一戸建てや一軒家と聞くと、子育て世帯など家族のプライバシーを確保するためにはそれなりの部屋数が必要という人たちが住むもので、一人暮らしの方が選ぶ住まいの形ではないと考える方が多いのではないでしょうか?実際に、一人暮らしの間は、賃貸のマンションやアパートで暮らしていて、結婚を機に、子供が生まれるのを機に一戸建て住宅を購入し、引っ越しするというパターンが一般的だと思います。
ただ、一人暮らしの方だからと言って、一軒家に住んではいけないという法律などありませんし、広い空間を確保できることから、日常生活の面でも快適で十分な収納スペースを確保することができるなど、単身の方にとっても大きなメリットになる住まいの形になるのは間違いないのです。さらに、自分で購入した物件であれば、将来的に優良な資産になるという点も大きな魅力になるはずです。
そこで今回のコラムでは、一人暮らしの方が一軒家に住む場合のメリットなどについて解説したいと思います。なお、当然「一人暮らしで一軒家」という選択には、いくつか見逃せないデメリットもあるため、その辺りもまとめてご紹介します。
一人暮らしの人が一軒家に住むメリット
それではまず、一人暮らしの方がマンションやアパートでなく、一戸建て・一軒家を選ぶメリットについて解説します。
音や振動でトラブルになる可能性が低い
マンションやアパートなど、集合住宅に住む場合と比較すると、一軒家の場合は日常生活の中で振動や騒音問題に悩まされる心配が少ない点がメリットです。
集合住宅は、壁一枚、床一枚で各家庭の生活空間を区切っているだけです。そのため、上下左右の非常に近い位置に他の人が住んでいることで、他人の生活音に悩まされる、その逆に自分が出す音で苦情が出るといった問題を抱えやすいです。
一軒家の場合、近隣住宅とはそれなりの距離が離れていますし、通常の生活音程度であれば騒音トラブルのような大きな問題に発展する可能性は低くなります。音や振動の問題は、自分が生じさせるものでも隣家が生じさせるものでも非常に大きなストレス源になるため、この問題を気にしなくても良くなるというのが非常に大きなメリットになると思います。
空間を広々と使用できる
一戸建ての大きなメリットとしては、集合住宅に住むことと比較した場合、生活スペースを広く取れる点があげられます。一人暮らし向けのアパートやマンションの場合、1Kや1R、1DKと言った最低限の生活スペースが確保された間取りの物件が多くなります。これが、一軒家の場合、平屋などでも2LDK以上の間取りがメインとなります。
生活空間が広くなれば、日常生活も空間を広々と使用することができるようになりますし、部屋数に余裕がある物件を選べば、テレワーク用のワークスペースとして利用する、趣味用の部屋として使用することも可能になります。さらに友人を呼んでホームパーティーを楽しむことも出来るなど、プライベートを充実させやすいという点が大きな魅力になります。
管理組合や管理規約など細かな制約が少ない
一軒家に住むという選択の場合、集合住宅に住むときのような細かな決まりごとに悩まされなくても良いという点をメリットにあげる方は多いです。例えば、分譲マンションの場合、管理組合への加入義務がありますし、多くの方が同じ物件内でトラブルなく生活するための管理規約などが設けられています。管理規約では、共用スペースの補修は当然として、自分が購入した物件の専有部分にまで細かなルールが設けられているのです。例えば、自宅のリフォームをしたくても、管理組合の許可なしに進められないとか、防音工事などの特定のリフォーム工事を認めてもらえない、楽器の演奏やペットの飼育が禁止されるなど、さまざまな制約が設けられている場合があるのです。
これが、自分で購入した一軒家の場合、このような細かな制約に悩まされることはありません。もちろん、楽器の演奏やペットの飼育については、近隣住人に音で迷惑をかけないようにしなければならないなど、一般常識的な制約はあるのですが、防音工事などで自由に対処することが可能です。一軒家の場合、そこに住む人の理想の生活を実現しやすいという点も大きなメリットになるでしょう。
ちなみに、一軒家の場合、管理組合への加入義務はありませんが、町内会や自治会などへの加入を求められる場合があるのでその点は注意しましょう。
家賃の支払いがない
一軒家を購入しそこに住むという選択の場合、賃貸とは異なり、毎月の家賃負担がなくなるという点もメリットになるでしょう。賃貸住宅の家賃の支払いは、いくら支払い続けたとしても、その部屋を自分の物にすることはできません。
一軒家の場合、住宅ローンの支払いが発生する可能性がありますが、住宅ローンはいずれ完済することができ、最終的には自分の資産として物件を残すことが可能です。特に、現役中に住宅ローンの支払いを完了させれば、老後の家賃負担を心配しなくて済むという大きなメリットにつながります。
自由にリフォームができる
自分が所有する一軒家の場合、外装や内装デザインについて、自分の好みに合わせてカスタマイズすることが可能です。賃貸や分譲マンションの場合、共用部はその建物に住む全員のものなので、デザインや使い勝手が気に入らないと思っても自分の意思でリフォームすることは難しいです。一軒家の場合、管理規約などの細かな制約がないので、自分の好みや趣味に合わせて自由にできる点は大きなメリットでしょう。
なお、一軒家でも購入するのではなく借りるという選択もあるのですが、一軒家の賃貸の場合、集合住宅よりもリフォームを認めてもらいやすいので、コストさえ目を瞑れば自由度は高いです。
最終的に資産になる
一軒家を購入して住むという選択の場合、一人でそこに住み続けるという選択以外にも、将来的に売却したり賃貸住宅にするという選択肢が出てきます。特に、一軒家で一人暮らしをするという方の場合、物件の取り扱いについて家族と相談する必要もありませんし、自分のタイミングで自由に売却したり、賃貸に出すという判断を下すことが可能です。
もちろん、住み続けていたとしても、住宅ローンが完済すれば自分の資産にもなります。実物資産の不動産はインフレに強いとも言われていて、慎重に物件選びを進めれば、優良な資産になってくれるはずです。
一人暮らしの人が一軒家に住むデメリット
次は一人暮らしの方が一軒家を選ぶ場合のデメリットについてです。当然のことならが、一軒家での一人暮らしは、メリットばかりではなくデメリット面もたくさん存在します。現在、「一人で一軒家に暮らすのはありなのかな?」と考えている方は、メリット面だけを見るのではなくデメリット面もしっかりと認識しておきましょう。
修繕費などで維持費がかさむ
一戸建てのメリットとしては、分譲マンションのような修繕積立費を支払う必要がないという点をあげる方がいるのですが、これは間違いです。自己所有の一軒家の場合、管理費や修繕積立費を第三者に支払う必要がないのは確かです。しかし、一軒家が「修繕の必要がない」という意味ではなく、そこに住む人の責任のもと、適切なタイミングで建物の修繕を行っていかなければならないのです。
例えば、外壁や屋根の塗装工事や、内装クロスのやり替え、雨漏り点検に修理、住宅設備の入れ替えなど、建物の維持管理を自分で行う必要があります。当然、何らかの修理工事やメンテナンス工事が必要になった際には、それに応じた費用が必要になりますので、家の維持費は高くなってしまいます。また、通常一人暮らしの方が住む物件と比較すると、一軒家の方が居住スペースが広くなるため、修繕が必要になる箇所が多くなり、コストもかさんでしまいます。その上、「いつ、どのような修繕を、どの業者に頼むのか?」についても、自分自身で判断しなくてはならないので、手間も時間もかかります。
つまり、一軒家で生活するという選択は、家の維持・管理の費用がどうしてもかさんでしまう点が大きなデメリットです。ちなみに、一軒家を借りるという選択をした場合、居住スペースが広くなる分、家賃が高くなるケースが多いのでその点も注意しましょう。
固定資産税などの税金が課せられる
賃貸ではなく、一軒家を購入して一人で暮らすという選択の場合、固定資産税や都市計画税など、税金が課せられるという点もデメリットと言えます。
なお、賃貸住宅に住んでいる方の場合、固定資産税や都市計画税などの税金の支払いがないというわけではありません。支払い自体は、物件オーナー様が行っているのは確かですが、家賃の中にこれらの税金負担分が含まれていると考えれば、「賃貸は固定資産税の支払いはない」とも言えないのが実情です。ただ、固定資産税とという特定の名目で支払うことがないため、「税金の支払いをしなければいけない」という印象を持たなくて済むためストレスにはならないでしょう。
光熱費が高い
一人暮らしの方が一軒家を選択する理由は、居住スペースを広くとれるからというのが大きな理由だと思います。賃貸の場合、1Kや1DK、1LDKと言った間取りが一人暮らしの方に選ばれやすいですが、わざわざ一軒家にするということは、何らかの理由で部屋数を多くしたいと考えているのだと思います。
注意が必要なのは、部屋数が多い家に住むということは、その分、電気を使う部屋が多くなるため、単身用の賃貸物件に住む場合と比較すると、電気代が高くなってしまいます。特に、夏場などは、複数の部屋でエアコンをつけるなんて生活になるため、びっくりするような電気代の請求が来るようになります。さらに、一軒家の場合、部屋自体も広く作られているケースが多く、エアコンの消費電力が増えるのも電気代が嵩む理由となります。
なお、一軒家の場合、太陽光発電を設置する、蓄電池を設置する、エコキュートを選ぶなどと言った工夫で光熱費削減を目指すことは可能です。
掃除が大変
光熱費が高くなる理由と同じですが、一軒家の場合は、居住スペース(部屋数)が増えるわけですので、必然的に掃除しなければならない場所も増えてしまいます。つまり、日々の掃除の手間がどうしても増えてしまう点がデメリットとされるのです。
こう聞くと「普段使っていない部屋は掃除しなくても良いのでは?」と感じる方もいますが、家は使わない方が傷むのが早くなると言われていて、掃除などを怠ると劣化が急速に進んでしまう可能性があるのです。これは、人が出入りせず掃除などを怠った場合、ホコリや害虫が溜まる可能性がある、適切な換気が行われないため湿気がこもるなどと言ったことが要因です。
家を長く良い状態で維持したいと考えると、使用頻度が低い部屋でも小まめに掃除してあげる必要があるなど、家の維持の手間がかかってしまうのです。
町内会や自治会への加入など、近所づきあいがある
一軒家での生活を選べば、管理組合への加入義務がない点がメリットとご紹介しました。しかし、一軒家は管理組合などはないものの、地域によっては町内会や自治会への加入が求められるケースがあるのです。近年では、町内会や自治会へ加入したくない人が増えていて、ご近所トラブルに発展する…なんてニュースを見かける機会が増えていますが、場合によってはご近所さんとの関係が悪くなってしまうなど、大きなデメリット面になるのです。
町内会や自治会が活発に動いている地域では、定期的な街の清掃やお祭りの準備など、各種行事に参加しなくてはならなくなります。ただ、一人暮らしの場合、平日昼間の地域行事には参加することが難しくなるため、その埋め合わせを休日に求められる可能性もあります。一軒家を購入する際には、ご近所さんとの関係が非常に重要になるので、どういった年齢層の方が住んでいるのかもきちんと調べたうえで物件を決めましょう。
防犯面の不安が残る
集合住宅と比較した場合、一戸建ての明確なデメリットとなるのが、防犯面の弱さでしょう。比較的新しい物件であれば、アパートでもマンションでも防犯対策はしっかりと施されています。例えば、部外者の侵入を防ぐためのオートロックや監視用の防犯カメラは当たり前に設置されるようになってしますし、24時間体制で管理人が常駐するような物件も増えています。また、同じ建物内に色々な人が住んでいるわけですので、他の部屋の住人の目や耳が防犯対策となり、犯罪が起こりにくくなります。何らかの危険があった際でも、大声を出せば他の部屋の住人に通報してもらうことができるでしょう。
一方、一軒家の場合、こうした防犯対策は最初から施されているのではなく、必要に応じて住人自らが追加していく必要があります。最近では、一軒家でも防犯カメラシステムや防犯ガラス、窓シャッターなどの防犯対策が行われるようになっていますが、当然これらの対策をするためにはコストがかかってしまいます。
一戸建ての場合、自宅の防犯に関しても、自分自身の責任で行わなければならず、万全な体制を作るにはかなりのコストがかかる点がデメリットでしょう。特に、女性の一人暮らしの場合、安全面を考え警備会社との契約などが望ましいですが、そのためにはかなりの費用がかかってしまいます。集合住宅の場合、最初から防犯が重視された物件を選ぶことで、費用をかけずに安全を確保できます。
住んでみると「寂しい」と感じる人もいる
これは人それぞれ感じ方が違うので、全員にとってのデメリットとまでは言えません。ただ、どのような方であっても、一軒家で一人暮らしをすると一度は「寂しい」と感じる可能性があると思います。
一軒家で一人暮らしをするという方の場合、その前に賃貸物件で一人暮らしの経験があるという方がほとんどです。そのため「一人で生活するのには慣れているから、寂しいとは感じないのでは?」と考えてしまうかもしれません。しかし、一軒家での一人暮らしは、皆さんが想像している以上に孤独感を感じる可能性が高いのです。
なぜなら、単身用の賃貸物件と比較すると、一軒家は居住スペースが一気に広くなるのが要因です。アパートやマンションで生活している際は、部屋もそこまで広くありませんし、他の部屋からの騒音なども聞こえてくるため、寂しいと感じる機会は少ないです。しかし、一軒家の場合、広い部屋にポツンと自分だけが存在するという空間になり、音などが異常に響いてしまうことで寂しく感じてしまう…なんて方がいるのです。特に、家と家の距離が離れている地方都市等は、ご近所さんの物音なども聞こえてこないことから、なおさら寂しく感じる…なんてことがあるようです。「自分は寂しがり屋だ…」と思う方の場合、周囲に人の気配を感じることができる集合住宅の方が適しているかもしれませんね。
一軒家での一人暮らしを検討中の方が注意したいポイント
ここまでの解説で、一軒家での一人暮らしに存在するメリットとデメリットをある程度理解していただけたと思います。当然のことですが、「一軒家で一人暮らしする」という選択肢には一長一短があります。
それでは、実際に一軒家での一人暮らしを検討した場合に注意すべきポイントについてもいくつかご紹介します。
平屋と二階建てならどっちが良い?
一人暮らし用の一戸建てについては、多くの方が「平屋の方が良い」というイメージを持っているのではないでしょうか?実際に、インターネットでの検索キーワードとしても、一人暮らし用の一戸建てに関しては平屋について検索する方が多いです。それでは、実際に一人暮らし用の一戸建ての場合、平屋の方が良いのでしょうか?
これについては、住む人の状況や要望などによって変わるため、一概には何とも言えないのですが、特別な理由がない限りは「平屋よりも2階建てを選ぶのがおすすめ」というのが答えです。実は、同じ延床面積の一戸建てを建てる際、平屋と2階建てのコストでは、基礎の量が多い分、平屋の方が割高になってしまうケースが多いのです。また、2階建てであれば、吹き抜けを作り開放感を得る工夫を凝らしたり、ゲスト用の宿泊部屋を用意するだけの部屋数を確保できるなどのメリットが得られます。また、敷地を有効に使うという面でも、2階建ての場合は、十分な居住スペースを確保しながら、建物以外の敷地に駐車場や庭を設けるなんてこともできるようになります。
なお、年配の方など、バリアフリーを考慮した終の棲家を作りたいといった要望の場合は、階段のある2階建てではなく平屋がおすすめです。
中古の一軒家を購入する場合、築年数や設備の年式を確認
一人暮らし用の一軒家を入手する場合、家族の要望など関係なく自分の希望に見合う物件を探せば良いため、コストを抑えるために中古物件を選びたいと考える方も多いです。新築の場合は、イニシャルコストが高くなりますし、戸建て賃貸の場合は同エリア内の集合住宅よりも家賃が高くなるケースが多いからです。
実際に、ある程度築年数が経過した中古物件の場合、物件入手時のイニシャルコストを抑えることが可能です。ただ、実際に住み始めるためには、各所のメンテナンスのため、リフォームをしなくてはならず、その部分の費用がかさんでしまうことになります。
特に注意したいのが、現行の耐震基準を基に建てられた家かどうかというポイントが一つです。現行の耐震基準は「新耐震基準」と呼ばれていて、1981年6月1日以降に建てられたかどうかが大きな境目になります。1981年以降は、震度6強から7程度の地震でも建物が倒壊しないことが基準となっており、地震への安全性が高くなっているのです。ただ、この耐震基準については、2000年6月1日以降に建築確認を受けているかが、最も重要なポイントになります。というのも、1981年に改正された耐震基準は、2000年6月に再度見直しが行われていて、現在、家に求められている耐震性は「2000年基準」と呼ばれる耐震基準なのです。ちなみに、2000年6月に行われた見直しは、木造住宅に求められる耐震性が大幅に改正されています。
この他、中古住宅の場合、給湯器や床暖房、再エネ設備など、設置されている住宅設備の年式も確認しなければいけません。日常生活に必須の設備について、耐用年数を過ぎている設備ばかりだと、住み始めてからどんどん故障が発覚して、設備の修理や交換に多額の費用がかかってしまうことになります。
適切な広さ、間取りの物件か?
一戸建てに限らず、マンションやアパートなどの集合住宅でも、物件の広さや間取りが自分のライフスタイルにあっているかどうかを、慎重に確認しなければいけません。
一軒家での一人暮らしの場合「どうせ一戸建てを選ぶなら広ければ広い方が良い!」と考えてしまう方も多いです。しかし、ライススタイルに見合わない広すぎる物件を選んだ場合、使わないのに掃除しなければならない、余計な光熱費ばかりかかる、メンテナンスを怠ったことで雨漏りが…などと言った問題に発展する恐れがあります。また、必要以上に部屋がある家の場合、余計なスペースにお金を支払うことになるわけですので、コストパフォーマンスの面でも良いとは言えませんよね。
どのような物件探しの場合でも、現在の自分のライフスタイルと、将来目指しているライフスタイルを具体的にイメージして、最適な広さ・間取りの物件を選ぶようにしましょう。
一人暮らしの方が一軒家を住まいにする方法について
それでは最後に、一軒家を入手するための方法についても解説します。「一軒家で一人暮らしをする」と聞くと、戸建て住宅を購入するのが唯一の方法と考える方が多いですが、意外にも一軒家を住まいにする方法は複数の手段があるのです。
ここでは、主な方法とそれぞれの特徴を簡単にご紹介します。
建売住宅を購入する
一つ目の方法は、既に竣工済みの一戸建てを購入するという方法です。この方法の場合、完成した物件を実際に目で確認することができるため、そこでの暮らしを具体的にイメージすることが可能です。注文住宅のように、自分で一から間取りなどを考えることはできませんが、エリアなどに強いこだわりがない方の場合、多くの物件数があるため、自分の理想に近い物件を見つけることはそこまで難しくありません。
建売住宅を購入するという方法は、気に入った物件を見つけ、購入すればすぐに住み始めることができる点が大きなメリットです。
中古住宅を購入する
二つ目の方法は、中古住宅を購入するという方法です。建売の購入と同じく、実際の物件を目で確認することができるため、住んでから「イメージと違う…」といった失敗をしにくいのがメリットです。また、築年数が経過した物件なので、新築の建売住宅よりも安く販売されているので、イニシャルコストを抑えられることも魅力です。
ただその一方、住宅の劣化度によっては修繕・メンテナンスに多額の時間とコストがかかってしまいます。もちろん、新築建売を購入するよりは安く収まりますが、建物の寿命は短くなるので、総合的なコスパは新築よりも悪くなります。また、中古物件の場合、その物件の価値が低いため、住宅ローンが通りにくい点も注意が必要です。
注文住宅を建てる
3つ目の選択肢は、所有している土地や新たに購入した土地に、自分の理想となる一戸建てを建ててそこで暮らすという方法です。一戸建てで一人暮らしをしたいと考える方の場合、趣味や仕事の関係で、広い居住スペースを必要としていると考えられます。要は、一般的な一人暮らしの方が求める住まいの形ではなく、少し特殊な家を必要としているわけです。
このような方の場合、家を一から設計することができ、細かな部分まで自分の理想を詰め込んだ住まいを建てられる注文住宅という選択肢は非常に有効な手段と言えます。ただ、一人暮らし用の一軒家を入手するための方法としては、最もコストがかかる点に注意が必要です。
一戸建てを借りる
一戸建てに住むという場合でも、購入ではなく賃貸という選択肢があります。近年では、戸建て賃貸の人気が徐々に高くなっていて、都市部でも比較的見つけやすくなっています。ただ、大阪市内や東京23区内などの大都市圏の場合、賃貸物件市場ではまだまだアパートやマンションなどの集合住宅が中心なので、希望する間取りや広さの戸建て賃貸を見つけるのは少し難しいかもしれません。
戸建て賃貸は、居住スペースが広くなる分、その他の単身用物件よりも家賃が高くなります。また、戸建てでも自由にリフォームなどを施すことは難しいなど、購入するよりも制限が多くなる点に注意しましょう。「一軒家で一人暮らしが自分に最適なのか?」と迷っている方などが、一時的に生活する分には戸建て賃貸はオススメかもしれません。
一戸建てを譲り受ける
最後は、親が住んでいた家や親族の家で相続する人がいないなんて場合に、一戸建てを譲り受けるという方法です。この場合、物件の取得費が抑えられるため、自分の理想に合わせてリフォームするために費用を使える点が大きなメリットになります。
ただ、親や親族が住んでいた家を譲り受けることになるため、立地に関しては選ぶことはできません。
まとめ
今回は、一人暮らしの方が一軒家を選ぶ際のメリットとデメリットを中心にご紹介しました。一人暮らしの場合、生活のために必要となるスペースもそこまで広くないですし、一軒家ではなくアパートやマンションなどで十分だと考える方が多いと思います。
しかし、コロナ禍以降、テレワークなどの新たな働き方が日本国内でも一般化していて、騒音や振動に悩まされる可能性がある集合住宅ではなく、一軒家で生活したいと考える人も増えているとされているのです。もちろん、一軒家の場合、部屋数が多く居住スペースが広くなるため、集合住宅に住む場合と比較すると住居費は高くなってしまうと考えられます。しかし、「趣味のための部屋が欲しい」「仕事に集中できる部屋が欲しい」などといった要望を持つ方は、一人暮らしでも一軒家での生活は検討の余地があると思います。
一般的に、以下のような方は、一軒家での一人暮らしは向いているとされます。
- 在宅で仕事をしている方
- 自宅に友人など、ゲストを呼ぶ機会が多い方
- 掃除を特に苦としない方
- 部屋数が必要な方
テレワークが導入され、自宅で仕事をする機会が多いという方や友人を呼んでホームパーティなどを楽しむことが多いという方は、一軒家での一人暮らしが向いていると言えるでしょう。また、何らかのアイテムのコレクターをしている方など、モノを片付けるために部屋数が必要という方なども、将来的にアイテムが増えることも予想すると一軒家が向いていると言えます。