新築住宅の購入時や賃貸の物件探しをする際には、「風水的に良いとされる間取り」を重視する方が非常に多いと言われています。実際に、悠建設に注文住宅の建築に関するご相談をしていただくお客様からも、風水や家相を考慮した家づくりをしたいという相談は非常に多いです。
家を建てる土地選びや間取りづくりを進める際には、「風水的にどうすれば良いのだろう?」ということに着目する方が非常に多いのですが、「風水的にやってはいけないことは何か?」という点について意外に見落としてしまっている方が多いです。家の風水は、そこに住む人の運気向上を狙って対策を施すものというイメージが強いため、「これをやると良くない」という点が見落とされてしまう訳です。
そこでこの記事では、家の風水を考える時、「やってはいけない風水のNG行動」について解説したいと思います。特に、風水では玄関が非常に重要とされていて、毎日必ず使用する部分となるため、玄関のやってはいけない風水と運気をあげるためのポイントを中心にご紹介します。その他の、家の間取りに関する風水については、以前別の記事でまとめているので、ぜひそちらも確認してください。
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玄関の風水が重要な理由とは?
風水は、5000年以上前の中国で発祥した環境哲学で、より良い暮らしにするための知恵として受け継がれてきたとされています。そして、日本にも家相と呼ばれる家の隆盛や運を判別する古来よりの方法があり、中国で発祥した風水と日本の家相が組み合わさり、現代の日本版風水として活用されるようになっているのです。日本版風水の特徴は、古代中国の風水と日本の家相が組み合わさって発展したものであることから、さまざまな考え方が入り混じっている点です。現在では、さまざまな風水専門店があるのですが、同じことを調べてみると、相談した方ごとに別の結果が出るといったことも珍しくないとされています。
そもそも古代中国の風水は、干ばつなどが頻繁に起きたという国土から、生活に必要な水の問題を解決するための知恵として確立したという面があり、名称に『水』という文字が使われているとされます。一方、日本の国土を考えてみると、海に囲まれていて河川もたくさんあることから、干ばつの問題は中国ほどではなかったとされています。そのため、日本の家相は、土地よりも家そのものに特化した考え方になっているとされるのです。
現在でも、家づくりの際に参考とされる風水については、玄関の風水が非常に重要とみなされています。それではなぜ、玄関の風水がこれほどまでに重要視されているのでしょう?
玄関は人は当然として、運や厄の入口になるから
家の玄関は、そこに住む人が出入りする、来客者を迎えるための場所として使われるものです。
ただ、風水的に考えた時には、人だけでなく、良い気も悪い気も、玄関から全ての気が入ってくると考えられているのです。風水では、玄関から幸運がやってくるという考えが基本で、玄関が綺麗に整っていないと、金運などの良い運気が家の中に入ってこず、素通りしてしまうという話を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
さらに、悪い気に対しても玄関が重要とされています。風水では、玄関は厄落としをする場所であるとされていて、外から入る厄(悪い気)を最初に落とすための場所とされているのです。現在でも、葬儀などに行って家に帰ってきたときには、自宅に入る前に玄関部分で清めの塩を振り、厄を払うと良いという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
このように、玄関部分は風水的に良い気と悪い気の入り口となる場所と考えられているので、家づくりや普段の生活の中でも特に注意しなければならない場所と看做しているのです。
玄関が家の位を表すとされている
上述した通り、玄関は全ての気の入口とされているため、家の運気の基を作り、そこに住む人や家の運気を左右する場所と風水では考えられています。
したがって、常に綺麗に整えられている玄関には良い気が集まり、その逆に靴などが散らかっていて不潔な状態の玄関には悪い気が集まりそれをため込んでしまうと考えられているのです。例えば、家の中を小まめに掃除して綺麗に整えて気の流れを良くしていたとしても、玄関が散らかり良い気が入らない状態になっていれば、家の運気は上がらないとされています。さらに、家の中が多少散らかっていたとしても、玄関に良い気が集まる、流れるような状況を作っていれば、家全体として見た時には、運気アップにプラスになるとまでされているのです。
家の風水を考慮して運気の向上を狙う場合、土地選びや間取りづくりも重要ですが、何よりもまず、玄関の風水に注目しなければならないことが良く分かるはずです。
日常生活で注意したい玄関の風水について
それではまず、玄関の気を整えるための風水的な工夫について解説します。ここでは、日常生活の中で誰でも簡単にできる行いによって玄関の気を整える方法をご紹介します。
靴を収納して玄関をスッキリ整理する
風水の基本となるのは、綺麗に整理整頓され清潔な環境を保つことで良い気が集まる、流れが良くなるということです。したがって、玄関の風水を考えた時には、全ての靴を収納するということから始めると良いです。
風水では、ホコリやゴミに悪い気が溜まると考えられています。玄関に脱ぎっぱなしの靴が放置されている場合、見た目も悪くなりますし、靴以外にも砂利やゴミが散らかってしまう可能性が高くなります。したがって、スッキリと靴を収納できるように工夫して、普段から玄関に靴などが散乱しないようにしましょう。
なお、全ての靴を収納することが難しい作りの場合、綺麗に並べて玄関部分が常に整理整頓されている状況を維持しましょう。
小まめに掃除して、ホコリ・ゴミを溜めない
先ほどもご紹介したように、風水ではホコリやゴミに悪い気が溜まるとされているため、玄関を小まめに掃除してあげることも運気をアップさせるポイントになります。外出から帰ってきたときには、どうしても砂利やゴミなどを玄関内にまで運んでしまう可能性があります。これについては致し方ない部分がありますが、持ち込んだゴミや埃を放置すると、玄関部分に悪い気が溜まってしまうことになるのです。
したがって、玄関の風水で重要とされているのは、日常生活の中で小まめに掃除してあげるということです。もちろん毎日掃除するのが望ましいですが、それが難しい場合は、週一回は必ず掃き掃除をする、月一回は水拭きするなどして、清潔感のある玄関を維持しましょう。
良い香りをさせるのも吉
風水的に、玄関の運気をあげるための方法として、誰でも簡単にできるのが良い香りをさせるという方法です。風水では、香りには邪気を払う効果があると考えられているため、玄関部分を良い香りで満たすことができれば、悪い気の流れをストップさせることができるのです。ドラッグストアなどで購入できる、ルームフレグランスやアロマなら置いておくだけでも良いですし、季節のお花を玄関に飾っておくという方法は、香りだけでなく華やかさも追加してくれます。
なお、「良い香り」については、人それぞれ感じ方が異なります。一般的に良い香りとされるルームフレグランスを苦手とする方もいますが、その場合は、生花を飾るのが良いのではないでしょうか。ちなみに、玄関に良い香りが運気をアップさせるのとは逆に、玄関に悪臭が漂うという環境は、悪い気を呼び込むとされています。したがって、靴の収納箱などには消臭剤などを置いておくのもおすすめです。
盛り塩をする
地方に行くと、現在でも玄関部分に盛り塩を置いているお宅を見かけることがありますよね。実は、この盛り塩は風水が関係していて、厄払いの効果があり、玄関に置いておくことで悪い気の侵入を防ぐことができるようになるとされているのです。玄関に盛り塩をしておくと、良い気だけを家の中に入れるという効果が期待できるとされています。
ちなみに、神社の厄払いのお札を玄関に貼っておくというのも、盛り塩と同じく、悪い気の侵入を防ぐ効果があるとされています。
玄関マットを敷く
玄関マットと風水は、なんの関係性もなさそうに思えますが、実は玄関の風水を考えた時には、玄関マットが開運アイテムとされているのです。玄関マットは、玄関のたたき(玄関の靴を脱ぐ床)に落ちた厄を家の中にまで入るのを防ぐ効果を持っているとされていて、敷くだけで効果が期待できる手軽な開運アイテムとして有名です。
なお、風水は色合いとの関係も重要なのですが、玄関マットは白や薄紫系の色を採用すると、厄落としの効果がさらに期待できるようになると言われています。この他にも、金運アップなら黄色などの明るめの色が良いなど、玄関部分に配置する色によって運気向上を期待することもできます。
玄関マットは、何の気なしに敷いていたという方も多いと思いますが、実は風水的に見るととても重要な役割を持っていたのです。
玄関の運気を高めるための対策について
それでは次に、玄関の運気をより高めるためにはどのような点に注意すれば良いのかについてもご紹介します。風水では、以下のような対策を施すことで、気の流れを良くできるとしています。
鏡を置く
玄関の風水を考える時には、鏡を玄関に置くことで運気を良くすることができるとされています。ちなみに、玄関のドアを開けて左右どちらに置くのかでその効果が変わります。風水では、玄関のドアを開けた時、左側に鏡があると金運をあげる、右側が出世運をアップさせるとしています。
注意が必要なのは、鏡を玄関に置く場合でも、玄関ドアの真正面に鏡を設置するのは良くないとされています。風水では、鏡は気を反射させる効果を持っているとされていて、正面に鏡があると、良い気が入ってきても跳ね返してしまうとされているのです。
また、鏡は常に綺麗な状態を保つようにしましょう。鏡の表面がホコリや手あかなどで汚れていると、開運効果が弱くなるとされています。
絵を飾る
鏡以外にも、風水では玄関に置くことで運気の向上が期待できるものがあります。それが絵画です。なお、玄関に開運目的で絵画を置く場合は、風景や花が描かれた絵を選ぶようにしてください。時々、「玄関の風水として絵を置くと良いと聞いた」と表面的な知識により、家族の似顔絵を置いているのを見かけます。しかし、風水的には、写真なども含めて、玄関に人物画を置くのはタブーとされているのです。
玄関においては、人物の絵や写真は、そこに描かれている(写っている)人物を追い返すという意図が働いてしまうため、家の中で家族間のいざこざが発生する可能性があるとされているのです。
なお、人物以外でも、動物の絵や写真などもあまりおすすめではありません。玄関の風水を考えて、龍や虎、十二支などの縁起物とされる動物の画を飾る人は少なくありません。確かに、これらの縁起物に関しては、正しく配置できれば運気の上昇を期待することができるはずです。しかし、飾る位置を間違ってしまうと、逆効果に働いてしまうため、大きな災いを呼び寄せてしまうリスクがあるわけです。風水の専門家のアドバイスで、的確な置き場所を指定されたという場合以外は、風景や花が描かれたものが良いでしょう。
観葉植物や季節の花を置く
季節の花や観葉植物は風水上では厄を弱めると考えられていて、玄関の運気を高めたいと考えた時には、これらを置くのも一つの手です。
特に、葉先がとげとげした観葉植物やサボテンは、邪気の侵入を妨げる効果があるとされています。立地の関係などで、玄関の方角があまり良くないという場合には、葉先がとげとげしている観葉植物などを玄関に配置することで、悪い気が入ってきにくくなるので良いとされています。
さらに、観葉植物や生花は、悪い気を吸って良い気を吐き出すという浄化効果も持っているとされているので、良い気も悪い気も全ての気が入ってくる玄関に置くものとしては非常に適しています。最近では、スペースが少なくても置けるような小さな観葉植物が販売されるようになっていますし、玄関の運気を高めるためにも、観葉植物を置いてみてはいかがでしょう。
玄関の風水でやってはいけないこと!
ここまでは、玄関の風水として、運気をアップさせるための対策について解説してきました。家と風水の関係については、テレビや雑誌などで特集されることも多いですし、過去に聞いたことがあるなと感じた物もあったのではないでしょうか?実際に、玄関の靴を片付ける、常に清潔に保つ、玄関マットを敷くといった対策については、玄関の風水として普段の生活の中で意識している方も多いはずです。
しかし、玄関の風水に関しては、「運気をあげるためには?」という事ばかりに注目するのではなく、「玄関風水でやってはいけないことはある?」という視点も持っておくべきなのです。というのも、風水的に玄関で絶対にやってはいけないとされることを何も知らずにやっているという方は意外に多いです。
冒頭でご紹介したように、玄関は良い気だけが入ってくるのではなく、悪い気も入ってくる場所となります。したがって、やってはいけないことを知らないことで大きな災いを引き寄せてしまうかもしれないのです。そこでここでは、玄関の風水の中でも絶対にやってはいけないとされることをご紹介します。
家族や友人との写真を飾る
玄関の風水として、絶対にやってはいけないとされているものの中でも、これを行ってしまっている方は非常に多いので注意しましょう。
先ほどご紹介したように、風水では人物が描かれたものは、絵画でも写真でも玄関に置いてはいけないとされています。玄関に人物の似顔絵や写真を置くと、その人を追い返そうとする意図が働いてしまうため、関係が悪くなってしまう可能性があるとされるのです。
例えば、玄関の小物置き場に家族全員で写った写真や仲の良い友人との写真を飾っている方は少なくないですよね。しかし、家族の写真を飾ると、家族関係で問題やひずみが生じやすくなる、友人の写真の場合、関係が悪くなってしまうとされているのです。これは、風水では、玄関に人物の写真を置くと、そこに写っている人の良い気を追い返す、また悪い気が写真の中にたまってしまうと考えられているからです。
写真以外に、似顔絵などもNGとされているので、身近な人が写る写真や似顔絵は飾らないようにしましょう。
死が連想できるものを置く
死を連想させるものがイメージできない方もいるかもしれませんが、玄関に飾られるものの中で、風水的に死を連想させるのものとしては、剥製やドライフラワーなどが当たります。
風水の考えは、『陰陽』の考え方が基本となっていて、陽のものは陽の気を呼び込み、陰のものは陰の気を呼び込むとしています。ちなみに、陰の気それ自体は、悪い気というわけではないとされているのですが、陰の気がこもると悪い気が滞留してしまうことになるため、良くないとされているのです。
例えば、風水でははく製やドライフラワーは、死を連想させるものとして「陰」のものと扱われます。そしてこれを玄関に飾っていると、陰の気を呼び込んでしまい、玄関に陰の気をため込んでしまうことで、悪い気が滞留してしまうようになるとされているのです。そのため、風水のことを考えた家づくりを進めたいと考えるなら、こういったものは玄関に置かないようにしましょう。
ちなみに、玄関にはく製を飾っている家の中には、伝承や慣習などでそうした物を置いているケースもあります。例えば、家全体の気を考えた時、玄関の陽の気が強すぎるため、陰の気をもつ置物をわざと置くというケースもあるので、一概に置いてはいけないとは言えないので注意しましょう。ただ、集合住宅の場合は、基本的に玄関に陽の気が集まりすぎることがないので、はく製やドライフラワーなど、陰のものは置かない方が良いでしょう。
玄関ドアの正面に鏡を置く
上でも少し触れましたが、玄関に鏡を置くこと自体は悪くないのですが、玄関ドアの正面に鏡を置くのは風水的にやってはいけないことになります。鏡は、気を跳ね返す力を持っているとされているため、玄関ドアの正面に配置すると、玄関から入ってきた良い気を跳ね返して外に出してしまう結果になるのです。玄関から、良い気が入る流れを止める行為は、運気の滞留を招き、後に低迷につながっていくとされています。
玄関に鏡を置くのであれば、左右のいずれかに置くようにしましょう。マンションやアパートなどの集合住宅の場合、玄関スペースの関係でドアの正面にしか置けない…なんてケースもありますが、この場合は、部屋の中に鏡を置くようにしましょう。
散らかった状態を放置する
上でご紹介したように、玄関の風水では、玄関を整理整頓して綺麗な状態に保つことが運気を向上させるために大切です。
その逆に、靴を脱ぎ散らかしたり、砂利やゴミ、ホコリが玄関に落ちていて清潔に保たれていない場合、良い気の流れが阻害され、家全体の運気が下がってしまうことになるのです。
特に、靴が乱雑に置かれている状態は、外から持ち込まれる悪い気が家の中に入り込みやすくなるとされています。したがって、シューズクロークを作る、靴箱を設置するなどして、玄関に靴が散乱しない状況を作ることが大切です。玄関のスペース的な問題で、靴箱などが置けない場合は、靴を脱いだ後にきちんと並べるようにしましょう。この他、小まめに玄関を掃除することも大切です。
その他、玄関風水でやってはいけないとされていること
上記以外にも、風水的に玄関でやってはいけないことはたくさんあります。以下でまとめてご紹介しておきますので、頭に入れておきましょう。
- 暗い照明を使用する
- 黒い色など、暗い色の物、インテリアを置く
- 圧迫感のあるインテリアを置く
- ゴミ箱を置く
一人暮らし用の賃貸物件に住んでいる方の場合、スペース的な問題で玄関にゴミ箱を置いている方が多いかもしれません。しかし、ゴミ箱を玄関に置くと、ゴミが発する臭いや汚れた印象で、せっかく入ってきた良い気を遮ってしまうことになるのです。したがって、可能な限り玄関にはゴミ箱を置かないように注意しましょう。どうしてもスペースがない…という場合は、蓋つきのものを用意して、小まめに中のゴミを処分するようにしましょう。
まとめ
今回は、家と風水の関係を考えるうえで、玄関部分の風水に注目してさまざまなことをご紹介しました。
家と風水の関係を考えた時には、「どうすれば家全体の運気が上がるのか?」という視点で物事を考える方がほとんどで「風水的に良いとされる土地」や「風水的に良いとされる間取り」のことばかり注目されているように思えます。しかし、風水のことを考える時には、「何をすれば良いのか?」だけでなく「やってはいけないことは何か?」も知っておかなければいけないのです。
特に玄関は、良い気も悪い気も、すべての気が入ってくる場所となるため、ここでやってはいけないことを無視すると、家全体に悪い気が流れてしまう危険があるのです。記事内では、風水的に運気をあげるための玄関の工夫はもちろん、その逆の玄関風水でやってはいけないこともご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。