまな使い方ができる点が大きな魅力です。

ただ、ガレージは、住宅同様の建物であるため、カーポートの設置コストと比較するとかなり高くなります。ガレージにもいくつかの種類があるのですが、住宅のように一から設計して建築する場合、基礎工事や土間打ち工事が必要になるので、数百万円単位のコストがかかります。既製品の場合でも、設置工事費を合わせると、最低でも100万円前後の費用がかかるでしょう。

カーポートとガレージ、それぞれのメリット・デメリットについて

それでは、自宅の駐車場に、カーポートとガレージ、それぞれどちらかを設置した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのかについても見ていきましょう。ここでは、両者を比較する形でメリット・デメリットをご紹介します。

カーポートのメリットとデメリット

それではまずは、カーポートを選んだ場合のメリットとデメリットについてです。

カーポートのメリット

カーポートのメリット面は、以下のような点となります。

  • 設置費用を抑えられる
    一つ目のメリットは、ガレージと比較すると、カーポートの方が設置費用を抑えられるという点です。カーポートの場合、最もシンプルな製品を選べば10万円程度で購入可能です。設置費用を考慮しても、20万円以下で導入が可能になるでしょう。もちろん、デザイン性が高い物、ソーラーカーポートなど、特殊な機能が搭載されている物の場合、費用が高くなっていきますが、予算に合わせて最適な物を選べるという点は大きな魅力になるのではないでしょうか。
  • 短期間で設置できる
    ガレージと比較した場合、カーポートは工期が短いという点もメリットです。カーポートは、柱を立てて、それに屋根を取り付けるという非常にシンプルな構造なので、工事も単純です。柱の基礎コンクリートが固まる時間のことを考えても、2~3日程度で完成する場合もあります。もちろん。カーポートバルコニーなど、複雑な製品の場合、もう少し工期が長くなりますが、それでもガレージを建てるよりは早いでしょう。
  • 変形地や傾斜のある場所など、特殊な施工条件でも設置可能
    カーポートは、変形地などにも対応できるよう、商品によって変形オプションが備わっているタイプがあります。ガレージと異なり、シンプルな構造で使用する材料が少ないからこそ、変形地や傾斜地でも対応しやすいのです。例えば、傾斜地の場合、柱の高さを変えるだけで、そのまま設置できるような製品があります。カーポートは、工事に対する柔軟性の高さもメリットの一つです。

上記のように、カーポートは、低コストで施工が容易という点が大きなメリットになります。単純な構造のため、DIYでカーポートを設置するような方もいて、その場合はさらにコストが押さえられます。

カーポートのデメリット

一方、カーポートには以下のようなデメリットがあるので、その点は注意が必要です。

  • 車の保護機能はガレージよりも低い
    カーポートを設置する目的は、駐車場に屋根機能を搭載することで、雨風や紫外線、飛来物の影響を軽減することです。しかし、ガレージと異なり、カーポートは「屋根しかない」という製品なので、雨や雪、飛来物などの影響を完全に防ぐことはできないのです。例えば、強風を伴う悪天候の場合、横殴りの雨や雪が降るわけなので、屋根だけではその影響を完全に防ぐことはできませんよね。また、直射日光に関しても、太陽の位置によっては普通に車に影響を与えます。
  • 製品の耐久性について
    カーポートは、ガレージと比較した場合、製品そのものの耐久性に懸念が残る点もデメリットです。ガレージは、柱だけでなく、壁を使って全体を支えています。そのため、大量の雪が降り積もっても、倒壊するリスクなどは少なくなります。しかし、カーポートの場合、柱だけで荷重に耐えなければならないので、想定以上の積雪があった場合には、倒壊などの被害が生じる可能性があるのです。もちろん、大雪や強風に強いカーポートも用意されていますが、それでもガレージよりは耐久性が劣ると考えた方が良いです。
  • 防犯効果は期待できない
    カーポートは、外部から車が丸見えになってしまう構造です。基本的には柱と屋根のみで構成されるため、視線を遮ることはできないのです。さらに、カーポートの場合は、不審者の侵入も防ぐことは基本的にできません。ガレージのように、壁やシャッターなどがないので、車付近まで簡単に侵入することができ、車上荒らしや車の盗難リスクはどうしても高くなります。カーポートの防犯性を高めるには、カーゲートが一体となったものを選ぶ必要があるのですが、その場合、コストがかかるので「カーポートは安い」というメリットが打ち消されてしまう可能性があります。

このように、カーポートは、ガレージと比較すると、性能面がどうしても劣ってしまうという点がデメリットになります。

ガレージのメリットとデメリット

次は、ガレージを選んだ場合のメリットとデメリットについてです。

ガレージのメリット

ガレージのメリット面は、以下のような点となります。

  • 自動車の保護機能が高い
    ガレージは、屋根だけでなく、四方を壁やシャッターなどで囲うという構造になっています。そのため、そこに車を停めた場合、完全に密閉することができるようになるため、雨風や飛来物、直射日光などの影響を完全にシャットアウトすることができるようになるのです。この保護機能の高さはガレージの大きなメリットです。
  • 高い防犯性
    ガレージは、カーポートと比較した場合、圧倒的に防犯性が高くなります。ガレージの中に車を停めると、外部からの視線を完全に遮ることができるだけでなく、物理的に不審者が近づけなくなくなります。そのため、車上荒らしや車の盗難被害などを防止することができます。
  • 多目的に利用することができる
    カーポートについても、屋根があることで雨の日でも洗濯物を干すことができるなど、駐車場以外の利用方法は多少あります。しかし、ガレージの場合は、カーポートと比較にならないほど、多目的利用が可能になるのです。例えば、外的要因の影響を受けにくい場所となるため、倉庫として利用しても、保管品の状態を維持しやすくなります。この他、トレーニング器具を設置してホームジムとして利用する、電動工具などを使用する作業場として利用するなど、さまざまな用途でスペースを活用することができるようになります。屋根しかないカーポートにはできないことも多いので、大きなメリットになるでしょう。

ガレージは、駐車場として考えても、高い保護機能や防犯効果が得られるという点がメリットになります。また、倉庫やホームジムなど、スペースを多目的に利用することができるようになると考えると、コストの高さも気にならなくなるかもしれませんね。

ガレージのデメリット

次はガレージのデメリット面です。

  • 実現には多額のコストがかかる
    ガレージは、カーポートと比較すると、導入のためにかかるコストがかなり高くなる点がデメリットです。カーポートの場合、10万円程度で購入できるものもあるのですが、ガレージの場合は、既製品の1台用ガレージでも60~70万円程度で販売されていて、設置のことまで考えると100万円程度はかかってしまいます。さらに、工務店などに依頼して、独立型のガレージを建築してもらうという方法の場合、300万円程度が相場とされているので、初期費用が大幅に高くなるという点は大きなデメリットと言えるでしょう。
  • 通気性の問題
    ガレージは、密閉空間となるため、排ガスや湿気がこもりやすいという点に注意しなければいけません。通気性が悪く、湿気がこもってしまうと、自動車の金属部品がサビてしまいやすくなります。また、断熱対策などが施されていないガレージの場合、内部が高温になりやすく、車体の劣化が進みやすくなるリスクがあるとされています。したがって、ガレージを導入する場合には、換気扇や排気ダクト、窓などをつけて換気できるようにする、もしくは住居と同じように断熱対策を施すなどといった工夫が必要です。当然、そのためにはコストがかかります。
  • 余裕を持ったスペースが必要
    カーポートとガレージを比較した場合、同じ台数を収納できる駐車場を実現すると考えると、ガレージの方が求められるスペースが大きくなってしまいます。つまり、ガレージ型の駐車場を実現するためには、その分、必要になる敷地が大きくなるため、土地の取得費が高くなる、もしくは居住スペースが減るということを意味するのです。カーポートは、柱が設置できれば良いだけなので、ほとんどスペースを取りません。ガレージを作るには、ゆとりのあるスペースが必要になるという点は大きなデメリットでしょう。
  • 建築確認申請が必要
    ガレージは、後付けする場合でも、建築確認申請が必要となるので、面倒な手続きが必要になるという点がデメリットです。建築基準法では、ガレージのような建築物を建てる場合、建築確認申請が必要と定めています。これを怠った場合、ペナルティの対象となるため、必ず行わなければいけません。

ガレージのデメリットについては、上記のような感じです。

なお、建築確認申請については、2025年4月1日に施行された建築基準法改正により、カーポートについてもほとんどの製品が建築確認申請が必要になることになったので、ガレージ特有のデメリットとは言えないかもしれませんね。

カーポートとガレージ、それぞれに向いた人の特徴と選び方

ここまでの解説で分かるように、カーポートとガレージは、大切な車を守るための外構設備であるという点が共通しますが、それぞれの特徴を見て見ると、かなり違いのある設備になります。そのため、新築で注文住宅を建てる時には、どちらが自分たちに向いているのか、また何に注目して選べば良いのかが分からないという声を聞くことが多いです。

そこでここでは、カーポートとガレージについて、それぞれの外構設備が向いていると考えられる人の特徴や、迷った時の選び方について解説します。

カーポートの設置が向いている人の特徴

まずは、カーポートの設置が向いていると考えられる人の特徴からです。以下のような考えや条件の方は、ガレージではなくカーポートがおすすめでしょう。

  • 設置スペースに余裕がない人
    先程紹介したように、カーポートは省スペースで設置可能なうえ、設置条件に合わせた製品が用意されているのが特徴です。ガレージの場合、柱だけでなく、壁やシャッターなどが必要になるため、どうしてもゆとりのあるスペースが求められます。つまり、もともと駐車場として確保できるスペースが狭いという方の場合、カーポートがおすすめです。
  • 車の出し入れは簡潔な方が良い人
    カーポートは、車の出し入れをするときは、ガレージよりも単純と言えます。ガレージの場合、出入口のシャッターを開閉しなければならないですし、前面道路の狭さによっては、壁が両側にあることで駐車がしにくいと感じる可能性があります。カーポートは、車に乗り込めばそのまま出発することができる、駐車スペースが狭い場合、後方支持タイプを選べば障害物がなくなるので駐車が楽になるといった利点があるのです。
  • 将来的に撤去する可能性がある
    将来的に撤去する可能性があるなら、部品なども少ないカーポートの方が撤去しやすいです。ガレージを撤去する場合、工事が大掛かりになりますし、廃材も多く出るため、撤去にかかるコストが高くなります。もちろん、ガレージであれば、車が不要になった場合、倉庫として利用できるなど、他の利点があるものの、将来的な撤去が考えられるなら、撤去しやすいカーポートがおすすめです。
  • 早く設置したい
    なんらかの理由で、工事に時間をかけられないという方の場合、カーポートがおすすめです。土間コンクリートなどを打たないケースであれば、最短1~2日で工事が完了します。

この他、外構全体のデザインを壊さないようにしたいという方の場合、カーポートの方がおすすめできます。ガレージは、大きな構造物となるため、どうしても外構全体の景観に影響を与えてしまいます。カーポートの場合、設備そのものがそこまで大きくないので、影響を与えにくいですし、さまざまなデザイン性の製品が販売されているので、景観にマッチする物を見つけやすいと思います。

ガレージの設置が向いている人の特徴

以下のような方の場合は、ガレージの方が向いていると言えるでしょう。

  • 可能な限り車を守りたい
    カーポートの場合、雨風や飛来物、紫外線の影響を完全に防ぐことができません。一方、ガレージは、壁やシャッターで完全に密閉空間を作ることができるため、車の保護機能が高くなり、汚れたり傷ついたりといったことを防止することができます。そのため、ガレージの場合であれば、車の洗車回数を少なくすることができるなど、日常的な手間も少なくなります。愛車を汚れやキズから可能な限り守りたいという方は、ガレージの方が良いかもしれませんね。
  • 防犯性を高めたい
    盗難リスクが高い車に乗っている方など、駐車場の防犯に力を入れたいと考える人は、ガレージがおすすめです。カーポートは、車のそばまで簡単に近づくことができるため、さまざまなリスクが残ってしまいます。一方、ガレージは、部外者を基本的に排除することができるので、盗難被害の心配などが少なくなるのです。盗難しようと思えば、まずはガレージを破壊しなければならないため、大きな音が生じ、通報されるリスクが高くなります。そのため、強固なガレージなどに保管されている車の場合、狙われにくくなるという効果も期待できるのです。

上記以外にも、車いじりを趣味としている方などの場合、工具や部品を保管する、車のカスタムやメンテナンスを目的で、広めの作業空間が欲しいと考える人が多いです。そしてこの場合は、カーポートよりもガレージがおすすめでしょう。ガレージは、倉庫利用できるなど、さまざまな物品を良い状態で保管しやすいです。そのため、電動工具や自動車の部品など、大切な趣味のアイテムをすぐに使える位置で安全に保管できるようになるのす。

この他、倉庫やホームジムなど、自宅内にフリースペースを確保したいと考えている方も、ガレージがおすすめです。

カーポートとガレージの選び方

最後は、カーポートとガレージで迷っている方について、どちらか一方を選ぶために確認したいポイントについて解説します。

  • 費用について確認する
    カーポートとガレージは、設置にかかるコストに大きな違いが存在します。したがって、かけられる予算からカーポートかガレージを選ぶことが大切です。
  • 求める防犯性
    自動車の盗難に関しては、「狙われやすい車」というものがあります。例えば、2025年の最新盗難車ランキングでは、1位:トヨタランドクルーザー⇒2位:トヨタアルファード⇒3位:トヨタプリウスという順になっているようです。つまり、盗難被害に遭いやすいと考えられる車種を所有している場合、より安全性が高いガレージが良いと言えるわけです。所有している車の種類から、駐車場に必要な防犯性を考え、どちらが良いか選ぶというのも一つのポイントになります。
  • 駐車スペースの広さ
    広さの問題は分かりやすいです。駐車場が狭いというケースでは、物理的にガレージが置けないため、カーポートにせざるを得ないというケースもあります。

上記のほか、将来的にかかってくるコストもカーポートかガレージかを選ぶポイントになります。というのも、ガレージを選んだ場合、毎年固定資産税がかかってしまいます。固定資産税は「外気分断性・土地への定着性・用途性」などにより判断されるのですが、簡単に言うと「屋根があり、三方以上が壁で囲まれているものを土地に固定した場合」に課せられると考えておけば良いです。カーポートは、屋根があり土地に固定されるものの、3方向以上の壁はありません。そのため、外気分断性の条件を満たさないので、固定資産税の対象にはならないわけです。しかし、ガレージは、壁が設けられた設備なので、住宅同様に固定資産税がかかってしまいます。

カーポートかガレージかで迷った方は、上記のようなポイントを確認しながら、自分に適していると考える設備を選ぶと良いでしょう。

まとめ

今回は、自宅の駐車場の形に迷っている方に向け、カーポートとガレージ、それぞれの特徴や選んだ時のメリット・デメリットについて解説しました。

カーポートとガレージは、どちらも駐車場に設置して車の保護機能を高めるための設備であることは変わりありません。しかし、それぞれの設備について、より詳細に確認していくと、機能性や設置にかかるコストなど、さまざまな面に違いが存在するのです。

一般的には、安価でそれなりの保護機能が得られるうえ、駐車場の利便性を高めてくれるカーポートが選択されるケースが多いように思えます。しかし、盗難リスクが高い車を所有している方の場合、防犯性などを重視してガレージタイプの方がおすすめできるケースもあるのです。

駐車場の形は、どのような機能性を求めているのか、スペースや予算の問題などを中心に、自分に合った設備を選んでいくと良いと思います。

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