2025年も、カメムシが大量発生するのではないかと言われています。カメムシの発生量に関しては、冬の気温がどうだったか、スギ、ヒノキの花粉量、4月以降の気候(暖かいか?)などにより予測ができるとされていて、今のところ2025年も昨年同様にカメムシの発生数が多くなるのではないかと予想している方が多いです。特に、悠建設がある近畿地方に関しては、昨年と比較しても花粉の飛散量が非常に多かった、5月以降は気温が一気に上昇するといった予測がなされていることもあり、昨年以上にカメムシの被害があるのではないか…と考えられています。

カメムシによる被害については、手で触った時に強烈な悪臭を発生させることが有名です。ただ、この点については「触れなければ問題ないのでは?」と考えてしまう方も多く、カメムシ対策なんか特にする必要はないと強気の対応をしている人も少なくありません。しかし実は、カメムシは、ベランダなどに干している洗濯物に寄ってきて、取り込む際に一緒に家の中に侵入してしまう…なんて恐れもあるのです。さらに最悪の場合、洗濯物にカメムシが産卵し、それに気づかず卵を潰してしまうことで衣類が台無しになってしまう…なんてことも考えられます。

カメムシは、人間が気付かないうちに近づいてくる昆虫なので、その生態や家の中に持ち込まないための対策をしっかりと押さえておく必要があります。特に、洗濯物については、カメムシを招き入れてしまう大きな要因となってしまうので、この記事では洗濯物に関するカメムシ対策をご紹介します。

カメムシが洗濯物に寄ってくる理由とは?

多くのカメムシ類は、成虫や卵で越冬し、気温が上がると活動を始めます。今年も、4月の中旬ごろから一気に気温が高くなり、6~8月頃は、全国で平年よりも気温が高いと予想されているため、カメムシの発生量の増加や発生時期の長期化につながる恐れがあるとされています。

一般住宅でのカメムシ被害については、壁に大量のカメムシが止まっていて美観を壊す…以外にも、いつの間にか家の中にカメムシが侵入し、何かの拍子で悪臭を放ってしまう…などの問題が考えられます。そして、家の中にカメムシが侵入する経路では、洗濯物に寄ってきたカメムシに気付かず、一緒に取り込んでしまう…、洗濯物に産卵されてしまう…というものがあります。

それでは、カメムシはなぜ洗濯物に寄ってくるのでしょうか?また、洗濯物に産卵する理由も気になってしまいますよね。ここでは、カメムシと洗濯物の関係性について解説します。

カメムシが洗濯物を狙う理由

カメムシが大量発生する時期になると、ベランダなどに干していた洗濯物にカメムシが付着している…なんてケースが増えてきます。それでは、カメムシは、なぜ人が近くに存在する住宅に寄ってきて、洗濯物に付着するのでしょうか?実は、以下のような理由から、洗濯物はカメムシにとって良好な隠れ場所となるのです。

  • 天敵から身を隠すことができる
  • カメムシにとって適度な温度と湿度が保たれる
  • カメムシが好む臭いを発している

カメムシが洗濯物の陰に付着するのは、天敵から身を隠すことができるというのが大きな理由です。洗濯物を干す際は、風通しを良くするため、ある程度の間隔を開けますが、カメムシなどの昆虫を餌とする鳥にとっては、狭すぎる隙間となるのです。そのため、カメムシからすれば、天敵から姿を隠せる、攻撃されにくくなるという点で、洗濯物が身を守るために最適な場所となるのです。

このほか、洗濯物の周辺は、温度や湿度が安定している点もカメムシに好まれる条件となります。カメムシは、卵の発育に適した温度と湿度を感知して、産卵場所を選ぶと言われているのですが、洗濯物が正にその条件を満たしているのです。このほか、柔軟剤の臭いがカメムシを誘引するという指摘もあり、甘い香りの柔軟剤を使用しているお宅の場合、カメムシを惹きつけやすいとされているので注意しましょう。

カメムシが産卵場所として洗濯物を選ぶ理由

カメムシは、洗濯物に付着して家の中に侵入するだけでなく、何と洗濯物に産卵するケースも少なくないとされるのです。そもそもカメムシというのは、植物の汁を餌とする昆虫なのですが、多くのカメムシ類は越冬のため、秋ごろより暖かい場所に移動するという習性を持っています。一般住宅にカメムシが寄ってくるのは、この習性が大きな理由で、家の壁や洗濯物など、雨風を凌げる場所に卵を産み付け、子孫を残すという行動を行うのです。

カメムシは、日当たりや風通しが良い場所を好む昆虫で、そういった場所は洗濯物を干す場所としても適しているということから、ベランダや庭に干された洗濯物は、カメムシにとって格好の産卵場所とみなされてしまうのです。カメムシの産卵時期は、種類や地域によって多少異なりますが、一般的に、気温が下がり始めた秋ごろがピークとされているので、その時期は、洗濯物を取り込む際、卵が産み付けられていないかきちんとチェックするようにしましょう。カメムシは、一度に数個から数十個の卵をまとめて産む昆虫なので、卵に気付かず放置していると、家の中で卵がかえってしまう恐れがあります。

なお、カメムシは、産卵場所として白い色の洗濯物を好むと言われいるので、白い衣服やタオルは特に注意しましょう。カメムシが白い色を好むのは、以下のような理由があるからとされています。

  • カメムシは、暖かい場所を好むという習性があります。白い洗濯物の場合、太陽光を反射することで、その周辺が反射光により暖められることから、白いものの周りに集まると言われています。
  • カメムシは、さまざまな色の中でも、白色を際立たせて認識している可能性があるとされています。白色は、カメムシにとって魅力的な色と認識されているのか、他の色よりも寄り付きやすいそうです。

上記のような理由から、洗濯物の中でも、特に白色の物に注意ましょう。

洗濯物に産み付けられた卵の対処法について

ここまでの解説で、秋ごろになると、ベランダや庭に干している洗濯物にカメムシが寄ってきて、卵を産み付けられてしまう可能性があると分かっていただけたと思います。カメムシ自体がそこまで大きな昆虫ではありませんし、卵を産み付けられてもそれに気づくことはなかなか難しいです。また、洗濯物に昆虫の卵のような物があったとしても、どのような対処をすれば良いのか分からない…となってしまう人も少なくないと思います。

そこでここでは、洗濯物がカメムシの卵で被害を受けないようにするためのポイントをいくつかご紹介します。

洗濯物を取り込む際に卵がないか確認する

カメムシは、秋ごろより越冬のために産卵を始めます。したがって、気温が下がってくる時期は、洗濯物を取り込む際に、カメムシに卵を産み付けられていないかきちんと確認しましょう。

カメムシの卵は、種類によって形状や色が異なります。ただ、基本的に丸みのある形をしていて、円筒状や俵型などの卵を数個~数十個まとまった状態で産み付ける習性を持っています。卵の大きさは、数ミリ程度なので、慎重に確認しなければ見落としてしまう可能性があります。したがって、洗濯物を取り込む際は、一枚一枚の洗濯物をきちんとはたき、成虫を落としたうえで家の中に取り込み、すみずみまで卵がないかチェックするのがおすすめです。

なお、カメムシの卵は、洗濯物の縫い目やシワ、ポケットの中などに産み付けられることが多いので、その辺りを中心に確認するのも良いでしょう。

カメムシの卵を発見した時の対処法

洗濯物を確認した結果、カメムシの卵を発見できた時にはどのような対処をすれば良いのでしょうか?この場合は、素手で卵を除去するのではなく、以下のような方法で卵を除去しましょう。

  • ガムテープを利用する。卵が付着している部分に、粘着力が強いガムテープなどを貼りましょう。強く押すと卵がつぶれる可能性があるので、卵がくっつく程度に優しく抑えて、ゆっくりと剥がしてみてください。カメムシの卵は、洗濯物に強固に付着するわけではないので、意外に簡単に除去できます。
  • 産み付けられた卵の数が少ない場合、ピンセットなどを使って卵を除去しても良いです。ただ、力加減を間違えると、簡単につぶれてしまうので注意しましょう。

洗濯物に産み付けられたカメムシの卵は、上記のような方法で簡単に除去することが可能です。しかし、除去する際の力加減を間違ってしまうと、卵がつぶれてしまう可能性があります。カメムシの卵を潰したとしても、直ちに人体に悪影響が出るわけではないのですが、以下のような問題が生じる可能性があるので注意しましょう。

  • カメムシの卵を潰すと、成虫と同じような悪臭を放つことがあります。そのため部屋の中に悪臭が漂うという問題が発生するほか、洗濯物に悪臭がこびりついてしまう危険があるので注意しましょう。
  • 卵がつぶれた時、内容物が飛び散ってしまい、それが他の場所に付着することで新たな発生源になる可能性が考えられます。

洗濯物に付着したカメムシの卵を誤って潰してしまった時は、乾いた布で拭いた後、アルコール消毒をしましょう。なお、強い悪臭を放っている場合は、重曹やクエン酸を薄めた液で該当部分をふき、もう一度洗濯しなおしましょう。

洗濯物のカメムシ対策について

それでは最後に、洗濯物にカメムシが寄って来ないようにする、卵を産み付けられないようにするためのポイントについてご紹介します。

ここまでの解説で、カメムシが好む条件がある程度分かっていただけたと思うのですが、洗濯物のカメムシ対策は、カメムシが好む状況を作らないようにするというのが大切です。2025年も、大量のカメムシが発生すると予測されているので、洗濯をする際は、以下のような点に注意してカメムシを寄せ付けないようにしましょう。

洗濯物の干し方に注意する

カメムシが洗濯物によって来るのは、暖かい環境を求めているからです。先ほど紹介したように、カメムシは、気温が高い時期に活動的になる昆虫で、気温が下がる秋ごろから越冬できる場所を探します。洗濯物は、短時間で乾かすことを目的に、日当たりが良く風通しも良い場所に干したいと誰もが考えますよね。しかし、この条件を満たした場所は、カメムシにとっても好ましい条件となるため、洗濯物に付着して産卵されてしまいやすくなるのです。

カメムシのこの特性を理解しておけば、洗濯物にカメムシが寄り付きにくくする方法が分かっていただけると思います。要は、直射日光が当たらない日陰を選べば、カメムシが好む暖かい環境にならないため、洗濯物にカメムシが付着する…という事態を予防することができるのです。

なお、陰干しは「絶対にカメムシを防げる」という条件ではないので、その点は注意しましょう。カメムシを家の中に入れたくない…と考えるなら、カメムシの産卵時期は室内干しにすると良いでしょう。

ベランダの掃除をしてカメムシが隠れる場所を無くす

近年では、ベランダーにプランターを並べ、家庭菜園を楽しむ…なんて方が増えています。しかし、ベランダ菜園は、カメムシなど、昆虫が寄ってくる理由になるので注意が必要です。ベランダで植物を育てている場合、カメムシを始めとして、コバエやアブラムシ、ハダニなどさまざまな害虫が寄ってきます。

そして、ベランダは、洗濯物を干す場所としても利用されるわけなので、それらの虫が洗濯物に付着し、家の中に持ち込まれてしまう可能性が高くなるのです。

なお、落ち葉などはカメムシのエサとなるので、カメムシなどの昆虫を寄せ付けないためには、ベランダの掃除を小まめにすることが非常に大切です。また、ベランダに物が多いと、カメムシなどが隠れる場所もたくさんできてしまうため、ベランダで大量発生させてしまう…なんてことになりかねません。可能であれば、ベランダは、カメムシの隠れ場所となるような隙間を少なくすることが対策としても重要です。

忌諱剤の設置など、カメムシが嫌う環境を作る

洗濯物を干す場所としているベランダなどは、基本的にカメムシが好む環境になりがちです。したがって、カメムシの対策を行いたいと考えた時には、この「カメムシが好む環境」を逆にしてあげると良いのです。例えば、以下のような対策が有効です。

  • カメムシには、好む植物があるのと同様に、嫌う植物もあります。カメムシは、ミントやハッカ、ラベンダーなどのハーブを嫌うとされているので、これらを洗濯物を干す場所に置いておくことで、カメムシが寄り付きにくくなるとされています。
  • 照明は、さまざまな昆虫を集めてしまうことは皆さんもご存知だと思います。ベランダなどに灯りをつけていると、カメムシを誘引してしまうことがあるので、必要のない時は照明を消すようにしましょう。
  • 忌諱剤を使ってカメムシを寄せ付けないという方法もあります。カメムシに対する忌諱剤は、ドラッグストアなどで市販されているものを購入するのが最も手っ取り早いです。なお、カメムシの忌諱剤は、自作することも可能です。ただ、忌諱剤の材料が一般家庭に必ずあるとは言えないものなので、個人的には市販の忌諱剤を買ってくることをおすすめします。

上記のような方法で、カメムシが嫌う環境を作れば、安心して洗濯物を干せるようになるでしょう。

まとめ

今回は、近年、住宅周りの問題としてテレビのニュースなどでも取り上げられるようになったカメムシの大量発生について、洗濯物との関係を中心に解説しました。

カメムシの大量発生については、農作物の食害などが大きな問題と捉えられていますが、住宅周りのことを考えても、かなり嫌われる昆虫といえます。カメムシは、単に見た目が苦手…という方もいますが、触れた時には強烈な握手を放ち、さらにその悪臭がなかなか取れない…という問題を引き起こすのです。そしてこのカメムシは、越冬を目的に住宅に寄ってきて、気付かないうちに家の中に侵入されてしまうことがあるので注意が必要です。

特に、庭やベランダに干す洗濯物は、カメムシにとって格好の隠れ場所、産卵場所となるので、家の中にカメムシを入れたくないと考えるなら、毎回小まめに確認しなければいけません。悠建設は、カメムシが寄ってきにくい住宅を建てるための工夫なども行っており、確かな実績も持っています。住宅のカメムシ対策を考えている方がいれば、お気軽にお問い合わせください。

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