新築注文住宅の購入を考えた時、風水や家相を取り入れた間取りづくりを行い、そこに住む家族の運気をアップさせたいと考える人は非常に多いです。もちろん、風水の間取りについては、単なる迷信と考えてしまう方もいると思うのですが、いざ自分が家を建てる時には「世間で良いとされているものはすべて取り入れてみたい!」と考えてしまうのが人間というものです。

風水による家づくりに関しては、まず最初に「風水的に良い土地」を選ぶことからスタートするのですが、家を建てる土地が決まれば、どのような間取りにするのかを検討しなければいけません。実は、家の間取りは、風水の家づくりにおいて非常に重要とみなされており、どの方角に何を配置すべきかや、各部屋にどんな色合いのものを置けばよいのかなどが決められているのです。
なお、いくら風水的に「良い」とされている間取りだとは言え、現代の生活を考えるとあわない、現実的ではないという場合も存在します。そこでこの記事では、これから新築注文住宅の購入をお考えの方に向け、風水の考え取り入れ「そこに住む人の運気をあげる間取り」はどのような工夫なのかを解説します。

なお、「そもそも風水とは?」と言った感じに、風水や家相がどのような物か分からないという方もいるかと思います。風水の基本については、以前別の記事で解説しているので、ぜひそちらもご確認ください。

関連:家の風水は考えた方が良い?注文住宅を建てる時に知っておきたい風水の基本

運気をあげるための風水の間取りについて

それでは、風水の間取りでそこに住む人の「運気を上げる方法」をまとめていきます。風水の考えを取り入れる場合、家づくりの際に、以下のようなポイントに注意すると良いです。

キッチンは「朝日を浴びることができる」場所が吉

まず大前提としてキッチンは、風水的に不吉とされる「鬼門(北東)」や「裏鬼門(南西)」に配置することは良くないとされています。立地上、どうしても鬼門や裏鬼門に当たるという場合、回避方法はあるのですが、家の土地探しを行う段階から意識しておくことで、鬼門・裏鬼門にキッチンが来る間取りを避けることができるはずです。

それでは、家の間取りを考える際、キッチンはどのような場所にするのが風水的に良いのでしょうか?風水的にキッチンは、「朝日を浴びることができる場所」に配置すると良いとされています。その逆に、西日を浴びるような場所は、キッチンを配置すべきではないとされているので注意しましょう。風水では、西日が「退色する(=ものが腐る)」と考えられていて、多くの食品を保管するキッチンの場所として適していないと考えられているのです。ちなみに、環境科学的に考えても、強い西日を浴びる場所は、室温が上昇する可能性が高いため、食品が傷むのが早くなる可能性が高いので良くないとされています。

こういったことからも、風水を取り入れた家の間取りを考える時には、「キッチンは朝日のエネルギーが得られる場所」を選ぶようにしましょう。

キッチンにおすすめの色合い

風水は、方角だけでなく、色合いが非常に重視されます。テレビなどで風水が特集される際にも、「リビングの北側に●色のものを置くと良い」などという解説がされているのをよく見かけると思うのですが、風水では、方角によっておすすめの色合いが決まっています。

キッチンに関しては、火の要素と水の要素が入り混じる場所となるので、そもそも風水的な観点から「積極的に良い」とされている方角がありません。そこで、キッチンの中に風水的に良いとされる色の配置を検討することで、運気を向上させることができるのです。例えば、冷蔵庫や調理器具、システムキッチンのカラーについて、好みの色にだけ注目するのではなく「風水的にどこにどの色を配置すれば良いか?」で選ぶようにすると良いでしょう。キッチンの色合いに関しては、以下のような効果が期待できるとされています。

  • 北(キッチンの方角):白系の色全体、橙色を配置すると仕事、全体運が向上
  • 北東(キッチンの方角):白系の色全体、茶色を配置すると収穫、金銭運が向上
  • 東(キッチンの方角):緑色、茶色、赤色を配置すると健康、家庭運が向上
  • 南東(キッチンの方角):黄緑色、橙色を配置すると金銭運が向上
  • 南(キッチンの方角):黄緑色、薄茶色を配置すると人気、地位運が向上
  • 南西(キッチンの方角):黄色、赤色、薄茶色を配置すると恋愛、結婚運が向上
  • 西(キッチンの方角):白色、黄色、桃色を配置すると子孫、直感運が向上
  • 北西(キッチンの方角):薄茶色、薄黄色を配置すると人間、旅行運が向上

このように、風水では、間取りだけでなく、各部屋の色の配置を考えることで開運につながるとされているのです。

玄関の入り口は一つが吉

風水の考え方では、玄関は家の中にエネルギーが入ってくる場所となるため、家の間取りの中でも特に重要とされています。一般的に、キッチンなどと同じく、鬼門や裏鬼門に玄関を配置するのは良くないとされているのですが、玄関をどの方角に置くのが良いのかは、地場によって大きく異なるため、方位だけで決めるのは良くありません。
そもそも「吉方位」は、国によって違い、風水(家相)はあくまでも気休めや心持ちに影響を与える物と考えると、「昔からこういわれている」という迷信的な家相に全て従うのも良くないとされています。家を建てる場所については、周囲の家の建ち方や接道の状況、道路との高低差がどうなっているか、空気の流れがどうかなど、さまざまな条件を鑑みて玄関の位置を慎重に決めなければならないのです。つまり、玄関をどこに置くのがベストかという問題については、各家の諸条件によって全く変わってしまうということです。

ただ、風水的に一つ言えることと言えば、「玄関の入口は一つにする」ということは重要とされています。近年の家づくりでは、エントランスクロークやインナーガレージと言った設備が人気になっていますが、日々の生活の利便性を考慮して、こういった場所に玄関への入り口を設ける場合も増えています。
しかし、先ほどご紹介したように、風水的には玄関はエネルギーが入ってくる大切な場所なので、この入口が2カ所以上になってしまうと、エネルギーが分散され、さらに渦を巻いてしまうようになるとされているのです。また、複数の入り口があると、エネルギーが入るスピードが落ちてしまうことで、家の中にまで届かなくなるといった問題が生じるとされています。

風水的な考え方では、エネルギーの入り口が増え渦を巻くようになると、そこを通る子供のがひねた性格になるとも言われています。もちろん、風水は科学的な根拠があるわけではないため、あくまでも家の利便性を重視するという方は気にしなくても構わないと思います。しかし、風水のような古くからの考えも重視したいという方は、エントランスクロークなどを設置する場合も、玄関への入り口は一つにした方が良いでしょう。

玄関におすすめの色合い

玄関にもオススメの色合いがあります。風水特集などを見ると「玄関マットは〇色のものを使うと●運UP」などと解説されているシーンを見かける機会が多いですよね。玄関の方角と色合いの関係については以下の通りです。

  • 北(玄関の方角):銀色、桃色を配置すると人間関係、恋愛運が向上
  • 北東(玄関の方角):白系の色全体、茶系の色全体を配置すると不動産、転職運が向上
  • 東(玄関の方角):青系の色全体、緑色を配置すると仕事、成長運が向上
  • 南東(玄関の方角):緑系の色全体、橙色を配置すると結婚、人間関係運が向上
  • 南(玄関の方角):黄緑、橙色を配置すると他者からの評価、美的感覚運が向上
  • 南西(玄関の方角):黄色、茶色を配置すると家庭、金銭運が向上
  • 西(玄関の方角):黄色、桃色を配置すると金銭運が向上
  • 北西(玄関の方角):薄茶色、薄黄色を配置すると出世運が向上

玄関の色合いについては、玄関マットや小物を配置することで対処すると良いでしょう。

トイレは「吉」とされる場所に作る

昔のトイレの扱いは「不浄のもの」とされていました。これは、現在のように下水網が張り巡らされる前の話で、いわゆる「ぽっとん便所」が一般的だったころの話です。この時代には、トイレは汚いものという扱いで、凶とされるものだったため、家の中に配置すべきではないと考えられていたのです。そのため、トイレは、人が住む家からは離れた場所に用意されるのが一般的だった時代もあります。

ただ、この考え方は現代の日本には当てはまらない考え方と言えます。一般的な住宅では、水洗トイレが導入されていて、排泄物はすぐに下水に流されることから、トイレの中に汚いものが溜まってしまうということがなくなっています。したがって、現代日本の家づくりでは、トイレを「吉」とされる場所に配置する方がむしろ良いとされるようになっているのです。
風水は、「土地の良し悪しを診るもの」として古代中国で発祥し、それが奈良時代の日本に伝わり、日本の気候風土や文化に合わせてカスタマイズされ、現在まで伝わっている考え方です。つまり、風水というものは、場所や時代の流れに合わせて徐々にアップデートされているのです。風水は、統計学の一面も持っていると言われていますし、環境や状況に応じて変化していくものだから、いつの時代もより良い家づくりの参考になる考え方として根付いているという側面があるのです。

なお、家のトイレに風水を取り入れる場合には、採光と換気を良くしておくという点を考慮すると良いです。トイレの空気が澱んでしまうと、家族の関係に悪影響が出るとされていますし、トイレに窓を設け、換気や採光が十分にできるようにしておきましょう。なお、マンションなどの集合住宅のトイレは、本来風水的には良くないとされる家の中心部に配置され、窓などが設けられていないのが一般的になっています。この場合、採光に関してはあきらめざるを得ませんが、換気扇を使ってしっかりと換気してあげることを心がけましょう。

ちなみに、トイレの場所として良くないとされるのは、家の中心や玄関の真上です。これ以外の場所であれば、基本的にどこに配置しても良いので、採光や換気に注意してトイレの配置を決めると良いでしょう。

トイレにおすすめの色合い

トイレは、家の中でもよくない運気が溜まりやすい場所とされているため、色使いによって運気向上の対策を施すと良いとされます。以下のような色使いをすることで、運気を向上させます。

  • 北(トイレの方角):薄緑色、桃色を配置すると仕事運が向上
  • 北東(トイレの方角):白色、薄茶色、茶色を配置すると学業運が向上
  • 東(トイレの方角):緑色、青系の色全体を配置すると健康運が向上
  • 南東(トイレの方角):橙色、黄緑色を配置すると財産運が向上
  • 南(トイレの方角):緑黄緑色、薄茶色を配置すると人気運が向上
  • 南西(トイレの方角):薄茶色、黄色を配置すると家庭、金銭運が向上
  • 西(トイレの方角):黄色、白色を配置すると子孫運が向上
  • 北西(トイレの方角):薄茶色、桃色を配置すると他者からの協力が得られる

壁紙や床に敷くマット、スリッパなどの小物で色合いを配置すると良いでしょう。

リビングは「陽の気を取り込める場所」特に朝日に吉

風水的に良い家の条件としては、朝日が良く入るということが重要です。風水では、太陽が昇っていく東からの日が最もエネルギーがあるとされていて、東からの陽をリビングに取り入れるような工夫が必要です。

リビングは、家の中でも家族が集まる場所として利用され、最も長い時間を過ごすための空間となります。したがって、風水においては、しっかりと陽の気を取り込むことができる、東・東南・南などに配置するのが良いとされているのです。特に、朝日がしっかりと入るように高い位置に窓を取り付けるといった工夫がおすすめです。
ちなみに、風水的には、同じ太陽の光でも、以下のようにその効果が異なると考えています。

  • 東陽・・・温度が高く、加速度的に昇ってくるエネルギーが沸いてくる強い陽
  • 西陽・・・温度が低く、退色(日に当たって色あせる)、眠たくなるエネルギーを吸い取られる陽

風水では、陽の取り込み方も重要とされるため、間取りや設備を工夫しながら運気の向上を目指すと良いでしょう。

リビングはインテリアの配置や色を工夫しよう

リビングは、ソファーなどの家具を配置する位置やカラーによって運気向上を目指すことができます。以下のようなポイントに着目しながら、リビングに配置するインテリアを考えてみると良いです。

  • 北:クリーム色やピンクのインテリアがおすすめ
  • 北東:背の高いインテリアがおすすめ
  • 東:水色や青色のインテリアがおすすめ
  • 南東:リボンや花柄のインテリアがおすすめ
  • 南:植物柄や緑色のインテリアがおすすめ
  • 南西:低めの家具や和風のアイテムがおすすめ
  • 西:丸いものや黄色・白のインテリアがおすすめ
  • 北西:高見えするものやアンティーク調のアイテムがおすすめ

浴室は鬼門、裏鬼門は避ける

浴室は、家の中のさまざまな場所と比較しても、最も多くの水を使用する場所となります。実は、風水では、水は家に大きなマイナスの影響を与える可能性があるとしていて、大量の水を使用する部屋の配置は慎重に検討しなければならないのです。

例えば、風水(家相)には「鬼門・裏鬼門に三備を設けず」という言葉があり、「玄関」「台所」「トイレ」の三備は、家の鬼門や裏鬼門に当たる場所に配置してはいけないとしているのです。そして、浴室に関しては、トイレやキッチンと比較してもより多くの水を使用する場所となるため、これも鬼門や裏鬼門に当たる場所に配置してはいけないのです。

この他にも、家の中央部分に浴室を設けるのも良くないとされています。これは、環境科学の面からも、家中に湿気が回ることになるため、空気のよどみやカビの発生原因となり、家族の健康を害する、家の早期劣化などの問題に発展すると考えられるからです。間取りは、家の地場の諸条件によって、良し悪しが変わりますが、風水の考え方では浴室を置いてはいけない場所が必ずあるので注意しましょう。

階段は明るさを確保

風水では、階段を設置する場所についてもおすすめの方法と良くない方法があります。例えば、以下のような階段は、風水的に良くないとされています。

  • 階段を上りきったところが「家の中心」になってしまう中央階段は避ける
  • 鬼門方位(北東)の階段は避ける
  • 玄関を入ってすぐの鉄砲階段(直線)を避ける
  • 真南および真西方位へ向かって上がりきる階段は避ける

ちなみに、階段は、どの方角に配置しても吉とされることはなく、配置を工夫するよりも階段そのものを明るくすることが開運のためには重要とされています。

例えば、家の中央部分の階段が良くないとされるのは、階段に窓を取り付けることが難しいため、どうしても階段が暗くなってしまうことが要因です。照明器具がなかった時代は、家の中央は常に薄暗く、そのせいで転倒事故が良く発生したとされているのです。そのため、風水では、家の中央に階段を設けるのは良くないとされているわけですね。
現在でも、階段での転倒事故はたくさん報告されていますし、こういった問題を防ぐためにも、階段は明るさを保てるような工夫を施すのがおすすめです。風水的には、吹き抜けなどを作って、高い位置の窓からたっぷりと自然光を取り込む、照明器具をきちんと配置するのが良いとされています。ちなみに、階段部分には余計なものを置かずに、綺麗にしておくことも大切とされています。

配置の問題ではないですが、階段は人が通り道として使用するのは当然として、実は「気」の通り道になると風水で考えられています。したがって、不浄な空気にならないよう、常に階段を清潔に保つことが運気アップのためには重要と考えてください。階段の隅などは、ホコリのたまり場となっていることが多いのですが、階段に埃が溜まっていると、せっかく良い気が入ってきても、上の階まで届かなくなると考えられています。

寝室と風水の関係について

寝室は、風水的に、新しい気をチャージする重要な場所で、『本命卦(ほんめいか)』の方角に配置するのが最も良いとされています。本命卦は、生まれながらにして結びつきの強い吉方位のことで、人によって異なります。つまり、最も良い配置については、人それぞれですので、自分にとって最適な場所がどこかは調べてみると良いでしょう。

ただ、どのような場合でも、西日が当たる方位は凶とされています。西日が強く入る部屋は、夏場は熱気がなかなか取れず、夜に寝ようとしても暑さでなかなか眠れない…なんてことになりかねません。また、間取りの関係上、玄関が南、寝室が東南になる場合、陽の気が強くなりすぎてしまい、かえって眠れなくなるなどと言われています。

寝室は、静かに眠れる環境作りを意識することが非常に重要ですので、家の中でも奥まっているような場所が良いとされています。また、過度に広くする必要はなく、むしろ狭く感じるくらいでも問題ないとされています。寝室に小さな窓を作り、東側から風と日を取り込むようにすれば、新しいエネルギーを取り込みやすい良い部屋になるとされています。

寝室に取り入れたい風水上の工夫

風水を取り入れ、運気を良くするための寝室を作りたい場合、以下のようなポイントに注意すると良いです。

  • 仕事運のアップ
    起きた時に毎日ベッドメイキングをして出る、大きめのベッドで寝る、青系のベッドカバーを使う
  • 金運のアップ
    北枕で寝る、黄色のカーテン
  • 家庭運のアップ
    スタンド照明を枕元に置く

寝室に上記のような工夫をすると運気アップにつながると言われています。ただ、その逆に「枕元に沢山のぬいぐるみを置く」「フローリングに布団を敷いて寝る」「窓を開けて寝る」「鏡に寝ている姿が映る」などは、風水的にNGとされているので注意しましょう。

まとめ

今回は、これから新築注文住宅の購入を検討している方に向け、風水の考えを取り入れた運気アップにつながる間取りづくりのポイントについて解説しました。

記事内では、家の中でも風水的に特に重要視される部分について、どのような位置に配置すべきか、またより運気をあげるためにはどのような工夫を施せば良いのかについて解説しています。もちろん、風水については、単なる迷信のようなもので、風水を考慮した間取りづくりをしただけで運気が向上するとは思えないと考える人もいるかと思います。

ただ、風水というものは、古代中国で「より良い暮らしをするための知恵」として発祥した環境哲学で、日本に伝来して以降も、日本の気候風土や文化を取り入れながら常にアップデートされている考え方なのです。風水で良いとされることは、環境科学の面でも合理的とされる工夫がたくさんありますので、風水を考慮した家づくりは決して悪いものではないと言えるのです。

悠建設では、科学的にも風水的にもより暮らしやすい住宅の建築を行っていますので、大阪府内や兵庫県内など、近畿地方で家を建てたいとお考えなら、是非ご相談ください。

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