新築住宅を購入すれば、その後、毎年固定資産税の納付が必要になります。固定資産税とは、その名称通り土地や家屋などの固定資産に課せられる税金で、毎年1月1日時点に固定資産を所有している方に対し、その資産の価値(価格)をもとに計算し課税される仕組みになっています。

それでは、この固定資産税については、どのような方法で支払えば良いと思いますか?一般的には、自治体から固定資産税の支払い用紙などが届き、各金融機関やコンビニなどで支払うものだというイメージがあるのではないでしょうか。実際に、現在でも、この方法での支払いが行われている自治体は多いのですが、実は昨今、固定資産税の支払いについて、クレジットカードを利用して納付できるようになった自治体が多くなっているのです。

2023年4月からは、地方税統一QRコード(eL-QR)を活用した地方税の納付も開始されていて、クレジットカード以外にも、スマートフォンの決済アプリを通じたキャッシュレス納付なども始まっており、税金の支払い方法は多様化しているのです。そこでこの記事では、家を所有している方が毎年支払わなければならない固定資産税について、クレジットカードで納付するメリットなどについて解説します。

固定資産税の基礎知識

そもそも「固定資産税とは?」という部分から簡単に解説します。固定資産税は、固定資産を所有している方が課せられる市町村税で、固定資産とは「土地・家屋・償却資産」のことを指しています。毎年、固定資産が所在する市町村において課せられる税金と覚えておきましょう。

税額については、所有している固定資産の価格をもとに算定され、毎年1月1日時点で固定資産課税台帳に所有者として登録されている人に課せられます。なお、固定資産税は、その年に全額納税をする義務があります。

固定資産税の支払時期や頻度について

固定資産税は、通常、年4回に分けて納める形となっています。固定資産が所在する自治体から納付月に送られてくる納付通知書によって、各納付期限までに納めることとなります。なお、納付期限については自治体によって異なり、例えば大阪市の場合は4月、7月、12月および翌年の2月となっています。

固定資産税の一般的な納税方法について

従来の固定資産税の納税方法については、送られてくる納税通知書に同封された納付書を使って支払います。一般的には、銀行などの金融機関や郵便局、自治体の機関に納付書を持参し、窓口で支払うという形態になっています。なお、自治体によっては、コンビニ支払いが可能な納付書となっていたり、インターネットバンキングやATM、Pay-easy(ペイジー)を利用した納付、口座振替(自動払い込み)などによる納付も対応しています。さらに最近では、スマートフォンアプリのLINE内にあるサービス「LINE Pay」で支払うことができる自治体もあるようです。

固定資産税の納付は、納付書を窓口にもっていき、現金で支払うというイメージが強いですが、さまざまな決済方法が登場している現在では、納付方法も多様化しています。

固定資産税はクレジットカードで納付できる!

それでは本題である「固定資産税はクレジットカードで納付できるのか?」についてもご紹介します。結論から言ってしまいますが、固定資産税は、クレジットカードを利用して支払うことも可能です。ただ、固定資産税は、地方税であり、納付の方法は各自治体が決めています。つまり、クレジットカードによる支払いに対応しているのかどうかは、自治体ごとに異なるため、クレジットカードでの支払いを望む場合、事前に自治体のwebサイトなどでクレジットカード対応がなされているのかを確認しましょう。

現在、固定資産税のクレジットカード払いに対応している代表的な都市は、以下のような感じです。なお、クレジットカード対応をする自治体は年々増えているので、お住まいの地域が現在対応していなくても今後対応してくる可能性はあるでしょう。

  • 東京都(23区・立川市など)
  • 大阪市
  • 横浜市
  • 名古屋市
  • 福岡市
  • さいたま市
  • 札幌市
  • 京都市
  • 広島市 …etc

固定資産税のクレジットカード対応は、お住いの自治体のwebサイトなどで確認してみてください。

固定資産税をクレジットカードで納付するメリットとは?

それでは、固定資産税の支払いにクレジットカードを利用することで得られるメリット面について解説します。どのような支払い方法を選択しても、税金を支払わなければならないことに変わりないため、支払い方法なんて何でも良いのではないか…と考える方が多いと思います。

しかし、クレジットカードを利用して固定資産税を支払うという方法は、時間や手間の削減を始めとして、コスト的なメリットも存在するのです。ここでは、固定資産税をクレジットカードで支払う場合の代表的なメリットをご紹介します。

メリット1 時間や手間の削減

固定資産税は、パソコンやスマートフォン、タブレットを利用して専用サイトにアクセスするだけで、クレジットカードを利用したオンライン納付が可能です。

先ほどもご紹介したように、一般的な固定資産税の支払いは、納付書を持参して銀行などの金融機関や郵便局、納税窓口もしくはコンビニなどで支払うという方法でした。この場合、支払いできる場所まで移動しなければならないため、時間や手間がどうしてもかかってしまうことになります。

クレジットカードであれば、自宅にいる時、仕事の合間など、どこにいても24時間いつでも納付の手続きが可能になるのです。もちろん、納付のために多額の現金を持ち歩く必要もないため、盗難などのリスクもなくなるのです。固定資産税のクレジットカード払いは、忙しい現代人にとって、移動のための時間や手間を省けるという大きなメリットがあるのです。

メリット2 クレジットカードのポイントが貯まる

これはコスト的なメリットです。クレジットカードを利用して固定資産税の支払いをすれば、普段のお買い物と同じように、クレジットカードのポイントを貯めることができます。クレジットカード会社は、利用者を引き付ける目的で、支払金額に応じて一定のポイント還元を行っているはずです。固定資産税は、それなりの金額になりますし、効率的にカード会社のポイントを貯めることができ、実質的な節約に繋げることができるのです。

注意点としては、クレジットカードによる納付は、決済手数料がかかるので、付与されるポイントとかかる手数料を事前に比較しなければいけません。万一、手数料の方が高くなってしまうと、損になってしまいます。

メリット3 分割払い、リボ払いができる

固定資産税は、先ほどご紹介したように、年4回に分けて納付するのが一般的です。ただ、クレジットカードでの支払いの場合、カード側のサービスによりさらに分割して支払うことが可能になります。

どのようなクレジットカードでも、「1回払い」「分割払い」「リボ払い」など、支払い方法を選択できるサービスが付属されているため、家計の状況に合わせて固定資産税の支払いが可能になるというメリットが得られるのです。注意点としては、分割払いやリボ払いを選択する場合、別途手数料が発生してしまうため、支払総額は大きくなってしまいます。

固定資産税をクレジットカードで納付する場合の注意点

固定資産税をクレジットカード払いにすれば、時間や手間が省けるほか、ポイントの添付によるコスト的なメリットが得られます。こう聞くと、クレジットカード払いが正解なのだな…と考えてしまいますよね。

ただ、固定資産税のクレジットカード払いには、いくつかの注意点が存在していて、状況によってはデメリットの方が大きいケースもあるので注意しましょう。ここでは、固定資産税をクレジットカードで支払いたいと考えている方が、事前に確認すべき注意点をご紹介します。

注意点1 クレジットカードが使えない場合もある

近年では、さまざまな税金の支払いにクレジットカードの利用が可能になっている自治体が増えています。しかし、全国の自治体すべてがクレジットカード払いに対応しているわけではないため、先ほど紹介したメリットからクレジットカード払いがしたいと考えても、利用できない場合があるので注意してください。固定資産税をクレジットカードで支払いたいと考えた時には、まず、お住いの自治体のHPなどで対応しているのかを確認してください。

ちなみに、固定資産税など、税金の支払いにクレジットカードの利用を認めている自治体の多くは、地方税共同機構が管理・運営する「地方税お支払サイト」経由での支払いとなっている場合が多いです。

> 地方税お支払サイト

注意点2 決済手数料が発生する

固定資産税などをクレジットカードで支払う場合、納付額に応じた決済手数料がかかります。例えば、大阪市に住む方が「地方税お支払サイト」からクレジットカードで納付した場合、以下の金額のシステム利用料がかかるとされています。

  • 1~10,000円:40円
  • 10,001~20,000円:123円
  • 20,001~30,000円:205円
  • 30,001円以降、納付金額10,000円ごとに83円ずつ加算されます。なお、端数処理の関係で、82円になる場合があります。

参考:大阪市webサイトより

なお、「地方税お支払サイト」内には、納付金額を入力することで、システム利用料を算出してくれるページがあるので、確認しておきましょう。

> 地方税お支払サイト「システム利用料試算」

注意点3 領収書が発行されない

クレジットカードでの税金の支払いは、カード会社を経由して納付することになるため、領収書を発行することができません。領収書の変わりは、利用明細書となるので、その金額を確認しなければいけません。

どうしても紙の領収書を受け取りたいという方の場合、納付書を持参してコンビニや金融機関で支払う必要があります。

注意点4 納税証明書の発行に時間がかかる

クレジットカード決済で固定資産税を納付する場合、納税証明書の発行に時間がかかるケースがあります。何らかの理由で、納税証明書がすぐに必要という方は、コンビニや金融機関の窓口で納付しましょう。

クレジットカード払いが可能な税金は固定資産税だけじゃない

ここまでは、家の購入後、毎年納付しなければならない固定資産税について、クレジットカードで支払う際のメリットや注意点について解説しました。今まで、コンビニや金融機関の窓口で支払していたという方であれば「こんな便利な方法があったんだ!」と驚いた方もいるかもしれませんね。

ただ、税金のクレジットカード払いに関しては、なにも固定資産税だけに限りません。実は、以下のような地方税に関しては、多くの自治体がクレジットカード払いに対応するようになっているのです。

  • 自動車税(種別割)
  • 軽自動車税(種別割)
  • 都市計画税
  • 不動産取得税
  • 個人事業税
  • 住民税

もちろん、税金の支払いにクレジットカードが使えるかどうかは、自治体ごとに異なるため、全ての人がクレジットカードを利用できるわけではありません。まずは、現在住んでいる自治体のwebサイトなどで、地方税の支払いにクレジットカードが利用可能かどうかを調べてみると良いでしょう。

なお、クレジットカードに対応している場合、「地方税お支払サイト」を経由して納付する形になっていると思います。納付の流れについては、「地方税お支払サイト」内で丁寧に解説されているので、以下のページも確認しておきましょう。

> 地方税お支払サイトの使い方

まとめ

今回は、マイホームを購入した方が必ず納付しなければならない固定資産税の支払い方法について解説しました。固定資産税の納付方法については、自治体から送付された納付書を金融機関などに持参し、窓口で支払うというイメージがある方が多いはずです。実際に、現在でも多くの税金の支払いは、納付書を利用して窓口払いにしている方が多いはずです。

ただ、2023年4月以降は、地方税統一QRコード(eL-QR)を活用した地方税の納付が開始されていて、固定資産税などの税金をクレジットカードで納付できる自治体が増えているのです。クレジットカードを利用して納付することができるようになれば、支払窓口まで行かなくて良くなるため、時間や手間を大幅に省くことができるようになります。さらに、クレジットカードのポイントが不要されることで、実質的な税金の節約につながる可能性もあります。なお、クレジットカード払いの際には、システム利用料と呼ばれる手数料がかかるので、ポイントと手数料のどちらが高くなるのかは事前に確認しなければいけません。

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