高温多湿の気候である日本では、部屋の中にカビが発生してしまうことに悩む方がたくさんいらっしゃいます。インターネットでカビについて検索してみると、新築して一年以内に部屋の中にカビが発生してしまい、建築業者とトラブルになっている…なんて体験談を見かけることも珍しくありません。そのため、これから憧れのマイホーム購入を検討している方の中には、「部屋のカビ対策は何をすれば良いのか?」「カビが発生しにくい家を建てることはできるの?」などのように、部屋のカビ対策に重点を置いた家づくりを進めたいと考えている人も少なくないと思います。

部屋の中にカビが発生してしまうと、見た目が悪くなるなどの景観的な問題だけでなく、そこに住む人の健康にも悪影響を及ぼす可能性があると言われています。さらに、部屋の中でカビが広範囲に発生した場合には、それを除去するために高額なカビ取り費用やリフォーム費用がかかってしまうことになります。

そこでこの記事では、高温多湿でカビ被害の可能性が高い日本において、カビが発生しにくい家にするためには、何に注意すべきかを解説します。記事内では、部屋の中でカビが発生しやすくなる要因や、そもそもカビが発生しやすいのはどのような条件なのかについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。ちなみに、「部屋にカビが生える!」と聞くと、多くの方は梅雨時期の5~7月が危険と考えてしまいますが、実は日本という国は、一年中カビ対策が必要な環境だという点も忘れないようにしましょう!

部屋にカビが発生した場合に考えられる弊害とは?

それではまず、毎日、長い時間を過ごしているマイホームにカビが発生した時に考えられる弊害についてご紹介します。部屋の中や住宅の外壁などにカビが発生した時には、見た目が悪くなるな…程度の問題と捉える人もいます。しかし、住宅でのカビの発生は、見た目だけでなく、人の健康に悪影響を与えるなど、重大な問題に発展することもあるのです。

ここではまず、部屋の中にカビが発生した場合の、代表的な弊害をご紹介します。

人の健康被害

部屋の中にカビが発生した場合、そこに住む人の健康に悪影響を与える可能性があります。

カビは、一見すると壁などの張り付いているだけで、見た目上の問題はあれど、そこに住む人には大きな影響を与えないと感じてしまいます。しかし、カビは自分たちが増殖していくために、空気中に胞子を飛散させています。また、カビの死骸なども空気中を漂うようになりますので、それを人が吸い込んだ時には、呼吸器に関連する健康被害の可能性が指摘されているのです。例えば、小さなお子様の喘息やアレルギー、高齢者の方であれば肺炎などの危険性が高くなります。

実際に、外出中は何の問題もないのに、家に帰宅すると鼻水、くしゃみ、目のかゆみや皮膚の発疹など、アレルギーのような症状が出てしまう…なんて経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?これは、部屋にカビが繁殖し、先ほど紹介したような胞子などが空気中に浮遊していることが原因かもしれません。特に、免疫力が低くくなっている人は、カビによる健康被害が深刻化することもあるため、カビを発生させない、発生した場合は速やかに対処することが大切です。

参考:東京都保健医療局資料より

住環境が悪化する

自宅にカビが発生した時には、見た目に悪影響を与えるだけではありません。実は、部屋にカビが発生した場合には、住環境そのものが悪くなるという弊害が生じるのです。

例えば、カビの問題として「嫌な臭い」が指摘されるケースは非常に多いですよね。これからも分かるように、部屋の中にカビが繁殖してしまうと、カビ特有の不快な臭いが充満してしまうことになり、家の中にいると空気の汚れを感じて不快な気分になる方が多いです。当然、家の空気を不快に感じるということは、マイホームで過ごす時間の質を低下させることを意味しますし、日常生活の快適性を著しく悪化させてしまうことでしょう。

この他にも、住宅に使用されている建材がカビの影響で早期に傷んでしまうなど、想定よりも早く建物の老朽化が進むといった問題も発生します。

余計な出費が発生する

家にカビが発生するということは、それを除去するために手間も時間も、費用も掛かるという弊害が発生します。まだカビが小さい時に発見できれば、ドラッグストアなどでカビ取り剤を購入し、住人自身が対応することもできます。ただ、この場合でも、カビ取り剤の費用や作業のための手間と時間はかかってしまいます。

これが、専門業者にカビ取りを依頼しなくてはならないほどカビの繁殖が広がってしまうと、安くても数万円~、高ければ100万円以上のコストがかかってしまうことになります。なぜなら、カビは完全に除去することが難しい場合もあり、部屋全面のクロスを張り替えなければならなくなる…、外壁の塗装をやり変えなければならなくなる…なんて状況が考えられるからです。家は、定期的なメンテナンスが必要不可欠ではあるものの、カビ被害が発生すれば想定よりも早くメンテナンスをしなければならなくなります。つまり、中長期的に見れば、大規模メンテナンスの回数が増え、総額で考えると数百万円単位の出費になっていた…なんてこともあるのです。当然、それだけの出費になれば、家計に多大な影響が出てしまうでしょう。

この他にも、大切な衣服にカビが移ってしまい、買い替えが必要になる…など、本来不必要だった出費がたくさん生じるなどの弊害が考えられるのです。

そもそもカビが発生しやすい条件とは?

カビは、微生物の一種であり、一般的に湿度の高い場所や有機物質(木材、食品、紙など)がある場所で発生、増殖すると言われています。住宅で発生するカビは、表面に緑色や黒色、白色、青色などの斑点や模様を作りだすものが多く、アオカビやクロカビ、アカカビ、コウジカビなどの繁殖が多いです。

それでは、住宅やそこに住む人にさまざまな悪影響を与えるカビは、どのような条件で発生、繁殖するものなのでしょうか?カビの発生条件を理解しておけば、発生させないための対策が自ずと分かりますので、ここではカビが発生しやすくなる条件をご紹介します。

カビが繁殖しやすい条件について

高温多湿の気候である日本は、カビの発生に注意しなければならないという話をよく耳にすると思います。毎年、梅雨時期になると、カビの発生防止グッズやカビ取り剤などがドラッグストアに並ぶこともあり、湿度がカビの発生条件に関係しているということは多くの方が理解していると思います。

実際に、カビの発生、繁殖条件は、湿度と気温が関係しています。そもそも、私たちが生きていく上で欠かすことができない空気の中には、常にカビ菌が浮遊しています。そして、繁殖条件が整った時、一気に繁殖を始め、人間の目に見える程度にまで増殖するのです。人は目に見えて「カビが生えた」という状態になるまで気づきませんが、カビの発生原因であるカビ菌は、常に近くにいるためしっかりと対策を行わなければならないのです。
それでは、カビが繁殖しやすい条件とはどのような条件なのでしょうか?一般的には以下のような条件とされています。

  • 湿度が70%以上(60%以上から活発に活動、80%以上で一気に繁殖)
  • 気温が15~30℃(25~28℃が生育に最適とされる)
  • 栄養分がある(食品の食べカス、ホコリ、汚れ、ダニなどの有機物)

カビ菌の種類によって微妙に変わりますが、基本的に上記の条件をカビが好むとされています。この3つの条件をすべて満たした場合には、爆発的にカビが増殖する恐れがあるので注意が必要です。

カビ対策は一年中行わなければならない?

皆さんは、カビ対策が必要になるのはどの時期だと思いますか?日本の夏は、高温多湿になることから、梅雨時期から夏の終わりにかけて、カビの繁殖に非常に適した条件が整いやすいです。実際に、梅雨時期になると「湿度の高い梅雨時期はカビ対策が必要!」などとテレビなどで特集されることもあり、5~7月の梅雨時期だけしっかりとカビ対策を行えば良いと考えている方が多いです。

しかし実は、昨今の住宅事情を鑑みた場合、カビ対策が必要なのは梅雨時期だけではないのです。現在の新築業界では、高気密高断熱住宅が人気になっているように、家の通気性はどんどん悪くなって行っています。建築技術の向上により、部屋の密閉度はどんどん向上していて、本来は湿度が低くなりカビの心配が少なくなるはずの冬場でも、家の中に関しては、暖かくて結露が発生するぐらい高湿状態が保たれている住宅が増えているのです。

つまり、現在の住宅に関しては、カビ対策が必要になるのは梅雨時期だけでなく、ほぼ一年中カビが生えやすい条件が保たれるようになっていると考えなければならないのです。特に、乾燥する冬場に、加湿器などを焚いている方の場合、人にとってだけでなくカビにとっても快適な環境になっている恐れがあります。

家の中でカビが発生しやすい場所はどこ?

カビが、発生、繁殖しやすい条件がわかれば、家の中のどの部屋が危険なのかもある程度想定できるはずです。以下で紹介する部屋は、カビが発生する条件が整いやすい場所となるので、日々の生活の中で重点的にカビ対策を行う、もしくは新築時やリフォームの際に「カビが発生しにくくなる対策」を施すのがおすすめです。

水回りに近い部屋

カビは、湿度が高い場所を好みます。つまり、水を多く利用する場所は、それだけカビの発生リスクが高くなるのです。

例えば、浴室や洗面所、キッチンなどは、毎日多くの水を利用しますので、これらの場所はカビの発生リスクが非常に高くなります。また、これらに近い部屋も、湿気が届くため湿度が高くなりやすい傾向にあり、カビの危険性が高くなります。
浴室などは、入浴の際にドアの開け閉めにより、湿気が外に出て、近くの部屋にまで達する恐れがあるからです。

換気がしにくい、換気不足に陥りやすい部屋

換気がしにくい、または換気不足に陥りやすい部屋は、カビの発生に注意が必要です。

例えば、納戸のように窓がなかったり、部屋の中に窓が少ないなどの条件の場合、換気が不十分になりやすいです。このような部屋は、空気の循環が悪くなるため、湿気がこもりやすくなってしまうのです。

カビは、高湿状態で栄養分がある場所で発生しやすいため、湿気がこもりホコリが溜まりやすい部屋や家具の隅などがカビの発生リスクが高くなります。

日当たりが悪い部屋

日当たりが悪い部屋も、カビが繁殖しやすい条件が整いやすくなるので注意しましょう。日光が直接届きにくく、一日中日陰になるような部屋は、湿気が蒸発しにくくなるため、高湿状態が保たれやすくなるからです。一般的に、南向きの家は日当たりが良く住みやすいと言われますが、北側に面する部屋や外壁は、カビが非常に発生しやすく、カビ対策やカビ取りに頭を悩まされる…なんてことが少なくありません。

この他にも、日光に含まれる紫外線は、カビの弱点になるとされています。日当たりが良い場所は、日光が自然の消毒剤として機能するため、カビの成長を抑制してくれるとされています。日当たりが悪い部屋は、その消毒効果も得られないため、カビが発生しやすくなるわけですね。

通気性が悪い部屋

換気しにくい部屋と混同しがちですが、この条件は、押し入れやクローゼットなど、狭くて密閉されがちな場所を指しています。こういった場所は、空気の流れがどうしても制限されることになります。

押入やクローゼットの中でも、開け閉めする頻度が少ない場合は特に注意が必要です。例えば、布団などをしまう押入は、布団が湿気を含んでいて、開け閉めされないことから余計に湿気がこもりやすくなるという悪循環が起きやすいです。この場合、押し入れやクローゼットの中にある、衣服や家具、布団などもカビの被害を受けてしまいます。

結露が発生しやすい部屋

冷暖房を使用した時、頻繁に結露が発生するような部屋は、カビ被害のリスクが非常に高いので注意しましょう。このような部屋は、窓や外壁の断熱性が不足している可能性も高いので、省エネの面でもデメリットが大きいです。

結露は、窓付近が水で濡れてしまうため、掃除の手間がかかる程度の問題と思ったら大間違いです。結露によって生じる水分は、カビの発生を促進してしまいますし、最悪の場合、木材を腐食させてシロアリの繁殖を招いてしまう恐れがあります。家の中で、冷暖房使用時に結露しやすい部屋があれば、何らかの対策が必要と考えましょう。

日常生活の中でカビの発生を防止するためのカビ対策とは

それではここからは、カビの発生に悩まなくても良いようにするため、部屋のカビ対策について解説します。まずは、日常生活の中で意識しておきたい、部屋のカビ対策から取り入れやすいものをご紹介していきます。

カビ対策1 湿度管理をする

上で紹介したように、カビは、湿度が70%を超えるような高湿状態を好んでいます。つまり、このような高い湿度環境になるのを防ぐことが、有効なカビ対策になるのです。特に、梅雨時期や夏場は、家の中で水を使っていない状況でも、高い湿度環境になってしまいます。したがって、このような時期は、エアコンの除湿機能や除湿機、除湿剤などを利用して、40~60%程度の湿度を維持するようにしましょう。

なお、キッチンや浴室などの水回りに関しては、特に湿度コントロールが大切です。換気扇なども利用しながら、湿度がこもらない環境を作ることが重要です。なお、押し入れやクローゼットなどについては、小まめに開閉して湿気を逃がす、ドラッグストアなどで販売されている除湿剤を設置するなどして、中に湿気がこもらないようにすると良いでしょう。可能であれば、サーキュレーターで強制的に風を通すといった対策を小まめに行うと良いでしょう。

カビ対策2 小まめな換気

「小まめに換気する」という対策は、カビ対策だけでなく、住宅内で発生するさまざまな問題を解決してくれます。適切な換気を行っていれば、新鮮な空気環境が維持できるようになるため、湿気がこもりにくく、カビの発生を防ぐことができます。

換気のタイミングについては、料理やお風呂の使用後など、室内の湿度が高くなってしまうと考えられる時に、積極的に行うと良いです。こういった時に、窓を開けて風を通せば、湿気を素早く除去することができますし、嫌な臭いなどもすぐになくなります。

カビ対策3 室内干しなど、湿度が上がる行動を避ける

部屋の中で発生するカビは、そこに住む人の行動が原因となっている場合も多いです。例えば、冬場に加湿器を使用する、洗濯物を室内干しするという行為は、その周辺の湿度を高くすることになるため、カビのリスクも高くなるのです。

なんらかの理由で「室内干しをせざるを得ない」という場合は致し方ないのですが、屋外に洗濯物を干せる条件であるなら、室内干しは控えた方がカビの発生はおさえられます。もちろん、悪天候である、黄砂や花粉が心配など、屋内干しが望ましい場合もありますので、そういった時のため、乾燥機や浴室乾燥などを用意しておくのがおすすめです。

こういった設備もない家で、室内干しする場合は、風通しの良い場所を選んで湿気がこもらないようにする、除湿しながら洗濯物を乾かすなどの工夫が必要です。

カビ対策4 結露の発生を防ぐ

冬場のカビの発生は、結露により湿度が高くなって、窓周辺でカビが繁殖するというケースが多いです。逆に考えれば、この窓周辺の結露の発生を防止できれば、カビの発生も防止することができるようになります。

結露に関するカビ対策では、日常生活の中で、結露を素早く除去するという方法が考えられます。結露が発生する場所はある程度決まっていますし、小まめに確認して濡れている時はすぐに拭き取るという対策も意外に有効です。ただ、頻繁に結露を確認し拭き取るという行為を面倒に感じる人もいるでしょう。そういった場合は、市販の結露防止シートなどを使用するのも良いです。

なお、窓部分で頻繁に結露が発生する場合、二重窓にするなど、リフォームによって結露を防止するという対策もあります。

カビ対策5 通気性を考えて家具の配置を決める

このポイントは、見落としている方が意外に多いので注意しましょう。室内の空気の流れを遮ってしまう原因は、多くの場合、家具の配置が悪いことです。家具によって空気の流れが遮られてしまうと、隅の部分などに湿気が溜まりやすくなり、その部分でカビが繁殖するリスクが高くなるのです。

例えば、タンスやテレビ台などについて、壁にピッタリとくっつけて設置しているという方は、一度家の中の家具の置き方をチェックしたほうが良いです。家具を設置する際には、壁から少し離して設置するようにして、空気がきちんと流れるようにするのが良いです。空気の流れが遮られない場合、湿気もこもらなくなりますので、隅っこでカビが発生するのを防ぎやすくなります。

ちなみに、家具ではありませんが、室内に不要な物が散乱している状態は、カビ発生のリスクが高くなります。衣服や新聞、雑誌などが室内に散らかっている場合、それが空気の流れを妨げ、湿気がこもる要因となり得ます。したがって、不用品は定期的に処分して、部屋の中をすっきりさせ、空気が流れやすくすることもカビ対策として有効です。

カビ対策6 小まめな掃除

上で紹介したように、カビの発生、繁殖条件には、温度や湿度だけでなく、「栄養分が存在する」ことも関係します。つまり、カビは、栄養となるものがなければ、温度や湿度条件が整っていたとしても、発生しにくくなるのです。

カビは、食品の食べカス、ホコリ、汚れ、ダニを栄養源として発生します。したがって、日々の生活の中で小まめに掃除して、カビの栄養源がなくなるようにすることが、非常に効果的なカビ対策となるのです。特に、湿度が高くなりやすい、キッチンや浴室などに関しては、丁寧に掃除をして、カビの発生要因を除去するようにしましょう。

なお、浴室や洗面台などに関しては、使用後に飛び散った水を拭き取っておくといった行為が、非常に有効なカビ対策となります。

家づくりの際にできるカビ対策とは

日本国内に建築する住宅は、高温多湿な環境にある、家の中で水をたくさん使用するといったことが要因になり、どうしてもカビが発生しやすい環境になってしまいがちです。日常生活の中で、上述したような対策を念頭に置いておけば、ある程度はカビの発生を防止することも可能だと思います。しかし、きちんとカビ対策をしているつもりでも、いつの間にか部屋の中にカビが発生してしまう…なんてことも珍しくありません。

日本の住宅は、「カビ被害の可能性が高い」ということがあらかじめわかっているわけですので、生活の中でカビ対策を検討するだけでなく、家を建てる段階で「カビを発生させないようにするには?」という視点を持っておくことも大切です。

ここでは、新築時に可能なカビ対策についてもご紹介しますので、これから憧れのマイホーム購入を検討している方は、ぜひ押さえておきましょう。

カビ対策1 結露防止対策をしっかりとする

住宅のカビ対策では、結露が発生しにくい家を作ることが大切です。結露は、窓や壁に水滴が付着する現象ですが、この水が原因となりカビが発生するのです。

結露の発生を防ぐためには、窓や壁部分の断熱対策が大切です。結露は、屋外と室内の気温差が大きい時、外気で冷やされた窓に、室内の暖かい空気が触れることで水が生じる現象です。つまり、室内の空気と触れる部分が、屋外の冷気の影響を受けにくくすることで、結露の発生を防ぐことができるのです。例えば、窓ガラスとして断熱性の高い複層ガラスを採用したり、二重窓の構造にするといった対策が有効です。
ちなみに、結露は「窓に発生する物」と考えられがちですが、断熱性が不十分な壁の場合、壁の表面に結露水が生じることがあります。したがって、壁の結露を防ぐには、しっかりと壁の断熱対策をすることも重要になるのです。

窓や壁の結露対策は、その部分の断熱性を高める効果も得られますので、結露を防ぐだけでなく、空調効率を高めてくれ、空調にかかる光熱費の削減効果も期待できます。

カビ対策2 湿度上昇を防ぐ設備を設置する

近年では、新築時に浴室乾燥を求める方や、専用のランドリールームを作りたいという要望を持つ方が増えています。これらの要望は、洗濯物を屋外に干さなくても済むようにしたいという考えがあるからです。こういった要望は、単に洗濯物を干すスペースが少ないからというだけでなく、花粉や黄砂を原因とするアレルギー症状に悩む方が増えていることも大きな要因です。日本では、2月頃から花粉や黄砂が飛び始め、5月頃までは黄砂と花粉に悩まされているという方も多いです。そして黄砂がある程度落ち着けば、悪天候が続く梅雨に入るなど、屋外に洗濯物を干したくない季節が意外に長いのです。

ただ、上で紹介したように、洗濯物の室内干しは、部屋の湿度を高めてしまうことになり、カビの発生を誘引してしまうリスクが高くなります。したがって、室内干ししたとしても、カビに悩まなくても良いようにするため、浴室乾燥やランドリールームの設置が非常におすすめなのです。これらの設備・間取りは、カビ対策だけでなく、屋外に洗濯物を干すことで生じる様々な弊害も防止してくれます。

関連:黄砂の対策は何をすれば良い?黄砂アレルギーに悩まないで良い家を作るための対策をご紹介!

カビ対策3 空気の流れがスムーズで水の影響を受けにくい間取りにする

部屋のカビ対策を考えた時には、湿気がこもらないように、家の中の空気がスムーズに流れるよう、ドアの位置や開き方、通路などを工夫しなければいけません。開放的で、空気がスムーズに流れる住環境になれば、通気性が良くなって湿気がこもりにくくなります。

さらに、湿気の発生源となるキッチンや浴室、洗面所などの水回りエリアを、リビングスペースなど他のエリアと適切に分離するという「間取りの工夫」もカビ対策には重要です。水を多く利用するエリアは、他の居住エリアと適切に分離したうえ、十分な換気設備を設けることで、湿気が他の部屋に広がっていかないようにしましょう。浴室の換気は特に重要で、強力な排気ファンの設置、窓の配置を工夫するなどといった対策で、効率的に湿気を外に排出できるようにしましょう。

意外に見落とされがちですが、新築時に間取りを工夫することで、部屋の中にカビが発生するのを防止することができるようになるのです。

カビ対策4 WB工法を採用する

現在の新築業界で、最強のカビ対策になるのではないかと言われているのが、通気断熱WB工法の採用です。WB工法で建てた家は、以下のような特徴を持つことから、カビが発生する原因となる、結露や湿気の問題を解消することができるのです。

■高気密・高断熱の住環境を実現
画像引用:WB HOUSE公式サイトより
WB工法の家は、非常に高い気密性と断熱性を実現しています。高気密高断熱の家は、日々の生活にかかる光熱費を削減できる点が人気の理由となっていますが、カビの発生を防ぐという面でも非常に有効なのです。

WB工法の家は、壁の中に通気層が設けられていて、夏場は床下から冷たい空気が壁の中を上昇することで、熱気が室内に伝わるのを防止してくれます。そして冬場は、通気口に形状記憶合金が採用されていることで、冷気を遮断することができ、室内の暖かい空気を外に逃がさないようにできるのです。WB工法の家は、壁内の空気層が断熱層として働いてくれるため、一年中快適な住空間を作り出してくれます。

■最適な湿度環境を保つため、壁が除湿してくれる
画像引用:WB HOUSE公式サイトより

WB工法の家は、壁から湿気を逃がして除湿することができます。メーカーが公表している情報によると、WB工法では、土壁の原理を応用しており、臭いも化学物質も湿気と一緒に壁を通過するようになっています。そして、この機能により、換気システムに頼らなくても、住んでいる人が深呼吸したくなるような、結露しないクリーンな環境の家を実現するとしています。

家そのものが不要な湿気を吸収し、人が快適と感じる湿度状態を保ってくれますので、カビの発生を抑えたうえで、快適な住環境にしてくれます。さらに、WB工法の家は、シックハウス症候群の原因となる有害物質や、嫌な生活臭なども自動で屋外に排出してくれますので、常に快適でクリーンな空間を維持することが可能です。

関連:通気断熱WB工法とは?WB工法のメリットはよく耳にするけど、実際のところデメリットはないの?

まとめ

今回は、住宅のカビ対策について解説しました。皆さんも、今まで生きてきた中で、部屋の中にカビが生えてしまい、それを綺麗に除去するのに困ってしまった…という経験はあるのではないでしょうか?日本は、もともと高温多湿な気候であることから、梅雨時期から夏場にかけては、カビの発生に注意しなければならないと言われています。

ただ、高気密・高断熱な住宅が求められるようになった現在では、本来はカビの発生に適した条件ではないはずの冬場でもカビ被害に悩んでしまう方が増えているのです。これは、冬場は寒いという理由で、換気不足に陥り、乾燥を嫌う人が加湿器などをたくことで、室内でカビの繁殖に適した条件が整ってしまうのが要因です。

この記事では、日常生活の中でカビの発生を防ぐための対策と、新築時に検討したいカビ対策をご紹介していますので、是非参考にしてみてください。なお、カビの発生を抑え、快適な住空間を実現したいと考えている方は、通気断熱WB工法の採用を検討してみるのがおすすめです。WB工法の詳細を知りたいという方がいれば、お気軽に悠建設までお問い合わせください。

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