
ここ数年、日本の夏の暑さはどんどん厳しさを増しています。この記事を執筆中の2025年も、6月中旬で外気温が35℃を超える猛暑日を記録した地域が多くあるなど、真夏の8月になるといったい何度まで気温が上昇するのか…と今から心配する声がそこら中で聞こえてくるようになっています。
そして、真夏の気温上昇が指摘される昨今では、日が暮れて外が涼しくなる時間になっても部屋の中が暑くて困っている…、エアコンを停止すると夜中でも暑くて寝付けない…なんて悩みの声を聞く機会が増えています。中には、エアコンをつけているのに部屋の中で暑さを感じてしまう…なんて住環境もあるようで、なぜ自分の家は「こんなにも熱いのだろう?」と疑問に感じた経験がある人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、「外は涼しいのに部屋が暑い」といった夏の過ごしにくさを引き起こす原因や、暑い夏でも快適に過ごせる住まいにするための対策について解説します。
部屋の中が暑い場合に考えられるデメリット
「夏は暑いのが当たり前!」という意見を持っている方も多いのですが、昨今の日本の夏の気温は、そんなことを言っていられないレベルに達しています。実際に、夏場のエアコン利用は、国が推奨するようになっていて、暑さによる健康被害を防止する目的で、国や自治体が夏場の電気代を補助するといった取り組みが行われるようになっています。これは、電気代の高騰が社会問題化している今、光熱費の削減を目的にエアコンの利用を控える人がいて、その結果、人命にかかわるような健康被害に発展するという事例が多く報告されるようになっているからです。
それでは、夏場に部屋の中が暑い場合、具体的にどのようなデメリットが考えられるのでしょう?以下で代表的なデメリットをご紹介します。
室内熱中症の発症リスクが高くなる
部屋の中が暑いという場合の最大のデメリットは、室内熱中症の発症リスクが高くなってしまう点です。熱中症と聞くと、直射日光の影響を受ける、屋外で発生する物と考えている人が多いのではないでしょうか?例えば、建設現場や学校の体育の時間など、気温と直射日光の影響を受けることで、熱中症になってしまう…という考えですね。もちろん、屋外は熱中症リスクが高いのは間違いありません。しかし、総務省消防庁が公表しているデータによると、熱中症に係わる緊急搬送については、屋内にいた人の方が多いという結果になっているのです。
引用:消防庁資料より
上図は、令和6年に発生した熱中症による救急搬送状況をグラフ化したものです。このデータから分かるように、熱中症の発生場所については、住居が最も多く、なんと約4割を占めるという状況になっているのです。家の中にいれば、エアコンなどで温度調節ができるため、熱中症になることはないと考えている人がいるのですが、そうではないということがよくわかります。
光熱費が高くなる
二つ目の問題は、エアコンなど、冷房設備の稼働率が高くなることで電気代などの光熱費が高くなってしまうという問題です。部屋の中が暑いと感じれば、ほとんどの方はエアコンや扇風機を使うはずです。ただ、これらの電化製品は、電気を使って稼働する設備のため、太陽光発電などの自家発電設備がなければ電気代に大きな影響を与えてしまうのです。単身用マンションなどであれば、そこま大きな負担にはならないかもしれませんが、複数の場所でエアコンを使用する戸建て住宅の場合、電気代の上昇は大きな悩みの種となります。
なお、部屋の中が暑くなる理由については後述しますが、「外は涼しいのに部屋が暑い」などとなる住居の場合、断熱性の問題などからエアコンをつけていても室温が上昇してしまい、空調機器が常にフル稼働することで、余計に電気代が高くなることもあります。
集中力に悪影響が出る
コロナ禍以降、日本国内でもテレワークなどの新たな働き方が広く普及し始めています。テレワークは、簡単に言うとオフィスに出勤することなく、自宅で仕事をするという形式となるため、通勤にかかる時間などを削減できる分、プライベートを充実させやすいとされています。企業側にとっても、オフィスの維持費を削減することができるため、両者にとって大きなメリットがあるのです。
しかし、部屋の中が暑い…といった環境になってしまうと、仕事に集中することができず、オフィスに出勤するよりも効率が落ちてしまう…なんて問題が生じます。暑さは、集中力の低下や体力が消耗しやすくなることで疲労感が強くなるなどの問題があるため、「外は涼しいのに部屋が暑い」なんてことになる住居の場合、仕事の効率が落ちてしまうというデメリットが生じるのです。もちろん、リモート学習を実施するお子様がいれば、学習の効率も落ちてしまうと考えられますし、集中力を必要とする作業について、効率の低下という問題を引き起こします。
上記以外にも、暑さはカビやダニなどの害虫の繁殖、家具・家電の早期劣化の要因となるなど、さまざまな面に悪影響を与えると考えてください。
「外は涼しいのに部屋が暑い」なんてことになる理由は?
それでは、「外は涼しいのに部屋が暑い」となってしまう住居に存在する問題点について解説していきます。部屋の中が暑くなってしまうのは、外気温が高いからだけが理由ではありません。実は、日が暮れて外がある程度は気温が下がったとしても、部屋の中で暑さを感じてしまう…なんて住居も少なくないのです。
そして、そうなってしまうのはさまざまな要因が考えられるため、ここでは代表的な理由をご紹介します。
①熱がこもっている
「外は涼しいのに部屋が暑い」となってしまう一つの要因として、昼間に蓄積した熱が家の中にこもっているというものがあります。家は、屋根や壁、床などにより密閉されているので、家の中に入った熱がそこに留まり、外よりも中の方が暑くなることがあるのです。
特に、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物の場合、木造に比べて熱を伝えやすいという特徴がある点も問題になりやすいです。昼間の日差しなどにより、コンクリートが熱を蓄めることになるのですが、夜になると日中に蓄めた熱を家の中に放出することで、外は涼しくなっても家の中の温度が上がったままになってしまう…なんてことがあるのです。
さらに、太陽光の熱を吸収しやすい部分として窓があげられます。実は、家の中に入る熱の割合については、なんと全体の73%を窓が占めているとされ、日差しのある日中に窓から入った熱が室外に逃げていかないことで、日が暮れても部屋の中は暑さを感じてしまう…なんて環境になってしまうのす。
なお、昼間の部屋の暑さも窓が関係しています。エアコンなどを使って温度調整しようとしても、窓から熱が入る状況だと、冷やされた空気が再び暖められるため、涼しくならない…なんてことになるのです。
②湿度が高くなっている
家の中で暑さを感じる…なんてケースでは、湿度の高さが要因になっている場合が多いです。室内の湿度が高ければ、室温と外気温が同じでも、家の中の方が暑いと感じてしまいます。
私たちがどのぐらいの不快感を感じるかを数値化した物に「不快指数」というものがあります。これは、「気温」と「湿度」によって求められるもので、湿度が高くなればなるほど不快指数も高くなっていくのです。不快指数が高い環境は、単に暑いだけでなく蒸し蒸ししていて人は不快感を感じやすくなります。
したがって、日が暮れて外は涼しく感じるようになったのに、家の中にいると暑さを感じてしまう…なんて時は、室内の湿度をチェックしてみると良いでしょう。そして湿度が高い状態であれば、エアコンの除湿機能や除湿機を使用すれば、涼しく感じられるようになるかもしれません。
③家電製品の放熱がエアコンの冷却効果を上回っている
エアコンをつけていても家の中で暑さを感じる…というケースでは、エアコン以外の家電製品の放熱量が多いことが要因と考えられます。テレビや冷蔵庫、電子レンジなどの家電製品は放熱量が多く、家の中が暑くなる原因になることがあるのです。
当然、エアコンを使って室内を冷却していても、それ以上の熱が部屋の中で発生している場合、涼しくなりませんよね。分かりやすい例を挙げると、エアコンをつけていても、火を使うキッチンは暑く感じてしまう…という状況と同じで、冷却効果以上の熱が発生することで、室温が上がってしまっているわけです。
これは、エアコンや家電製品が古い場合に多いので、家電製品の買い替えを検討する必要があるかもしれません。
④建物の断熱性・気密性が低い
夏場に「家の中が暑い」また冬場に「家の中にいても寒い」という状況は、建物の断熱性、気密性の低さが原因の場合があります。断熱性と気密性については、快適な住環境を作るために非常に重要な要素で、以下のような性能を示します。
- 断熱性能・・・室外の熱を室内に伝わらないようにする
- 気密性能・・・室内外の空気のやりとりを少なくする
昨今では、高気密・高断熱を売り出す住宅が多くなっていますが、これにより夏は涼しく冬は暖かいという、人が快適に過ごせる環境を作りやすくなるからです。逆に言うと、断熱性や気密性が低い住宅の場合、外気温の影響を受けやすくなってしまうため、夏場はエアコンをつけていても外から熱が侵入して暑さを感じてしまうようになるのです。
住宅の気密性や断熱性を高める方法は、家を建てる際の工法を工夫するという方法や、気密性の高いサッシやドアを採用する、断熱窓や断熱材を使用するといった方法で実現します。新築時は、家の気密性や断熱性に注目することで、快適な暮らしを実現しやすくなります。また、既存住宅の場合、後から断熱リフォームなどを施すことで、外気の影響を受けにくくすることが可能です。家の断熱性は、省エネ性能にもかかわるため、断熱性を高めるリフォームなどには国が補助金を出しています。
⑤蓄熱しやすい建材を多く使用している
部屋の中が暑く感じる…というケースでは、家を構成する建材に、蓄熱性の高い建材が多く使用されているということも要因の一つかもしれません。皆さんも、木造の戸建て住宅と比較すると、鉄筋コンクリート造のマンションの方が夜間でも熱が残るという話を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
実は、住宅に使用される建材の中でも、コンクリートや土壁は蓄熱性が高いため、夏場は夜になっても家の中が暑い…なんてことになりやすいのです。これは、コンクリートや土の壁が日中に熱を溜め、夜になってもその熱を家の中で放出するのが要因です。最近では、戸建てでも鉄筋コンクリート造の建物が増えていますが、建築時に暑さ対策はしっかりと施しておく必要があると考えてください。
「外は涼しいのに部屋が暑い!」こんな家でできる暑さ対策とは?
それでは、夏場に「外は涼しいのに部屋が暑い!」なった時、どのような対策を施せば良いのでしょうか?まだ家を建設する前の段階なら、いくらでも対策の施しようがあると思いますが、既存住宅の場合は「やりようがないのでは…」と感じてしまうかもしれません。
しかし、既存住宅でも部屋の中の暑さを改善する方法はいろいろとあるのです。ここでは、部屋の中が暑いことに悩んでいる方に、検討してほしい代表的な対策をいくつかご紹介します。
対策① エアコンを最新(高性能)のものに変更する
一つ目の対策は、現在使用しているエアコンを最新の高性能な物に変更するという方法です。エアコンは、耐用年数が7~10年程度と言われているのですが、それなりに高額な家電製品であることから、耐用年数なども関係なく故障するまで交換をしない…というご家庭が多いです。しかし、適切なタイミングで最新の高性能なエアコンに更新するようにすれば、快適な住空間を維持することが期待できるのです。
耐用年数を超えて使用しているエアコンの場合、冷却効果の性能が低下している可能性が考えられます。したがって、外が涼しくなる時間なのに部屋の中で暑さを感じる…、昼間にエアコンをつけているのに汗をかくほど暑い…なんて状況の場合、エアコンの耐用年数を確認し、老朽化が考えられるなら交換するのがおすすめです。
なお、エアコンの交換に関しては「コストがかかるのがちょっと…」と考える人も多いのですが、古くなったエアコンを最新のものに交換すると、光熱費の削減に繋がるため、中長期的にはコストを抑えることができます、特に電気代の高騰が問題視されている昨今では、効率が低下したエアコンを利用することで、月々の電気代がかなり高くなってしまうため、2~3年で交換にかかる費用を取り返すことができる場合もあります。
対策② 換気をする
二つ目の対策は、換気をすることで部屋の中にたまっている熱を外に逃がすという方法です。これは、夏場に駐車していた車の中が暑くなるため、乗車時に窓を開けて少し走行する、乗る前にドアを開け閉めして熱を逃がすという対策と同じ考えです。
窓を開けて部屋の中に風を通すと、熱が風に乗って外に出ていきます。そして、熱を逃がした後にエアコンを使用し始めることで、素早く部屋の中を冷やすことができるのです。この方法を採用すれば、エアコン稼動時の消費電力も少なくて済むため、光熱費の削減にも寄与します。
換気の際は、対角線上に窓を開放することで風が通りやすくなるので、それを意識して換気を行いましょう。ちなみに、外気温が高い日中に換気してしまうと、外から熱を持った空気が入ってくるため、逆効果になってしまいます。また、虫の侵入を防ぐためにも、網戸はきちんと閉めて換気を行ってください。
対策③ カーテンなどを使って日光を遮る
太陽光が部屋の中に差し込むといった状況になると、それによって熱が侵入します。逆に言うと、部屋の中に太陽光が入らなくすれば、その分だけ部屋が暑くなるのを和らげることができるのです。
先程紹介したように、屋外から部屋の中に侵入する熱は、その多くが窓から入ってきます。日中は採光のためにカーテンなどを開けているお宅が多いと思うのですが、それが部屋の中を暑くする要因になっているのです。したがって、夏場は、外出する際にカーテンや窓シャッターを閉じた状態にしておくと、室内に熱が伝わりにくくなるため、帰宅時に「部屋の中が外より暑い…」なんてことになることを防げます。
リビングなど、大きな窓が設置されている場所については、遮光カーテンやUVカットカーテンを使用することで、より効果的に熱の侵入を防ぐことが期待出来ます。この他、ベランダなどは、すだれを設置することで、直射日光と照り返しの光、両方を防ぐことができるため、部屋の中の暑さ防止には非常に効果的です。
対策④ 打ち水をする
真夏の暑い日には、家の前の道路に打ち水をしている姿を見かけることが多いと思います。打ち水は、気化熱により周囲の空気を涼しくするという効果があるので、昔から夏の暑さ対策として行われています。
この打ち水については、ベランダやバルコニーに行うことで、部屋の近くの空気を涼しくすることができ、侵入する熱を少なくするという効果が期待できるのです。
注意が必要なのは、ベランダの地面が暑くなる日中などに行うと、湿度が一気に高くなってしまうため、逆に不快指数が上がってしまうことがある点です。打ち水は、気温が上昇しきった日中に行うのではなく、早朝や日が沈んだ夕方に行うのが良いと覚えておきましょう。
対策⑤ 家電の買い替えや電源OFF
部屋の中が暑くなる理由の一つに、家電製品からの放熱があるとご紹介しました。逆に考えると、家電が放熱できないようにするため、使用していない時は電源を切るという方法が、部屋の暑さ対策になるのです。
もちろん、冷蔵庫などは、電源を切ることはできませんが、電子レンジなどの家電は、使用時に電源を入れれば良いだけなので、継続的に使用しない家電製品の電源を切るという方法は暑さ対策に有効です。この方法は、省エネや光熱費削減にも役立ちますので、意外におすすめです。
なお、冷蔵庫にも耐用年数があり、古くなった冷蔵庫を無理矢理使っているという場合、放熱量が多くなっている可能性があります。この場合、エアコンと同じように、買い替えがおすすめです。
対策⑥ 照明をLEDにする
家の中で使用する照明については、白熱電球などではなく、LED照明がおすすめです。LED照明は、寿命が長く、電気代が安くなるという点がメリットとされるのですが、実は白熱電球などと比較すると、発熱量が少ないため、部屋の温度上昇を防げるという効果も期待できるのです。
築年数が浅いまだ新しい家の場合、LED照明が当たり前に使用されるようになっていますが、ある程度築年数が経過している住宅の場合、白熱電球が使用されていると思います。したがって、リビングなど、家族が長い時間を過ごす場所については、照明をLEDに交換してみてはいかがでしょう。
対策⑦ 断熱リフォームを実行する
築年数が経過した住宅の場合、建物自体の断熱性や気密性が低いことで、エアコンをつけていても部屋の中が涼しくならない…なんて状況になりやすいです。この場合、上で紹介したような対策を施したとしても、常に外から熱が侵入し続けてしまうことから、暑さを解消することができません。
したがって、断熱性・気密性が低い住宅の場合は、専門業者に依頼して断熱リフォームなどを施すと良いでしょう。例えば、窓部分の断熱性を高めるため、二重窓や断熱ガラスを採用する、壁の断熱性が低いなら壁の中に断熱材を充填するなどといった対策が有効です。
当然、断熱リフォームを施すにはそれなりのコストがかかってしまうため、なかなか実行に踏み切れない…なんて方も多いと思います。しかし、家の断熱性の低さは、省エネ性能にも悪影響を与えるため、国が断熱リフォームの実施を後押しするようになっています。具体的には、一定以上の断熱性を実現できるリフォームを施す場合、その工事にかかる費用の一部を補助してくれる補助金制度が用意されているのです。日本では、2050年カーボンニュートラルの実現が目指されていることもあり、一般住宅の断熱性向上が急務とされています。そのため、住宅の断熱リフォームにはかなり手厚い補助が用意されているので、部屋の中の暑さに悩んでいる方は、検討してみてはいかがでしょう。
家の断熱性や気密性が高くなれば、空調効率を高めてくれるため、光熱費削減が期待でき、中長期的にはコストを抑えられるかもしれません。
家の暑さ対策は新築時に検討すべき
ここまで、部屋の中が暑いと感じる時にどのような弊害があるのか、またその暑さを解消するためにはどうすれば良いのかについて解説してきました。上述したように、家の中で暑さを感じる…なんて時は、外から熱が侵入し、室温をあげていることが主な要因です。エアコンで冷却したとしても、常に熱が侵入するような状況になってしまうと、人が快適と感じるような温度まで下がりにくくなり、家の中でも熱中症などの問題が起きてしまうのです。
家の中の暑さ対策としては、エアコンなどの家電を買い替える、カーテンやシャッターを閉めて日光が入らないようにするといった方法があるのですが、これらは根本的な暑さ対策にはなり得ません。家の断熱性や気密性が低ければ、常に外から熱が侵入してくるという状況になってしまうため、まさにイタチごっこのような感じになるのです。
家の暑さ対策については、新築時にしっかりとその対策を検討しておくことで、住み始めてからの対策が少なくて済みます。家の中に侵入する熱は、気密性や断熱性の低さが要因になっていると紹介したように、新築時にこれらの性能を高くしてあげることで、熱が侵入しにくくなり「部屋にいるのに暑い…」なんてことになるのを防ぐことができるのです。
そして、悠建設では、高気密・高断熱住宅を建てるための工法として、通気断熱WB工法の採用をおすすめしています。WB工法は、もともとシックハウス症候群に立ち向かうために開発された家づくりの工法とされています。シックハウス症候群は、新築住宅やリフォーム直後の家で、ホルムアルデヒドなどの揮発性化学物質(VOC)が原因となり引き起こされる健康被害です。WB工法は、人体に有害な化学物質を室内に滞留させずに屋外へ排出する構造となっています。また、壁の中に空気が通る通気層が設けられているため、非常に高い断熱性をほこり、エアコンを使わなくても夏は涼しく冬は暖かいという住環境をもたらせてくれるのです。
画像引用:WB HOUSE公式サイトより
WB工法の家は、上記のような構造を採用していることで非常に高い断熱性能を誇っており、北海道の断熱基準もクリアしています。
さらに、WB工法の家は、土壁の原理を応用しており、臭いや化学物質を湿気と一緒に排出してくれるという働きを持っています。そのため、換気システムに頼らなくても、清潔な空気環境を維持することができ、さらに不要な湿気を排出することで人が快適に感じることができる環境を維持してくれるのです。
通気断熱WB工法の詳細については、以前別の記事で解説しているので、以下の記事もぜひご確認ください。
関連:通気断熱WB工法とは?WB工法のメリットはよく耳にするけど、実際のところデメリットはないの?
まとめ
今回は、これから迎える本格的な夏に向けて、外は涼しいのに部屋の中が暑い…なんてことになる原因とその対策について解説しました。
日本の夏は年々猛暑化が進んでいると言われていて、2025年の今年も、記事執筆中の6月中旬に大阪で35℃を記録するような状況となっています。当然、夏の本番はまだ先のことなので、これからどれほど暑くなるのか…と不安に思っている方も多いのではないでしょうか?
夏の気温がここまで上昇するようになると、エアコンを使っていても部屋の中で暑さを感じることも多くなると思います。そしてそのような状況は、屋外の熱が部屋の中にまで侵入している証拠でもあるので、記事内で紹介した対策の実施を検討すると良いです。
なお、これから新築住宅の建築を検討しているという方の場合、暑さ対策のことを考慮して家を設計してもらうようにすると良いです。記事内では、カーテンを閉める、打ち水をするなど、小手先の対策も紹介していますが、家の断熱性能などがそもそも低いという状況なら、満足のいく効果を実感することはなかなか難しいものです。悠建設では、通気断熱WB工法など、断熱性を高めることができる工法の採用を推奨しています。特にWB工法は、家そのものが呼吸することで、有害な化学物質や湿気を外に排出してくれるという働きを持っています。そのため、家族が安心して健康に、快適に暮らせる家が実現するはずです。