新築住宅の購入を検討した時には、建物の外観デザインや間取りについては細部までこだわる方がほとんどだと思います。注文住宅で新築する場合には、さまざまな点について、自分たちの希望を反映させられることがメリットですし、家づくりの醍醐味でもあります。

ただ、理想の家づくりを進める際には、導入する設備について「これって必要なのだろうか?」と迷ってしまうことも少なくありません。当然、家に設置する設備の数が増えていけば、それだけ建築コストが高くなっていくわけですので、「使いもしない設備にお金をかけたくない!」「設置して何のメリットがあるか分からない?」と言った理由で、導入を迷う設備も少なくありません。
そして、新築時に導入を迷う設備の中でも意外に多いのが「新築の窓にシャッターって必要なのか?」という疑問です。住宅の窓は、採光や換気などを目的に設けられているのですし、それを遮る「窓シャッター」を取り付ける意味が何なのかイマイチ分からない…と考え、窓シャッターなしの新築住宅も増えているようです。

ただ、実際に自分が家を建てる時には「窓シャッターを取り付けなかったことを後悔しないかな?」と心配になる方も多いかと思います。そこで当記事では、新築住宅に窓シャッターを取り付けることでどのようなメリットが得られるのか、またその逆にデメリットはないのかについて解説していきたいと思います。

窓シャッターは主に防犯効果が期待されている

窓シャッターは、一昔前まで「雨戸」と呼ばれていた住宅設備の進化版のような物です。「雨戸」という名称から分かるように、これは「雨風はもちろん、強風によって飛来物が窓を割ったり、家に飛び込んでくることを避ける。」というのが主な役割として取り付けられていました。

しかし、時代と共に雨戸に求められる役割は変わってきており、現代では住宅の防犯対策を目的として取り付けられるようになっています。そのため、現在の新築業界では、より耐久性が高く、開閉の利便性を高めるため窓用のシャッターとしてその姿が変わってきています。窓シャッターが防犯目的として利用されているというのは、賃貸住宅業界を見回してみてもよくわかります。近年では、3階建てなどの賃貸アパートが増えていますが、こういった物件では、1階部分の居室のみに窓シャッターが取り付けられています。これは、1階部分は容易にベランダ部分に侵入することができるため、空き巣犯などの不審者が姿を隠して窓破りにより侵入を試みやすいからです。シャッターを設置していれば、窓から侵入するのに多大な労力がかかりますし、大きな音が生じるため、侵入犯に狙われにくくなるわけです。

実際に、警察庁が運営している「住まいる防犯110番」内の情報を見ても、窓部分の防犯性を高める必要性がよくわかります。

侵入犯罪の多くは「窓」が侵入口となっている

引用:住まいる防犯110番より

上の画像は、令和4年度に発生した侵入犯罪について、「家の中にどこから侵入したのか?」の割合をグラフ化したものです。これからも分かるように、戸建て住宅で発生する侵入犯罪は、その半数以上が窓から侵入されていたというデータがあるのです。

つまり、窓部分の防犯性を高めることができれば、住宅における侵入犯罪の多くを未然に防止することができると考えられるわけです。ちなみに、警察庁が推奨する窓部分の防犯対策では、以下のような方法が紹介されています。

  • 防犯ガラスの導入
  • サッシ部分の防犯性を高める(補助錠やロック付のクレセント錠の導入)
  • 雨戸、窓シャッターの設置(強固な作りのもの)
  • 面格子の設置

このように、警察庁でも、住宅への侵入犯罪防止には窓シャッターが効果的としています。実際に、現在の新築業界では、従来の雨戸の役割よりも、窓部分の防犯性向上を目的に、窓シャッターの設置が推奨されるようになっています。

窓シャッター導入による具体的なメリットとは?

それでは、新築時に窓シャッターを導入することで考えられる具体的なメリットについて解説します。ちなみに、窓シャッターは、取り付けに必要なスペースさえ確保しておけば、後付けすることも可能です。したがって、新築時に「必要かどうか判断できない…」という方は、後からシャッターが取り付けられるだけのスペースを確保しておき、住み始めてから必要性を考えることも可能です。

ただ、新築時に合わせて窓シャッターを取り付ければ、家のデザインや窓枠に合ったものが選べるため、家の外観にまとまりが出る、また他の工事と同時に行えるため後から工事を行うという二度手間にもなりません。ここでは、新築時に窓シャッターを設置しておくことで得られる代表的なメリットをご紹介します。

メリット1 風雨など、悪天候から窓と家を守る

一つ目のメリットは、もともと雨戸に求められていた役割を果たせる部分ですね。窓にシャッターを取り付ければ、台風などの強風を伴う自然災害時でも、窓や家そのものを守ることができるというメリットが得られます。

強風を伴う自然災害時は、横殴りの雨が窓や家に打ち付けるだけでなく、強風に煽られた飛散物が家に衝突する可能性もあります。窓ガラスは、強い雨が打ち付けた程度で割れるほど弱くはありませんが、飛来物が衝突すると割れてしまう可能性があり非常に危険です。さらに、強風にさらされ続けると、窓が耐えられなくなり室内側に飛ばされてしまう恐れもあるでしょう。

窓シャッターを取り付け、強風時におろしておくことで、こういった飛来物や強風から窓を守ることができるようになります。その結果、家の早期劣化や中にいる人の安全を守ることができるようになります。

メリット2 日差しの調整ができるようになる

二つ目のメリットは、シャッターにより強い日差しを遮ることができるという点です。日差しの調整は、カーテンでも可能なのですが、真夏の眩しすぎる太陽や強い西日などを取り込みたくない場合、シャッターの方がカーテンよりも効果的に調整することが可能です。

日差し以外にも、住宅の立地によっては、窓と道路の位置関係によって「常に外灯の光が入る…」「車のヘッドライトが気になる…」と言った問題が生じる場合があるのですが、窓シャッターを取り付けることでこういった光も遮断することができるようになります。

メリット3 断熱性が高くなる

窓シャッターは、住宅の断熱性を高めてくれる点もメリットです。シャッターと断熱性は、なんの関係性もなさそうに思えますが、実は窓ガラスの弱点を補う形で断熱性を高めてくれる設備になるのです。

皆さんの住宅にはめ込まれている窓ガラスは、どのような物を採用しているでしょうか?近年では、窓部分の断熱性向上のため、ペアガラスなどが採用される場合も増えています。しかし、多くの住宅では、一枚物のガラスが使用された単板ガラス(フロートガラス)が採用されていると思います。最も一般的な窓ガラスの素材なのですが、実は、このガラスは断熱性が低く、住宅の中で外気の熱や冷気を室内に一番伝える場所は窓と言われているのです。少し考えればわかるのですが、窓ガラスは外壁などと比較すると、非常に薄い素材なので、熱を効率的に遮断することはできないです。

窓シャッターは、こういった窓の弱点を解消することができます。例えば、真夏の暑い日であれば、シャッターを閉めておくことで、日射も防げますし室外からの熱も防ぐことができるようになります。冬場は、シャッターと窓が二重構造で冷気を防ぐようになるので、窓シャッターが無い場合と比較すると、寒さを和らげてくれるでしょう。つまり、窓シャッターは、室内温度をより快適に保つことができるアイテムになるのです。

ちなみに、窓シャッターを利用して窓部分の断熱性を向上させれば、空調効率が高くなりますので、エアコンなどにかかる光熱費を削減することもできるでしょう。

メリット4 防犯性が高くなる

近年、新築業界で窓シャッターが注目されているのは、窓部分の防犯性を強化してくれるというメリットがあるからです。

上述したように、空き巣などの侵入犯罪は、窓から侵入しているケースが非常に多いです。侵入手口としては、無施錠、窓破りなどが主な方法とされており、通りから人の目につかない場所に窓がある住宅は、非常に狙われやすくなります。窓シャッターは、窓からのこういった侵入犯罪を防止することが可能です。

窓シャッターが設置されている住宅の場合、窓から侵入するためには、まずシャッターを破壊しなければいけません。しかし、シャッターは金属が素材として採用されていますし、簡単に破壊出来ないような強度があります。さらに、シャッターを破壊しようと思えば、大きな音が生じますので、侵入犯罪を未然に防ぐことができると期待できます。
この他、窓シャッターが設置されている住宅は、ない住宅と比較すれば「防犯リテラシーが高く侵入しにくい家」と看做せるため、心理的な面からも不審者に狙われにくくなるという効果が得られると言われています。

メリット5 防音性が高くなる

窓シャッターを導入した方で、考えていなかったありがたいメリットとして挙げるのが防音性の向上です。実は、窓シャッターを取り付け、シャッターを閉めた時には、窓部分からの騒音の侵入について約30dB程度軽減することができるとされています。

コロナ禍以降は、テレワークが導入され、自宅で仕事をするようになったという方も多いようですが、昼間の自宅周辺の騒音で仕事に集中することができない…と言った悩みを抱える方も多いそうです。そして、こういった生活騒音の多くは、窓の防音性の低さが要因となり、家の中に侵入してくるとされているのです。一般的な窓ガラスは、壁よりも圧倒的に薄い素材なので、遮音性能が低いです。また、レール部分に小さな隙間が生じる構造になっていますので、きちんと閉めていても音の侵入を防ぐことができないのです。シャッターがあれば、音を遮断する物質が単純に二倍になりますし、窓部分の防音性を大幅に高めてくれます。

もちろん、楽器防音レベルの性能を期待してはいけませんが、自動車騒音や子供の話し声など、日常的に存在する生活騒音を防ぐには非常に効果的なアイテムになるでしょう。

窓シャッターのデメリットとは?

窓シャッターは、上述のようにさまざまなメリットが認められるようになったため、近年の新築業界で導入したいと考える人も増えています。ただ、いくつか注意すべきデメリット面もありますので、以下で簡単にご紹介します。

デメリット1 費用がかかる

窓シャッターの取り付けに関するデメリットとして最もわかりやすいのは、シャッターを取り付けない家と比較すれば、設備導入にかかるコストが高くなる点です。

窓シャッターにも、いくつかの種類が存在していますが、どのタイプをどの窓に設置するのかによって、高ければ100万円以上のコストがかかる場合も珍しくありません。

費用を抑えながら窓シャッターの導入を行いたい場合、シャッターの種類や設置場所を慎重に選ばなければいけません。

デメリット2 窓のデザインが限られる

新築時に窓シャッターの導入を決めた場合、窓のデザインが限られてしまうというデメリットが生じます。窓シャッターを取り付けないのであれば、どのような大きさの窓でも自由に設計することが可能です。しかし、窓シャッターの導入を検討している時には、シャッターと窓をセットに考えなければならないのです。

窓シャッターを取り付ける場合、窓の上部にはシャッターを納められるシャッターボックスを設置しなければいけません。そのため、窓周りのデザインなどを考えていても、シャッター設備の設置が優先され、思い通りのデザインにならない場合もあるのです。当然、シャッターよりも大きな窓にしては何の意味もありませんし、窓部分に関しては選択肢が確実に狭まってしまうでしょう。

この他にも、住宅全体の外観デザインにも影響を与える場合があるため、外壁のカラーなども候補が絞られてきます。もちろん、シャッターの用途などには影響を与えないのですが、外壁の色とシャッターのカラーが合わない場合、家の外観デザインに違和感を感じてしまう場合があります。したがって、基本的にはシャッターボックスのカラーに合わせて外壁の色を決めていくといった感じになるでしょう。

デメリット3 開閉を面倒に感じる

防犯目的に窓シャッターを設置する場合、毎日夜間はシャッターを閉める必要があります。そして、翌朝にシャッターをあげて朝日を入れるといった使い方になるのが一般的です。しかし、シャッターの開け閉めは、口で言うのは簡単なのですが、毎日行うと考えると、結構面倒に感じる方が多いです。シャッターの設置数が多ければ、その分、開け閉めの手間も増えてしまいます。

なお、現在では、「手動」で開閉するシャッター以外にも、自動で開閉を行ってくれるし窓シャッターシステムが登場しています。自動式のシャッターを設置すれば、ボタン一つで開け閉めしてくれるようになるので、日々の使い勝手で手間に感じる可能性は少ないです。ただ、自動式の窓シャッターは、複雑な機構が組み込まれている分、設置費用が高い、故障の確率が高くなるなどの問題があります。

手動式シャッターを設置したお宅の場合、多くの方が毎日の開け閉めを苦痛に感じ、シャッターを開けっぱなしにしているという使い方になってしまうようです。

デメリット4 故障時は修理しなければいけない

窓シャッターは、その他の設備と同じく、経年劣化が進む設備です。つまり、使用していればいずれ故障が発生し、修理しなければならないのですが、この点がデメリットと言えるでしょう。

窓シャッターを設置しなければ、故障の心配もありませんし、修理に費用がかかることはありません。しかし、シャッターを取り付ければ、いずれ故障が発生し、それなりの費用をかけて修理が必要です。そして、修理費用の支払い時に「こんなことならつけなければ良かった…」と後悔の念を感じる人もいるのです。

ちなみに、「故障したら修理せずに放置すれば良い」と考える人がいるのですが、この考えはオススメできません。窓シャッターは、防犯目的にも使用される設備で、この部分の故障を放置してしまうと、不審者に「防犯意識が低い家」と判断されてしまう恐れがあります。このようなイメージを持たれてしまうと、犯罪者のターゲットになりやすいです。

窓シャッターの導入にかかる費用

それでは最後に、窓シャッターを設置する場合にかかる費用についても簡単にご紹介します。なお、窓シャッターの取り付けのみにいくらかかるのかが分かりやすいよう、ここでは窓シャッターを後付けする場合の費用を参考としてご紹介します。

窓シャッター設置工事費用について

窓シャッターの設置工事費用では、以下の3つの費用で構成されます。

  • シャッターの本体価格
  • 搬入費用
  • 工事費用

シャッターの本体費用は分かりやすいですね。これ以外にも、シャッターの搬入にかかる費用を考慮する必要があります。搬入費用は、運搬する商品の大きさや運ぶ場所によって費用が変わる場合があります。例えば、山奥や入り組んだ場所で特殊車両が入れないなど、運搬が難しいと判断される場合、この部分の費用が高くなります。
工事費用は、そのままシャッターの取り付け工賃のことです。なお、窓シャッターの工事費用も、施工条件などによって多少費用が変わります。例えば、シャッター取り付けのために、雨樋や手すりを移動もしくは撤去しなければならない場合、その分工事費が高くなります。

窓シャッターの本体価格については、設置する製品が「手動式」か「自動式(電気式)」かで大きく変わります。当然、後者の製品の方が性能が高くなるため、本体価格が高額になります。この他、シャッターの大きさなどによっても費用が変わります。それぞれの窓シャッターの設置工事費用は以下のような感じです。

  • 手動シャッター・・・約17~20万円
  • 電動シャッター・・・約28~48万円

上記価格は、施工費や運搬費を含んだ大まかな参考価格です。詳細な費用が知りたい場合、必ず専門業者から見積もりを取ってください。

まとめ

今回は、これから新築戸建て住宅の購入を検討している方に向け、窓シャッターを取り付けることで得られるメリットや、その逆のデメリットをご紹介しました。窓シャッターは、雨戸と同じく、雨風から窓や家を守るという役割りを持っているだけでなく、金属製で非常に頑丈な事から高い防犯性能を保持していることで注目されています。記事内でご紹介したように、空き巣などの侵入犯罪は、窓を侵入口として利用しているケースが多い為、この部分の防犯性を高めることは被害に遭う危険性をかなり下げることができるのです。

この他にも、近年では台風の大型化が叫ばれており、強風による住宅被害の件数が増えています。窓シャッターは、強風に煽られた飛散物が衝突しても、窓や家を守ってくれますので、万一の災害対策を考えた時には、非常に心強い設備となってくれるはずです。

新築戸建ての購入は、ほとんどの方が初めての経験となるため、「どのような設備を導入すれば良いのか?」という点に悩む方が多いです。悠建設では、そういった方にもプロの目線でアドバイスを行っていますので、是非お気軽にご相談ください。

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