高温多湿が特徴の日本の気候は、家や部屋の湿気の多さがひどい…と悩む方が少なくありません。特に、5月末から7月にかけては、悪天候が続く梅雨を迎えることになり、家の中に湿気が溜まってしまうことで、カビやダニなどの繁殖に悩まされてしまう方が多くなります。湿気は、人が不快に感じる空間になるなどの問題もありますが、実は家そのものやそこに住む人にダメージを与える問題に発展する場合もあります。例えば、家の中に湿気が溜まってしまうと、カビの繁殖を招き、空気中にカビの胞子が飛散することでそれを吸い込んだ人の健康被害に発展するリスクがあるとされます。また、結露などが発生しやすくなり、家を構成する木材が水分を含んでしまうことで、シロアリの繁殖を招き、住宅そのものの強度が大きく低下する…などと言った問題に発展することもあるでしょう。

そこでこの記事では、日本国内に家を建てるなら絶対におさえておきたい、住宅と湿気の関係性や効果的な湿気対策、さらに新築時に取り入れることで湿気に悩まなくて済む家づくりの方法などをまとめてご紹介します。家族が安心して健康に暮らせる「健康住宅」を建てたいなら、家の湿気対策は絶対におさえておきたいポイントになるので、ぜひ参考にしてみてください。

家と湿気の関係性について

まずは家と湿気の関係性を知るため、一年の中で家の中に一番湿気が溜まりがちな時期がいつなのか、またどのような条件、場所に湿気が溜まりやすいのかについて解説します。家の中のどの部分に湿気が溜まりがちなのかを抑えておけば、効果的な湿気対策が可能になるはずです。

湿気が溜まりやすい時期はいつ?

日本は、高温多湿な気候なので、昔の住宅は「通気性が良くなる」ことを重視した家づくりが進められていました。また、住宅を構成する建材には、各所に湿気対策が考えられた材料が使用されているなど、高い湿度でも家が長持ちするような対策が検討されていたのです。

それでは、一年の中で最も湿気の影響が大きくなると考えられるのはいつなのでしょうか?これについては、皆さんがイメージしている通り、雨の日が多くなる梅雨の時期が特に家の中に湿気が溜まりやすくなります。

ちなみに、冬場は「乾燥に注意しなければならない」というイメージが強いのですが、家の中で暖房器具を利用するのが当たり前となっている現在では、外気と室温の気温差により窓ガラスに結露が発生しやすくなってしまいます。そのため、家全体が乾燥しているわけではなく、家の中の特定の場所については冬場でも湿気が溜まりやすくなると考えましょう。

家の中で湿気が溜まりやすい場所とは?

それでは次に、家の中でどのような場所に湿気が溜まりやすいのかについても見ていきましょう。以下に紹介するような場所は、湿気がこもりやすく、カビの繁殖や木材の腐食などのリスクが高くなるので、適切な湿気対策が必要な場所と考えましょう。

  • 北側の部屋(日当たりが悪く気温が下がりやすいため)
  • 部屋干しをしている部屋
  • 水回り(お風呂、洗面台など)
  • ベッド周り(布団など)
  • 開閉が少ないクローゼットや押し入れ、衣装ケース
  • 窓周辺など、結露が発生しやすい場所
  • 下駄箱や床下収納
  • 通風性が悪い場所(部屋の角など)

上記のような場場所は湿気が溜まりやすく、カビによる被害が発生しやすいです。北向きの家は、日当たりが悪くなることでカビの被害を受けやすいと考えられ、敬遠されがちなのですが、南向きの家でも、北側の部屋や外壁は、一日中日光に当たらなくなることでカビが発生してしまう可能性があります。つまり、どのような向きの家でも、湿気がこもりやすくなる場所は多いです。また、日常生活の中で注意したいのは、洗剤の進化により洗濯物を室内干しする方が増えています。このような生活習慣は、きちんと湿気対策も同時に行わなければ、家族の健康被害や家そのものがダメージを受けるなど、さまざまな問題が発生する可能性があります。

家の中で湿気が溜まると何がいけない?

それでは次に、家の中に湿気が溜まってしまうと、どのような問題が発生するのかについても解説します。上でも少し触れていますが、住宅内の湿度が高くなってしまうと、カビの繁殖を招き、家族の健康被害や住宅の早期劣化などのリスクが高くなります。

どのような住宅でも、家の中で水を利用する機会があるはずです。また日本の気候は、高温多湿だという特徴があるので、家の中の湿度はある程度の高さを常にキープしています。しかし、必要以上の湿気が溜まった状態を放置してしまうと、家の中でカビや細菌が繁殖しやすくなってしまうとされているのです。一般的に、以下のような条件下がカビの繁殖に適しているとされます。

  • 湿度が高い (60~80%)
  • 温度が中程度 (25~30℃)
  • 栄養分が豊富 (ホコリや皮脂などの汚れ)

家の中には、カビの栄養分となるホコリや皮脂が必ず存在します。そしてカビが最も繁殖しやすい温度条件が25~30℃程度とされていいます。これを見ると、外気温が25℃を超え、さらに雨の日が続く梅雨時期は、まさにカビの繁殖に適した条件が整ってしまっていると良く分かります。家の中でカビが繁殖してしまうと、見た目が悪くなる、独特の嫌な臭いがするなどと言った悪影響が考えられる他、最も怖いのはカビの胞子を人が吸い込み、アレルギー症状やシックハウス症候群などの健康被害に発展する恐れがある点です。

さらに、湿度が高い環境条件は、ダニやムカデなど、害虫が発生しやすくなるとも言われています。また、木材が水分を含むことで、それを餌とするシロアリの繁殖リスクも高くなるいなど、家そのものがダメージを受けてしまうリスクも高くなると言えるでしょう。

この他、高温多湿な環境下は、そこで過ごす人が不快に感じるだけでなく、熱中症など命にかかわるような健康被害の可能性も生じます。こういったことから、家族が安心して健康に暮らすことができる環境を作るためにも、必要以上の湿気を取り除ける湿気対策が必要不可欠なのです。

快適に過ごすための適切な湿度とは?

ここまでは、家の中で湿気が溜まりやすい場所や高湿状態を放置した場合に考えられる弊害について解説しました。それでは、人が快適で健康に過ごすことができる湿度条件は、どれぐらいの数値をキープすべきなのでしょうか?

ここでは、厚生労働省が公表している「建築物環境衛生管理基準」より、建物内で衛生的な環境を維持するのに適している条件をご紹介します。

エ 温度(令和4年3月31日まで)
(1) 17℃以上28℃以下
(2) 居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと。

(令和4年4月1日以降)
(1) 18℃以上28℃以下
※(2)の規定について、変更はありません。
オ 相対湿度 40%以上70%以下
引用:厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」

住宅の湿度対策を行う時には、上記の数値を基準とするのが良いと考えられるでしょう。

家の湿度を下げるための湿気対策とは?

それではここからは、梅雨時期などに家の中に湿気が溜まっている…と感じた時、湿度を下げるために有効だと考えられる湿気対策をいくつかご紹介していきます。最近では、ドラッグストアなどでも安価に除湿ができるグッズなどが販売されていますし、湿気対策そのものはそこまで難しくありません。

ここでは、誰でも簡単にできる代表的な湿気対策をご紹介します。

対策① 小まめな換気を心がける

家の湿気対策として、最も手軽で非常に有効な方法が「小まめな換気」です。季節を問わず、窓などを開放して換気してあげることで、室内に溜まった湿気を外に逃がすことができます。

天候の関係などで、どうしても湿気が溜まりやすくなる梅雨時期などに関しては、1~2時間に1回以上、1回あたり5~10分程度を目安として、小まめに換気してあげると良いでしょう。梅雨時期など、雨が降っている日であれば「窓を開けて換気するのは良くないのかな?」と考えてしまうかもしれませんが、部屋に雨粒が吹き込むような激しい雨でもなければ、定期的に換気してあげる方が湿気を逃がすことができます。

なお、換気により効率的に湿気を逃がしてあげるためには、一箇所の窓だけを開けるのではなく、複数の窓を開けることで空気の通り道を作ると良いです。対角線上の窓を開けることで、風の流れが良くなりますので、室内に溜まった湿気を効率的に排出することが可能です。

対策② エアコンやサーキュレーターで風の流れを作る

立地の関係などから窓を開けても風の通りが悪い、またはそもそも窓を少なかったり小さかったりする家の場合、窓を開けても換気が上手くいかないケースがあります。このような部屋では、サーキュレーターやエアコンなどを利用して、機械的に風の流れを作ることで空気を循環させると良いです。

サーキュレーターは、自然換気が難しいクローゼットや押入の中の湿気を逃がすことも可能なアイテムですので、一家に一台は欲しいと言えると思います。クローゼットの中などは、湿気が非常にこもりやすく、換気不足に陥ると、大切な衣装がカビやダニの被害を受けてしまう可能性があります。サーキュレーターがあれば、クロゼットの中に向けて風を送ることで、溜まっている湿気を外に逃がすことができるのです。サーキュレーターは、小型の設備ですので、閉鎖空間の換気には非常に役立つアイテムになります。

対策③ 除湿器を利用する

室内の湿気を除去するアイテムとして有名なのが除湿器です。ただ、冬場の乾燥対策として加湿器を使用する方は多いようですが、除湿器については持っていないという方も少なくないようです。

除湿器は、湿気をとるためのアイテムですので、湿気対策としては非常に有効です。しかし、部屋の広さに合ったものを用意しなければあまり意味がないので、購入する際はきちんと性能を確かめてから最適な機能を持つものを用意しましょう。最近では、洗濯物を部屋干しする方が多くなっているようですが、部屋干しがスタンダードという方は、室内にカビが発生しないよう、除湿器を回すのがおすすめです。

ちなみに、機械を利用しなくても室内の湿気を除去してくれる除湿剤なども販売されるようになっています。特に、お掃除などにも利用できる重曹は、湿気をとった後に別の目的で使用することも可能なので、安価に除湿機能を部屋に持たせたい場合には利用するのがおすすめです。

対策④ クローゼットの中は市販の除湿剤を設置

クローゼットの中や洗面台の下についている収納棚、キッチンの水回り収納の中などについては、湿気が非常にこもりやすいです。こういった場所は、換気がなかなか難しいですし、つい湿気を逃がすための換気を忘れてしまいやすい場所でもありますので、市販の除湿剤を設置しておくと良いです。除湿剤にも、場所に合わせた製品が販売されるようになっていますので、除湿したい場所に応じて使い分けると良いでしょう。

ドラッグストアなどに行けば、以下のような製品が販売されているので湿気対策をしたい場所に合わせて購入しておきましょう。

  • ハンガータイプの除湿剤
    主に衣類を湿気の影響から守るために開発された除湿剤です。クローゼットの中に、衣服をしまう際、一緒に吊るしておくだけでクローゼット内の湿気や衣類の湿気を吸収してくれます。
  • 容器タイプ(据え置きタイプ)
    広い空間の除湿を目的に開発された除湿剤です。除湿剤の入った容器を押入の隅などに置いておくだけで、湿気をしっかりと吸収してくれます。来客用の布団などをしまっている、普段開閉をあまりしない押入などは、容量が大きく交換頻度が少ない大容量の据え置きタイプの除湿剤がおすすめです。なお、湿気は空気よりも重量があるため、下方に溜まっていきます。したがって、効率よく湿気を吸収できるようにするためには、下段に設置するようにしましょう。
  • シートタイプの除湿剤
    シートタイプの除湿剤は布団や衣装ケースの除湿に効果的です。布団は、湿気が溜まっているようには見えませんが、寝ている時に人が大量の汗をかくため、その水分のせいで内部に湿気がこもっています。したがって、これをそのまま押入などにしまうとカビの温床になってしまう可能性があるのです。また、衣装ケースに衣服をしまう場合にも、生乾きの衣服をそのままケースに入れるなどと言ったことが原因で、内部に湿気がこもる可能性があります。シートタイプの除湿剤は、非常に薄く成形された製品ですので、折りたたんだ布団の間や衣装ケース内の衣服の間などに収めることが可能です。場所をとらずに、湿気を吸収してくれるアイテムなので、非常に使いやすいです。

対策⑤ 下駄箱に新聞を敷く

下駄箱の中は、非常に湿気がこもりやすい場所なので注意しましょう。湿気対策を怠ると、大切にしていた靴にカビが生えてしまうなど、取り返しのつかない事態に発展する可能性があります。

下駄箱の湿気対策としては、市販の除湿剤を設置しておくという方法が有効なのですが、コストをかけずに湿気対策を行いたい場合、中に新聞紙を敷いておくという対策がおすすめです。新聞紙は、空気中の湿気を吸収してくれますので、下駄箱内に湿気がこもり靴がダメになる…なんてことを防いでくれます。

さらに、新聞紙を敷く利点としては、下駄箱内が汚れるリスクを低減することができる点です。下駄箱の中に新聞紙を敷いておけば、泥が付いた靴を入れても、下駄箱そのものが汚れる心配がありません。新聞紙を交換する際に、汚れと一緒に除去できますので、下駄箱の掃除も楽になるはずです。なお、梅雨時期などは、濡れた履物がたくさん入るため、湿気が非常に多くなります。そのため、新聞紙だけでは湿気を除去しきれないので、除湿剤も併用するのがおすすめです。

対策⑥ 生活の工夫によって湿気を除去する

最後は、日常生活の工夫による湿気対策です。上述したように、家の中で湿気が溜まりやすい場所はある程度決まっています。したがって、日常生活の中でちょっとした工夫を凝らすことで、効率的に湿気対策を進めることが可能なのです。

  • 結露は小まめに拭き取る
    窓付近には結露が発生しやすいのですが、これを放置すると木材の腐食やカビの繁殖を招きます。したがって、結露を見つけた時には、すぐに乾いた布や新聞紙で水分を拭き取るようにしましょう。また、換気を行う際には、必ず結露を綺麗に拭き取ってから換気するようにしてください。湿気対策は、室内に湿気を残さないことが大切なので、水分を先に拭き取る必要があるのです。
  • 家具は少し隙間を開けて設置する
    タンスやソファー、デスクなどの家具は、壁や家具同士がぴったりと隣り合うように設置するのは、湿気対策の面ではオススメできません。壁にピッタリ接するように設置した場合、空気の循環が難しくなり、湿気だまりが発生してしまいます。したがって、室内の空気がしっかりと循環できるよう、大型家具などは壁から少し隙間をとって設置するなどの工夫を行いましょう。こうすることで風の通り道ができるので、効率よく湿気を逃がしてくれるようになります。なお、湿気によるカビ被害を防止するには、空気が循環しやすいということが大切なので、室内に置く家具や物はできるだけ少ない方が良いです。
  • 入浴後はしっかりと換気する
    家の中でも最も湿気が多い場所は浴室です。浴室は、特に入浴後の湿気対策が非常に重要です。当然ですが、お湯を利用する入浴後は、非常に湿度が高くなります。したがって、浴室内でカビが発生しないようにするには、入浴後にしっかりと換気をするという対策が大切です。窓があれば窓を開け、同時に換気扇を回すことで、浴室全体をしっかりと乾燥させることが大切です。なお、洗濯に利用するなどと言った理由で浴槽にお湯を残す場合、蓋は必ず閉めておきましょう。また、浴室の湿気が他の部屋に回らないよう、換気が完了するまでは扉をしっかりと閉めておくのも大切です。

新築時に考えておきたい湿気対策について

ここまでの解説で分かるように、家と湿気は切っても切れない関係にあります。特に、高温多湿な環境である日本の住宅は、新築時から湿気対策のことを考えておく必要があると言われています。実際に、現在のように高気密化が進む前の日本の住宅では、通気性が良くなるための工夫が住宅各所に施されていたとされます。

近年では、そこに住む人が健康に暮らしていけるようにすることを重視した健康住宅が注目されていますが、こういった家では調湿効果を持つ建材の利用が注目されるようになっています。ここでは、新築時に考えておきたい家の湿気対策について、調湿効果を持つ建材とはどのような物があるのか、また家そのものが呼吸することで湿気を排出してくれるとされる通気断熱WB工法がどういった家なのかを簡単に解説します。

調湿効果を持つ建材とは?

健康住宅という言葉が注目される昨今では、そこに住む人が快適にかつ健康に生活ができるような家づくりが注目されています。そして、住む人の健康を考えた場合、適度な湿度環境を保てなければならないことから、調湿効果を持つ建材の利用が注目されています。

これから新築注文住宅の建設を考えている方は、どのような建材が調湿効果を持っているのか押さえておくと良いでしょう。

  • 無垢材
    無垢材とは、自然の木をそのまま使った建材を指します。近年ではフローリング材などに無垢材が採用されるケースが増えているのですが、これは自然ならではの木肌を楽しめるだけでなく、木材が湿気を吸収するという調湿効果を期待できるからです。ただ、湿度により板同士の継ぎ目にすき間ができたり再び埋まったりするという現象が考えられるため、割れや反りへの対策が必須です。

  • 日本ならではの建材に、い草を加工してつくられる畳があります。この畳は、調湿効果が高いことでも有名で、高温多湿の日本ならではの床材として現在でも愛用されています。畳に採用されているい草が湿気を感知し、適切な湿度を保てるよう水分を吸収・放出してくれます。また、畳の良い点は、音を吸収するという吸音効果も持っている点で、小さなお子様がいるご家庭の場合、足音や騒がしい声による騒音トラブルを防止する効果も期待できます。注意してほしいのは、畳の表面をコーティングして撥水や抗菌などの機能を持たせた機能性畳は、調湿効果がありませんん。
  • 漆喰
    漆喰も日本の住宅には、古くから使用されている代表的な建材です。主成分は消石灰で、これに糊やつなぎを混ぜて水で練ることで漆喰になります。漆喰を壁に採用した場合、壁が呼吸するようになると言われます。漆喰の壁は、空気中の二酸化炭素を吸収しながら徐々に硬化が進んでいくという特徴があるため、「呼吸すると称されているのです。漆喰は、二酸化炭素を吸収する際に、湿気も取り込みますので、家の湿気対策にも有効です。

この他にも、家に調湿機能を持たせる建材として注目されているのが、珪藻土や多孔質セラミックスと呼ばれる建材です。上で紹介したような建材を家に使うことで、家そのものが湿気を除去してくれるようになります。

WB工法は、家そのものが湿気を排出するようになる!

画像引用:WB HOUSE公式サイトより

WB工法で建てられた家は、壁の中に通気層が設置されています。壁の中に自然な空気が循環する通気層があることで、無駄な湿気や夏の熱気が家の中に閉じ込められず、外に逃がすことができるようになるのです。夏場は、壁の中を床下から冷たい空気が上昇することになるので、壁が焼け込みの熱を緩和することで、室内の蒸し暑さを軽減することができるとされています。壁の中に通気層があることで、非常に高い断熱性をもたらせてくれます。

画像引用:WB HOUSE公式サイトより

さらに、WB工法の家は、上のイラストのように家そのものが呼吸することで、不用な湿気を壁が取り込み、通気層を通って排出することができるようになっているのです。WB工法では、土壁の原理を応用しており、臭いも化学物質も湿気と一緒に壁を通過するようになっています。この機能により、換気システムに頼らなくても、住んでいる人が深呼吸したくなるような、結露しないクリーンな環境の家を実現するとしています。

WB工法の家は、シックハウス症候群の原因となる有害物質を排出し安全な空間を作るだけでなく、不用な湿気を自動で排出することができるため、安全で健康に暮らせる空間を実現することができます。

参照:WB HOUSE公式サイトより

まとめ

今回は、高温多湿な気候の日本の住宅と湿気の関係性について解説しました。湿度が高いと聞くと、ジメジメとした気候で人が不快と感じる環境をイメージする方がおおいです。実際に、梅雨時期のジメジメとした気候は、本当に苦手としている方が多く、一年の中でも最も嫌な季節であると考えている人が多いと思います。

しかし、湿度が高い状態というのは、単に人の快適性が失われてしまうだけという問題ではなく、カビの発生や木材の腐食、害虫の繁殖など、家にとっては致命的と言えるようなさまざまな問題の原因となり得るのです。実際に、古い日本の住宅では、湿気対策が非常に重要なポイントとみなされていたと考えられる工夫が各所に施されています。例えば、通気性が良くなる工夫が施され、空気が循環して湿気が溜まらないような家が作られていたり、漆喰やい草など、調湿効果を持つ建材が各所に利用されているなど、家にとって湿気がどれほど危険とみなされていたのかが良く分かるような工夫が多いです。

昨今の日本の住宅は、高気密・高断熱住宅が目指されています。しかし、こういった住宅は、空調効率を向上させ省エネ効果が高くなるなどのメリットがある反面、換気不足に陥ると家の中に湿気がこもるようになり、カビの繁殖などの問題が発生しやすいのです。記事内では、湿気の高さに悩んだ際、誰でも簡単にできる対策をご紹介していますが、家族の安全や健康を考えた時には、新築時にきちんと湿気対策のことも考えた家づくりを進めるのが大切です。

悠建設では、家そのものが不要な湿気を排出する通気断熱WB工法による家づくりのご提案も可能です。家族が健康に暮らせる家を建てたいと考えている方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

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