四季のある日本では、住環境を快適に維持するための設備として、エアコンが広く普及しています。エアコンは、夏の暑い日には冷房として、寒い冬の時期は暖房として運転してくれるため、そこに住む人が一年中快適に過ごすことができるようになります。

ただ、真冬の特に寒い日などには、エアコンを暖房運転させているのに部屋の中にいて寒さを感じてしまう…なんて経験が誰にでもあるのではないでしょうか?それでは、エアコンの暖房が効かない…、エアコンから暖かい空気が出てこない…なんて場合、何が原因でこの現象が起きているのでしょう?

もちろん、エアコンの暖房が効かないなんて場合でもさまざまな原因が考えられます。そこでこの記事では、これから迎える本格的な冬に向け、エアコンの暖房が効かない時の原因や問題を解決するための効果的な対策について解説してみます。

エアコンの暖房が効かない理由とは?

それではまず、寒い冬の日に、エアコンの暖房の効きが悪くなる理由について考えていきましょう。暖房をつけているのに、部屋の中で寒さを感じる…となった場合、エアコン本体の故障を考えてしまいがちです。しかし実は、エアコンの暖房が効かない理由はさまざまな原因が考えられ、ケースによってはエアコンそのものの問題でなくて建物側に原因がある、設定ミスなどの人的ミスの場合もあるのです。

ここでは、冬場にエアコンの暖房をつけているのに「部屋の中が寒い…」となってしまう時の代表的な原因をご紹介します。

エアコンの設定が間違っている

一つ目の理由は、エアコンの設定ミスにより、十分に部屋の中を暖められなくなっているというものです。簡単に言うと人的ミスです。

最新モデルのエアコンであれば、人間側が特に設定変更などを行わなければ、風向きなどを自動で調節してくれるようになります。しかし、何らかの理由で、この設定を変更した時には、最適な運転ができなくなり、暖房の効きが悪くなる…という結果に陥る可能性があるのです。

エアコンの設定ミスに関しては、以下のようなケースが多いです。

  • 設定温度が低すぎる
    暖房は冷房運転よりも電気代が高くなるため、省エネや電気代の節約を考え、設定温度を低くする人がいます。しかし、設定温度が低すぎる(室温よりも低い)と、エアコンから暖かい風が出なくなるのです。あまり多くないミスではありますが、小さなお子様がリモコンに触り、温度設定が変わってしまう…なんてことも考えられるので、暖房運転時に設定温度を確認し、室温よりも高く設定しましょう。
  • 風向きや風量に関する設定ミス
    このミスは多いので注意しましょう。皆さんも一度は聞いたことがあると思うのですが、暖かい空気は冷たい空気よりも軽いため、部屋の中でも高い位置(天井付近)にたまりやすいという性質があります。そのため、エアコンの風向きルーバーを上向きに設定していると、暖かい空気が下に降りてこないため寒さを感じるなんてことになるのです。暖房運転の場合は、風向きを下むきにするか、機器が自動で調節する設定にする、サーキュレーターなどで暖かい空気を循環させると良いです。なお、風量設定についても、「弱」に設定していると、部屋全体が温まりにくくなるので、「暖房が効かない…」と感じやすいです。エアコンの風量設定は、弱や強を人為的に操作するのではなく、自動設定の方が節約にもつながると言われているので、自動に設定しておくのがおすすめです。
  • エアコンが止まっている
    意外に多いのが「お休みモード」など、暖房の運転を自動で停止する機能が働いて、気付かないうちにエアコンの運転が止まってしまうという状況です。エアコンは、ON・OFFをリモコンで設定できるのですが、継続運転をしてほしい時は、自動の運転停止関連の設定がOFFになっているのか確認しておきましょう。

このように、エアコンの暖房が効かない…なんて状況でも、機器の故障ではなく、ユーザー側の設定ミスが要因となっているケースも少なくありません。したがって、暖房をつけているのに部屋が寒い…なんて時は、エアコンの設定情報を見直してみましょう。

エアコンが霜取り運転をしている

エアコンの暖房運転では、室外機から冷たい風が吹き出されることになります。そしてこの場合に、外気温が低い状態であると、室外機内部の熱交換器に霜がつきやすくなるのです。エアコン室外機の熱交換器に霜がつくと、エアコンの暖房効率が低下してしまいます。

したがって、このような時に、エアコン自体が自動で霜取り運転をするようになっているのです。なお、霜取り運転中は、暖房運転が一時停止してしまうことから、エアコンから暖かい空気が出なくなり、寒く感じる可能性があるのです。

霜取り運転時に生じるサイン

エアコンが霜取り運転をしているかどうかは、意外にわかりやすいです。以下のような状況の場合、機器の故障ではなく、霜取り運転中で一時的に暖房が停止しているだけと判断できます。霜取り運転が停止すれば、暖房運転が自動で再開されます。

  • エアコン本体のランプが点滅する
  • 室内機から「プシュー」や「ポコポコ」といった音がなる
  • 室外機から水や蒸気が出ている

上記のような場合は、エアコン本体の故障ではないので安心しましょう。

※霜取り運転が頻発する時の対処

エアコンの暖房をつけている際、霜取り運転が頻発すると電気代に影響が生じてしまいます。上述のように、霜取り運転中は一時的に暖房運転がストップするため、室温が下がってしまいます。したがって、霜取り完了後、再度暖房運転に切り替わった時には、室温を上昇させるためにフルパワーで稼働することになるのです。

霜取り運転の頻発は、部屋の中で寒さを感じるだけでなく、電気代の節約にも悪影響を与えるので、出来るだけ少なくした方が良いです。熱交換器に霜がつきやすいのは、外気温が極端に下がった寒い日です。この場合、エアコンがフル稼働することになるため、冷たい空気を大量に吐き出すことから、熱交換器に霜がつきやすい状態になるのです。これを防ぎたいなら、エアコンの設定温度を1~2℃程度下げてみましょう。そうすると、霜がつくスピードが抑えられるため、霜取り運転の回数も減ります。

なお、室外機に霜が発生する理由としては、室外機周りが片付いていないケースも多いです。例えば、室外機の前に植木などを置いている…という場合、室外機から噴出された冷たい風が障害物に当たり、再び室外機に吸い込まれてしまい霜が発生しやすくなるわけです。エアコンの室外機周りは、何も置かずに常に片付いた状態にする方が、光熱費の削減にもつながります。

エアコンのメンテナンス不足

暖房に限らず、冷房の場合も同じですが、エアコンの効きが悪い…という症状が出た時には、本体のメンテナンス不足が原因になっているケースも多いです。例えば、以下のような事が原因となり、暖房が効かない…となることがあります。

フィルターやエアコン内部のお掃除不足

エアコン内部やフィルターにホコリなどの汚れが溜まった状態で放置すると、空気の循環がスムーズにいかなくなるため、エアコンの効きが悪くなってしまいます。したがって、暖房をつけているのに寒いな…など、暖かい風が出ていないのではないかと疑問に感じた時は、エアコンの汚れについて確認してみましょう。エアコン内部の汚れが原因で効率が落ちている場合は、内部の掃除をすることで問題を改善できる場合が多いです。

なお、エアコンの室内機に関しても、フィルターの掃除を怠ることで、効率が悪くなってしまう場合があります。エアコンのフィルターは小まめに掃除してあげることで、暖房・冷房効率の維持が可能なので、定期的に掃除するようにしましょう。
なお、室外機や室内機の内部まで綺麗に掃除するのは、一般の方では難しいです。一部、機器の分解が必要になる場面がありますし、知識がないまま作業を行ってしまうと、故障させてしまう恐れがあるのです。したがって、年に1~2回程度はエアコンクリーニングの専門業者に掃除を依頼するのがおすすめです。

室外機周りの問題により不具合が生じる

エアコンの暖房が効かない…というケースでは、暖かい風を吹き出す室内機側の問題ではなく、室外機に何らかの不具合が生じているケースも多いです。室外機は、エアコンが空気の温度調節をするための重要な機器であるため、ここに問題が生じれば暖房効率が大きく落ちてしまうのです。

室外機については、以下のような点に問題がないか確認してみましょう。

  • 室外機周りの障害物
    先程ご紹介したように、室外機の周囲に空気の流れを遮る障害物があると、空調効率が悪くなります。室外機の前に植木や自転車などを置いている場合、それらを移動させて、室外機周りの空気の流れを確保しましょう。
  • 室外機に霜がついている
    室外機内に霜が発生しているとエアコンが正常に作動できなくなります。そのため、エアコンには霜取り機能が搭載されているのです。なお、外気温が極端に寒いわけではないのに霜が発生する、頻繁に霜が発生するという場合、機器の不具合の可能性があるので、専門業者に点検してもらうのがおすすめです。
  • 室外機が雪に埋もれている
    冬場の積雪量が多い地域は、室外機が雪に埋もれていないか確認しなければいけません。雪に埋もれてしまい、空気の流れが遮られてしまうと、暖房が機能しなくなります。また、本体の故障原因にもなるため、室外機周辺は小まめに除雪しましょう。なお、積雪量が多い地域は、雪の影響を受けにくくするため、高い位置に設置しておくのも良いでしょう。

エアコンの故障

エアコンの暖房が効かない…というケースでは、当然、本体の故障が原因の場合もあります。エアコンの寿命は、一般的に10年程度と言われているため、8年程度経過したエアコンの場合は、経年劣化により本体に不具合が生じてもおかしくありません。

特に、暖房や冷房などが効かない…というケースでは、冷媒ガスが漏れていて、温度調節ができなくなっている…というケースが考えられます。冷媒ガスは、室内機と室外機をつなぐ配管内に充填されているのですが、何らかの理由でこのガスが漏れてしまうと、暖かい空気も冷たい空気も出なくなってしまうのです。冷媒ガスの漏れは、地震などの影響で室外機が動き、配管に隙間が生じてしまう…というケースが多いです。比較的大きな揺れを感じた地震の後に、エアコンの調子が悪くなったのであれば、冷媒ガスの漏れが考えられるので、専門業者に相談しましょう。

外気温が極端に低い

外気温が極端に低くなっている時は、エアコンの暖房機能が十分に発揮できないことがあります。寒冷地などで、エアコンだけでなく、ストーブなどを併用するお宅が多いのは、エアコンだけで室内を十分に暖めることが難しいという理由があるようです。

例年の冬であれば、そこまで気温が下がらないという地域でも、数年に一度程度は、極端に気温が下がる日もあります。このような時は、エアコンだけに頼らず、他の暖房器具も活用しましょう。

エアコンの暖房が効かない時の対策は?

冬の寒い日にエアコンの暖房が効かない…となった場合、何が原因で部屋が暖かくならないのかを突き止める必要があります。そして、暖房が効かない原因ごとに適切な対処をすると良いでしょう。

ここでは、暖房が効かない時、原因別の対処法をご紹介していきます。

エアコンの設定などが原因の場合

先程ご紹介したように、エアコンをつけているのに暖房が効かない…なんて時でも、機器の故障などではなく、単純に設定方法が悪い場合も少なくありません。このような場合、以下のような対処をすると良いです。

風向きが問題の場合

暖房の暖かい空気が直接あたるのが嫌だ…と感じる方の中には、風向きルーバーを上向きにしている方もいます。この場合、「暖かい空気は上昇する」という特性上、人が過ごす床付近が暖かくならず、暖房が効かない…と感じてしまう可能性があるのです。

したがって、この時の対処は、風向きルーバーを下むきもしくは自動に設定しなおすと良いです。そうすると、床に向けて暖かい空気が吐き出されるので、床付近にも暖かい空気が行き渡り、快適な環境になるはずです。

サーキュレーターを利用する

エアコンの暖かい空気を部屋全体に満遍なく循環させたいなら、サーキュレーターを併用して、室内の空気に流れを作ると良いです。特に、吹き抜けのある場所や広い部屋の場合、風向きルーバーの調節だけでは、すみずみまで暖かい空気が行き渡りにくいです。サーキュレーターで空気の流れを作ってあげれば、室内の温度を一定に保ちやすいです。

その他の設定について

上記以外にも、自動でエアコンを切るお休みモードを停止する、風量が「弱」などになっているのなら自動に設定しなおすなど、効率的にエアコンが稼働できるように設定情報を見直すと良いです。

特に、近年では、電気代の節約のため、温度設定を極端に低くする方もいるのですが、エアコンが効かない…と感じるレベルに温度設定をさげては意味がありません。節約も大切ですが、家族が快適と感じられる環境を作るためにも、温度設定はもう一度見直すと良いでしょう。

建物の性能が原因の場合

暖房効率は、建物性能も大きく関係します。最新モデルのエアコンを設置したとしても、住宅側の気密性・断熱性が悪ければ、暖気が外に逃げてしまうため、暖房の効きが悪いと感じてしまうのです。

建物の性能が問題の場合、いくつかの方法で対処が可能です。

窓部分の簡易的な対策

築年数が経過した住宅の場合、窓部分の気密性・断熱性の低さが暖房効率の悪化に影響を与えている可能性があります。例えば、窓の隙間から冷たい空気が侵入しているという状況の場合、暖房で室内の空気を温めたとしても、冷気を感じてしまうことになるでしょう。また、窓ガラスは、外気に触れて冷やされてしまうことから、この部分から暖気が逃げてしまう可能性も高いです。窓部分の対策としては、以下のような点に注意すると良いです。

  • 窓やドアに隙間テープを貼る
    ホームセンターなどでは、窓用、ドア用の隙間テープが販売されています。これを設置しておけば、窓やドアから冷気が侵入しにくくなるので、暖房の効きが良くなります。
  • 厚手のカーテンで冷気を遮断する
    大きな窓は、それだけ暖気が逃げていく量も多くなります。したがって、暖房効率を考えた時には、厚手のカーテンを設置することで冷気を遮断するという対策が重要になります。なお、カーテンで冷気の遮断を考えた時には、カーテンの丈に注意してください。窓を完全に覆うことができる長さでなければ、隙間から冷気が侵入します。
  • 窓ガラスに断熱シートを貼る
    最近では、窓ガラスに貼り付けるタイプの断熱シートなども販売されています。後述する本格的な方法よりは効果が薄いですが、窓から暖気が逃げていくことを防止してくれるので、暖房の効きが改善する可能性があります。コストをかけたくないなら、見栄えは悪くなりますが、窓に梱包材のプチプチを貼り付ける方法も、断熱対策に有効です。

隙間テープやカーテンは、住人さん自身で対処が可能です。ホームセンターやネット通販を利用すれば、窓やドアの冷気対策グッズが販売されているので、それらを利用すると良いでしょう。

リフォームによる根本対策

エアコンの暖房の効きが悪い時、その理由がエアコンにあるのではなく住宅そのものの性能という場合、断熱リフォームなどの根本対策が最も効果的です。エアコンがいくら良い製品だとしても、気密性に問題があり隙間風が入ってくる、断熱性が悪くすぐに冷やされる…という状況では、どうしても暖房の効きは悪くなってしまいます。このような場合、空調コストも高くなるため、中長期的に見ると、かなりのコストを損する可能性が考えられるのです。したがって、暖房の効きの悪さの原因が住宅の性能と考えた時には、以下のようなリフォームによる対策を検討すると良いです。

  • 二重窓リフォーム
    二重窓は、既存窓の内側にもう一枚窓を設置して、二重の状態にする方法です。二重窓になれば、隙間風も吹き込みませんし、ガラスとガラスの間に空気層ができることで、高い断熱性が得られます。また、室内側の窓ガラスは、外気に直接触れなくなるので、極端に冷やされることがなくなり、結露の発生も防止できます。
  • 断熱ガラスに交換する
    二重窓は、非常に高い性能が期待できるものの、窓の利便性が下がるというデメリットがあります。したがって、窓の断熱対策として、ペアガラスなど、断熱性の高い窓ガラスに交換するという方法もあります。
  • 住宅全体の断熱対策
    築年数がある程度経過した住宅の場合、家そのものの断熱性が心もとない…というケースもあります。この場合は、家全体の断熱リフォームを施すと良いです。例えば、壁の中に断熱材を設置する、先ほど紹介した窓の断熱リフォームを施すなど、住宅各所の断熱対策を進める方法です。なお、リフォーム工事はどうしても大掛かりになるので、コストはかかります。

暖房の効きが悪い…と感じる場合、家そのものの断熱リフォームで問題を解決することも可能です。近年では、住宅の省エネ性を高めるため、断熱リフォームに対しては手厚い補助金が交付されるようになっています。もちろん、補助金を利用するにはいくつかの条件を満たさなければならないため、全ての人が使えるわけではありません。

自宅の断熱リフォームに補助金が使えるか気になる…という方がいれば、お気軽に悠建設までお問い合わせください。

メンテナンス不足が原因の場合

先程ご紹介したように、エアコンは、フィルターや室外機内部のメンテナンスを怠ってしまった場合、効率が落ちて暖房の効きなどが悪くなります。したがって、この部分の対策としては、定期的にフィルター掃除などのメンテナンスを行うという方法が有効です。

フィルターの掃除方法

エアコンフィルターは、室内機の前面パネルを開ければ、取り外しできるので、定期的にホコリの除去などの掃除をしてください。

手順としては、エアコン本体から取り外し、掃除機を使って汚れを吸い取ってください。その後、お風呂場のシャワーで水洗いすると良いです。水洗いする時は、目詰まりしないように裏面からシャワーをかけ、歯ブラシなどで優しくこすり洗いすると良いです。長期間、フィルターの掃除を怠っていた場合、頑固な汚れが付着している可能性があるのですが、この場合は、台所用の中性洗剤などを利用して洗いましょう。

綺麗に洗ったら、水気を切り陰干しで乾かしてください。完全に乾いたら、エアコン本体に取り付ければ完了です。

室内機本体のお掃除

エアコンのお掃除は、フィルターだけすれば良いと考えられがちですが、本体カバーや風向きルーバーも定期的にお掃除してあげましょう。というのも、これらの部分には、ホコリがたまりやすく、放置するとフィルターの目詰まりに直結してエアコン効率を悪くする可能性があるからです。

みえる部分は軽く水拭きして、内部の埃は100円均一などで販売されている、隙間用の埃キャッチャーなどを利用すると良いでしょう。

エアコン内部のお掃除は専門業者に依頼する

エアコン内部は、一般の方が掃除するのは難しいです。一部、本体の分解などが必要になるため、知識がない人が無理に作業を行うと、機器の故障につながってしまう可能性があります。

専門業者によるエアコンクリーニングは、年1回程度でも構わないので、定期的に行うようにしましょう。一般的な壁掛けタイプのエアコンの場合、1回のクリーニング費用の相場は8,000円〜10,000円程度とされています。ただ、お掃除機能付きの機種はもう少し高くなるなど、設置している機種によって費用が変わるので、詳しくは見積りをとってみると良いでしょう。

※「お掃除機能付き」エアコンの注意点

昨今のエアコン業界では、お掃除機能付きのエアコンが人気になっています。ただ、このお掃除機能付きエアコンについては、その機能を過信しすぎている方が多いので注意が必要です。現在、お掃除機能付きエアコンを設置している方で「お掃除機能付きだからエアコンのメンテナンスは不要」と考えているのであれば、大きな間違いです。

実は、ほとんどのお掃除機能付きエアコンにおいては、自動で掃除してくれるのはフィルターのみとなっています。つまり、エアコンの内部には徐々に汚れがたまってしまうため、お掃除機能付きの機種でも、お手入れは必須だと考えなければならないのです。

エアコンを買い替える

長年使用しているエアコンの場合、経年劣化により暖房効率が低下している可能性もあります。したがって、先ほどご紹介したような設定変更やメンテナンスなどの対処を行ったとしても、症状が改善されない…という場合は、エアコンの寿命が考えられるため、買い替えを検討しましょう。また、あまり考えられませんが、そもそも部屋の広さに見合ったエアコンの性能ではない…という場合も、暖房が効かない…と感じてしまう可能性があるため、買い替えが良いでしょう。例えば、後から壁を撤去して二つの部屋を一部屋に統一した…なんて場合は、エアコンの性能が足らなくなる可能性が高いです。

買い替えを検討すべきエアコンの症状

以下のような症状がエアコンに生じている場合、買い替えを検討しましょう。

  • エアコンから風が出なくなった
  • 室外機が動かなくなった
  • ランプが点滅して作動しない
  • 風は出るけど、暖かくも冷たくもない
  • 異音や振動が大きくなった

上記のような症状が出ている場合、エアコン本体の故障の可能性が考えられます。購入してまだ5年以内のエアコンの場合、保証なども残っていると思うので、修理で対応することも可能です。ただ、8年以上経過したエアコンの場合、修理してもすぐに別の不具合が生じてしまう可能性が高いため、買い替えがおすすめです。

まとめ

今回は、エアコンの暖房運転をさせているのに、部屋の中が寒い…となってしまう原因とその対策について解説しました。

エアコンの暖房の効きが悪いと感じた場合、多くの方は機器の故障を疑ってしまうのではないでしょうか?しかし実は、暖房が効かないと感じる場合d芽生、機器の故障ではなく設定情報が間違っていたり、メンテナンス不足に陥っているなどさまざまな理由が考えられるのです。特に昨今では、電気代の高騰問題などを受け、空調にかかるコストを可能な限り削減したいと、無理に設定温度を下げたり、風量を「弱」で運転したりする方がいます。当然、最適な運転方法を選べていない場合には、暖房や冷房の効きが悪いと感じてしまうでしょう。

なお、エアコンの効きについては、住宅そのものの性能が関係している場合も多いです。昨今の新築住宅は、気密性、断熱性が注目されるようになっていることから、高性能な住宅に仕上がっているケースが多いです。しかし、築年数が経過した住宅の中には、断熱・気密の対策が施されておらず、暖めた空気が外気の影響を受けてしまい、すぐに冷やされる…なんてことになっている場合もあるのです。このようなお宅の場合、エアコン側を操作しても意味がなく、住宅側に対策を施す必要があると考えてください。

悠建設広報のM

悠建設のサイトでは当社の有資格者の監修のもと皆様の家創りにとって有益な情報を配信しております。 以下、各種許可、資格となります。

  • 一級建築士 3名
  • 二級建築士 1名
  • 二級福祉住環境コーディネーター 1名
  • 宅地建物取引士 1名
  • 二級建築施工管理技士 1名
  • 建築物石綿含有建材調査者 2名
  • 既存建物耐震診断士 2名