
新築一戸建て住宅の建築を考えた時には、家族がリラックスできる屋外空間を実現したいと、庭やベランダへの人工芝の設置に憧れているという方が多いと思います。人工芝を敷いておけば、小さなお子様が庭で転んだとしても、大きなけがに発展する可能性が低くなりますし、天気の良い日には寝転がることも出来るようになります。もちろん、お庭に芝が敷かれているという状況は、視覚的にもリラックス効果が期待できると思いますし、人工芝であればメンテナンスも楽になるという点が大きな魅力です。
しかし、実際に人工芝の設置を検討し、インターネットで調べてみた時には、「人工芝はやめた方がいい」「人工芝のデメリットはゴキブリが寄ってくること」など、少し不安に感じてしまうような情報を見かけることも多いです。特に、人工芝のせいでゴキブリを誘引するという情報に関しては、虫嫌いの人にとって致命的な問題と言えるでしょう。実際に、こういった情報を見て、自宅への人工芝の設置を諦めてしまったという方も多いのではないでしょうか?
そこでここの記事では、庭やベランダに人工芝を施工したとすると、本当にゴキブリを誘引してしまうのかについて解説していきます。また、ゴキブリの発生を防止するための対策などについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「人工芝が原因でゴキブリが発生する」は本当?
それではまず、「人工芝のデメリットはゴキブリ」という情報について、本当に人工芝を施工することでゴキブリを発生させてしまうのかについて解説していきます。
答えから言ってしまいますが、「庭やベランダに人工芝を敷くとゴキブリが発生しやすくなる」という情報については、正確ではありません。そもそも、人工芝の素材は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの化学物質であり、これらはゴキブリのエサにはならないため、「人工芝がある」ということを理由にゴキブリが寄ってくることはないのです。つまり、人工芝は、科学的にもゴキブリの誘引物質ではないということです。
それでは、人工芝を庭やベランダに施工すると、ゴキブリが寄ってくる、発生すると言われるのはなぜなのでしょうか?ここでは、人工芝とゴキブリの関係性について考えてみたいと思います。
人工芝そのものがゴキブリを誘引するわけではない
上述の通り、人工芝は、ポリエチレンやポリプロピレンなどが素材となって作られているため、ゴキブリのエサにはならないので、人工芝そのものにゴキブリを引き寄せる効果などはありません。むしろ、専門業者が正しく施工した人工芝は、ゴキブリを始めとしたさまざまな昆虫が敷地内に誘引されることを防いでくれる効果があるとまで言われています。また、専門業者が施工する人工芝は、隙間が少なく、表面も滑らかな仕上がりになるため、ゴキブリが隠れにくい環境となり、虫側から見ても好ましい環境とはならないのです。
ただし、「人工芝を設置したから庭にゴキブリなどの昆虫が来なくなる!」という認識も間違いです。先程紹介した通り、人工芝そのものはゴキブリにエサには当たらないため、これが原因となってゴキブリを誘引するといったことはありません。しかし、お庭やベランダが以下のような状況に陥った場合、人工芝の存在に関係なく、ゴキブリなどの害虫が寄ってきてしまう可能性があるのです。
- 人工芝の下に湿気が溜まっている(水はけが悪い)
- 人工芝の隙間に落ち葉や食べかすが溜まている
ゴキブリは、高温多湿の環境を好む昆虫なので、上記のように、エサとなるものが存在していて、ゴキブリにとって過ごしやすい環境が作られると、敷地外から侵入してきてそこで繁殖する可能性があります。
ただ、これについては、人工芝そのものが問題となっているわけではなく、あくまでも施工方法やメンテナンス不足が原因になっているだけなのです。正しい施工が行われていれば、人工芝を施工したことで水はけが悪くなることなどありませんし、本来はゴキブリが好む環境にはならないのです。しかし、適切な下地処理がなされていなかった、定期的な清掃を怠ったなど、人工芝周辺の衛生環境が維持できなかった場合、ゴキブリを誘引してしまう可能性があります。
「人工芝のデメリットはゴキブリ」という情報については、専門業者に施工を依頼するのではなく、DIYで正しく施工できていなかった…ということが原因になっている可能性が高いと考えてください。自分で人工芝の施工をする際も、しっかりと正しい施工を行えば、ゴキブリが発生しやすい環境になることを防ぐことができるのです。
人工芝にゴキブリを引き寄せないための注意点
前項でご紹介したように、「人工芝のデメリットはゴキブリ」という噂は間違っていると言えます。人工芝そのものがゴキブリを引き寄せているわけではなく、あくまでも施工方法やメンテナンス不足が原因で害虫を誘引してしまっているのです。
それでは、庭やベランダに人工芝を敷設したという住宅で、ゴキブリを誘引しないようにするために注意すべきポイントもご紹介していきます。ここでは、人工芝の使い方に関する注意点を中心にご紹介します。
小まめな清掃と乾燥
先程紹介した通り、ゴキブリの発生は、人工芝そのものが原因なのではなく、エサとなる物を放置している、ゴキブリが好む高湿状態が保たれていることが要因です。逆に考えると、人工芝周辺について、小まめに掃除をしてゴキブリのエサとなる物を除去する、しっかりと乾燥させるといった対策を行えば、庭やベランダでゴキブリが発生する確率を低減することができます。
人工芝のゴキブリ対策としては、以下のような事を心がけるようにしましょう。
- 週一回程度は掃除機などを使って表面を掃除する
- 月一回程度は下地の清掃も行う
- 雨や水洗いした後はしっかりと乾燥させる
ゴキブリは、人工芝をエサと看做しているのではなく、隙間に溜まっているゴミや食べかすを目指して寄ってきています。したがって、小まめにエサとなる物を除去することが非常に重要です。なお、ベランダに人工芝を敷いている場合、端や排水口周り、物陰は重点的に掃除をしましょう。この他、芝を水洗いした、雨が降った後は、扇風機で風を当てる、日光を利用するなどしてしっかりと乾燥させましょう。湿った状態を放置すると、ゴキブリの繁殖を招くほか、カビの発生も考えられます。
水はけの良い環境を作る
これは、人工芝を施工する時の注意点です。施工に関するポイントは後述しますが、ゴキブリ対策のことを考えると「水はけが良い」という環境を作り出すことが非常に重要です。
例えば、ベランダに人工芝を設置する場合、コンクリートの床面にそのまま人工芝を敷くという方法より、すのこや水はけマットを敷いてその上に人工芝を設置する方が、湿気が溜まりにくくなるのでゴキブリの発生を防止することが可能です。
また、庭に人工芝を敷くときには、雨が降った際も速やかに水が排水されるよう、人工芝の下の傾斜などもきちんと計算しなければいけません。DIYで人工芝を設置した場合、この辺りの計算が不十分で、湿気がこもりやすい環境となり、ゴキブリが発生しやすくなることがあるのです。
人工芝施工時のポイントについて
それでは、ゴキブリ対策のことも考慮して人工芝を施工する時のポイントについて解説していきます。人工芝の施工については、専門業者に依頼するという方法以外にも、ホームセンターなどで材料を集め、自分で設置するという方法も考えられます。特に、DIYによる施工は、湿気対策が不十分になりがちなので、以下のようなポイントに注意しながら施工を進めましょう。
人工芝の材質に注目
人工芝にも、さまざまな種類が存在しています。そして、人工芝周りの湿気を考慮した時には、材質に注目して製品選びをする必要があります。なお、水はけ性能に関しては、どの製品を選択しても大きな違いはありません。
ホームセンターなどでも販売されている人工芝は、「ナイロン製」や「ポリプロピレン製」、「ポリエチレン製」など、いくつかの種類が存在します。そして、ゴキブリ対策のことを考慮した時には、この中でもナイロン製の人工芝は避けた方が良いとされているのです。
先程紹介した通り、水はけ性能に関しては、大きな問題はないのですが、ナイロンは素材的特徴として吸水性、保水性が高いです。そのため、雨が降った時や水洗いした時には、どうしても水はけが悪くなる可能性があり、湿気が長時間残りやすくなるのです。
排水孔の有無を必ず確認する
庭に施工することを目的に販売されている人工芝の場合、雨が降った時でも、速やかに排水できるよう「排水孔」が空けられています。雨や水洗いした時には、この穴から地面に水を流すように設計されていて、芝表面に水が長時間残り続けることを防ぐ仕組みになっています。
排水孔に関しては、ほとんどの製品で空けられているのですが、DIY用などとして販売されている安価な人工芝の場合、排水孔が用意されていない製品があるのです。間違って、このタイプの製品を購入、設置してしまうと、人工芝表面に水が残りやすくなり、高湿状態が保たれることでゴキブリの発生やカビの繁殖を招く恐れがあります。
人工芝を選ぶときには、排水孔が空けられているのかを必ず確認し、穴がある製品を購入しましょう。
地面の勾配について
人工芝の施工に限りませんが、地面に落ちた水を速やかに排水する目的で、「排水溝」や「排水マス」に向けて傾斜を付けなければいけません。この傾斜によって、雨やホースで水撒きした際、人工芝表面の水がきちんと排水されるようになるのです。
この勾配の設計が甘くなると、水はけが悪くなり、湿気によるゴキブリの誘因を招く原因になります。
下地の材料について
人工芝を施工する際には、もともとの地面の上に下地材を敷きます。当然、人工芝の上に降った雨水などは、排水孔を通って下地まで流れてきます。つまり、人工芝部分の水はけについては、この下地材の種類にも注意する必要があるのです。
例えば、人工芝の下地材として、コンクリート材質の物を採用すれば、水はけの良い状態を作り出すことができます。ただ、コンクリートを使って下地を作る場合、施工が大掛かりになり、費用が掛かってしまいます。
そのため、DIYで人工芝を施工する際には、山砂と呼ばれる材料を下地に敷き、その上に人工芝を設置していくケースが多いのです。山砂は、排水力が高いため、水はけの観点では大きな問題はありません。しかし、山砂は中に有機物を含んでいて、虫のエサとなる雑草類が繁殖してゴキブリを誘引してしまう可能性があるのです。DIYで人工芝を施工する場合、コンクリート材質の下地材を手に入れることが難しいです。そのため、ゴキブリ対策のことを重視したい方は、専門業者に施工してもらうのがおすすめです。
ちなみに、ベランダに人工芝を設置する場合は、コンクリートが下地となるため、基本的には新たな下地材は不要です。ベランダは、排水勾配などもきちんと計算されているためです。ただ、先ほど紹介た通り、乾燥のしやすさのことを考慮すると、人工芝の下にすのこなどを設置する工夫はおすすめです。
※下地の下に防虫シートを設置することで、虫を効率的に防げるようになります。
もともとの地面の排水性
当然のことですが、人工芝部分の水はけについては、もともとの地面の水はけの良さが影響します。人工芝の有無に関係なく、もともと水はけが悪い地面の場合、そのまま人工芝を設置すると、余計に水はけが悪くなってしまう可能性があります。
そのため、もともとの地面の状態が悪いという場合、人工芝を設置する前に、水はけを改善する工夫が必要になると考えてください、例えば、地面に砕石を敷いたうえで下地材を施工し、その上に人工芝を設置するなどといった方法がおすすめです。
防虫対策も有効
人工芝周辺のゴキブリ対策については、施工やメンテナンスの工夫以外も有効な対策があります。ここでは、ベランダやお庭への人工芝の設置を検討している方に向け、意外に簡単にできる防虫対策をいくつかご紹介します。
忌避剤を使う
最もわかりやすい方法は、ゴキブリ用の忌避剤を散布するという方法です。天然成分の忌避剤を利用すれば、ペットや小さなお子様も安心して遊ばせることが可能です。
なお、忌避剤は効果がそこまで長く続かない点は注意が必要です。一般的に、夏場は2週間程度、冬場は1カ月程度しか効果が持続しないとされています。また、雨などが降ると、忌避剤そのものが洗い流され、効果がさらに短くなる可能性があります。
したがって、忌避剤を用いたゴキブリ対策は、定期的に散布し続けなければならないと考えておきましょう。
ゴキブリが嫌う天然ハーブを置く
考え方については、上述した忌避剤と同じです。ゴキブリが嫌う成分を置いておくことで、寄って来なくさせるという方法になります。
実は、ミントやローズマリーなどのハーブは、ゴキブリが嫌う成分が含まれているとされます。そのため、ベランダなどに置いておくと、人工芝を設置して湿気が溜まりやすくなったとしても、ゴキブリが寄ってきにくくなるのです。ハーブは、化学薬品の忌避剤よりも安全性が高いですし、小さなお子様やペットがいるご家庭にはおすすめです。
人工芝のゴキブリ対策としてハーブを利用する場合、以下のような使い方がおすすめです。
- 窓際や排水口近くに鉢植えのハーブを置く
- 乾燥ハーブを小さな布袋などに入れ、人工芝のフチに置く
- 精油を水で薄め(10倍程度に希釈)、定期的に吹きかける
精油を吹きかける方法は、雨などによって成分が流されるので定期的に再散布しなければいけません。
まとめ
今回は、お庭やベランダなどに人工芝の設置を考えている方に向け、多くの方が気になる噂の答えをご紹介しました。
庭やベランダへの人工芝の設置は、ゴキブリを誘引してしまうという噂を見聞きしたことがあるという人が多いと思います。そのため、自宅に人工芝の設置を希望しても、「ゴキブリが来ると嫌だ…」とあきらめてしまう方が意外に多いです。
ただ、記事内でご業界した通り「人工芝のデメリットはゴキブリ」という情報については、少し解釈が間違っている部分があるので注意しましょう。人工芝は、化学製品であるため、これそのものがゴキブリのエサになることはなく、人工芝を敷いたということが原因でゴキブリが寄ってくることはないのです。ただ、正しく施工できていなかった、日々のお手入れが不十分であった場合には、ゴキブリなどの害虫を引き寄せてしまう可能性があるので、その点は注意しましょう。
お庭への人工芝の設置は、小さなお子様を安全に遊ばせることができるようになるなど、さまざまなメリットがあります。ただ、小まめなお手入れや害虫対策は欠かせないので、その点は意識しておきましょう。
