今回は、住宅の床に設置されているフローリングの張り替えについて、どのようなタイミングが来たときに張り替えなどのリフォームを検討すべきなのか、また実際に業者に依頼してフローリングの張り替えを実施する場合にかかる費用相場などについて解説します。

現在の住宅では、床材としてフローリングが採用されるケースが多いです。一戸建て住宅の場合、和室を1室だけ用意することはあるのですが、その他の場所については、ほとんどがフローリングとなっている場合が多いはずです。このフローリングは、畳などと比較すると、メンテナンスの必要性が低くなると考えられており、またカーペットなどと比較しても、汚れが付きにくく掃除が容易になるという点がメリットとみなされています。

ただ、住宅に採用されているフローリングは、新築時の状態を一生保ってくれるわけではなく、いずれ寿命が来て張り替えなどのリフォームが必要となるのです。もちろん、フローリングの寿命は、使い方や使用環境などによって変わりますが、安全で快適な住環境を維持し続けたいと考える場合、「いずれリフォームが必要」と認識し、新築時からリフォームのための費用を積み立てておくのが安心です。

そこでこの記事では、フローリングの張り替えについて、どのようなタイミングで「そろそろリフォームが必要かな?」と判断すれば良いのか、そのタイミングや実際にフローリングの張り替えリフォームを実施する場合にかかる費用について解説します。

主な床材の種類について

まずは、住宅の床に採用されることがある主な床材の種類と特徴について解説していきます。近年では、「フローリング」と呼ばれる床材が主流となっていますが、これ以外にもさまざまな床材が存在します。

ここでは、人が生活するための住居に採用されることがある主な床材の種類とその特徴をご紹介します。

①フローリング材

一つ目は、フローリング材と呼ばれる床材です。フローリングは、木材を加工して作られた床用の建材となります。なお、フローリング材にも、合板基材と表面材を合わせた複合タイプと木をそのままフローリング材に加工した単層タイプが存在します。主なフローリング材の種類は、以下の通りです。

  • 無垢フローリング(単層フローリング)
    天然木からそのまま伐り出した1枚板の床材です。天然木特有の経年変化や調湿効果が得られます。ただ、その他のフローリング材よりも高価で、水に弱く反りや割れが起きやすいという弱点があります。
  • 挽き板(ひきいた)フローリング(複合フローリング)
    厚さ2〜4mmほどの無垢材を合板基材と接着加工して作られた床材となります。無垢に近い素材感を持ちながら、反りや割れが起きにくいです。
  • 突板(つきいた)フローリング(複合フローリング)
    厚さ0.2〜0.5mmほどに薄くスライスした天然木の板を表面材とし、合板を接着加工したフローリング材です。天然木の風合いを適度に残しつつ、比較的リーズナブルに採用できるというメリットがあります。
  • シートフローリング(複合フローリング)
    リアルな木目などを印刷した特殊な化粧シートを表面に張り付けたフローリング材です。豊富なカラーバリエーションが用意されているため、好みの室内デザインを実現しやすいうえ、傷や汚れに強いです。日焼けなどもしにくいので、お手入れも簡単です。

フローリング材は、畳やカーペットなど、他の床材と比較すると、耐久性が高く、日々の掃除などのお手入れも楽になるということで人気です。カーペットや畳は、ホコリや汚れが繊維の隙間に入り込んでしまい、一度汚れてしまうと掃除が大変です。フローリング材の場合、掃除機やワイパーなどを使用すれば、簡単に汚れが落とせます。さらに、重い家具などを置いても跡がつきにくいなど、高い耐久性を持っています。

現在の住宅業界では、床材の主流と言っても良い製品がこのフローリング材です。

②クッションフロア

クッションフロアは、表面に塩化ビニール素材、内部にスポンジ状の発泡層が設けられた、クッション性や耐水性に優れたシート状の床材です。住宅業界では、原状回復しやすい方法であることから賃貸住宅の床材として採用されるケースが多いです。また、戸建て住宅などでは、防水性の高さから水回りやキッチンフロアとしてよく使用される床材となります。

クッションフロアは、カッターやハサミなどでカットすることができ、フローリング材と比較すると施工が容易です。そのため、施工にかかるコストを抑えることが可能です。昨今では、室内でペットを飼育する方が増えているのですが、そういったご家庭の場合、クッションフロアが推奨されるケースが多いです。これは、クッションフロアの場合、ペットが足を滑らせにくくなりますし、掃除が楽になるためです。ただ、重い家具を置くと凹みやすいなど、フローリング材よりも寿命が短くなる点は注意しましょう。

③フロアタイル

フロアタイルは、ポリ塩化ビニル(PVC)などの素材で作られた、タイル状の硬い床材で、別名「塩ビタイル」などとも呼ばれています。木目調、大理石調など、表面のテクスチャーやカラーバリエーションが豊富であることや、DIYでも取り扱い安い素材であることから、近年人気の床材となっています。

フロアタイルは、硬い素材でできているため傷や汚れに強いなど高い耐久性と水や汚れが染み込みにくいというメンテナンス性の良さを両立しています。そのため、土足で歩く店舗やオフィス、住宅のリビングや水回りなどの床材として広く利用されています。

④畳

日本の伝統的な床材と言えは畳を思い浮かべる方が多いです。畳は、天然のイグサとワラで作られていて、耐久性、断熱性、保温性に優れた床材として古くから利用されています。最近では、天然素材ではなく、再生資源を活用したエコ素材や発泡樹脂系の素材を使ったハイブリットタイプの畳が登場しています。このタイプは、軽量化が進められているので、取り扱いが非常に楽になっています。

畳は、床材として採用するだけで、空間を和風にすることができます。そのため、自宅におしゃれな和モダンな空間を取り入れたいという方などにはおすすめです。さらに、畳は調湿効果や断熱効果、防音効果など、さまざまな機能をもたらせてくれ、住環境の快適性を向上させてくれるというメリットも持っています。
注意点としては、カビやダニの発生リスクが高い、隙間にゴミなどが溜まりやすく掃除の手間が増える、裏返しや表替えなど、定期的なメンテナンスの手間がかかる点があげられます。最近では、撥水加工がなされて掃除がしやすい畳など、種類が豊富になっているので、用途に合わせた畳を設置するとデメリット面を解消しやすくなるでしょう。

⑤カーペット

最後は、カーペットを床材として採用するというものです。カーペットは、毛やナイロン、ポリエステルなど、さまざまな素材が採用された製品があるのですが、フローリングと比較すると、クッション性が高く、足音や転倒時の衝撃を和らげてくれる、防音性が高くなるといった点がメリットです。住居の洋風化が加速した高度成長期に、住居の床材として広く普及しました。

床面が衝撃を吸収してくれる柔らかさがあるため、小さなお子様がいて、転倒によるけがを防止したいなどという要望がある人にはおすすめです。また、マンション等、足音を原因とした騒音問題を起こしたくないという方にもおすすめです。
ただ、カーペット敷きの床は、細かな隙間にゴミが入り込むため掃除が困難になる、シミや汚れが残りやすいなどのデメリットが存在します。近年では、賃貸業界でも、顧客に敬遠されるようになっていて、あまり姿を見かけなくなっています。

フローリングの張り替えタイミングについて

住宅で採用される床材にも、上記のようにさまざまな種類が存在します。その中でも、現在の住宅業界では、フローリング材が主流となっていて、多くの住居の床として採用されています。

このフローリング材は、耐久性が高いという点もメリットになるのですが、一度施工した物が一生良い状態を維持し続けるかと言うとそうではありません。一般的には、10~30年がフローリング材の寿命と言われているのですが、劣化速度は使い方や環境によっても大きく変わります。

そこでここでは、適切なタイミングでフローリングの張り替えが実行できるようにするためにも、どのような症状が出た時に「リフォームが必要!」と考えるべきか、見極めるためのポイントについて解説します。

「ギシギシ」といったきしむ音が生じた時

室内を行き来している時、フローリングから「ギシギシ」と言ったきしむ音が生じた時は、劣化のサインと言えます。これは、木材が湿潤と乾燥によって、膨張や収縮を繰り返したり、釘周辺の木材がすり減ってきたときに生じる音となります。

木材の膨張・収縮に関しては、日常生活上、大きな問題が生じることは少ないのですが、床面の歪みや傾きの原因になる場合があるため、気になるなら張り替えを検討すべきです。さらに、きしむ音に関しては、床下側の木材がシロアリの食害を受けている可能性があり、その被害によって固定具周りからすり減り音が生じてしまうのです。この場合、床材の張り替えだけに留まらない可能性があるので、シロアリの点検も受けましょう。

歪みが発生している

床面に歪みが発生している時も、床材の張り替えを検討するタイミングとなります。床の歪みについては、本来必要な補強などをせずに、重量物を設置したことなどが原因になる場合が多いです。例えば、補強をせずに、アコースティックピアノを設置すると、局所的に荷重がかかってしまうことで、部分的に床面が歪んでしまうのです。

床に歪みが発生してしまうと、その部分で躓いて転倒するリスクが高くなります。小さなお子様がいるご家庭であれば、怪我に発展する可能性があるので、早めの張り替えを検討すべきです。なお、特に重量のある家具などを設置していないにもかかわらず歪みが生じているという場合、床下側に原因が存在する可能性があります。この場合、まずは何が原因なのかを特定するため、床下の点検をしてもらい、必要な対処を実施しましょう。

フローリング材が全体的に傷や色あせが見える

日当たりが良い居室のフローリングは、直射日光の影響を受け続けるため、その他の場所と比較すると早く色あせてしまうことがあります。色あせに関しては、見た目の問題で日常生活に大きな影響を及ぼすことはありません。しかし、そのまま放置していると、どんどん劣化が進んでしまうため、張り替えを検討すべきです。

なお、部分的に色あせが見えるだけ、家具を移動させたときに局所的に傷がついただけと言う場合なら、床材そのものがそこまで劣化しているわけではないので、ラグなどで隠すだけでも良いです。「フローリングの張り替えが必要か?」については、傷や色あせの範囲や予算で決めると良いです。

模様替えの必要性を感じた時

これは、フローリング材の劣化は関係ない視点となります。長く同じ家に住んでいれば、居室のデザインに飽きてしまい、家具の新調や壁紙の張り替えをしたくなる時があります。そして、実際に、家具や壁紙の種類を大幅に変えた時には、フローリングだけがそのままだと違和感を感じる空間になってしまうことがあるのです。

このようなケースでは、フローリングに関しても、家具や壁紙に合わせたカラーリングやデザインのフローリングに張り替えすると良いです。床材は、皆さんが考えている以上に部屋の見た目に影響を与える部分となるため、模様替えや壁紙の張り替えを検討した時は、フローリングの張り替えタイミングにも適しています。

フローリングの張り替え方法と費用相場

それでは実際にフローリングの張り替えを実行しようと思った時、その実施方法やリフォームにかかる費用の相場について解説していきます。

フローリング材の張り替えについては、既存のフローリングを一度剥がしとって、新しいフローリング材を設置していく工事をイメージすると思います。しかし実は、フローリングの張り替えについては、施工技術の発達もあり、既存のフローリング材を残したまま施工することができるようになっているのです。

ここでは、フローリングの張り替えを実施する方法とリフォーム業者に工事を依頼する時の費用相場について解説します。

フローリングを張り替えする方法について

フローリングの張り替えについては、細かく分けるといくつかの手法が存在します。その分け方については、「業者に依頼するか自分で作業を進めるか」と言う大枠の違いと、さらに専門業者に相談する場合でも施工方法に違いが存在するのです。

ここでは、フローリングの張り替え方法について、主な方法を分かりやすく紹介します。

DIYで実施する

一つ目の方法は、DIYでフローリングの張り替えを実施するという方法です。昨今では、フローリングの張り替えなど、本格的な住宅リフォームについても、ホームセンターなどで建材や工具を手に入れることができるようになっているため、住人さんが自ら作業することも出来るようになっています。テレビなどで、芸能人の方が住宅のリフォームを実施する番組などが多く放送されていることもあり、DIYを趣味とする方が年々増えています。その結果、フローリングの張り替えについても、自分で実施するという方が少なくないのです。

なお、DIYでフローリングの張り替えを実施する場合、「重ね張り工法(詳しくは下で紹介)」と呼ばれる施工方法を選ぶようにしましょう。ホームセンターなどに行けば、裏面にシールが付いたDIY用のフローリング材が販売されるようになっていて、重ね張り工法であれば、既存のフローリング材の上に、そのまま貼り付けていくだけで、綺麗な床面を復活させることができます。既存のフローリングを剥がしてから新たなフローリング材を施工する方法は、撤去工事や廃材の処分に困ってしまう可能性があるため、基本的にはDIYはおすすめできません。

DIYによる作業は、職人による作業が無くなるため、工事費用を大幅に削減することができ、全体の施工費用を安く抑えられます。ただ、施工にどうしても時間がかかりやすい、仕上がりに不満が残る可能性があるなど、デメリット面も多いので注意しましょう。もともと「リフォーム業者で働いている」など、工事に対する知識を持っている方なら自分で実施することも可能ですが、そうでないのであれば、下で紹介するリフォーム業者に依頼するという方法をおすすめします。

専門業者に作業を依頼する

二つ目の方法は、家を建ててくれた建設会社や住宅リフォームを請け負っている専門業者に作業を依頼するという方法です。DIYと比較すると、費用が高額になるものの、高品質な仕上がりが期待できるので、基本的にはこの方法がおすすめです。

なお、上述しているように、専門業者に作業を依頼する場合でも、施工方法が以下の二通り存在します。それぞれの特徴を抑え、どちらが適しているのかよく考えて依頼しましょう。

  • 重ね張り工法
    重ね張り工法は、既存のフローリングはそのままに、上から新しい床材を重ねて貼りつけていくという工法です。既存床材の撤去が不要になるため、撤去工事にかかる費用や廃材の処分にかかる費用を削減することができます。また、完成後の床は、床材が二重状態になるため、防音性や断熱性などの機能性も向上します。注意点としては、未熟な業者が施工した場合、既存床材との接着が上手くいかず、床の上を歩くと「ふかふか」と浮いたような違和感を感じる仕上がりになる可能性があります。
  • 張り替え工法
    皆さんがイメージする方法がこちらです。既存のフローリング材を一度撤去した後、新たなフローリング材を設置していくという方法です。重ね張り工法と比較すると、採用できる床材の種類が多くなり、床材の下に断熱材を設置して防音性や断熱性を高めるなど、リフォームの自由度が高くなる点がメリットです。ただ、重ね張り工法と比較すると、既存床材の撤去や廃材の処分にそれなりのコストがかかってしまい、施工費が高くなります。

専門業者に床材の張り替えを依頼する場合には、上記のどちらかの方法で施工を進めることになります。

フローリング張り替えの費用について

それでは、フローリングの張り替えを実行する際、どれぐらいの費用がかかるのかについてもご紹介していきます。ここでは、専門業者にリフォーム工事として依頼する場合の費用目安をご紹介します。

フローリング張り替えにかかる費用については、上述したように、「重ね張りか張り替えか?」で費用相場が変わります。もちろん、新たに採用するフローリング材の種類によっても費用が変わります。一般的な費用相場としては、それぞれ以下の通りとなります。

  • 重ね張り工法を採用する場合:6~16万円(6畳当たり)
  • 張り替え工法を採用する場合:9~19万円(6畳当たり)

上記の価格の幅については、新しく採用するフローリング材の種類によって生じています。基本的に、無垢フローリングが高く、その次に複合フローリングと続きます。なお、フローリングから畳など、異なる床材への張り替えも可能です。その場合の費用は以下が相場となります。

  • フローリングから畳:13万円〜25万円(6畳当たり)
  • フローリングからカーペット:5万円〜8万円(6畳当たり)
  • フローリングからクッションフロア:重ね張り工法で4万〜6万円(6畳当たり)

他の床材への張り替えの場合、下地作りから必要になるケースもあるため、費用が高くなる場合があります。カーペットやクッションフロアへの張り替えは、重ね張り工法が採用できるため、コストを抑えられるでしょう。

まとめ
今回は、住宅の床材について、どのような種類があるのか、また張り替えなどのリフォームを考えた時、どのような方法が存在していて、実施にはいくらぐらいかかるのかについて解説しました。

記事内でご紹介した通り、住宅の床は、一生新築時の状態を保ってくれるようなことはなく、いずれ張り替えなどのリフォームが必要になります。リフォームのタイミングについては、普段のお手入れ方法や住宅の環境なども関わってくるため、一概に「築〇年過ぎたら張り替えが必要」などと、年数を決めることは難しいです。

記事内では、床材の張り替えを検討したほうが良い症状なども紹介しているので、そのような症状が出た時に、「そろそろ張り替えが必要かな?」と考えると良いです。

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